2014年02月13日
レニウム
レニウム (英: rhenium) は原子番号75の元素。元素記号は Re。マンガン族元素の一つ。銀白色の金属(遷移金属)で、比重は21.0、融点は3100 °C、沸点は5800 °C(融点、沸点とも異なる実験値あり)。常温、常圧で安定な結晶構造は、六方最密充填構造 (HCP)。フッ化水素酸、塩酸には不溶。酸化力のある酸(硝酸、熱濃硫酸)には溶ける。過酸化水素や臭素水にも溶ける。原子価は+2価〜+7価。単体では最も硬い金属である。
有用な金属であるが特に希少な金属であり、年間の生産量は極めて僅かである(2002年推定生産量:31トン)。ほぼチリ、ペルー、アメリカ合衆国とカザフスタンのみから生産されている。
択捉島でほぼ純粋な硫化レニウム(IV) (ReS2) の組成を持つレニウム鉱 (Rheniite) が発見されている。択捉島では火山の噴出ガスから回収されて生産されている。
目次 [非表示]
1 用途
2 歴史
3 レニウムの化合物
4 同位体
5 関連項目
6 出典
7 外部リンク
用途[編集]
フィラメント、熱電対 (タングステン・レニウム合金)、水素化触媒などに利用される。タングステン・レニウム合金は航空宇宙用に用いられる。
歴史[編集]
1925年にノダック (W.Noddack) とタッケ (I.Tacke) とベルグ (O.Berg) が発見[2]。ライン川のラテン名 Rhenus が語源[2]。二番目に遅く発見された天然元素である(最後に発見されたのはフランシウム)。
1908年(明治40年)、小川正孝は43番元素を発見、ニッポニウム (nipponium, Np、日本素という意味だ) と命名したと発表したが、後に43番元素が地球上には存在しないことが判明するとこれは取り消され、元素記号として使用する予定だった Np もネプツニウムに使用された。現在ではこの時発見されたのはレニウムであると考えられている。当時、X線分光装置が手に入らず、正しい測量ができなかったため、誤って43番元素で原子量およそ100の元素として発表した。レニウムが発見されたのちに小川正孝自身で、発見した元素の正しい測量が行われた形跡がある。研究体制さえしっかりしていればレニウムは、ニッポニウムになっていたかもしれない。ちなみに43番元素は人工的に作られたテクネチウムである。
レニウムの化合物[編集]
二ホウ化レニウム (ReB2)
過レニウム酸 (HReO4)
酸化レニウム(IV) (ReO2)
酸化レニウム(VI) (ReO3)
酸化レニウム(VII) (Re2O7)
硫化レニウム(IV) (ReS2)
同位体[編集]
詳細は「レニウムの同位体」を参照
レニウムには安定同位体レニウム185があるが、最も多いのは62.6 %を占めるレニウム187で、半減期412億年の放射性同位体である。一つ以上の安定同位体を持つ元素の中で、天然放射性同位体が安定同位体より多く存在している元素は、レニウムの他にテルルとインジウムがある。
関連項目[編集]
レニウム鉱
出典[編集]
1.^ Magnetic susceptibility of the elements and inorganic compounds, in Handbook of Chemistry and Physics 81st edition, CRC press.
2.^ a b 桜井 弘 『元素111の新知識』 講談社、1998年、309頁。ISBN 4-06-257192-7。
有用な金属であるが特に希少な金属であり、年間の生産量は極めて僅かである(2002年推定生産量:31トン)。ほぼチリ、ペルー、アメリカ合衆国とカザフスタンのみから生産されている。
択捉島でほぼ純粋な硫化レニウム(IV) (ReS2) の組成を持つレニウム鉱 (Rheniite) が発見されている。択捉島では火山の噴出ガスから回収されて生産されている。
目次 [非表示]
1 用途
2 歴史
3 レニウムの化合物
4 同位体
5 関連項目
6 出典
7 外部リンク
用途[編集]
フィラメント、熱電対 (タングステン・レニウム合金)、水素化触媒などに利用される。タングステン・レニウム合金は航空宇宙用に用いられる。
歴史[編集]
1925年にノダック (W.Noddack) とタッケ (I.Tacke) とベルグ (O.Berg) が発見[2]。ライン川のラテン名 Rhenus が語源[2]。二番目に遅く発見された天然元素である(最後に発見されたのはフランシウム)。
1908年(明治40年)、小川正孝は43番元素を発見、ニッポニウム (nipponium, Np、日本素という意味だ) と命名したと発表したが、後に43番元素が地球上には存在しないことが判明するとこれは取り消され、元素記号として使用する予定だった Np もネプツニウムに使用された。現在ではこの時発見されたのはレニウムであると考えられている。当時、X線分光装置が手に入らず、正しい測量ができなかったため、誤って43番元素で原子量およそ100の元素として発表した。レニウムが発見されたのちに小川正孝自身で、発見した元素の正しい測量が行われた形跡がある。研究体制さえしっかりしていればレニウムは、ニッポニウムになっていたかもしれない。ちなみに43番元素は人工的に作られたテクネチウムである。
レニウムの化合物[編集]
二ホウ化レニウム (ReB2)
過レニウム酸 (HReO4)
酸化レニウム(IV) (ReO2)
酸化レニウム(VI) (ReO3)
酸化レニウム(VII) (Re2O7)
硫化レニウム(IV) (ReS2)
同位体[編集]
詳細は「レニウムの同位体」を参照
レニウムには安定同位体レニウム185があるが、最も多いのは62.6 %を占めるレニウム187で、半減期412億年の放射性同位体である。一つ以上の安定同位体を持つ元素の中で、天然放射性同位体が安定同位体より多く存在している元素は、レニウムの他にテルルとインジウムがある。
関連項目[編集]
レニウム鉱
出典[編集]
1.^ Magnetic susceptibility of the elements and inorganic compounds, in Handbook of Chemistry and Physics 81st edition, CRC press.
2.^ a b 桜井 弘 『元素111の新知識』 講談社、1998年、309頁。ISBN 4-06-257192-7。
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