2020年06月21日
いま君に伝えたいお金の話
村上ファンドの創始者であり、一時は阪神タイガースの買収報道などで世間を騒がせた村上世彰さんの書いた一冊。個人的にこの村上さんは野球ファンだったこともあり、阪神タイガースの買収問題が世間で取りざたされたときは、メディアの報道をそのまま鵜呑みにし、金に物を言わせた成金なんだろうなー、程度の認識しかなかった。でも、株投資を始めて、この人について調べれば調べるほどその認識は変わって、凄い人なんだな、とイメージは一変した。
小学校3年生の時に父親からもらった100万円を元手に株式投資を開始。まずこの時点で凄すぎるw
その後名門・灘中学校・高等学校に進学し現役で東京大学に合格。卒業後、通商産業省(現経済産業省)に入省。もう、絵にかいたよなエリート人生ですね。その後、日本の名だたる大企業の社長らと接するも、日本の社長たちの金融リテラシーの低さに愕然とし、このままでは欧米諸国の企業に日本の企業がどんどん買収されてしまう未来に危機感を覚える。村上さんが官僚を辞めて村上ファンドを設立し、「物言う株主」になったのにはこういった背景があったんです。ホリエモンもそうですが、メディアはこういった人たちに成金みたいなレッテルを貼って潰そうとするんですよね。うーん、体質が古いんでしょう。では早速、本著の内容をみていきましょう。
◆投資家と言う仕事とは
投資家とは、何かやりたいことがあるのにお金が足りない、と言うような人や企業にお金を提供する仕事。お金は周りを巻き込み、社会を豊かにするという力がある。社会を豊かにするためには、お金が社会の中をめぐることがとても大切。稼いだお金を貯め込んでしまうと、お金の流れはストップしてしまう。お金は自由をくれるし、やりたいことをやらせてくれる。上手に使えばお金は君の幸せをサポートしてくれるし、周りの人たちを助けたり、世の中をより良い場所に変えてくれたりする。
一番大切なのは「自立して生きていくためには、お金は絶対必要である」ということ。次にやりたいことをやるには余分なお金があった方がいいということ。
◆幸せの基準
幸せの基準がしっかりしていれば、お金は君の幸せをサポートしてくれます。逆に、お金がいくらあっても、君自身に幸せの基準がなければお金はその力を発揮することが出来ない。幸せはお金の量できまるのではなく、どうやって使うかによって決まる。
◆値段が高ければいいというものではない
サンマが豊漁の年は脂がのって美味しいサンマが100円で買える。サンマが不作の年は痩せたサンマが300円で出回る。なぜなら数が少なく、希少価値が上がり市場価格も上がるから。このように値段が高ければ質も高いと決まったわけではない。自分で考え、見極めることが大事。
お金の勉強で大切なのは,正しい正解を知る事よりも、いつもそうやって自分の頭で考える習慣を身につける事。世の中は常に変化し続けていて、今の時点では正しい答えも、明日には正しい答えではなくなっているかもしれない。だからいつも考え続けなければならない。
この本を読んでますます村上さんに対する見方が変わりました。小学生の時から株投資をしていた村上さんは、日本人はまだまだお金のことに対する知識がなさすぎる、と感じているようです。村上さんだったり、インベスターZに出てくる財前君のような、小さい頃から株投資に成功し、日本を変えてくれるような子どもが増えるといいですね。
いま君に伝えたいお金の話 (幻冬舎文庫) [ 村上 世彰 ] 価格:550円 |
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