2017年11月07日
豪州金融政策発表前後のAUDJPY反応分析(2017年11月7日12:30発表結果検証済)
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年11月7日12:30に豪州金融政策が発表されます。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。
金融政策発表時は、「市場予想通り現状維持」だった場合と、「市場予想通り政策変更」したときと、「市場予想に反した」ときで、反応が全く異なります。今回の市場予想は現状維持です。
本指標の特徴は以下の通りです。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「T.調査・分析」に記しています。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
RBAとはオーストラリア準備銀行(Reserve Bank Of Australia)のことで、日本の日銀に相当します。RBAの金融政策は、金融政策決定理事会で決定されます。金融政策決定理事会は近年1月を除き毎月第1火曜日に実施されます。
金融政策は、物価を適正水準に保つため中央銀行が行う経済政策です。政策には金融緩和か金融引締という施策があって、政策金利もそのひとつと言えます。
現在、主要先進国で為替レートを適正水準に保とうとする行為は、それがその国の通貨を安くする場合に表向き否定されがちです。がしかし、現実問題として金利が動けば、金利差が広がったときに資金は金利の高い方へと移動します。そして、政策金利を動かした国の通貨の為替レートが動きます。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
添付図は、2014年12月以降全ての始値基準ローソク足ですが、コメントは特に断らない限り、そのうち「市場予想通り現状維持」だったときのものです。
まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が6pipsです。跳幅が10pips以上だったことは過去2回(頻度8%)あります。
この2回の直後1分足跳幅は23pipsで、これは直後1分足の過去全平均20pipsとほぼ同じです。そして、この2回の直前10-1分足と直後1分足の方向は1回の一致です。
つまり、直前10-1分足の反応が大きくても、それが直後1分足の反応程度や方向を示唆しているとは言えません。
次に、直前1分足の過去平均跳幅は13pipsです。この跳幅が20pips以上だったことは過去2回(頻度8%)です。
この2回の直前1分足跳幅平均は85pipsにも達しており、何か異常です。こんな予想もつかない動きをし得るときには、取引しないに越したことがありません。
そして、直後1分足の過去平均跳幅は20pipsです。この跳幅が30pips以上だったことは7回(頻度27%)です。とは言え、この7回は全て昨年以前に起きており、2017年に入ってからは一度もこれほど大きく跳ねたことがありません。
直後11分足は、過去平均跳幅が31pips、過去平均値幅が19pipsです。平均的なヒゲの長さは12pipsにもなるので、高値(安値)掴みに気を付けましょう。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
金融政策発表時の分析では、指標一致性分析を行いません。
また、以下の分析は「市場予想通り現状維持」だった場合だけを取り上げて行っています。
まず、反応一致性分析の結果を下図に示します。
直後1分足は陽線率が62%と、目立つ偏りではありません。けれども、直後11分足は陽線率が72%です。
ほとんどの指標では、直後1分足の方が直後11分足よりも偏りが大きくなっているのに、これは珍しい特徴です。
そして、発表前のローソク足方向が、発表後のローソク足方向を示唆している兆しはありません。どちらかと言えば、指標発表前の動きに対し、指標発表後は逆方向に振れることが多いようですが、極端な確率でそれが起きているとは言えません。
直後1分足と直後11分足の方向一致率は80%です。
次に、反応性分析の結果を下図に示します。
まず、以前に比べて反応が小さくなっていることがわかります。過去12回の発表で、直後1分足跳幅は12pipsしかありません。金融政策発表なのに、これでは他の指標と比べて、むしろ反応が小さい指標になってしまっています。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は64%と低く、そしてその64%の方向一致時だけを取り上げて直後1分足と直後11分足とを比較すると、跳値同士・終値同士で反応が伸びたことは各61%しかありません。全ての場合で、直後1分足を超えて直後11分足が伸びたことは、跳幅にせよ値幅にせよ39%しかありません。
逆に、直後11分足終値が直後1分足値幅を削ったり、直後1分足とは反転したことは61%なので、これなら直後1分足跳値を狙って逆張りした方が勝率が稼げるぐらいです。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年11月12日に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は「市場予想通り現状維持」で、反応は陽線でした。
会合後の声明文の要点は、次の通りでした。
成長率は、今後数年間でおよそ平均3%増になると予想しています。但し、その障害として、家計収入の伸びが鈍化し、家計債務も高水準となっており、消費の先行きを不透明にしている点を挙げています。
雇用は労働参加率の改善で、各種先行指標が拡大継続との認識を示しました。但し、賃金の伸びは弱いままで、こうした状況は続くことに懸念を示しています。
物価は、まだCPI・コアCPIがともに+2%をやや下回った状態で推移する可能性が高いとの見通しを示しました。上昇ペースはゆっくりで、豪州経済の回復について徐々に加速していくという見通しのままです。
よって、金融政策を現状のまま維持することが経済成長を持続的に安定させ、やがてインフレ目標(2-3%)を達成することに役立つと判断した、というのが結論でした。
内容的には、前月までとそれほど変化していません。発表直後の速報で「今後数年で3%の見通し」と流した通信社もあったらしく、それが陽線での反応に結び付いたのかも知れません。
取引結果は次の通りでした。
5-10pipsで利確のつもりでしたが、手こずりました。
事前調査分析内容を以下に検証しておきます。
事前準備していたシナリオは次の通りです。
問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年11月7日12:30に豪州金融政策が発表されます。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。
金融政策発表時は、「市場予想通り現状維持」だった場合と、「市場予想通り政策変更」したときと、「市場予想に反した」ときで、反応が全く異なります。今回の市場予想は現状維持です。
本指標の特徴は以下の通りです。
- RBAは最近の声明や幹部発言で「当面の政策変更なし」を繰り返し説明しています。
その結果、直近12回の反応は直後1分足跳幅が12pipsとかなり小さくなっています。前回は僅か5pipsでした。今ではあまり取引に向かない指標となってしまいました。
今回も「市場予想通り現状維持」だった場合、直後1分足値幅は10pips程度、直後11分足も20pips程度しか動かない、と予想されます。 - 指標発表前は注意が必要です。
直前10-1分足はあまり動かず、直前1分足の方が大きく動きがちです。特に、直前1分足は、以前に数10pips動いたことがあり、他の指標のように特に陰線率が高い訳でもないので、この期間に取引を行うことは余計なリスクを負うことに他なりません。 - 指標発表直後は、幸いというか意外なことに、「市場予想通り現状維持」だった場合、逆ヒゲを形成することが少ないので、あまり心配いりません。10pips以上の逆ヒゲは過去1回(頻度4%)しかありません。
むしろ注意すべき点は、あまり追撃に向いていない点です。直後1分足と直後11分足は方向一致率こそ80%もあるものの、跳幅同士・値幅同士を比較して反応を伸ばしたことが各39%しかありません。
但し、直近の4回は続けて直後1分足・直後11分足ともに陰線で、4回とも跳幅同士・値幅同士で陰線側に反応を伸ばしています。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
- 「市場予想通り現状維持」だった場合、直後1分足終値がつく頃に、順張り追撃を開始します。そして、5〜10pipsも取れたら利確です。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「T.調査・分析」に記しています。
T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
【1. 指標概要】
RBAとはオーストラリア準備銀行(Reserve Bank Of Australia)のことで、日本の日銀に相当します。RBAの金融政策は、金融政策決定理事会で決定されます。金融政策決定理事会は近年1月を除き毎月第1火曜日に実施されます。
金融政策は、物価を適正水準に保つため中央銀行が行う経済政策です。政策には金融緩和か金融引締という施策があって、政策金利もそのひとつと言えます。
現在、主要先進国で為替レートを適正水準に保とうとする行為は、それがその国の通貨を安くする場合に表向き否定されがちです。がしかし、現実問題として金利が動けば、金利差が広がったときに資金は金利の高い方へと移動します。そして、政策金利を動かした国の通貨の為替レートが動きます。
【2. 既出情報】
(2-1. 過去情報)
(2-1. 過去情報)
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
添付図は、2014年12月以降全ての始値基準ローソク足ですが、コメントは特に断らない限り、そのうち「市場予想通り現状維持」だったときのものです。
まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が6pipsです。跳幅が10pips以上だったことは過去2回(頻度8%)あります。
この2回の直後1分足跳幅は23pipsで、これは直後1分足の過去全平均20pipsとほぼ同じです。そして、この2回の直前10-1分足と直後1分足の方向は1回の一致です。
つまり、直前10-1分足の反応が大きくても、それが直後1分足の反応程度や方向を示唆しているとは言えません。
次に、直前1分足の過去平均跳幅は13pipsです。この跳幅が20pips以上だったことは過去2回(頻度8%)です。
この2回の直前1分足跳幅平均は85pipsにも達しており、何か異常です。こんな予想もつかない動きをし得るときには、取引しないに越したことがありません。
そして、直後1分足の過去平均跳幅は20pipsです。この跳幅が30pips以上だったことは7回(頻度27%)です。とは言え、この7回は全て昨年以前に起きており、2017年に入ってからは一度もこれほど大きく跳ねたことがありません。
直後11分足は、過去平均跳幅が31pips、過去平均値幅が19pipsです。平均的なヒゲの長さは12pipsにもなるので、高値(安値)掴みに気を付けましょう。
【3. 定型分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
金融政策発表時の分析では、指標一致性分析を行いません。
また、以下の分析は「市場予想通り現状維持」だった場合だけを取り上げて行っています。
まず、反応一致性分析の結果を下図に示します。
直後1分足は陽線率が62%と、目立つ偏りではありません。けれども、直後11分足は陽線率が72%です。
ほとんどの指標では、直後1分足の方が直後11分足よりも偏りが大きくなっているのに、これは珍しい特徴です。
そして、発表前のローソク足方向が、発表後のローソク足方向を示唆している兆しはありません。どちらかと言えば、指標発表前の動きに対し、指標発表後は逆方向に振れることが多いようですが、極端な確率でそれが起きているとは言えません。
直後1分足と直後11分足の方向一致率は80%です。
次に、反応性分析の結果を下図に示します。
まず、以前に比べて反応が小さくなっていることがわかります。過去12回の発表で、直後1分足跳幅は12pipsしかありません。金融政策発表なのに、これでは他の指標と比べて、むしろ反応が小さい指標になってしまっています。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は64%と低く、そしてその64%の方向一致時だけを取り上げて直後1分足と直後11分足とを比較すると、跳値同士・終値同士で反応が伸びたことは各61%しかありません。全ての場合で、直後1分足を超えて直後11分足が伸びたことは、跳幅にせよ値幅にせよ39%しかありません。
逆に、直後11分足終値が直後1分足値幅を削ったり、直後1分足とは反転したことは61%なので、これなら直後1分足跳値を狙って逆張りした方が勝率が稼げるぐらいです。
【4. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
- 「市場予想通り現状維持」だった場合、直後1分足終値がつく頃に、順張り追撃を開始します。そして、5〜10pipsも取れたら利確です。
以上
2017年11月7日12:30発表
以下は2017年11月12日に追記しています。
V.発表結果検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は「市場予想通り現状維持」で、反応は陽線でした。
会合後の声明文の要点は、次の通りでした。
成長率は、今後数年間でおよそ平均3%増になると予想しています。但し、その障害として、家計収入の伸びが鈍化し、家計債務も高水準となっており、消費の先行きを不透明にしている点を挙げています。
雇用は労働参加率の改善で、各種先行指標が拡大継続との認識を示しました。但し、賃金の伸びは弱いままで、こうした状況は続くことに懸念を示しています。
物価は、まだCPI・コアCPIがともに+2%をやや下回った状態で推移する可能性が高いとの見通しを示しました。上昇ペースはゆっくりで、豪州経済の回復について徐々に加速していくという見通しのままです。
よって、金融政策を現状のまま維持することが経済成長を持続的に安定させ、やがてインフレ目標(2-3%)を達成することに役立つと判断した、というのが結論でした。
内容的には、前月までとそれほど変化していません。発表直後の速報で「今後数年で3%の見通し」と流した通信社もあったらしく、それが陽線での反応に結び付いたのかも知れません。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
5-10pipsで利確のつもりでしたが、手こずりました。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
事前調査分析内容を以下に検証しておきます。
- 今回も「市場予想通り現状維持」でした。RBAは2016年9月以降、政策金利を1.5%据え置きを継続しています。
その結果、直近12回の反応は直後1分足跳幅が12pipsとかなり小さくなっていました。今回も直後1分足値幅は7pips(跳幅は16pips)、直後11分足も15pipsと、以前とは比べようもない小さな反応でした。 - 指標発表前の動きに注意を喚起しておきましたが、今回は
直前10-1分足も直前1分足も2pipsしか動きませんでした。 - 指標発表直後の逆ヒゲは小さく、今回は反転せずに反応を伸ばしていきました。直近の4回は続けて直後1分足・直後11分足ともに陰線で、4回とも跳幅同士・値幅同士で陰線側に反応を伸ばしていたものの、今回は陽線側に反応を伸ばしました。
(6-2. シナリオ検証)
事前準備していたシナリオは次の通りです。
- 「市場予想通り現状維持」だった場合、直後1分足終値がつく頃に、順張り追撃を開始します。そして、5〜10pipsも取れたら利確です。
問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/6941060
この記事へのトラックバック