2018年10月29日
どんどん焼き
仙台のソールフード「どんどん焼き」です。
仙台のと書きましたが、実は東京の下町発祥で、
庶民というか子どもたちのおやつ、軽食です。
大正から昭和の始めにかけて生まれ、そこから全国に
広まったとのこと。1銭洋食も同じルーツです。
お好み焼きと似ていますが、
具はシンプルです。
その昔、仙台のどんどん焼きは、町内に必ず1軒くらい
どんどん焼きを出す店があり、
太鼓焼=大判焼き=今川焼と一緒にどんどん焼きを売る
本当に小さなお店です。店の中で食べるものではなく、
おばちゃんが一人で焼いていまして、
子どもたちは、1枚ちょうだいと頼むと、焼き上げたどんどん焼きを
半分に折って、薄い色付きの紙に挟んでよこします。
それを歩きながらかぶりつくものでした。
仙台のどんどん焼きは、
小麦粉を水で溶き、ベースを作ります。
この時、どろっとしていてはいけません。
たらーっと流れるくらいの水溶き具合。
ちょっと贅沢をするときは、卵を入れて一緒に溶きます。
鉄板に油を薄くひいて、油を良く延ばします。
この油を延ばす道具もあります。
次に、水溶き小麦粉をお玉で一杯掬い、
鉄板に垂らします。
すかさず、中心から外側に向けて円を描くように丸く薄く
広げていいきます。薄いというのがポイント。
ホットケーキのようではだめです。
今風に言えば、ガレットのような塩梅で粉を薄くのばします。
ここに小口に切ったネギ、紅ショウガ、あればひき肉(先に炒めておく)、
または、天かす(天玉)を散らします。
ここで、再度この具に上に水溶き小麦粉をたら〜っとかけ回します。
そして、削り節(花かつお)をどっと載せます。
熱が通り始めると、水溶き粉が白から半透明になり、
ここで裏返します。
そして、返しに使う金属製のヘラでどんどんと叩きます。
これがどんどん焼きの語源だとする説もあります。
しばらく焼いて頃合いをみてまた返し、
具の見える表側に醤油を塗って一丁上がり。
こだわる人は、醤油を塗ってからまた裏返して、
醤油の香ばしい香りを立たせます。
このくらいシンプルです。
厚みも3mmから5mmくらい。
1cmとか2cmもある大阪や、広島のお好み焼きとは別ものです。
先にガレットと言いましたが、ガレットもこのどんどん焼きと
同じ発想でしょう。具にこだわれば幾らでも盛ることができますが、
ハムや卵を載せて生地と一緒に焼いて食べるものです。
仙台のどんどん焼きは、もうすっかり絶滅危惧種となり
お店はありません。
子ども向けの駄菓子屋だった一銭コ屋でも
店先で焼いていたものですが、
もう一銭コ屋もありません。
写真は、仙台市一番町2丁目のいろは横丁にある、
なつかし屋という居酒屋で出しているものです。
これは干しえびも入っているバージョンですね。
小麦粉を焼いて醤油味で食べるという
おそろしく簡単な子どものおやつです。
お父さんには、ビール、お酒のつまみにも最高です。
簡単なので、自宅で作ってみましょう。
お好み焼き専用の金属製のヘラが一番いいのですが、
なければフライ返しでもOK。
懐かしい昭和の味で、ひょっとすると
また流行するかもしれませんね。
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