2014年02月13日
二酸化ケイ素
二酸化ケイ素(にさんかケイそ, 英: silicon dioxide)はケイ素の酸化物で、地殻を形成する物質のひとつとして重要である。組成式はSiO2。シリカ(英: silica)、無水ケイ酸とも呼ばれる。圧力、温度の条件により、多様な結晶相(結晶多形)が存在する。
目次 [非表示]
1 性質
2 利用
3 反応
4 埋蔵量
5 毒性
6 脚注
7 参考文献
8 関連項目
9 外部リンク
性質[編集]
結晶は共有結合結晶であり、ケイ素原子を中心とする正四面体構造が酸素原子を介して無数に連なる構造をしている。
二酸化ケイ素の結晶多形の中で代表的なものとして、石英(英: quartz、水晶)、鱗珪石(英: tridymite、トリディマイト)、クリストバライト(英: cristobalite)、コーサイト(英: coesite)、 スティショバイト(英: stishovite)、ザイフェルト石(英: Seifertite)、衝撃石英(英: Shocked quartz)などがある。
温度と圧力を変化させた場合のシリカ鉱物(SiO2)の安定関係が次第に明らかになってきた。常温常圧下ではα石英が安定だが、573度でβ石英に転移する。さらに温度を上げると、870度でトリディマイト、さらにクリストバライトとなり、融解に到る。温度ではなく圧力を上げていくと、500度から800度の場合は、3.5GPaでコーサイト(1953年に合成)に、10GPaでスティショバイト(1961年に合成)に転移することが分かった。
ケイ素原子は非常な高圧下では6個の酸素原子が配位した八面体構造をとることもある。1961年にソ連のS.M.StishovとS.V.Popovaが1200℃、160kbarという条件下で人工的な合成に成功したスティショバイトである。これは隕石が地表に衝突した際にも生成する。例えば、バリンジャー隕石孔から発見されている。遷移層から下部マントル程度の高圧条件下ではシリカはスティショバイト構造をとると考えられている[1][2][3]。
利用[編集]
電球の内側に、眩しさを防ぎ光を拡散させる目的で塗料として塗られる。また、無機ガラスの主成分である。タイヤのゴムに、補強充填剤としてシリカが配合される。
また、「無水ケイ酸」などと呼ばれ食品添加物や化粧品などに用いられる。これについてはシリカ#食品添加物としての利用およびシリカ#化粧品・医薬品への添加を参照のこと。
反応[編集]
二酸化ケイ素はフッ化水素ガス (HF) やフッ化水素酸 (aq. HF) と反応し、それぞれフッ化ケイ素 (SiF4)、ヘキサフルオロケイ酸 (H2SiF6) を生ずる。
SiO2 + 4HF(gas) → SiF4 + 2H2OSiO2 + 6HF(aq) → H2SiF6 + 2H2O
また、固体の水酸化ナトリウム (NaOH) と熱することによりケイ酸ナトリウム (Na2SiO3) が生成する。ケイ酸ナトリウムに水を加えて熱すると水ガラスとなる。
SiO2 + 2NaOH → Na2SiO3 + H2O
埋蔵量[編集]
二酸化ケイ素(シリカ)は石英、珪砂、珪石などの形で産出する。天然の石英の資源量には限りがあるが、工業的には代わりに人工石英がもちいられる[4]。珪砂や珪石の資源量は非常に潤沢であり、工業用の純度の高いものも世界中に広く分布する[5]。
成熟した砂漠の砂にも多く含まれる。砂漠#砂の組成を参照。
毒性[編集]
粉体状のものを多量に吸入すると、塵肺の一種である珪肺の原因となる[6]。ホークス・ネストトンネル災害などが発生し、鉱石採掘現場での労働災害が課題となった。シリカ結晶は、国際がん研究機関によりグループ1の「ヒトに対する発癌性が認められる」物質に指定されている。微粉末の吸入が問題なのであり、吸入しなければ問題は認められない。例えばある程度大きな結晶を素手で触れたとしても、それ自体は何ら問題ではない。
目次 [非表示]
1 性質
2 利用
3 反応
4 埋蔵量
5 毒性
6 脚注
7 参考文献
8 関連項目
9 外部リンク
性質[編集]
結晶は共有結合結晶であり、ケイ素原子を中心とする正四面体構造が酸素原子を介して無数に連なる構造をしている。
二酸化ケイ素の結晶多形の中で代表的なものとして、石英(英: quartz、水晶)、鱗珪石(英: tridymite、トリディマイト)、クリストバライト(英: cristobalite)、コーサイト(英: coesite)、 スティショバイト(英: stishovite)、ザイフェルト石(英: Seifertite)、衝撃石英(英: Shocked quartz)などがある。
温度と圧力を変化させた場合のシリカ鉱物(SiO2)の安定関係が次第に明らかになってきた。常温常圧下ではα石英が安定だが、573度でβ石英に転移する。さらに温度を上げると、870度でトリディマイト、さらにクリストバライトとなり、融解に到る。温度ではなく圧力を上げていくと、500度から800度の場合は、3.5GPaでコーサイト(1953年に合成)に、10GPaでスティショバイト(1961年に合成)に転移することが分かった。
ケイ素原子は非常な高圧下では6個の酸素原子が配位した八面体構造をとることもある。1961年にソ連のS.M.StishovとS.V.Popovaが1200℃、160kbarという条件下で人工的な合成に成功したスティショバイトである。これは隕石が地表に衝突した際にも生成する。例えば、バリンジャー隕石孔から発見されている。遷移層から下部マントル程度の高圧条件下ではシリカはスティショバイト構造をとると考えられている[1][2][3]。
利用[編集]
電球の内側に、眩しさを防ぎ光を拡散させる目的で塗料として塗られる。また、無機ガラスの主成分である。タイヤのゴムに、補強充填剤としてシリカが配合される。
また、「無水ケイ酸」などと呼ばれ食品添加物や化粧品などに用いられる。これについてはシリカ#食品添加物としての利用およびシリカ#化粧品・医薬品への添加を参照のこと。
反応[編集]
二酸化ケイ素はフッ化水素ガス (HF) やフッ化水素酸 (aq. HF) と反応し、それぞれフッ化ケイ素 (SiF4)、ヘキサフルオロケイ酸 (H2SiF6) を生ずる。
SiO2 + 4HF(gas) → SiF4 + 2H2OSiO2 + 6HF(aq) → H2SiF6 + 2H2O
また、固体の水酸化ナトリウム (NaOH) と熱することによりケイ酸ナトリウム (Na2SiO3) が生成する。ケイ酸ナトリウムに水を加えて熱すると水ガラスとなる。
SiO2 + 2NaOH → Na2SiO3 + H2O
埋蔵量[編集]
二酸化ケイ素(シリカ)は石英、珪砂、珪石などの形で産出する。天然の石英の資源量には限りがあるが、工業的には代わりに人工石英がもちいられる[4]。珪砂や珪石の資源量は非常に潤沢であり、工業用の純度の高いものも世界中に広く分布する[5]。
成熟した砂漠の砂にも多く含まれる。砂漠#砂の組成を参照。
毒性[編集]
粉体状のものを多量に吸入すると、塵肺の一種である珪肺の原因となる[6]。ホークス・ネストトンネル災害などが発生し、鉱石採掘現場での労働災害が課題となった。シリカ結晶は、国際がん研究機関によりグループ1の「ヒトに対する発癌性が認められる」物質に指定されている。微粉末の吸入が問題なのであり、吸入しなければ問題は認められない。例えばある程度大きな結晶を素手で触れたとしても、それ自体は何ら問題ではない。
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