買い物をしながらあたりを見回すと、私どものようにお年寄りのご夫婦が買い物をしているのをよく見かける。午前中なんかはほとんどと言っていいほどご年配のお客さんである。その光景を見ながら自分ももうそういう世代になったのだとしみじみ気づかされる。ある会食の場で私の知り合いに聞いてみると、その友人もほとんど毎日のように夫婦同伴で買い物をしているらしい。また、それが楽しいらしい。
よくよく考えてみると、現役時代に身をこなにしながら働き、家庭のことはすべて妻にまかせっきりにして、仕事を終えて自宅に帰ってきては妻の作った料理をただただ無心にいただきながら毎日を過ごしてきた今までの生活そのものが当たり前のように感じていた自分への反省にも思えた。
これからは、妻と一緒に過ごす時間をふやして定年後の人生を楽しむことの喜びを感じとることが大事なことのように思える。平日の昼間からの買い物はその喜びを感じとる場でもあるのだろう。
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