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2022年12月01日

政権批判した中国富豪が日本に避難

フォーブスが9日に発表した2022年版の中国富豪ランキングで、アリババグループ創業者の馬雲(ジャック・マー、58歳)は資産額を減らしながらも昨年に続き5位に名を連ねました。
純資産額は206億ドル(約3兆100億円)と推定されています。

中国政府が国内のインターネット大手に対する引き締めを続けるなか、馬は20年あまり前に仲間たちと創業したアリババへの関与を薄め、3年前にアリババの会長職を退いた馬は今年、グループ傘下のフィンテック大手アントグループの支配権も手放す方向です。

アリババの最新の年次報告書によると、馬はアントの直接的、間接的な持ち分を段階的に減らしていき、最終的には8.8%以下にする予定で、関係者が7月にフォーブスに語ったところによると、馬は投資持ち株会社を通じてアントの株式の50%超を握っているが、議決権の一部を井賢棟(エリック・ジン)最高経営責任者(CEO)ら同社幹部に譲渡する可能性があります。

中国の中央銀行である中国人民銀行はアントの「支付宝(アリペイ)」をはじめとする与信・決済アプリへの監督を強化しており、アントは人民銀からの要求に応じて金融持ち株会社への移行を進めています。

アントは2020年末、計画していた350億ドル規模の新規株式公開(IPO)を中国金融当局によって阻まれ、評価額は一時7割超下落して700億ドルほどに落ち込んだとみられており、アリババはアントに33%出資しており、持ち分法適用会社としています。

英紙フィナンシャル・タイムズは29日、中国電子商取引最大手アリババ集団創業者の馬雲氏が約半年前から東京都心に滞在していると報じました。
馬氏は2020年10月のイベントで中国政府を批判する発言をしたとされ、政府によるアリババへの締め付けが厳しくなった以降、活動を自粛し、表舞台から遠ざかっています。

報道によれば、馬氏は家族と共に東京に滞在しており、日本の温泉やスキー場などを訪れたほか、米国やイスラエルにもたびたび渡航、銀座や丸の内の会員制クラブで活動するなど公の目に触れる行動を最低限に抑えているようです。

清朝末期の頃、辛亥革命以前、孫文は日本に亡命していました。
馬雲氏は孫文の気持ちが痛いほど分かるのではないでしょうか。

日本の財界、とりわけ有名なソフトバンクグループの孫正義会長兼社長との深い関係から、ソフトバンク関係者が馬雲氏の生活をサポートしているように思います。
ソフトバンクグループが保有するアリババグループの有価証券評価は、経営の根幹に影響を及ぼすものがあり、決して邪険にはできません。

馬雲氏の今後はどうなるでしょうか。
中国の習近平指導体制が変わらない限り、帰国するのは難しいでしょう。
拘束されて行方不明になるのが目に見えています。
有能なビジネスマンである馬雲氏が、共産主義国家で活躍するのは、やはり限界があります。

露骨に政権批判した訳でもないのに、国を追われた馬雲氏。
中国が専制国家から脱する時は来るのでしょうか。


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