2017年08月03日
英国景気指標「サービス業PMI」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年8月3日17:30発表結果検証済)
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年8月3日17:30に英国景気指標「サービス業PMI」が発表されます。今回発表は2017年7月分の集計結果です。
20:00にはBOE(MPC)金融政策の発表が予定されています。本指標発表前後の動きもいつもと違う可能性があるのでご注意ください。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点の値です。
※ 本稿は8月2日に記しています。市場予想は発表直前に確認しておきましょう。
本指標の特徴は以下の通りです。
定型分析の結果は以下の通りです。
調査・分析結果は以下の通りです。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「T.調査・分析」に記しています。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
本指標の意義は、企業購買担当者から直接調査した企業景況感を通じ、小売売上高を始めとする実態指標の先行きの予想根拠となることです。それは、経済成長率(GDP)の加速・減速・転換を知るヒントでもあります。
指数の解釈は、50[ips(Index Points)]を上回ると景気拡大・50[ips]を下回ると景気後退、です。
英国重要指標全般に言えることですが、指標発表結果への反応(値動き)が素直で大きいという特徴があります。がしかし、FX会社などの経済指標ランク分では、本指標は他国の景気指標と同程度かそれ以下の重要度・注目度に位置づけられることが多いようです。
けれども、我々は経済情勢自体にでなく、為替レートの動きに興味があります。そういう意味で、英国景気指標は主要国景気指標で最も反応が大きいため、最重要な指標と言えます。調査対象期間で最も大きく反応したときには110pipsにも達しています。米国ISMの反応なんて、本指標の足元にも及ばないのです。
本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。
最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅は、過去平均で24pipsです。反応が大きいため、指標発表時刻を跨いでポジションを持つことは慎重でなければいけません。
また上表分布を別の言い方で説明すると、
です。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。
2016年6月のブリグジット離脱国民投票直後が直近のボトム(底)になっています。その後、同年末まではGBP安による輸出好調によって企業景況感は急上昇しました。2017年に入ってからは上下動1.5回目で、今はその上下動のボトムにあたります。
先の急上昇がGBP安による輸出好調だったなら、今年に入っての上下動もGBP高・GBP安の影響かも知れません。確かめてみましょう。
確かめるなら、貿易額比率が大きいEURGBPについてでなければいけません。サービス業PMIとその調査月月初のEURGBPの関係は、PMIの直近ピークの2016年12月分を基準とし、
の関係があります。
EURGBP↑はGBP安、↓はGBP高ですから、因果関係も説明がつきそうです。
よって、現状のPMI上下動はEURGBPの動きと相関があると仮定します。このとき、今回7月分発表ではEURGBP0.88で↑なので、PMIは↓と予想されます。
市場予想と発表結果の大小関係が、前月と入れ替わった回数は15回(50%)です。
入れ替わり頻度が多く、本指標は現在「市場予想後追い型」ではありません。
製造業PMIとの方向一致率は、先月(7月5日6月分発表)に求めたばかりです。結果は実態差異の方向一致率が58%でした。
両指標の増減方向に関係がないとは断言しませんが、一致率が58%(概算最新値61%)なら他の情報をアテにした方がよさそうです。
一応付記しておくと、当月発表(7月分)の製造業PMIは前月より改善していました。
※ 本分析は2015年1月分から2017年5月分までのデータ(30回)に基づいています。先月発表6月分は、実態差異方向が一致していたので、3%程度、その一致率は上昇しています。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が12pipsです。跳幅がその1.5倍の18pips以上だったことは過去3回(頻度10%)あります。
この3回の直後1分足跳幅は14pipsで、これは直後1分足の過去全平均24pipsより小さくなっています。そして、この3回の直前10-1分足と直後1分足の方向は1回(33%)しか一致していません。
次に、直前1分足の過去平均跳幅は8pipsです。この跳幅が12pips以上だったことは過去5回(頻度16%)です。
この5回の直後1分足跳幅は14pipsで、これは直後1分足の過去全平均24pipsより小さくなっています。そして、この5回の直前10-1分足と直後1分足の方向は2回(40%)しか一致していません。
直後1分足の過去平均跳幅は24pipsです。
平均値である24pipsは計算しにくいので、大きな反応の目安として30pipsと決めましょう。直後1分足跳幅が30pips以上も跳ねたことは、過去に7回(頻度23%)あります。この7回に着目すると、直後1分足が30pips以上の跳ねから逆方向に転じたことは、過去に1度もありません。但し、直後11分足が直後1分足の値幅を削ったことは3回(値幅を伸ばしたことが4回)です。反応が伸びるとは言えません。
直後11分足の過去平均跳幅・値幅は各33pips・20pipsです。その差は13pipsあります。
過去平均よりも大きく、直後11分足跳幅が50pipsに達した場合を観察してみましょう。そうした事例は過去3回ありました。この3回の直後11分足跳幅と値幅の差は平均24pipsです。つまり、大きく反応が伸びたときには、それに応じた大きな戻りがあります。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
結論は、巻頭に図示しています、そちらをご参照願います。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は82%です。そして、その82%の方向一致時だけを取り上げて直後1分足跳幅よりも直後11分足跳幅が伸びたことは70%です。方向一致率が高く、発表から1分を過ぎて更に反応を伸ばした確率も高い以上、初期反応を確認したら早期参加です。
また、直後1分足終値がついた時点から見た直後11分足終値は、そのまま反応を伸ばすことと、直後1分足値幅を削ることと、直後1分足と反転すること、の3通りが起こり得ます。本指標でそのまま反応を伸ばした事例は57%です。安心してポジションを持ち続けるには心もとない数字です。
よって、追撃は短期利確の繰り返しが良いでしょう。
直前1分足は陰線率が77%と、偏りが目立ちます。
そして、直後1分足と直後11分足の方向一致率が高いことを除けば、先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆しは見受けられません。
直前10-1分足は実態差異との方向一致率が72%です。もし直前10-1分足が陰線ならば、発表結果が前回結果を下回り、それは今回の場合だと市場予想も下回る、ということを示唆していることになります。
直後1分足は事後差異・実態差異との方向一致率が各79%・82%です。本指標は発表結果の良し悪しに素直に反応します。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以下は2017年8月3日19:40頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は前回・予想を上回り、反応は陽線でした。
取引結果は次の通りでした。
直前10-1分足は同値でした。がしかし、シナリオに反して指標発表直前にポジションを取り損切です。こういうのが一番いけませんね。
事前調査分析内容を、以下に検証します
事前準備していたシナリオを検証します。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年8月3日17:30に英国景気指標「サービス業PMI」が発表されます。今回発表は2017年7月分の集計結果です。
20:00にはBOE(MPC)金融政策の発表が予定されています。本指標発表前後の動きもいつもと違う可能性があるのでご注意ください。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点の値です。
※ 本稿は8月2日に記しています。市場予想は発表直前に確認しておきましょう。
本指標の特徴は以下の通りです。
- 最近の本指標実態差異(発表結果ー前回結果)は、EURGBPレートとの相関が見受けられます。
- 過去の傾向では、反応程度が大きく、反応方向は素直です。
- 過去の傾向では、指標発表後に早期追撃に入り、短期利確を繰り返すやり方が良さそうです。
定型分析の結果は以下の通りです。
調査・分析結果は以下の通りです。
- 今回の指標結果は市場予想を下回ると予想しています。
(1) 市場予想では前回結果を上回る、とされています。
(2) 直近の発表結果には上下動があります。この上下動はEURGBPの動きとの相関が窺えます。もしこの相関が今回発表でも成り立つなら、今回発表値は前回結果を下回ります。
(3) 先に発表された製造業PMIは、前月結果を上回っていました。製造業PMIとサービス業PMIの実態差異(発表結果ー前回結果)の方向一致率は約61%です。
(4) (2)と(3)の分析結果が矛盾しています。分析が矛盾するときには、因果関係が強い方を採用します。直近の相関は(2)の方が高いことから、今回発表は前回結果を下回る、と予想します。これは、市場予想を下回る、という結論でもあります。 - 過去のローソク足の特徴は以下の通りです。
(1) まれに(頻度10%)直前10-1分足跳幅は、過去平均の1.5倍18pips以上動きます。がしかし、こうした事例において、指標発表直後1分足の反応や方向を示唆している兆候はありません。慌てて釣られないように気を付けましょう。
(2) たまに(頻度16%)直前1分足跳幅は、過去平均の1.5倍12pips以上動きます。がしかし、こうした事例において、指標発表直後1分足の反応や方向を示唆している兆候はありません。慌てて釣られないように気を付けましょう。
(3) ときどき(頻度23%)直後1分足跳幅が30pips以上動くことがあります。こうした事例では、発表から1分間に大きな跳ねから値幅が反転した(大きな跳ねの方向と陰線・陽線の方向が反転した)ことがありません。がしかし、1分を過ぎて反応が伸びるとは限りません。
(4) まれに(頻度10%)直後11分足跳幅が50pips以上となります。こうした事例では、大きく反応が伸びた分だけ大きく戻りがちです。気をつけましょう。 - 定型分析の結論は次の通りです。
(1) 直後1分足と直後11分足との方向一致率は82%です。そして、その82%の方向一致時だけを取り上げて直後1分足跳幅よりも直後11分足跳幅が伸びたことは70%です。方向一致率が高く、発表から1分を過ぎて更に反応を伸ばした確率も高い以上、初期反応を確認したら早期参加です。
また、直後1分足終値がついた時点から見た直後11分足終値は、そのまま反応を伸ばすことと、直後1分足値幅を削ることと、直後1分足と反転すること、の3通りが起こり得ます。本指標でそのまま反応を伸ばした事例は57%です。安心してポジションを持ち続けるには心もとない数字です。よって、追撃は短期利確の繰り返しが良いでしょう。
(2) 直前1分足は陰線率が77%と、偏りが目立ちます。
そして、直後1分足と直後11分足の方向一致率が高いことを除けば、先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆しは見受けられません。
(3) 直前10-1分足は実態差異との方向一致率が72%です。もし直前10-1分足が陰線ならば、発表結果が前回結果を下回り、それは今回の場合だと市場予想も下回る、ということを示唆していることになります。
直後1分足は事後差異・実態差異との方向一致率が各79%・82%です。本指標は発表結果の良し悪しに素直に反応します。 - 以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
(1) 直前1分足は陰線と見込みます。
(2) 直後1分足は、直前10-1分足が陰線のとき陰線と見込み、指標発表直前にポジションを取得します。直前10-1分足が陽線の場合、取引を諦めます。
(3) 追撃は初期反応を確認したら短期利確を繰り返しながら行います。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「T.調査・分析」に記しています。
T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
【1. 指標概要】
本指標の意義は、企業購買担当者から直接調査した企業景況感を通じ、小売売上高を始めとする実態指標の先行きの予想根拠となることです。それは、経済成長率(GDP)の加速・減速・転換を知るヒントでもあります。
指数の解釈は、50[ips(Index Points)]を上回ると景気拡大・50[ips]を下回ると景気後退、です。
英国重要指標全般に言えることですが、指標発表結果への反応(値動き)が素直で大きいという特徴があります。がしかし、FX会社などの経済指標ランク分では、本指標は他国の景気指標と同程度かそれ以下の重要度・注目度に位置づけられることが多いようです。
けれども、我々は経済情勢自体にでなく、為替レートの動きに興味があります。そういう意味で、英国景気指標は主要国景気指標で最も反応が大きいため、最重要な指標と言えます。調査対象期間で最も大きく反応したときには110pipsにも達しています。米国ISMの反応なんて、本指標の足元にも及ばないのです。
ーーー$€¥ーーー
本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。
最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅は、過去平均で24pipsです。反応が大きいため、指標発表時刻を跨いでポジションを持つことは慎重でなければいけません。
また上表分布を別の言い方で説明すると、
- 12pips以下だったことは27%
- 13-24pipsが40%
- 25-34pipsが16%
- 34-48pipsが10%
- 49pips以上は7%
です。
【2. 既出情報】
(2-1. 過去情報)
(2-1. 過去情報)
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。
2016年6月のブリグジット離脱国民投票直後が直近のボトム(底)になっています。その後、同年末まではGBP安による輸出好調によって企業景況感は急上昇しました。2017年に入ってからは上下動1.5回目で、今はその上下動のボトムにあたります。
先の急上昇がGBP安による輸出好調だったなら、今年に入っての上下動もGBP高・GBP安の影響かも知れません。確かめてみましょう。
確かめるなら、貿易額比率が大きいEURGBPについてでなければいけません。サービス業PMIとその調査月月初のEURGBPの関係は、PMIの直近ピークの2016年12月分を基準とし、
- 2016年12月:56.2と0.85(基準)
- 2017年 2月:53.3と0.86(↓対↑)
- 2017年 4月:55.0と0.85(↑と↓)
- 2017年 6月:53.4と0.87(↓と↑)
の関係があります。
EURGBP↑はGBP安、↓はGBP高ですから、因果関係も説明がつきそうです。
よって、現状のPMI上下動はEURGBPの動きと相関があると仮定します。このとき、今回7月分発表ではEURGBP0.88で↑なので、PMIは↓と予想されます。
ーーー$€¥ーーー
市場予想と発表結果の大小関係が、前月と入れ替わった回数は15回(50%)です。
入れ替わり頻度が多く、本指標は現在「市場予想後追い型」ではありません。
ーーー$€¥ーーー
製造業PMIとの方向一致率は、先月(7月5日6月分発表)に求めたばかりです。結果は実態差異の方向一致率が58%でした。
両指標の増減方向に関係がないとは断言しませんが、一致率が58%(概算最新値61%)なら他の情報をアテにした方がよさそうです。
一応付記しておくと、当月発表(7月分)の製造業PMIは前月より改善していました。
※ 本分析は2015年1月分から2017年5月分までのデータ(30回)に基づいています。先月発表6月分は、実態差異方向が一致していたので、3%程度、その一致率は上昇しています。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が12pipsです。跳幅がその1.5倍の18pips以上だったことは過去3回(頻度10%)あります。
この3回の直後1分足跳幅は14pipsで、これは直後1分足の過去全平均24pipsより小さくなっています。そして、この3回の直前10-1分足と直後1分足の方向は1回(33%)しか一致していません。
次に、直前1分足の過去平均跳幅は8pipsです。この跳幅が12pips以上だったことは過去5回(頻度16%)です。
この5回の直後1分足跳幅は14pipsで、これは直後1分足の過去全平均24pipsより小さくなっています。そして、この5回の直前10-1分足と直後1分足の方向は2回(40%)しか一致していません。
直後1分足の過去平均跳幅は24pipsです。
平均値である24pipsは計算しにくいので、大きな反応の目安として30pipsと決めましょう。直後1分足跳幅が30pips以上も跳ねたことは、過去に7回(頻度23%)あります。この7回に着目すると、直後1分足が30pips以上の跳ねから逆方向に転じたことは、過去に1度もありません。但し、直後11分足が直後1分足の値幅を削ったことは3回(値幅を伸ばしたことが4回)です。反応が伸びるとは言えません。
直後11分足の過去平均跳幅・値幅は各33pips・20pipsです。その差は13pipsあります。
過去平均よりも大きく、直後11分足跳幅が50pipsに達した場合を観察してみましょう。そうした事例は過去3回ありました。この3回の直後11分足跳幅と値幅の差は平均24pipsです。つまり、大きく反応が伸びたときには、それに応じた大きな戻りがあります。
【3. 定型分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
結論は、巻頭に図示しています、そちらをご参照願います。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は82%です。そして、その82%の方向一致時だけを取り上げて直後1分足跳幅よりも直後11分足跳幅が伸びたことは70%です。方向一致率が高く、発表から1分を過ぎて更に反応を伸ばした確率も高い以上、初期反応を確認したら早期参加です。
また、直後1分足終値がついた時点から見た直後11分足終値は、そのまま反応を伸ばすことと、直後1分足値幅を削ることと、直後1分足と反転すること、の3通りが起こり得ます。本指標でそのまま反応を伸ばした事例は57%です。安心してポジションを持ち続けるには心もとない数字です。
よって、追撃は短期利確の繰り返しが良いでしょう。
直前1分足は陰線率が77%と、偏りが目立ちます。
そして、直後1分足と直後11分足の方向一致率が高いことを除けば、先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆しは見受けられません。
直前10-1分足は実態差異との方向一致率が72%です。もし直前10-1分足が陰線ならば、発表結果が前回結果を下回り、それは今回の場合だと市場予想も下回る、ということを示唆していることになります。
直後1分足は事後差異・実態差異との方向一致率が各79%・82%です。本指標は発表結果の良し悪しに素直に反応します。
【4. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上
2017年8月3日17:30発表
以下は2017年8月3日19:40頃に追記しています。
U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は前回・予想を上回り、反応は陽線でした。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
直前10-1分足は同値でした。がしかし、シナリオに反して指標発表直前にポジションを取り損切です。こういうのが一番いけませんね。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
事前調査分析内容を、以下に検証します
- 事前分析では、最近の本指標実態差異(発表結果ー前回結果)は、EURGBPレートとの相関が見受けられる、と指摘していました。後述するように、だから陰線に賭けて売ポジションを取りました。結果は損切でした。
- 過去の傾向では、反応程度が大きく、反応方向は素直です。
結果は、直後1分足の反応がいつもより小さく、直後11分足で146.5付近のレジスタンスをブレークして大きく反応しました。 - 過去の傾向では、指標発表後に早期追撃に入り、短期利確を繰り返すやり方が良さそう、と指摘していました。
問題ありません。
(6-2. シナリオ検証)
事前準備していたシナリオを検証します。
- 直前1分足は陰線と見込みました。問題ありません。
- 直後1分足は、直前10-1分足が陰線のとき陰線と見込み、指標発表直前にポジションを取得するつもりでした。直前10-1分足が陽線の場合、取引を諦めることにしていました。
結果は、直前10-1分足が同値にも関わらず取引して損切です。シナリオには問題ありません。
(3) 追撃は初期反応を確認したら短期利確を繰り返しながら行う、としていました。
問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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