2021年09月22日
「敵対的買収」が相次ぐ理由
新生銀行は17日の取締役会で、SBIホールディングスが進める同行への株式公開買い付け(TOB)に対抗する買収防衛策の導入を決議しました。
一方、SBIは防衛策の差し止めを求める仮処分の申し立てを検討すると即座に発表、「第4のメガバンク構想」の実現を目指すSBIと、名門・日本長期信用銀行を前身とする新生銀の対立は激化しています。
新生銀が導入する防衛策は、既存株主に新株予約権を無償で割り当てる内容で、同行が予約権を強制取得する際に、一般株主には普通株を、大量買い付け者であるSBIには一定の行使制限が付いた新株予約権を交付し、SBIの株式保有比率は相対的に低下します。
新生銀はTOBへの賛否については留保、「現時点で反対ということでは決してない。中立的だが、判断する材料がない」としています。
SBIに質問状を送付し、同行が抱える公的資金をどう返済する計画なのか、「第4のメガバンク構想」に同行をどう位置付けるのかなどを評価した上で最終判断し、評価期間は30日程度で、必要なら最長30日間延長するとしています。
さらに10月25日までのTOB期間を延長し、12月8日までとするようSBIに要請することも決め、防衛策の発動には臨時株主総会を開いて承認を得る必要があるが、SBIが9月30日正午までにTOB期間を延長した訂正届出書を提出しない場合は、既存株主に対する新株予約権の割り当てを実施します。
取締役会でTOBに反対し、買収防衛策の発動を決めた場合、新生銀は臨時株主総会を開催し株主の意思を確認、臨時株主総会の招集と新株予約権の無償割当ての基準日は、10月13日に設定しました。
SBIは新生銀の発表から約2時間後、買収防衛策に基づく新株予約権の無償割当の差し止めを求める仮処分の申し立てを検討するとのリリースを出し、同行取締役の善管注意義務違反を問う法的措置も検討するとしています。
TOBの成否に関わらず、取締役選任議案などを提案する可能性もあるとし、TOB成立後の経営体制については、五味廣文・元金融庁長官を会長に起用する方針をすでに公表しています。
SBIは新生銀がTOB期間の延長を要請したことについて、「無益に時間稼ぎを行うに過ぎない、新生銀株主の利益を著しく損なうものであると受け止めざるを得ず、大変遺憾に思う」と指摘しました。
SBIは9月10日に新生銀株のTOBを開始。1株2000円で買い付け、約2割の保有比率を最大48%まで高めて連結子会社化を目指しています。
新生銀の対応策を巡っては、友好的な買収者(ホワイトナイト)として複数の陣営にも支援を打診しているものの、1株2000円を上回る価値を提示する候補者を見つける必要があるため、難しいかもしれません。
このように、上場企業に対する「敵対的買収」が相次ぐなか、ある機械メーカーと投資ファンドへの市場の関心が高まっています。
東京機械製作所は新聞を印刷する輪転機(りんてんき)のシェアで国内最大手で、投資会社アジア開発キャピタル(東証2部上場)の完全子会社「アジアインベストメントファンド」によって株式が買い集められていたことが、大量保有報告書で7月に判明しました。
アジア社側の株式の持ち分は8月16日時点で38・64%。取得目的についてアジア社は当初「純投資」としていたが、7月下旬に「支配権の取得」に変えました。
経営側は8月6日の取締役会で、アジア社側を除いた既存の株主にだけ新株予約権を与える買収防衛策「ポイズンピル」を導入、発動されればアジア社の株式の保有比率を引き下げ、影響力を薄める効果があり、経営側は10月下旬に開く臨時株主総会に提案する予定です。
アジア社はポイズンピルなどが発動された場合、差し止め請求を裁判所に申し立てるとし、経営側が8月30日に発表した子会社の土地売却は、企業価値を下げる買収防衛策「焦土作戦」に当たると主張、従業員の1割超にあたる55人の希望退職の募集についても、買収前に多額の退職金などを決める防衛策「ティンパラシュート」にあたると指摘します。
新生銀行にせよ、東京機械製作所にせよ、上場企業である以上、買収される事態は常に予測して然るべきです。
コロナウィルスの影響を受けて株価が低迷しているのはやむを得ないにせよ、割安な状態で株式が放置されているのですから、買い集められる懸念はあったのではないでしょうか。
これは買収防衛策を怠った、上場企業の怠慢と言えるものでしょう。
コロナショックは日本はおろか、世界経済に深刻な影響を及ぼしました。
財務基盤のしっかりした、優良企業の株式でさえ、今は割安に買うことができるのです。
つまり、敵対的買収が今後もしばらく続いていくことを意味していると思います。
一方、SBIは防衛策の差し止めを求める仮処分の申し立てを検討すると即座に発表、「第4のメガバンク構想」の実現を目指すSBIと、名門・日本長期信用銀行を前身とする新生銀の対立は激化しています。
新生銀が導入する防衛策は、既存株主に新株予約権を無償で割り当てる内容で、同行が予約権を強制取得する際に、一般株主には普通株を、大量買い付け者であるSBIには一定の行使制限が付いた新株予約権を交付し、SBIの株式保有比率は相対的に低下します。
新生銀はTOBへの賛否については留保、「現時点で反対ということでは決してない。中立的だが、判断する材料がない」としています。
SBIに質問状を送付し、同行が抱える公的資金をどう返済する計画なのか、「第4のメガバンク構想」に同行をどう位置付けるのかなどを評価した上で最終判断し、評価期間は30日程度で、必要なら最長30日間延長するとしています。
さらに10月25日までのTOB期間を延長し、12月8日までとするようSBIに要請することも決め、防衛策の発動には臨時株主総会を開いて承認を得る必要があるが、SBIが9月30日正午までにTOB期間を延長した訂正届出書を提出しない場合は、既存株主に対する新株予約権の割り当てを実施します。
取締役会でTOBに反対し、買収防衛策の発動を決めた場合、新生銀は臨時株主総会を開催し株主の意思を確認、臨時株主総会の招集と新株予約権の無償割当ての基準日は、10月13日に設定しました。
SBIは新生銀の発表から約2時間後、買収防衛策に基づく新株予約権の無償割当の差し止めを求める仮処分の申し立てを検討するとのリリースを出し、同行取締役の善管注意義務違反を問う法的措置も検討するとしています。
TOBの成否に関わらず、取締役選任議案などを提案する可能性もあるとし、TOB成立後の経営体制については、五味廣文・元金融庁長官を会長に起用する方針をすでに公表しています。
SBIは新生銀がTOB期間の延長を要請したことについて、「無益に時間稼ぎを行うに過ぎない、新生銀株主の利益を著しく損なうものであると受け止めざるを得ず、大変遺憾に思う」と指摘しました。
SBIは9月10日に新生銀株のTOBを開始。1株2000円で買い付け、約2割の保有比率を最大48%まで高めて連結子会社化を目指しています。
新生銀の対応策を巡っては、友好的な買収者(ホワイトナイト)として複数の陣営にも支援を打診しているものの、1株2000円を上回る価値を提示する候補者を見つける必要があるため、難しいかもしれません。
このように、上場企業に対する「敵対的買収」が相次ぐなか、ある機械メーカーと投資ファンドへの市場の関心が高まっています。
東京機械製作所は新聞を印刷する輪転機(りんてんき)のシェアで国内最大手で、投資会社アジア開発キャピタル(東証2部上場)の完全子会社「アジアインベストメントファンド」によって株式が買い集められていたことが、大量保有報告書で7月に判明しました。
アジア社側の株式の持ち分は8月16日時点で38・64%。取得目的についてアジア社は当初「純投資」としていたが、7月下旬に「支配権の取得」に変えました。
経営側は8月6日の取締役会で、アジア社側を除いた既存の株主にだけ新株予約権を与える買収防衛策「ポイズンピル」を導入、発動されればアジア社の株式の保有比率を引き下げ、影響力を薄める効果があり、経営側は10月下旬に開く臨時株主総会に提案する予定です。
アジア社はポイズンピルなどが発動された場合、差し止め請求を裁判所に申し立てるとし、経営側が8月30日に発表した子会社の土地売却は、企業価値を下げる買収防衛策「焦土作戦」に当たると主張、従業員の1割超にあたる55人の希望退職の募集についても、買収前に多額の退職金などを決める防衛策「ティンパラシュート」にあたると指摘します。
新生銀行にせよ、東京機械製作所にせよ、上場企業である以上、買収される事態は常に予測して然るべきです。
コロナウィルスの影響を受けて株価が低迷しているのはやむを得ないにせよ、割安な状態で株式が放置されているのですから、買い集められる懸念はあったのではないでしょうか。
これは買収防衛策を怠った、上場企業の怠慢と言えるものでしょう。
コロナショックは日本はおろか、世界経済に深刻な影響を及ぼしました。
財務基盤のしっかりした、優良企業の株式でさえ、今は割安に買うことができるのです。
つまり、敵対的買収が今後もしばらく続いていくことを意味していると思います。
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