2017年09月13日
豪州雇用統計発表前後のAUDJPY反応分析(2017年9月14日10:30発表結果検証済)
残念ながら、本指標取引はできそうもありません。それは良いのですが、検証記事もおそらくすぐに出せないでしょう。予めお断りしていおきます。
以下、「T.指標予想要点」「U.過去調査詳細」を事前投稿し、「V.発表結果検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「V.発表結果検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年9月14日10:30に豪州雇用統計発表されます。今回発表は2017年8月分の集計結果です。
本指標発表後30分後の11:00には、中国指標「固定資産投資」「鉱工業生産指数」「小売売上高指数」が発表されます。本指標発表後しばらくすると、これら中国指標を睨んだ動きに移行する可能性があります。ご注意ください。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点の値です。
※ 市場予想は発表直前に確認しておきましょう。
※ 黄色欄は、後述する事前差異判別式の変数と解です。
本指標の特徴は以下の通りです。
以下のシナリオで取引に臨みます。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「T.調査・分析」に記しています。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
新規雇用者数の調査は、事業者の給与支払い帳簿を基に集計したものです。
指標の良し悪しを見る上で、豪州人口が自然増であることや毎月の離職者も存在することを踏まえると、+1万人ぐらいが中立的な数字ではないでしょうか。
失業率については、リーマンショック前の2008年頃には4.1%まで低下したことがあります。直近では2017年5月分の5.1%が最も低い数字です。
2015年末を境に、それ以前に比べて反応が小さくなっています。それ以前からRBAは利下げを行っていたので、その時期に大きく情勢が変わったことは、FRBの利上げ開始です。米豪金利差が小さくなるスピードが速まると、豪雇用統計への反応が小さくなる理由はわかりません。
とは言え、それでも本指標が大きく反応する経済指標のひとつであることには変わりありません。
大きく反応する指標なので、指標発表時刻を跨いでポジションを取ることは薦められません。大きく動く指標の分析で最も大切なことは、どうすれば発表後の追撃が容易になるか(アテを作っておくか)、です。
本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。
最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅は、過去平均で36pipsです。分布は、19-36pips跳ねたことが48%と半分近くあります。それ未満の18pips以下だったことは13%しかありません。反応が大きいため、指標発表時刻を跨いでポジションを持つことは慎重でなければいけません。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。
項目が多いため、個別項目毎に細かくグラフを眺める前に、見るべきポイントを絞り込みましょう。各項目毎に反応方向にどの程度影響しているのかを下表に纏めておきました。
上表の上3行は、失業率と新規雇用者数と労働参加率の各項目について、ひとつずつ反応方向との一致率を求めています。これは予備計算のようなもので、この予備計算は最も反応方向との一致率が高い項目に注目しています。
そして、上から4行目・5行目・6行目は、それぞれ事前差異と直前10-1分足・事後差異と直後1分足・実態差異と直後11分足の方向一致率が高くなるように、係数を求めています。
結果、本指標ではそれらを細かく使い分けるよりも、同じ係数の判別式として使っても、方向一致率があまり変わらないことがわかりました。
判別式は、ー5✕失業率の差異[%]+2✕新規雇用者数の差異[万人]+1✕労働参加率の差異[%]、です。
過去発表時の直後1分足は、この判別式の符号がプラスのとき陽線でマイナスのとき陰線となる正解率が80%となります。
式が表す内容を掴みます。
失業率は、過去のグラフ推移を見ると、市場予想と発表結果のズレが0.1〜0.2%程度です。仮に0.1%上振れした場合を想定すると、この上振れをキャンセルし得る新規雇用者数は、判別式の係数から0.4万人の増加ということになります。
失業率の市場予想とのズレは0.1〜0.2%程度しか起きない、とします。このとき、新規雇用者数0.8万人以上のズレが起きれば、先の判別式係数の関係で、直後1分足の反応方向は新規雇用者数のズレに依存します。そして、新規雇用者数の0.8万人というズレなんて、しょっちゅう起きていると見立てます。
2015年2月以降前回発表までの30回で、新規雇用者数の前月結果と発表結果が入れ替わったことは17回あります(頻度57%)。そして、前回7月分発表では、発表結果が市場予想を上回りました。よって、今回は発表結果が市場予想を下回る期待的中率は57%ということになります。
たいしてアテになりませんね。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が9pipsです。その跳幅が10pips以上だったことは過去11回(頻度35%)あります。この11回の直後1分足跳幅は35pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均37pipsとほぼ同じです。そして、この11回の直前10-1分足と直後1分足の方向は5回(45%)一致しています。
つまり、直前10-1分足の反応が平均より少し大きく動いたからと言って、それが直後1分足の反応程度や方向を示唆しているとは言えません。
次に、直前1分足は過去平均跳幅が8pipsです。跳幅が10pips以上だったことは過去7回(23%)あります。この6回の直後1分足跳幅の平均は38pipsで、これは過去全平均37pipsとほぼ同じです。そして、このとき直前1分足と直後1分足の方向は1回も一致していません(0%)。
つまり、直前1分足跳幅が平均より少し大きく10pips動いたときは注意が必要です。過去事例では、こうした場合には全て、直前1分足と同じ方向に直後1分足が反応していません(逆か始値終値同値)。釣られて直前1分足が伸びた方向に追撃すべきでありません。
そして、直後1分足の過去平均跳幅と値幅の差は9pips(1ー値幅/跳幅=戻り比率25%)です。直後11分足のそれは13pips(戻り比率31%)です。かなり大きく反応する指標としては、戻り比率が小さくなっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
まず、指標一致性分析の結果を下表に示します。
事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率がそれぞれ81%・80%となっています。市場予想に対する発表結果の良し悪しに、素直に反応する指標です。
実態差異と直後1分足の方向一致率が71%となっています。前回結果に対する発表結果の良し悪しの影響も受けています。
次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。
直前1分足は陰線率が86%、直後1分足は陽線率が74%と、偏りが目立ちます。そして、直前1分足と直後1分足の方向一致率が24%(不一致率76%)となっており、矛盾はありません。
その他、直後1分足と直後11分足の方向一致率が80%と高い点を除けば、先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆しはありません。
最後に、反応性分析の結果を下表に示します。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は80%です。そして、その80%の方向一致時だけを取り上げて直後1分足跳幅を、直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことが63%です。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら早期追撃です。
そして、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは53%となっています。それほど安心してポジションを持ち続けられる数字ではないので、発表から1分を過ぎたら早期利確した方がよいと思われます。その後の追撃は、短期利確の繰り返して行った方が良いでしょう。
以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年9月16日に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は、新規雇用者数・常勤雇用者数・労働参加率のいずれも前回を上回り、反応は陽線となりました。
今回は事前記載のように取引ができませんでした。ちょっと用事が。
事前調査・分析内容を以下に検証します
事前準備していたシナリオは次の通りです。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
ーーー$€¥ーーー
以下、「T.指標予想要点」「U.過去調査詳細」を事前投稿し、「V.発表結果検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「V.発表結果検証」のタイトル行付近に記載しています。
T.指標予想要点
2017年9月14日10:30に豪州雇用統計発表されます。今回発表は2017年8月分の集計結果です。
本指標発表後30分後の11:00には、中国指標「固定資産投資」「鉱工業生産指数」「小売売上高指数」が発表されます。本指標発表後しばらくすると、これら中国指標を睨んだ動きに移行する可能性があります。ご注意ください。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点の値です。
※ 市場予想は発表直前に確認しておきましょう。
※ 黄色欄は、後述する事前差異判別式の変数と解です。
本指標の特徴は以下の通りです。
- 反応程度はかなり大きく(直後1分足跳幅の過去平均36pips)、指標結果の良し悪しに「素直に反応」します。但し、直後11分足終値が直後1分足終値を超えて反応を伸ばしていたことは53%ですから、追撃ポジションの長持ちは避けた方が良いでしょう。
- 上記「素直に反応」とは、直後1分足の反応方向が、ー5✕失業率の差異[%]+2✕新規雇用者数の差異[万人]+1✕労働参加率の差異[%]、という判別式符号と80%一致していること(プラスならば陽線、マイナスならば陰線)を指しています。
式の係数の大きさから言えば、失業率0.1%のズレは、新規雇用者数0.4万人に相当します。 - 直前1分足は過去平均跳幅が8pipsです。跳幅が10pips以上だったことは過去7回(23%)あります。この6回の直後1分足は全て、直前1分足と逆方向に反応しています。
釣られて直前1分足が伸びた方向に追撃すべきでありません。
以下のシナリオで取引に臨みます。
- 直前1分足は陰線と見込みます。
- 直後1分足は、直前1分足が10pips以上跳ねたときに、指標発表直前にその跳ねと逆方向にポジションを取ります。利確/損切は発表直後の跳ねで行います。
- 追撃は早期開始し、発表から1分程度で早めに行います。
更に追撃する場合は短期利確の繰り返しで行います。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「T.調査・分析」に記しています。
U.過去調査詳細
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
【1. 指標概要】
新規雇用者数の調査は、事業者の給与支払い帳簿を基に集計したものです。
指標の良し悪しを見る上で、豪州人口が自然増であることや毎月の離職者も存在することを踏まえると、+1万人ぐらいが中立的な数字ではないでしょうか。
失業率については、リーマンショック前の2008年頃には4.1%まで低下したことがあります。直近では2017年5月分の5.1%が最も低い数字です。
2015年末を境に、それ以前に比べて反応が小さくなっています。それ以前からRBAは利下げを行っていたので、その時期に大きく情勢が変わったことは、FRBの利上げ開始です。米豪金利差が小さくなるスピードが速まると、豪雇用統計への反応が小さくなる理由はわかりません。
とは言え、それでも本指標が大きく反応する経済指標のひとつであることには変わりありません。
大きく反応する指標なので、指標発表時刻を跨いでポジションを取ることは薦められません。大きく動く指標の分析で最も大切なことは、どうすれば発表後の追撃が容易になるか(アテを作っておくか)、です。
ーーー$€¥ーーー
本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。
最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅は、過去平均で36pipsです。分布は、19-36pips跳ねたことが48%と半分近くあります。それ未満の18pips以下だったことは13%しかありません。反応が大きいため、指標発表時刻を跨いでポジションを持つことは慎重でなければいけません。
【2. 既出情報】
(2-1. 過去情報)
(2-1. 過去情報)
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。
項目が多いため、個別項目毎に細かくグラフを眺める前に、見るべきポイントを絞り込みましょう。各項目毎に反応方向にどの程度影響しているのかを下表に纏めておきました。
上表の上3行は、失業率と新規雇用者数と労働参加率の各項目について、ひとつずつ反応方向との一致率を求めています。これは予備計算のようなもので、この予備計算は最も反応方向との一致率が高い項目に注目しています。
そして、上から4行目・5行目・6行目は、それぞれ事前差異と直前10-1分足・事後差異と直後1分足・実態差異と直後11分足の方向一致率が高くなるように、係数を求めています。
結果、本指標ではそれらを細かく使い分けるよりも、同じ係数の判別式として使っても、方向一致率があまり変わらないことがわかりました。
判別式は、ー5✕失業率の差異[%]+2✕新規雇用者数の差異[万人]+1✕労働参加率の差異[%]、です。
過去発表時の直後1分足は、この判別式の符号がプラスのとき陽線でマイナスのとき陰線となる正解率が80%となります。
式が表す内容を掴みます。
失業率は、過去のグラフ推移を見ると、市場予想と発表結果のズレが0.1〜0.2%程度です。仮に0.1%上振れした場合を想定すると、この上振れをキャンセルし得る新規雇用者数は、判別式の係数から0.4万人の増加ということになります。
ーーー$€¥ーーー
失業率の市場予想とのズレは0.1〜0.2%程度しか起きない、とします。このとき、新規雇用者数0.8万人以上のズレが起きれば、先の判別式係数の関係で、直後1分足の反応方向は新規雇用者数のズレに依存します。そして、新規雇用者数の0.8万人というズレなんて、しょっちゅう起きていると見立てます。
2015年2月以降前回発表までの30回で、新規雇用者数の前月結果と発表結果が入れ替わったことは17回あります(頻度57%)。そして、前回7月分発表では、発表結果が市場予想を上回りました。よって、今回は発表結果が市場予想を下回る期待的中率は57%ということになります。
たいしてアテになりませんね。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が9pipsです。その跳幅が10pips以上だったことは過去11回(頻度35%)あります。この11回の直後1分足跳幅は35pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均37pipsとほぼ同じです。そして、この11回の直前10-1分足と直後1分足の方向は5回(45%)一致しています。
つまり、直前10-1分足の反応が平均より少し大きく動いたからと言って、それが直後1分足の反応程度や方向を示唆しているとは言えません。
次に、直前1分足は過去平均跳幅が8pipsです。跳幅が10pips以上だったことは過去7回(23%)あります。この6回の直後1分足跳幅の平均は38pipsで、これは過去全平均37pipsとほぼ同じです。そして、このとき直前1分足と直後1分足の方向は1回も一致していません(0%)。
つまり、直前1分足跳幅が平均より少し大きく10pips動いたときは注意が必要です。過去事例では、こうした場合には全て、直前1分足と同じ方向に直後1分足が反応していません(逆か始値終値同値)。釣られて直前1分足が伸びた方向に追撃すべきでありません。
そして、直後1分足の過去平均跳幅と値幅の差は9pips(1ー値幅/跳幅=戻り比率25%)です。直後11分足のそれは13pips(戻り比率31%)です。かなり大きく反応する指標としては、戻り比率が小さくなっています。
【3. 定型分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
まず、指標一致性分析の結果を下表に示します。
事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率がそれぞれ81%・80%となっています。市場予想に対する発表結果の良し悪しに、素直に反応する指標です。
実態差異と直後1分足の方向一致率が71%となっています。前回結果に対する発表結果の良し悪しの影響も受けています。
次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。
直前1分足は陰線率が86%、直後1分足は陽線率が74%と、偏りが目立ちます。そして、直前1分足と直後1分足の方向一致率が24%(不一致率76%)となっており、矛盾はありません。
その他、直後1分足と直後11分足の方向一致率が80%と高い点を除けば、先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆しはありません。
最後に、反応性分析の結果を下表に示します。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は80%です。そして、その80%の方向一致時だけを取り上げて直後1分足跳幅を、直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことが63%です。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら早期追撃です。
そして、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは53%となっています。それほど安心してポジションを持ち続けられる数字ではないので、発表から1分を過ぎたら早期利確した方がよいと思われます。その後の追撃は、短期利確の繰り返して行った方が良いでしょう。
【4. シナリオ作成】
以下のシナリオで取引に臨みます。
- 直前1分足は陰線と見込みます。
- 直後1分足は、直前1分足が10pips以上跳ねたときに、指標発表直前にその跳ねと逆方向にポジションを取ります。利確/損切は発表直後の跳ねで行います。
- 追撃は早期開始し、発表から1分程度で早めに行います。
更に追撃する場合は短期利確の繰り返しで行います。
以上
2017年9月14日10:30発表
以下は2017年9月16日に追記しています。
V.発表結果検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は、新規雇用者数・常勤雇用者数・労働参加率のいずれも前回を上回り、反応は陽線となりました。
(5-2. 取引結果)
今回は事前記載のように取引ができませんでした。ちょっと用事が。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
事前調査・分析内容を以下に検証します
- 直後1分足跳幅の過去平均は36pipsで、今回は40pipsでした。指標結果は良い結果で、これに「素直に反応」しました。
直後11分足終値が直後1分足終値を超えて反応を伸ばしていたことは過去53%ですが、今回はそのまま反応を伸ばしました。 - 上記「素直に反応」とは、直後1分足の反応方向が、ー5✕失業率の差異[%]+2✕新規雇用者数の差異[万人]+1✕労働参加率の差異[%]、という判別式符号と80%一致していること(プラスならば陽線、マイナスならば陰線)を指しています。
上式に今回の結果を代入すると解の符号はプラスです。よって、判別式は有効でした。
(6-2. シナリオ検証)
事前準備していたシナリオは次の通りです。
- 直前1分足は陰線と見込み、結果は陰線でした。
- 直後1分足は、直前1分足が10pips以上跳ねたときに、指標発表直前にその跳ねと逆方向にポジションを取るつもりでした。今回の直前1分足跳幅は7pipsなので、ポジションは取らなかったはずです。
- 追撃は早期開始し、発表から1分程度で早めに行うつもりでした。更に追撃する場合は短期利確の繰り返しで行うつもりでした。
直後1分足はほとんど上ヒゲを残していません。直後11分足は直後1分足よりも反応を伸ばしています。負けにくい取引となっていた、と推察されます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/6693281
この記事へのトラックバック