2019年08月15日
医療的ケア児の保活、この2点が必須でした!気管切開児の次男のケース
でも、結局は医療的ケア児の保活には何が有効だったのか?
前回の記事を読んだだけでは、ちょっと分かりづらかったのではないかと思います。
そこで今回は、次男のケースにおいて、これが医療的ケア児の保活を大きく後押ししてくれた!というものを2つご紹介したいと思います。
これから保育園の入園を希望されている医療的ケア児とその保護者の方で、「何をしたらいいのか分からない」と迷っておられる方は、勇気を出して一歩行動に移してみられるのもいいかなと思います。
ただ、あくまでも次男の場合に有効だったという但し書きがつきますので、すべてのケースに当てはまるというわけではないことをご了承下さいね。
医療的ケア児を保育園通園させたい場合、受け入れ先の保育園では新たに看護師等の人員が配置になることがほとんどです。そして、その人員の配置の費用は自治体が負担します(一部は国が負担します)。
ということは、人員の配置の必要性を認めてもらい、雇用のための予算を確保してもらう必要があるのですね。
そして、その予算を決定したり、医療的ケア児の支援をどの程度行うかを決定したりするのは、議会です。
まずはこの議会で取り上げてもらえない限り、自治体の認可保育園に通うことは困難です。
でも、自治体の担当部署に電話等で相談しても、議会には取り上げられてもらえません。
そこで、頼りになるのが市議会等の議員さんです。
次男の場合、最初に議員さんに相談したのは地域の市政相談会でした。
おそらく、議員さんたちは定期的に市政相談会や報告会などを開いていると思うので、そこに飛び込んでまず現状を訴えてみるのもいいかと思います。
もし、そのような場が見つからないという場合、ホームページなどに掲載されている議員名簿から連絡を取ってみてもいいかもしれません。
ちなみに、議会にはそれぞれ専門の委員会(地域によって呼び方は違うかもしれませんが)がありますので、子育てや保育、福祉関係の内容を取り扱う委員会所属の議員さんだと話が早いかも。
会派によっては新しい支援に消極的な場合もあるので、「手ごたえがないな…」と感じたら、他の会派に相談するのもありかもしれません。私の場合、幸いにも相談した議員さんたちはみな積極的に動いてくれましたが、中にはそうでもないところもあるようなので…。(苦笑)
そして、医療的ケア児の保育問題を公的な場で審議してもらうために、できることなら請願書を出してみましょう。「市議会での請願審議の結果について」の記事に請願審査までの大まかな流れを載せています。
請願審議の場では、関係部署の役職者がこぞって出てきます。これは、個人で相談を持ち掛けた場合ではありえないことです。請願をきっかけに支援が大きく進むこともあります。
あと、私たちの場合は請願をすることで他にもいくつかメリットがありました。
署名を集めるのは大変な作業ですが、署名を通して医療的ケア児が置かれている理不尽な状況を広く知ってもらうことができました。
また、皆さまのご協力で得られた多くの署名は、制度を作る側からしても「これだけの人数がこの問題の行方を注視しているぞ」というプレッシャーになった…かもしれません(笑)。事実、請願の次年度に行われた選挙では、医療的ケア児の支援という文言が政策に入ったくらいなので、多少の影響力はあったかも。
今後の支援の方向性を決定する有識者会議にて、当事者としての意見を述べる機会をいただきました。医療的ケア児と一口に言っても、医療依存度や、重複障害の有無、望んでいる支援の方向性は様々です。有識者だけで話を進めるのではなく、当事者のヒアリングを取り入れた(1回のみですが)という点はかなり大きかったと思います。
この時は「請願者の方に」と依頼をいただく形で参加させていただきました。
でも、1回限りじゃ話せることに限りがあるので、本当は毎回意見書などを提出したいくらいです!!!
あと、できれば当事者が毎回傍聴できる時間帯に実施してほしい!(有識者会議は夕方開始)
潜在的には地域の中に医療的ケア児はたくさんいるのだと考えられますが、そもそも支援から漏れてしまっているため、医療的ケア児同士の出会いの機会自体、あまり多くないかもしれません。
それでも、積極的に声をかけて、横のつながりを作ることができたなら、お互いに心強い存在になれるのではないかと思います。
地域の医療的ケア児の保護者の方の全てが保育園の利用を望んでいるわけではないので、それが即保活につながることはないかもしれません。
でも、医療的ケア児の親ならではの悩みを共有できたり、思わぬ支援につながることもあります。
私の場合、幸いにも保育園の利用を希望する保護者の方たちと出会い、協力し合いながら支援を求めていくことができましたが、それ以外にもいろいろな場面で助けられました。
たとえば、
・動ける医療的ケア児が利用可能な事業所の紹介
・公的な機関からは支援員の利用は不可能だと言われていたが、医療的ケア児の支援に実績のある支援員の紹介
・請願審査の際に署名の協力をこころよく受けてくれた
・一人ではカバーできない医療的ケア児に関する情報の提供
・福祉用具や支援制度についてのアドバイス
などなど、本当にいろいろな面で助けられています。
あ、でも、一番助けられてるのはメンタル面かな。
一緒に悩んでくれたり、愚痴を聞いてくれたり。当事者ならではの悩みをお互いに抱えているので、そのフォローがほんとにありがたい。時に神かと思うくらいのありがたさです。
そして、横のつながりは自然と広がっていくもの。
私の最初のきっかけは、往診の先生でした。
「ほかに、気管切開しているお子さんって、いないんですか?」と尋ねて、紹介してもらった方が最初です。
そしてその方が、気切の子の会や保育園を希望されている医療的ケア児のお母さんを紹介してくれて…という感じで知り合っていきました。
最初は勇気がいるかもしれませんが、横のつながりはやっぱりないよりは、あったほうがいいと思います。
私にとっては、この2点があったからこその今の保育園があるのかなと思っています。
全国的にも医療的ケア児の保育支援の必要性の認識は高まっているものの、実働となるとまだまだです。
保育園を希望するすべての医療的ケア児が、保育園への通園を選択することができますように。
そして、通園先で一人一人の状態にあったケアが受けられますように。
少しずつですが、私もまだまだ動いていきます。
★最近、私もこれ飲んでいます。おいしくてお手軽です。
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今のご時世に発達の遅さを理由に退園を迫るなんてことがあるんですね。
ちょっと時代に逆行しているような感じもします。
まだまだ発達とか、医療ケアとかを理由に主張が認められないことがあるので、理不尽な感じがしますよね…。
お子さんの再入園が叶うように、私も祈っています!