2018年06月03日
「1/24 スコープドッグ」レビュー

「スケールアニメキット スコープドッグ」のレビュー、というか制作に関する備忘録ダヨ。
※正直なところ、今回は内容的に個人的な備忘録な上にやたらと長いので、読んでいてあまり楽しいものではないと思うゾ。それでもよければまぁ読んでみてやっておくれ。
さて、昨年1/100ジムスナイパーを作成してからというもの、何故かずっと陸戦型の機体(ロボット)のプラモデルが作りたくて仕方が無かった。
できれば、完成したばかりの如きピカピカな状態が似合う機体よりも、戦闘やら経年劣化等でちょいとくたびれた感じが似合う機体が良いと思っていた。ジムスナイパー制作時に色々とマテリアルを使用して楽しかった事もあり、これまで自分でやった事の無い色々な塗装方法(作業自体は基本的なんだけども)に挑戦してみたかったのだ。
ガンダムに登場するMSで言えば「陸戦型ガンダム系」やら「ザク系」「ドム系」やら一年戦争期の機体が合うのだが、別に『ガンダム』に固執する必要も無い。何か、「これは作りたい」と思えるものであれば何でも良かった。
しかしすぐに思いつかなかった為にしばらく悶々とし続けていたのだが、年が明けてしばらくしてから、ようやく作りたいと思うキットに思い当った。
装甲騎兵ボトムズに登場した「スコープドッグ」である。その中でも放送当時に㈱タカラ(現㈱タカラトミー)から発売されていた「1/24(ガンプラで言うところの1/100)」サイズのキットが作りたいと思ったのだ。
実のところ、「1/24 スコープドッグ」はバリエーション機を含んで組んだ事が無かったのである。かつて組んだ事があるボトムズシリーズのキットは「1/35(ガンプラで言うところの1/144サイズ)」と「1/60(だいたい6.5cm位)」であった。
1/35は頭部と胴体はまだしも、“腕がやたらめったら長い”上に“足が妙に太くて短い”という、所謂ゴリラ体型であった。一応手足の長さのバランスを調整するとそれなりに格好良くなるのだが、当時そんな改造ができるような技術、それ以上にキットを弄る度胸が無かったので、カッコイイとは言い難い状態のまま組んだだけだった。1/60に至っては、そんな技術も持っていないのに可動域を広げようとして思いっきり切り刻んだものの、結局組み上げる事ができずに終わってしまったのだった。
…ボトムズのプラモデルについては、なかなか苦々しい思い出ばかりのような気がするなぁ。
ちなみに1/24のキットは、
・アニメ制作当時「作画資料が無かったらコレ買ってきて組んで参考にしろ」と言われた
・当時の某模型雑誌に「プラモは改造しないのが正解の時代が来たのか?」的な事を書かれた
・同雑誌に(別号で)「良い意味で出来の悪いキット(=設定画とは大きく異なるが、キットの完成度そのものが非常に高い)」と書かれた
という数々の伝説が語られる程の代物なのである。その為、どうせなら作った事の無い1/24のキットにしよう、という結論に達したのである。
とはいえ、今や1983年当時のキットとなるとなかなか入手が難しく、ものによっては定価の数倍というお値段になっているものも多々あったりする(吐血)。作りたいと思えるものが入手できないというもどかしさ。悶々とした日々を過ごしたのは言うまでも無い。
それが、何と2018年3月末に運良く1/24キットの3種セット
●ラウンドムーバー・パラシュートザック付属
●レッドショルダーカスタム(ダウンフォーム)
●ターボカスタム(サンサ戦仕様)
(※いずれも㈱WAVEの再販版。㈱タカラ製の金型が㈱WAVEに譲渡され、㈱WEVEが再販したものである。その際アップデートパーツを追加して販売したのだ)
をリーズナブルなお値段で購入できたのである!さらには別ルートで
●マーシィドッグ(これは83年当時の代物)
も購入!短期間の内に、1/24のドッグ系キットを4種類も入手できてしまったのである!!
うおおおお!?す、素晴らしい…神よ!!これは言っている…神(ワイズマン)が、今こそこのキットに挑めと囁いているゥゥ!!
あれ?ワイズマンの声が聞こえたってことは、この身も秘密結社に入れる?
作りたいものが決まり、それを入手する事も出来た。となれば、後は作るだけである。しかし締め切りが無いが故にダラダラと作業し、つい他のものに興味が映るとそこで中断してしまう…というのも世の常。この身の場合、目標をしっかりと決めて、それまでに何としても完成させるというスタイルで挑まないと完成しない可能性が絶大である(ジムスナイパーが完成したのも、「バトルオペレーション最終日まで」という期限があった為だと思っている)。
すると、ちょうどよい切っ掛けになるものを見つけた。「第一回月刊ホビージャパンプラモデルコンペティション ロボットキャラクター大会」である。これはホビージャパンが主催する、「ガンプラ」以外のロボットプラモデルであれば応募可能というプラモコンペである。しかも締め切りが5月末日だという。この事を知ったのが3月末。その為、制作期間はちょうど2ヶ月間となる。作ろうと思っていたキットはレギュレーションにばっちり合っている上、長過ぎず短過ぎずと程良い制作期間…な、なんておあつらえ向きなイベントなんだ!!もうこれに参加するつもりで制作したらいいじゃない!!
当然、入賞がどうのこうのは考えていない。「この大会に参加する!」という、明確極まりない目標を持てた事が大事なのだ。唯のにぎやかしとも言うが…あと、こういうのって制作モチベーションを維持する為にも最適だわな。
はてさて、何はともあれまずは仮組みからスタートである。単にそのまま組み上げるだけだが、最近のキットならまだしも、金型が古いのでパーツのズレや歪みがある事も珍しくない。故に仮組は必須行為。パーツを切り離してはマスキングテープで仮止めしていく訳だ。
ちなみに今回は㈱WAVE製のアップデートパーツは一切使っていないぞ。
おおぅ、頭部のランナーがアンダーゲートみたいになってるやん!!…軽く感動。
うぅん!?この腰及び股関節の構造、もの凄く不安なんだけど…壊れん?
ほほぅ、手首の根元が逆V字型になっているのは、角度をつけられるようにしているのか。発想が面白い。
うぉぉ!?可動範囲は狭いが膝が2重関節やん!!83年の時点でコレを採用してたなんて…(素で感動)
へぇー、足の爪先が動くのかー、これも先見性があるなぁ。
ははぁ、銃身は2パーツかー、時代やなぁ。しかしいい形。昔は複雑な形状でも
あー、ホントに組んだ事無いわ。知らんかった事が多過ぎる。そして感動する事も多過ぎる。驚きと感動に包まれつつ、説明書通りにそのまま組んだのだが…
これだけでも充分カッコイイ気がするなぁ。
当時から言われていた、あまりにもやっつけ感が漂っている拳の造形以外はそれほど問題があるとは思えない、実に雄々しい姿である。確かに「良い意味で出来の悪いキット(=設定画とは大きく異なるが、キットの完成度そのものが非常に高い)」である。
そりゃあまぁ確かに潰れ気味の頭部、やっぱり長めな腕、横幅が広すぎる胴体・脚等々、気にならない点が無い訳ではないが、このゴツイ体型はこれはこれで格好良い。ムック本「ボトムズオデッセイ」のイラストで同じような体型のスコープドッグが描かれいたが、それこそこれを参考に作画したのかもしれないな。
このまま丁寧に表面処理して塗装したらそれはそれで満足できそうな感じだが、今回はせっかくなので多少プロポーションを弄る事にした。この身でも何とか出来そうな部分の改修に挑戦するのである。自分の作業の遅さを自覚している事もあり、そして初めてのキットという事もあり、今回は期間内に出来そうな部分だけを改修する事に決めた。これまで失敗を恐れてあまり改修なんてやっていなかったが、これは本当に良い機会だ。むしろ失敗する事を前提で、思うようにやってみることにした。
そして非常に大雑把だが、両腕に2週間、両足に2週間、頭・胴体に2週間、武器その他に2週間、塗装に2週間、というスケジュールを決める。さぁ、この素組み状態からどんな風に変わるのか…それは正に自分次第。
※上にも書いたが、今回内容的には個人的な備忘録なので、同じキットを組むなら他のサイトを見る事をオススメするぞ(真顔)。
【腕部】
まずは腕からである。何故腕からなのか?過去を振り返ると、頭部や胴体を先に組んでしまうとそれだけで満足度が高まってしまい、場合によっては完成に至らない事が無きにしも非ず。故にまずは四肢から組み立てるのだ。
そして更に大事なのが「同じ箇所の作業をする事」。右腕を丸々完成させてから左腕に取りかかるのではなく、肩、上腕、下腕、手首とブロックごとに分けて左右一緒に作業する。無論、これは腕だけの話では無く脚部も然りである。

写真のままだと軸にしたプラ棒が長すぎるので、もう少し短くしたヨ。
■上腕
肩:肩ブロック下に5mmプラ棒(写真のものは切断する前なので妙に長い)を取り付け、上腕内に設置したポリキャップで後ハメ加工。プラ棒の接着面を増やす為、肩ブロック内部及び下部に1mmプラ板で補強(下に着けものは円形にしておく)。
胴体と接続するブロック内のポリキャップは、そのままでは空周りする事もあるので、少し削ってプラ板を噛ませ、ズレを防止。

この小さなプラ板が空回りを防いでくれるのだ。
上腕:上部で3mmカットした後、1mmプラ板を貼り付け。プラ板で挟んで幅を調整しつつポリキャップを設置。上記の補強部分に合わせて丸く切り抜き、上記の丸く加工したプラ板を受けられるようにする。
■下腕
上下を2mm幅詰めし、下腕及びエルボーガードをパテで裏打ち。接着しなくても固定できるよう(お手軽後ハメ加工)芯パーツの四角い接続部分のテンションを維持する為0.2mmプラ板を挟んで厚みを出し、テンションを維持。アームパンチ部分は上を2mmカット。そのままでは完全に固定できていないが、パーツ固定時にテンションが維持できているとズレ落ちたりしないので気にしない。
さて、腕部は上下で2mmの幅詰めを行なったのだが、ここでその力を発揮した素晴らしいツールを紹介しよう!
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ハイパーカットソー!!
分かりやすく言えば模型用のノコギリである。それはそれは素晴らしい切れ味で、何と分断したパーツがピタッと合う程なのだ!実はコレ、事前に入手していたので使う機会を伺っていたのだが、ようやくその機会を得たのだ。そしてその力を見事に発揮してくれたという訳だ。これだけ綺麗に切断できると、作業が楽しくなってくるぞ。
これは実に便利なツールだ。冗談を抜きにしてもっと早く買っておけばよかったと思ったよ。以降幅詰めを行なっている箇所はすべてこのハイパーカットソーを使用している。
■拳
付属している拳の形状がとっても大雑把なので、ここは「ビルダーズパーツ(1/100ジオン用)」を使用。そのまま使用する為には接続部分を太らせる必要があるが、逆にそれだけで普通に使えるようになる。サイズ的にはかなりいい感じ。
でも形状的に非常に角ばっている上やたらとメカメカしいモールドが入りまくりなので、そのままではATには合わないのが実に惜しい。
その為、指を1本1本、角とメカニカルなモールド(ただし、大変なので側面だけ)を落として丸く見えるようにする。先細りしている指先もやや潰して丸みを強調。側面を甲パーツとツライチにして、手首の付け根辺りに丸モールドを追加。手のひら側はもう気にしない方向で。
より一層拘る場合は親指の位置を下にずらすといい。が、指の付け根を新しく作らなくてはいけないし、持ち手の方は幅が狭くなる等、調整が必要となる。あまりうまくやれる自信は無いなぁ。
結局、腕だけで丸々2週間を費やした(一応予定通りである)。しかしハイパーカットソーのお陰でこれでも早く作業出来た方である。
以前はアートナイフやPカッターでスジ彫りの要領で少しずつ少しずつ削って切断していたが、良い道具は時間短縮・精度アップに繋がって非常にありがたい。やはり良い道具を揃えるのは大切だのぅ。
もっとも、ちゃんと垂直に切断できず、思いっきり斜めに切断してしまった(=技術不足)ものもあるので、その辺りは今後の改善点である。
【脚部】
お次は脚部である。腕部の方が思いの外上手くいったので、こちらもいい流れで進むかと思いきや…。

■太腿
股関節はボールジョイント化する為、受け側を使用。元の固定部分に挟むだけでも良かったのだが、それだと足の根元からプラプラ動いてポーズが決めにくい為、パテ等を使用して完全に固定。
膝関節ブロックとの接続は、元の軸を活かしつつプラパイプとプラ棒を利用して太腿内に軸を作成。そこへ系の合う大きめのポリキャップを挟む(その際、接着剤でテンションを調整)。硬過ぎず緩過ぎず、我ながら非常に心地よいテンションで維持できた。プラパイプを太めのものにしたせいか、可動範囲に変化無し。
■膝関節
膝関節ブロックは、上部にポリキャップ、下部にプラ棒を入れて後ハメできるように加工。太腿で採用したのが大きめのポリキャップだった為、結構な面積を削る事になった。とはいえ耐久性は維持できているので問題無し。下部には1mmプラ板でポリキャップ隠しを作成。お手軽加工だが、こちらもわりといい感じ。
■膝アーマー
本当は切り落としてもっと丸い形にしたかったのだが、それをやっていると時間が無いと判断したので今回は下膨れのまま。フィンのみ1mmプラ板で作り変え、隙間はパテで埋めている。0.3mmプラ板で裏打ちして、足を曲げた時に内側が見えないようにする。
ちなみにダウンフォーム版だとここは新規パーツが用意されているので、通常のスコープドッグを作るならダウンフォーム版をベースにした方が早いかも。
■脚
足首側の接続は、元々足首に使用する長細い専用ポリキャップを真ん中で切断し、新しく用意したポリキャップの受けとして使用。そこへ足首接続用のポリキャップを挟み、ボールジョイントで接続する形に。
側面のモールドをダクトとして穴をあけたりした方が良かったのだろうが、時間がかかりそうだったので今回はスルー。あそこは凹ではなく凸だという(ペールゼンファイル版参照)意見もあるので、その点は自由にしていいかも。
■足首
足首は合わせ目で2mmずつ(計4mm)幅詰め。しかし真っ直ぐに切断できずすり合わせが大変な事に。脚側との接続方法をボールジョイントに変更。色々考えたもののスマートなやり方が全然思いつかなかった為、結果的にプラ板と接着剤とエポキシパテの塊と化す。次回では最も改善しなければならない箇所。
前部分(つま先)と後ろ部分のブロックに分ける。元の可動軸にポリキャップを設置し、5mmプラ棒で接続できるように。プラパイプで接続しているが、それだと系が合わなかった為、ポリキャップの方には0.2mmプラ板を噛ませて系の調整をしている。
足の裏のパーツは中央で切断して4mm幅詰め。結果的にモールドが少なくなっている部分もあるが気にしない。そのまま接着すると平行にならなかったが、見えないという事もあり強引に削って平行に。一応モールドは残したものの、非常に薄い状態になってしまった。ここも次回要改善点。
踵の台形のモールドは削り落した後、0.3mmプラ板を貼り付けた。結果的にその方が楽かつ見栄えが良い。
ターンピック接続部を別パーツに見えるよう深めにスジ彫り。この方が塗り分けする際にも便利。


このパテの見苦しい感じ…
■ターンピック
杭部分とスライド部分を別パーツに見えるよう深めにスジ彫り。これだけでも見栄えが良くなるが、出来れば別パーツ化してスライドさせたいと思う。
哀しいかな、両足に関しては2週間かけても完成せず(滝汗)。確かに途中で他のパーツ(腰の股関節部分。脚部の接続に関連していた為)に手を出しはしたが、腕パーツ以上に「失敗⇒修正の作業が多かった」及び「足首の改修の良案がなかなか思いつかずに時間だけが経過した」のが原因であろう。
素直にネット上に掲載されていた改造方法を模倣すればよかったのだが、より手間の少ない方法は無いものかと考え、結果的に余計に手間はかかるわ仕上がりは酷いわと散々な結果となってしまった。素直に従うのはいくつになっても大切な事である。
膝アーマーやら側面のダクトやら、色々と手を出さなかった箇所も多いのにこの有り様。己の作業速度の遅さが悔やまれる。
しかし、今回は具体的な締め切りがあったからこそ作業を進める事が出来たのだと思う。これで目標が無かったら途中で放棄していたやもしれぬ…くわばらくわばら。
【頭部・胴体・腰部】
遅れている脚部の作業を続けつつ、本体の作業にも着手。やはり手足に比べるとテンションが上がるのぅ。

■腰
股関節パーツを接続する周囲箇所を切り飛ばし、股関節のパーツをプラパイプに変更。太腿部のボールジョイントで接続する。固定の際はプラ板で補強(3枚重ね)しつつ、腰パーツに挟み込む。プラパイプの中央を少し削って真ん中のプラ板を噛ませる事でズレ防止。股関節をボールジョイントに置き換えるのは、「昔からやってみたかった」改造のひとつ。
腰アーマー根もとの蝶つがいは凹型プラ棒を使用。角を落として丸くしている。後着けする為、サイドアーマー部は上を0.3mm削り、0.3mmプラ板を接着。本来はリアアーマーもそうするべきだったのだが、フロントアーマーと同じく胴体に隠れるだろうと勘違いしてそのまま接着してしまった。気にしない。
強度を優先して太めのプラパイプを使用したが、ボールジョイントの可動域を制限する結果となり、可動範囲はそんなに広くない。もう少し足をハの字に開けるようにしたかった。
■胴体
胴体は腹部の横線モールドを1mm半円プラ棒で作り直しただけ。うーむ、普通の四角いプラ棒から削り出さなければならないのかと思っていたら、元々半円のものがあるとは…凹型だの半円だの、今は便利なものがあるものよのぅ。
中央の手すりパーツだが、接着部分が思ったより分厚かった為、浮いて見えるのがちょいと不自然な事に。ここはあまり意識していなかったので、次回は注意しよう。
次回は幅詰めに挑戦したいと思う箇所。
■胴体内部(コクピット)
初めて組むという事もあり、今回はそのまま組み上げた。しかしそのまま組むとハッチが閉まらないという哀しい現実が。
さらにハッチと胴体を接続している背中側のパーツが若干内側で固定されてしまい、背中のパーツがツライチになっていないという有り様。どうやらハッチの内側と胴体のすり合わせ不足だったらしい。
■頭部
バイザーを中央で2mm(左右1mmずつ)幅詰め。それに合わせて頭部側面を1mmずつ削る。それだけだと頭部に引っ掛かってバイザーが下まで降りないので、引っ掛かる部分を地道に削ってすり合わせ。結果、首の根元付近をかなり削る事になったのだが、これは正解だったのだろうか…??
カメラを「Zバーニア2」に変更。…このパーツ、絶対バーニアとしてじゃ無くてこの為だけに設計されてるだろ!と突っ込まざるを得ないほどピッタリ。レンズ部分は「Hレンズ」を使用。大きい方から順に5.5mm、2.5mm、1.5mmのものが合うぞ。大・小サイズのものは最初からグリーンのものを使用し、中サイズのレンズはクリア版をガンダムマーカーのレッドで塗装。中、小のところは切り抜いてから取り付けた方がいいかも。
アンテナを0.3mm真鍮線と0.5mmスプリングで改修。手持ちのピンバイスの系が合っていなかった(0.3mmが無かった)ので、穴をあけた後にパテで隙間を埋めて固定。スプリングの固定には瞬着を使用。
ちなみに、カメラとアンテナの修正内容は定番作業。これもまた「昔からやってみたかった改造」のひとつ。
■手甲、腰アーマー等各装甲裏
裏側に0.3mmプラ板で作成したフレームを貼り付け(フレーム状のものとカバーの2枚組)。マスキングテープでラインを取り、それをプラ板に貼ってラインに沿って切断する。プラ板が薄い為、ハサミで加工する事も可能。思ったよりもサクサク作業出来たのはありがたい。
武器を持たせた場合はどうしても手甲の裏が見えてしまうのだが、何も無いのが妙に目立ってしまう。その為急遽追加でディティールアップしたのだ。正直なところ精度は低いけど、今回は雰囲気重視という事で。
■武装
ヘヴィマシンガンは合わせ目の処理を楽にする為、バレル等各部位で切り離し。ついでにフォアグリップを可動するように仕様変更。でも両手で構える事ができないので、この可動にはあまり意味が無い(涙)。しかも再接続時、銃身が真っ直ぐになってない事が発覚(号泣)。仕方なく真っ直ぐに接着した。
■全体のリベット
リベット用のパーツは購入しておいたものの、とてもではないが時間的に間に合わないので今回はスルー。すごく大変だろうけど、ちゃんと作り変えたら完成度が変わるんだろうなぁ。
ところでこの激烈に小さなパーツ、切り離した後の処理はどうしたらいいのカシラ(顔面蒼白)。
これが一通りの工作である。作業内容そのものは実に雑なので偉そうなことは全然言えないが。己の大雑把な性格が恨めしい。
で、これらの作業が終了して、最低限の表面処理を施してから組み上げてみたのがコレである。

…こうやって見るとそれなりに見えなくもない気がしないでもないような(以下略)。
手の長さも頭部と足首の横幅もそれなりに解消されたような気がする。股関節の位置が下がった事で足長に見えるが、それ以上に可動範囲が広くなった事が素晴らしい。そのお陰で腰を落としたポーズをとる事ができるようになったのは嬉しい。これだけで、ローラーダッシュ時の雰囲気がグンと上がるぞ!
写真を見るとやたらとパーツとパーツの間に白い部分が見えると思うが、あれはプラ板である。幅詰めの為にパーツを切断したのはいいが、真っ直ぐ平行に切断できていなかった為に隙間ができた部分をプラ板で埋めて補っているのである(その為、厳密には予定通りの幅詰めになっていなかったりする)。如何に切れ味の良いハイパーカットソーを用いても、扱う者がしっかり使いこなせないとその真価を発揮できないという実例である(白目)。それの影響か、良く見ると左右がちゃんと対照になってなかったりするところもあるのだが、個人的にはあまり気にならないレベルなので概ね満足である。
ちなみに、ここまでで1ヶ月半以上(丸7週間)が経過していた。毎日真面目にコツコツ進めていたのにこれだよ…。
【塗装】
ここから塗装である。時間的に余裕かと言われれば、そんな訳は無い。基本的に缶スプレーで塗装するつもりなのだが、何しろ自宅に塗装ブースが無いので会社から帰宅しても簡単に塗装できる状況では無いのである。
そして、この段階に至るまでにどんな色に塗るか、全く考えていなかったのである(脂汗)。
…い、いや、スタンダードな2色の緑は、レッドショルダーカスタム(ダウンフォーム)でやろうと思っていたし、今回はウェザリングやチッピング、錆等の表現にも挑戦してみたいと思っていた。た、単に基本色を考えていなかっただけなのだ(爆)。
塗料がまだ余ってるし、ジムスナイパーを作成した時のようにデザートカラーにする?しかし一部仕様を変更したバリエーション機「デザートドッグ」という機体があるからなぁ、色だけ変えると言うのもなぁ。
メルキアカラーにするならパラシュートザック装備にしたいがそうなると腰のアームパンチ用マガジンを別のものに変えない=自分でスクラッチしなくてはいけない上に、当然パラシュートザックを組まなくてはならない(あくまでも地上で使用している機体を作りたいのでラウンドムーバー装備は選択外)。そんな時間は無い(涙)。
かと言ってOVAに出てきた機体は膝のフィンの数が3枚だったりアンテナの根もとやリアアーマーの形状が違っていたりと、TV番とはほんのり仕様が異なってるんだよねぇ。それが分かっているのに色だけでOVA版の機体だと言い張る事は…できんなぁ。
妙な所に拘る位なら最初から決めておけばよかったものを、事ここに至ってから色々と悩む羽目に。己の所業とは言え、無計画にも程があるというものだ。
それから数日悩み続けたのだが、ふと思いついた事があった。
そうだ、「市街戦仕様」+「スプリッター迷彩」というのはどうだろう?
スプリッター迷彩…ガンダムセンチネルの影響を受けて以降、一度はやってみたいと思っていた迷彩パターンである。あれこれ考えつつ一応設定画を元にして塗装のパターンを考えたのだが、スプリッター迷彩の正解が分かっていない為、本当にコレでいいのかどうか分からない。が、それっぽく見えなくも無いと思うので、これで行く事にした。
これで、ようやく塗装開始である。
まずはサーフェイサーだ。思うところがあって、今回初めて黒色のサーフェイサーを使用した。
ううう、思いっきり気泡が跡になってたりとか平らになって無かったりとか、本来であれば修正しなければならない箇所が随分あるな。あとグレーの時よりも若干分かり難いかもしれないので注意して見なくてはイカンようだ。
本来サーフェイサーを使用するのは表面の傷やら凹みやらを確認し、あったらそこを修正する…というのが目的なのだが、時間が無い為取り合えず下地として全身に吹きかける。…サーフェイサーの意味が…(脂汗)。
●今回使用した塗料(※MSファントムグレー以外はMr.カラー)
薄い箇所:ガルグレー
濃い箇所:軍艦色(1)
迷彩部分:ニュートラルグレー
スコープ:シルバー
ヘヴィマシンガン/アームパンチ用マガジン:MSファントムグレー(ジムスナイパー作成時の余り)
そう、グレーの濃淡だけである。その為、華やかさ等とは縁遠い激シヴな機体になる事請け合いだ。後ハメ加工のお陰でマスキングが必要なのも胴体と足首だけなので、基本色で塗装する迄は何ら問題は無かっ…ちょっと埃がついてしまったか。
そしてその上から迷彩を施す。ここは基本色とは逆にマスキングテープとの格闘である。事前に考えていたパターンになるようマスキングし、思いきって色を重ねてみる。すると…
アウチ!マスキングが不十分で少しはみ出た箇所があるぅぅ!!
よりにもよって頭部等目立つ所に…これは手痛いミステイク!というか、基本色も迷彩色も同じ原料の塗料を使ってしまったのが最大の失敗である。この点は迂闊、あまりにも迂闊であった。今後、色を重ねる場合はラッカー系等別の原料のものを使うように気をつけよう。缶スプレーであるのかな?今度探しておこう。
さて、こりゃあリカバーする方法も考えねばならんな…。
そして塗り終えて一言。
…取り合えず、だ。スプリッター迷彩の正解は分からないが、これが正解でない事だけは分かるぞ(涙)。
設定画を元にパターンを考えたのまでは良かったが、プロポーションやらタイミングが異なっている上に思ったような角度にマスキングする事ができず、挙句に感覚だけで処理したものだからイマイチ統一感が無い。しかも前後で情報量が違い過ぎる。「なんちゃって迷彩」にしかなっていない。
本来、迷彩に求められている効果があるとはとても思えない有り様である。…やはり、挑むにしてもこの身には思いっきり早すぎたか…ま、まぁ今後に活かせる事ができればそれはそれで…(白目)。
ちなみにこの段階での写真を撮るのを忘れていた。
●チッピングその1:削り
ようやくチッピングである。今回挑戦したのは、実際に表面の塗装を紙やすり等で削って下地の色を出すという手法である。その為に黒色のサーフェイサーを使用したのだ。
最初は2000番の紙やすりで恐る恐る削っていたのだが、これだと削れる量が少な過ぎて削れているのかどうか分からず、なかなか作業が進まない。削れたとしても面積が狭く、細い線のようにしか見えないところがほとんどであった。
その為1200番に変更してみたのだが、これはいい感じだ。しかし、それでも平面部分を削る場合、思ったように削る事ができなかった。結局、エッジの部分を多少削ったに過ぎないという結果に。まだまだ塩梅が分かっていないので、今後もやるなら練習した方がいいかもしれない。
さて、削ってチッピングをする場合、ついつい削り過ぎて地のプラの色が見えてしまう事がある。えぇ、当然の如く何ヶ所もやらかしてしまいましたともさ。
しかしここで素晴らしいリカバーアイテムがあったので記しておこう。それは
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である。以外に思うかもしれないがこのグレーが非常に良い色合いで、ちょちょいと塗るだけで角のみならず多少の面でも違和感無くカバーが可能。非常にお手軽でありながら効果は抜群!これのお陰で多少の失敗なら全く恐れる必要は無くなった事もあり、非常に楽しい作業であった。
いざ作業が終了し、手元にある雑誌に掲載されているプロモデラーの作例と見比べてみる。うぅん、削れている面積に大きな違いがあるなぁ。あまり削り過ぎても不自然だが、もう少し変化をつけられないものかとも思ってしまう。
個人的には、チッピングに関しては面相筆でグレーを塗る、もしくはドライブラシを利用した方がいいかもしれない。
ちなみに、迷彩塗装した際にはみ出してしまった箇所にもこのチッピングを施してみたのだが、思ったよりも雰囲気が出た。怪我の功名とはこの事か。
ちなみにこの段階でも写真を撮るのを忘れていた。何気にチッピング処理を始めとした塗装が楽しくなってきていた為、先の工程へと進みたいと思ったからである。
●チッピングその2:スポンジで着色
削ってチッピングしてみたものの、平面の部分はうまくいかなかった(要修行)。しかし今回はもう一つの手法、「スポンジを押しあてる」事にも挑戦である。
これはドライブラシの時と同じように、スポンジに塗料をつけた後、ティッシュペーパー等にこすりつけて色がつかなくなるまで水分を飛ばす。そして軽く押し当てると、「僅かに残った塗料がスポンジの面によって人の手では出せない不規則なパターンで付着する」という効果が期待できるというのだ。
では早速トライ!ここまで来て失敗を恐れても仕方が無い。こういうのは思い切りが大事だ。カサカサと水分を取り、そーれポンポン…
うぉほほほほ、それっぽいじゃなーい!
あーあー、こういう錆とか汚れとかの作例、見た事あるーーー!!そ、そうかー、皆こんな風にやってたのかぁ~!面白い事を考えるもんだなぁ。割と理想的な感じで事が進み、思わずニンマリ。
そしてウェザリングである。これもジムスナイパーの時に購入した「Mr.ウェザリングカラー」を使用する。
前回使った時に思っていたよりも暗くなったのはツヤ消し色の上から塗った為だった。表面の目が粗くなる為、塗料がが残る量が多くなる為である。今回使用した塗料は半ツヤなので、そこまで暗くは…やっぱり暗くはなるな。うん。
本当はウェザリングにも段階があって、多色で細かな汚れを再現しつつ、クリアー等でコーティングしてから「Mr.ウェザリングカラー」を使用した方がワンパターンにならず、より自然に見えるそうな。それは今度やってみる事にしよう。
ところが、ここでまたしても大失敗。良く見ると、先程施したスポンジでのチッピングが消えていたのだ!ギャーーース!?あ、あれ?もしかして、チッピングに使った塗料とウェザリングに使った塗料の原料って、同じだったのー!?どうやらウェザリング処理が、結果的にスポンジによるチッピング処理を洗い流す形になってしまっていたらしい。同じようなミスを重ねてしまうとは…何たる愚行か。
うおお…せっかく初めてにしては上手くいったと思っていたスポンジによるチッピングが、まさかこんなに早く無かった事になってしまうとは(涙)。泣く泣く、再度スポンジによるチッピング処理を施す事に。しかし、先程の経験を活かし、強気かつ考えながら処理する事が出来たのだった。やはり経験に勝るもの無し。結果的に修正後の方がまだマシなレベルになったと思う。1回でもやってるのとやってないのとでは雲泥の差だな。
そして、チッピングした箇所に(部分的に)クロームシルバーでドライブラシ。ジムスナイパーの時は全体のエッジにシルバーでドライブラシをかけたが、今回は実際にトラックについていた傷等を参考にして部分的に施してみた。写真だとほとんど分からんけど…。
場合によっては鉛筆の芯を利用するのも有りらしい。
ちなみにヘヴィマシンガンもクロームシルバーでドライブラシ。MSファントムグレーが暗い為、ブラックではチッピングに見えないのである。まぁ実際の銃は下地の銀色が見えるようになるから、そんなに違和感は無い…かなぁ?
後は部分的に錆びているだろうと思い、肩のフック、肩アーマー・足首周辺のボルトに錆色を施す。やってみたのはいいが、もう少し上手く再現できないものか…。
そして足回りも砂汚れを再現。ジムスナイパーの時は砂漠戦仕様という事で足首くらいまでウェザリングを施していたが、今回は市街戦仕様なのでそこまでやる必要は無い。靴底辺りにライトサンドとサンドでほんのり土色が着いた位で止めておく。
そして仕上げにトップコートで表面を保護。今回は「半光沢」を使用。「ツヤ消し」のカリッカリな状態も好きなのだが、今回は使用した基本色が全て「半艶」だったのでそれに合わせてみたのだ。
と、トップコートを噴いた後で良く見てみると、先程の砂汚れの部分が一層ほんのりした状態に…。流石に薄すぎたようだ。もう少し目立つようにしておくべきだったな。
ちなみに、肩のフックにのみ「ツヤ消し」を使用。錆だらけをイメージしていたので、艶が無い方がいいと考えての事である。
こうして塗装も完了。来た!ついにここまで来た!!後は全てのパーツを組み上げるだけだ!!!さぁ…キミの心の声を聞かせて…
パキュ…(ポロリ)
…ぶるわぁぁぁぁ!?(悲鳴)
なんと、組み上げている最中に左サイドアーマーの根もとのプラ板が割れてしまったのである!!まー確かに接着面積が狭い上に、何度も貼り付けちゃぁ取り外してを繰り返してたから負荷がかかってたんだろうなぁ。しかしこのタイミングでこうなるかー、心が揺れるぜ(涙)。
泣く泣くプラ板を裏から貼ったりして何とか対処。とはいえ、どうしても接着面が細いのでそれほどの耐久値は期待できない。デリケートに扱わないといつ壊れてもおかしくない、非常にテリブルな状態になってしまった。
とまぁ紆余曲折、色々あったが最終的に完成したのがコチラ。




…思っていた以上に地味過ぎる代物になってしまった。カメラのレンズ部分以外は全てグレー系の色なので、華やかさの欠片も無いのは予定通りだが、いくらなんでも地味すぎたカシラ。
しかし、部分部分で「こういうの、どこかで見た事があるな~」って感じになっているのが個人的には嬉しい。再現できている訳では無いが、かつて見てきた様々な作例の片鱗を垣間見た気がする。
これが28日(月)の午後10時の事である。この後撮影し、無事コンテストに投稿する事が出来たのだった。大会の存在を知ってから、見事なまでにきっちり2ヶ月かかったか…自分の実力が分かった上での作業工程だったな(涙)。何とか間に合ってよかった。にぎやかしとしては地味なこと極まりないが、結果が発表される号のHJを購入して、小さく掲載されるのを見てニヤニヤしようと思っている。
ついでにツイッターにも投稿してみたが、「#ロボットキャラクター大会」のツイートを見てみるとお祭り感が凄い。参加者が皆楽しそうなのが実にイイ。そしてそのクオリティがどれもこれもやたらと高いのである。他の方々の作品を見ていると非常に楽しい気分になるのと同時に……この程度の作品でエントリーしてよかったのカシラ(顔面蒼白)。
それにしても、この2ヶ月間ずっっっと楽しかったな~!カットソーによる幅詰め、ボールジョイントや真鍮線への置き換え、削るチッピングにスポンジを使用したチッピング等、作業自体はとても基本的なものばかりだが、初めてやってみて分かる事が多々ある事を改めて知った。繰り返しになるが、経験に勝るもの無しとはこの事だ。年齢的に今更と言われるかもしれないが、今後も失敗を気にせず色々と挑戦していきたいものだ。
確かに様々な失敗の塊とも言える代物だが、その分妙に愛着がある。完成してからは、扱いに注意しつつ、ポージングしては眺めている。
さて先の話ではあるが、是非とも第2回大会にも参加したい(やると思うよ?むしろやってほしいよね!)ところだ。今度は、今回よりも少しは成長したと実感できる作品が作れたら、いいなぁ。
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