ホラほらほら。。。
あっ、ほんとだー。サンタクロースだ、
サンタクロースが、いっぱい。
ワン、ワン。。。
まだまだ穢れを知らない、ちょうど五歳になるクリスマス前に。
お手伝いさんと、隣町の神楽町へ行って、
お手伝いさんが、ワンちゃんを飼うので、と話していて、
それじゃあ、一緒にいくー。
と、ワシと弟のヒカルはお手伝いさんについて行った。
父親には内緒。。。というか、ほとんど海外で、フォレスター一族の帝王学を学ばせる前の子どもには、
父親は、興味はなかったのだ。
ましてや、長男ではなく、次男三男は、スペア。
もともと、父親は、子ども嫌いで、ただの資産管理や家の道具としか、
子どもをみなしてないし、
帝王学を学ばせてからの、子どもにしか興味はなかったし。
だから。それまでは、お手伝いさんに金を渡して預けっぱなし。
父親も、わしと同様、ずるい性格で、
自分を棚に上げ、お手伝いさんは、親切で、お人好しで、安く使えるタイプを好み、
犬嫌いな父親に、犬を見に行ったのがバレたら大変だ。。。
犬と遊ぶなんて女みたいなことをするな、
あるひ、父親が帰ってきて、
テレビに犬が出ていて、
可愛い。欲しいな、見て見て、とお手伝いさんと話しているのを聞かれたら怒鳴りつけられた。
ビクッ。
普通は海外から帰ってきた父親が、しばらくぶりに子どもと再会、なんて言ったら、甘いムードが、大の大人の男でもメロメロにとろけるらしい。。?
らしい??と、断定できないのは、わしには、そんなことは、わからん。アホなドラマみたいなので、ふだんはビシッとしたビジネスマンや、男らしいライオンみたいな経営者も、
子どもには、ヘロヘロメロメロに、らしく。。。
わしは、父親というものは、子どもの頃は怖くて近づけなかったし、ピリピリした、人を寄せ付けないような、厳格なオーラは、子どもながらにも感じ取れたし。
だから、帰ってこない方が気楽だし。帰ってきても嬉しくないし。お金だけ置いといてくれたら。あとは、もう、どっかへ行ってくれと祈った。
殴るけるわけではないが。存在が暴力と言ったらおかしいだろうか。。
存在が威圧的で、、、威圧と無視の繰り返し。。?
多分。。。いない方が幸せ、
存在が威圧と無視の繰り返しの暴力。
それは。鏡のように、きっと今の自分も他の人々から見て。そうなんだろう。
まぁ。まだまだ、五歳になるクリスマス前。
神楽町へお手伝いさんの車で行って、
お手伝いさんは、
わあ。ほらほら、やっぱり、そうだろー、
僕の言ったとおり
「ほんとだー、クライド、すごーい、すごーい、サンタクロースの赤ちゃんがいっぱい」
キャッ、キャッ、ひかるは、
その犬達を見て喜んだ。犬やの主人は、そのサンタクロースみたいな犬によく似ていて、
「うちも、孫がいましてね。孫は、嫁の実家に遊びに行ってるんですが、多分、坊ちゃんたちと一緒ぐらいな歳かなぁ〜」ニコニコ、
その犬みたいなおじいさんは、ひかるとわしに、犬と遊ばせてくれた。
あっ。。。いつだったか、、、このサンタクロースみたいな犬、、、この子達は、ねずみ色だけど。
白い子。。。多分。あの子は白い子のお犬さんの家のこ、サン太って白い、
この、赤ちゃんなのに、サンタクロースみたいな幸せなワンちゃんのお店の子なんだろう。。でも。
この、ねずみ色の小さなサンタクロース達も可愛いな。
小さなサンタクロース達は、あらそうように、わしとひかるに。じゃれついてとびまわっていた。
これからだんだん寒くなるというのに、冬の陽だまり。。
陽だまりのようににっこり暖かな日だった。
お手伝いさんは、オスかメスか、すっかり忘れていたが。一匹のサンタクロースを、契約していたらしく、
受け取っていった。「孫のクリスマスプレゼントなんです。わたしも、もう、あと何年生きられるかわかりませんが、だから、最愛の孫に最高のクリスマスプレゼントを、と主人とお金を出し合って、買うことにしましたわ。」お手伝いさんは、ニコニコしていた。
お手伝いさんの受け取った
一匹の小さなサンタクロースは、家族と別れるのが、さみしいのか。クーン、クーン、クーンと鳴いていた。
どうも、親らしき犬が、見送りに来た。
お手伝いさんと、ヒカルと、また、車に乗って、ウチに戻った。車に乗っていると、悲しいけど、諦めたように、しだいに犬は、ヒカルとわしにじゃれついてきた。
サンタクロース、サンタクロース
ヒカルは犬とはしゃぎ、ワシとヒカルはいぬを取り合った。
なんて。。。ある。晴れた。。。寒い日の。。寒い日のはずが、冬の陽だまり。
暖かな封印したはずな、陽だまりのような記憶が。。。
と。。。
「あれっ、、」院長先生が見ると
薄っすら。。。あの。。。クライドさんが泣いている。。。
鬼の目にも涙
シュナ坊とヴィーナスは。子供だし、どうも。クライドさんが犬嫌いらしいから、と。席を外し。また、外へ出ていきました。
クライドさんが、こんこん眠っているので、身元も知れてるし、と、後から、ミーじいさんと、木の咲じいさんも、
お大事に、と、病室をあとにしました。
それから、どれぐらいたったのかは。
はっきりわかりませんが、
クライドさんは、ゆっくり目を覚ました。
なんだか、とても幸せな夢を見ていた気がする。そんな。気がするけど、
忘れてしまった。バカだ。こんな幸せな夢を見て。ケチケチ金を使いたくないワシが、
高い金を払っても見たい夢だったようだ。いや、金で買えない夢か?
目を覚ましたら。。。大嫌いな病院だった。
頭がボーッとする。
「目が覚めましたか、クライドさん。あなたは、気を失って、路上で倒れたんですよ。覚えてませんか、」院長先生が言いました。
「や。。。。はっきりとは、、、なにがなんだか。。。。な。」
「あなたは、、、入院が必要です。」
院長先生が、言うと、
「悪いんか。。。どっか、悪いんか。。」
ブツブツ、クライドさんは、言います。
「あなたには、身寄りがありませんね、」
院長先生が、言います。
「そんなもん、おるわけない。めんどくさい、サッサと、どうにかしてくれ。わしは、どうせ。死ぬんじゃろ、」
「クライドさん、、、クライドさん、あなたは、あなたは癌です。余命宣告一年ぐらいでしょう。。。手術など、入院が必要です、、」
「死ぬんなら、
入院が必要、って、、、死ぬんなら、そんなもん、入院も、手術もいらん。死ぬんだからな。」
クライドさんは、言いました。
2019年03月01日
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