2013年03月25日
カナロア充実!〜第43回高松宮記念(GT)/第61回日経賞(GU)
スタートが思いの外悪かったロードカナロアだったが、しかし王者はあわてなかった。
「さすが!」という素晴らしい競馬。
ロードカナロアの着差以上の圧勝ということでいいだろう。
中京の芝コースはコンディションが変わりやすいことから、ペースの判断は難しいところだが、昨日の高松宮記念の前後半は34.3−33.8の1分8秒1(コースレコード)だったから、前半は思ったよりもスローに近い印象があったものの、しかし勝ち時計も含めてだいたい想定された範囲の流れだった。
しかし、これだけハイレベルの戦いであれば、その「わずか」な推測のズレから、実力馬が思わぬ不覚をとってしまうことも十分考えられるのがスプリント戦ではるが(実際、伏兵のハクサンムーンが馬場の悪いインをついて3着に逃げ粘っていた)、しかしそれでもロードカナロアには隙がなかったわけだから、タフな中京コースだろうと何だろうと、やはりロードカナロアの力が大きく抜けていたというのも結果が示している。
それと、岩田騎手の騎乗についてもひとこと。
この人は、とにかく「圧倒的人気」というのがニガテな人だったが、スタートで出負けしながらも、馬だけでなく岩田騎手自身も(内心はともかく)落ち着いて騎乗していたように見えた。
ようやく中央競馬の「トップジョッキー」の仲間入りというところか、成績以外の部分でも。
2着にがんばったドリームバレンチノは、ロードカナロアをマークするような競馬で、普通ならこの馬が勝っていたという内容だった。
ロードカナロアの充実も息を呑むレベルだが、このドリームバレンチノも、昨年秋のスプリンターズステークスでは女王・カレンチャンに肉薄しただけのことはあった。
中京のタフな馬場もこの馬には向いた。
上昇著しかったサクラゴスペルは、4着とは言え、これだけ強い相手との対戦が初めてであったことを考えると、これは健闘の部類に入る4着だと思う。
5着ダッシャーゴーゴーも、まあ、現時点での自分の力は出し切っていたと思う。
期待したフィフスペトルも、サンカルロやエピセアロームに先着の健闘と言えるものの、シルクフォーチュンは珍しく前半から行きたがっていた。
これはおそらく「芝」を意識しすぎたデムーロ(弟)が、初めから押して行った作戦が裏目だった気がする。
シルクフォーチュンについては、いつも通りの競馬に徹してほしかった。
もうひとつ、非常に重要なレースだから日経賞についてもひとこと。
正直なところ、ネコパンチがもっと飛ばして逃げるものと思っていたが、しかし中山はインが悪くなっていることもあって、伏兵のマイネルキッツが早めにまくるいつもの展開になったように、外を回った組がむしろプラスが大きかった。
であったとしても、フェノーメノの強さはもちろん、その鞍上の蛯名騎手、この人は本当に、中山はうまい。
中山内回り、コーナー6回の「有馬記念コース」は、普通は大外枠は不利になる。
しかし、蛯名騎手はまるで絶好枠からのスタートだったかのように絶好位をすぐさまとることができた。
これが大きかった。
流れ的にも、考えられていた以上にタフな流れにはならなかったことが、フェノーメノにとっては大きくプラスしていた。
休養の効果もあっただろう。
これでフェノーメノは、香港に向かうにしても天皇賞・春に向かうにしても、非常に楽しみが大きくなったと思う。
カポーティスターは、フェノーメノと同じ「4歳56kg」で悪い内を通っての競馬だったから大健闘の2着。
京都のほうが明らかに適性が高い天皇賞では要注意だと思う。
3着ムスカテール、4着タッチミーノットは力的に当然の好走、5着マイネルキッツも復調の兆しがあった。
期待したトランスワープは中途半端な競馬になってしまった。大野騎手を責めるのはさすがに酷だが、それだけ今の中山はコース取りが難しくなってきているのも事実。
そして、やや不可解な大惨敗を喫していたオーシャンブルーに関しては、さすがにあの位置取りはないだろうと思うと同時に、反応が鋭いタイプのオーシャンブルー本来の姿ではなかった。
そのあたりの原因が少しわからない部分もあるが、いずれにしても「力負け」というにはあまりにも負けすぎだと思う。
それと、デムーロ騎手は、お兄さんのように、もう少し日本の競馬を研究したほうがいいと思う。
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