2017年08月20日
2017年8月第3週成績と、次週第4週主要指標反応pipsと、反省の仕方
大した経験ではないにせよ、それなりに経験を積んでも負けが続くことはあります。8月第3週がそうでした。分析を外しまくって、週の途中でお詫びしたぐらいです。
本ブログの想定読者は、「FXは上達するのか」で述べているように、少しやってうまくいかない初心者や、やり直しをしている人が対象です。だから、負けたときは、
の反省の重要性を強調しておきます。
「雑なやり方」というのは、お金を賭けているのに馴れてしまって油断が生じていないか、の確認でもあります。馴れとは違いますが、熱くなって損切を繰り返しながら負けを取り戻すポジションを取ろうとしていなかったか、も反省対象です。
つまり「集中と自制のバランス確認」と言ってもいいでしょう。本当のFXの練習というのは、そういうことだと考えています。デモトレードで勝てるようになることではない、と思います。この訓練ができていないと、大きな金額を扱うことなんてできません。
「取引方法」というのは、事前分析とその実行是非の判断力(状況認識力)を指しています。
そもそも、事前分析によって高い勝率を安定して維持できるようになることを目指している訳です。がしかし、どれだけ熱心に事前分析を緻密に行っても負けることがあるなら、その負けを運の問題と分析の問題とに区別する必要があります。分析方法の確立にとって、連敗はノイズになってしまいます。
区別する方法は、例えば3連敗、例えば2週続けての負け、例えば月次成績での負け、といったことで機械的・段階的に捉える方がいいでしょう。
機械的なルールがなければ、理性と感情を扱うことになってしまうので難しそうです。段階的に捉えないと、問題の程度がよくわかりません。
下図は、8月第3週に発表された指標の直後1分足跳幅(青)と直後11分足値幅(緑)について、今回の反応pipsと過去平均pipsを対比表示したものです。
日本指標は4-6月期GDP速報値が発表されました。
相変わらず嫌になるぐらい反応しなかったものの、発表結果には驚きました。前年比が+4.0%で、この数字は他の主要国、米国2.6%・欧州2.2%(改定値)・独国2.1%・英国1.7%・豪州1.7%(1-3月期)、と比較して群を抜いています。内容は、設備投資が好調(前期比+2.4%)で、個人消費も前期比+0.9%だったことが寄与したようです。
米国指標は、実態指標(7月分小売売上高・7月分鉱工業生産)と景気指標(8月分NY連銀製造業景況指数・8月分Phil連銀製造業景況指数・8月分UM消費者信頼感指数速報値)が発表されました。
実態指標は、前月にいずれも数値悪化が目立っていたので、当月結果で米経済の好調ぶりを再確認できました。
小売売上高は、前月比・コア前月比ともに直近ピークの2017年4月を上回り、前月比は2016年12月以来、コア前月比は2017年1月以来の良い数字です。それらの時期はトランプ相場終盤の最も米国指標全般に良かった時期です。
鉱工業生産と製造業生産のグラフ推移からは、今回の発表結果によって好不調変化の兆しが窺えません。ただ設備稼働率は、2016年11月分以降の上昇基調が77%手前で4か月連続停滞しています。最近の設備稼働率は、シェールガス油井稼働率と相関が強くなっています。当面は原油一段高が期待できない以上、当面の最大値に達している可能性があります。
景気指標は、NY連銀製造業景況指数が改善、Phil連銀製造業景況指数がやや低下、UM消費者信頼感指数速報値が改善、でした。
ただ、8月月初はダウが22000ドルを一時上抜けた時期で、その後は株価が下げた報道が目立つため、今後発表される8月分景気指標はまた低下が目立つかも知れません。
欧州指標は独国4-6月期GDP速報値・欧州4-6月期GDP改定値が発表されました。
前年比は独国2.1%・欧州2.2%で、比較基準とすべき米国2.6%に抜かれたことがポイントです(1-3月期は米国の方が低かった)。
英国指標は7月分物価指標・7月分雇用指標・7月分小売売上高が発表されました。
直近の英国指標はBOEの金融政策絡みで注目を集めています。こういうときは、指標結果そのものを見るだけでなく、発表前後の反応が今後の参考になります。
物価指標は、CPI前年比が前月結果と同値だったものの、前月比ほか、市場予想を下回った他の項目が多く、過去上位10%に入る大きな陰線(直後1分足跳幅45pips)で反応しました。
雇用指標は、7月分失業保険申請件数が5か月ぶりにマイナスとなり、6月分失業率も直近最低の4.4%まで低下しました。6月分平均所得も2%を上回り、全面的に良い結果となりました。発表直後の反応は2015年8月以来の大きな陽線を形成したものの、それでも発表から2時間も経つ頃には「行って来い」で指標発表前のGBPJPY水準に戻しました(GBPUSDでは半値戻し)。
小売売上高は前回を下回りました。がしかし、前年比を除く前月比・コア前月比・前年比で市場予想を上回ったため、発表直後こそ陽線側に20pips跳ねたものの、直後11分足は始値同値で終わり、その後は陰線側に転じました。市場予想を上回っても売上が減っているのなら、BOE利上げには繋がりません。
豪州指標は7月分雇用統計が発表されました。
発表結果は新規雇用者数が+2.79万人(予想+2.0万人)となり、初期反応は陽線となりました。がしかし、常勤雇用者数△2.03万人(前回+6.2万人)の悪化が嫌気され、陰線側へと転じました。RBAは当面の利上げ無しを表明しています。やはり、金融政策変更に繋がらない指標結果は、歓迎されないようです。
本ブログ記載の取引方法を検証するため、週次・月次で取引成績を記録しています。人にやり方を薦める以上、(個別取引はさておき)全体として間違っていないことを検証しておきたいからです。
ただ、他人の取引成績なんて興味ありませんよね。ぱぱっと8月第2週の取引結果を纏めておきます。
8月第3週は9指標で取引を行いました。
取引時間は34分10秒(1指標当たり3分53秒)で、損益はいつも1枚ずつの取引で△2,043円(1指標当たり△227円)でした。
勝率は、指標単位で44%(4勝5敗)、シナリオ単位では65%(17勝9敗、見送り4)でした。
確か、週次では今年3度目の負けで、今年最大の負けだと思います。
ぼろ負けですが、負けがせいぜい20pipsに抑えられているので、熱くならずに自制ができたと見なして、「良し」としておきましょう。
3連敗が生じていますが、これは反応が小さいと予めわかっていた指標(分析の期待的中率が低くなりがち)に手を出したことも一因と思われます。
次週8月第4Wの主要指標の過去平均反応を示します。
8月第4週はたいした指標発表が予定されていません。指標名をクリックすると、前回分析にリンクされています。
日本指標は7月分CPIが発表されます。
前週に発表された4-6月期GDP速報値前年比が+4.0%もあったことを思えば、物価は少しずつ上昇しているものの、まだ+0.4%(6月分コアCPI前年比)しかありません。既にこの数年のアベノミクスと黒田バズーカで、GDP100%分の資金を市中供給したのに、貨幣価値が下がっていないのです。
「変なやつ」という解説記事が増えてきたことなんて、大した問題じゃありません。今はいいけど、もし経済状況が悪くなったとき、何をやってもまたも対策にならない、ということが大した問題なのでしょう。「またも」とは、1991年からの「失われた20年」を指しています。
本指標は、結果がどうあれほぼ反応しません。上記の興味から注目しているだけです。
米国指標は、7月分住宅指標(新築住宅販売件数・中古住宅販売件数)が発表されます。
現在、米国住宅市場は在庫不足で、低価格帯住宅の販売が好調です。指標結果はまちまちとなっています。
FX会社HPなどでは注目度や重要度が高く評価されている指標です。これら指標結果を予想するための指標も多く発表されているものの、反応は小さくてがっかりします。
欧州指標は8月分景気指標が続けて発表されます。独国ZEW景況感調査・独国PMI速報値・欧州PMI速報値・Ifo景況指数です。
全体に欧州景気指標は、反応が小さく影響期間が短い、という特徴があります。
英国指標は4-6月期GDP改定値が発表されます。7月26日に発表された前年比速報値は+1.7%で、1-3月期確定値+2.0%を下回りました。+1.7%というのは悪い数字ではありません。市場では、発表直後こそ陽線で反応したものの、その後は反転陰線で反応しました。
本ブログの想定読者は、「FXは上達するのか」で述べているように、少しやってうまくいかない初心者や、やり直しをしている人が対象です。だから、負けたときは、
- 雑なやり方をしていなかったか、
- 取引方法・判断が間違っていないか、
の反省の重要性を強調しておきます。
「雑なやり方」というのは、お金を賭けているのに馴れてしまって油断が生じていないか、の確認でもあります。馴れとは違いますが、熱くなって損切を繰り返しながら負けを取り戻すポジションを取ろうとしていなかったか、も反省対象です。
つまり「集中と自制のバランス確認」と言ってもいいでしょう。本当のFXの練習というのは、そういうことだと考えています。デモトレードで勝てるようになることではない、と思います。この訓練ができていないと、大きな金額を扱うことなんてできません。
「取引方法」というのは、事前分析とその実行是非の判断力(状況認識力)を指しています。
そもそも、事前分析によって高い勝率を安定して維持できるようになることを目指している訳です。がしかし、どれだけ熱心に事前分析を緻密に行っても負けることがあるなら、その負けを運の問題と分析の問題とに区別する必要があります。分析方法の確立にとって、連敗はノイズになってしまいます。
区別する方法は、例えば3連敗、例えば2週続けての負け、例えば月次成績での負け、といったことで機械的・段階的に捉える方がいいでしょう。
機械的なルールがなければ、理性と感情を扱うことになってしまうので難しそうです。段階的に捉えないと、問題の程度がよくわかりません。
【1. 8月第2W主要指標結果】
下図は、8月第3週に発表された指標の直後1分足跳幅(青)と直後11分足値幅(緑)について、今回の反応pipsと過去平均pipsを対比表示したものです。
日本指標は4-6月期GDP速報値が発表されました。
相変わらず嫌になるぐらい反応しなかったものの、発表結果には驚きました。前年比が+4.0%で、この数字は他の主要国、米国2.6%・欧州2.2%(改定値)・独国2.1%・英国1.7%・豪州1.7%(1-3月期)、と比較して群を抜いています。内容は、設備投資が好調(前期比+2.4%)で、個人消費も前期比+0.9%だったことが寄与したようです。
米国指標は、実態指標(7月分小売売上高・7月分鉱工業生産)と景気指標(8月分NY連銀製造業景況指数・8月分Phil連銀製造業景況指数・8月分UM消費者信頼感指数速報値)が発表されました。
実態指標は、前月にいずれも数値悪化が目立っていたので、当月結果で米経済の好調ぶりを再確認できました。
小売売上高は、前月比・コア前月比ともに直近ピークの2017年4月を上回り、前月比は2016年12月以来、コア前月比は2017年1月以来の良い数字です。それらの時期はトランプ相場終盤の最も米国指標全般に良かった時期です。
鉱工業生産と製造業生産のグラフ推移からは、今回の発表結果によって好不調変化の兆しが窺えません。ただ設備稼働率は、2016年11月分以降の上昇基調が77%手前で4か月連続停滞しています。最近の設備稼働率は、シェールガス油井稼働率と相関が強くなっています。当面は原油一段高が期待できない以上、当面の最大値に達している可能性があります。
景気指標は、NY連銀製造業景況指数が改善、Phil連銀製造業景況指数がやや低下、UM消費者信頼感指数速報値が改善、でした。
ただ、8月月初はダウが22000ドルを一時上抜けた時期で、その後は株価が下げた報道が目立つため、今後発表される8月分景気指標はまた低下が目立つかも知れません。
欧州指標は独国4-6月期GDP速報値・欧州4-6月期GDP改定値が発表されました。
前年比は独国2.1%・欧州2.2%で、比較基準とすべき米国2.6%に抜かれたことがポイントです(1-3月期は米国の方が低かった)。
英国指標は7月分物価指標・7月分雇用指標・7月分小売売上高が発表されました。
直近の英国指標はBOEの金融政策絡みで注目を集めています。こういうときは、指標結果そのものを見るだけでなく、発表前後の反応が今後の参考になります。
物価指標は、CPI前年比が前月結果と同値だったものの、前月比ほか、市場予想を下回った他の項目が多く、過去上位10%に入る大きな陰線(直後1分足跳幅45pips)で反応しました。
雇用指標は、7月分失業保険申請件数が5か月ぶりにマイナスとなり、6月分失業率も直近最低の4.4%まで低下しました。6月分平均所得も2%を上回り、全面的に良い結果となりました。発表直後の反応は2015年8月以来の大きな陽線を形成したものの、それでも発表から2時間も経つ頃には「行って来い」で指標発表前のGBPJPY水準に戻しました(GBPUSDでは半値戻し)。
小売売上高は前回を下回りました。がしかし、前年比を除く前月比・コア前月比・前年比で市場予想を上回ったため、発表直後こそ陽線側に20pips跳ねたものの、直後11分足は始値同値で終わり、その後は陰線側に転じました。市場予想を上回っても売上が減っているのなら、BOE利上げには繋がりません。
豪州指標は7月分雇用統計が発表されました。
発表結果は新規雇用者数が+2.79万人(予想+2.0万人)となり、初期反応は陽線となりました。がしかし、常勤雇用者数△2.03万人(前回+6.2万人)の悪化が嫌気され、陰線側へと転じました。RBAは当面の利上げ無しを表明しています。やはり、金融政策変更に繋がらない指標結果は、歓迎されないようです。
【2. 8月第2W成績】
本ブログ記載の取引方法を検証するため、週次・月次で取引成績を記録しています。人にやり方を薦める以上、(個別取引はさておき)全体として間違っていないことを検証しておきたいからです。
ただ、他人の取引成績なんて興味ありませんよね。ぱぱっと8月第2週の取引結果を纏めておきます。
8月第3週は9指標で取引を行いました。
取引時間は34分10秒(1指標当たり3分53秒)で、損益はいつも1枚ずつの取引で△2,043円(1指標当たり△227円)でした。
勝率は、指標単位で44%(4勝5敗)、シナリオ単位では65%(17勝9敗、見送り4)でした。
確か、週次では今年3度目の負けで、今年最大の負けだと思います。
ぼろ負けですが、負けがせいぜい20pipsに抑えられているので、熱くならずに自制ができたと見なして、「良し」としておきましょう。
3連敗が生じていますが、これは反応が小さいと予めわかっていた指標(分析の期待的中率が低くなりがち)に手を出したことも一因と思われます。
【3. 8月第2W主要指標】
次週8月第4Wの主要指標の過去平均反応を示します。
8月第4週はたいした指標発表が予定されていません。指標名をクリックすると、前回分析にリンクされています。
日本指標は7月分CPIが発表されます。
前週に発表された4-6月期GDP速報値前年比が+4.0%もあったことを思えば、物価は少しずつ上昇しているものの、まだ+0.4%(6月分コアCPI前年比)しかありません。既にこの数年のアベノミクスと黒田バズーカで、GDP100%分の資金を市中供給したのに、貨幣価値が下がっていないのです。
「変なやつ」という解説記事が増えてきたことなんて、大した問題じゃありません。今はいいけど、もし経済状況が悪くなったとき、何をやってもまたも対策にならない、ということが大した問題なのでしょう。「またも」とは、1991年からの「失われた20年」を指しています。
本指標は、結果がどうあれほぼ反応しません。上記の興味から注目しているだけです。
米国指標は、7月分住宅指標(新築住宅販売件数・中古住宅販売件数)が発表されます。
現在、米国住宅市場は在庫不足で、低価格帯住宅の販売が好調です。指標結果はまちまちとなっています。
FX会社HPなどでは注目度や重要度が高く評価されている指標です。これら指標結果を予想するための指標も多く発表されているものの、反応は小さくてがっかりします。
欧州指標は8月分景気指標が続けて発表されます。独国ZEW景況感調査・独国PMI速報値・欧州PMI速報値・Ifo景況指数です。
全体に欧州景気指標は、反応が小さく影響期間が短い、という特徴があります。
英国指標は4-6月期GDP改定値が発表されます。7月26日に発表された前年比速報値は+1.7%で、1-3月期確定値+2.0%を下回りました。+1.7%というのは悪い数字ではありません。市場では、発表直後こそ陽線で反応したものの、その後は反転陰線で反応しました。
以上
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/6611596
この記事へのトラックバック