2017年07月25日
豪州物価指標「四半期CPI」発表前後のAUDJPY反応分析(2017年7月26日10:30発表結果検証済)
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年7月26日10:30に豪州物価指標「四半期CPI(消費者物価指数)」が発表されます。今回発表は2017年4-6月期分の集計結果です。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点の値です。
本指標の特徴は以下の通りです。
定型分析の結果は以下の通りです。
調査・分析結果は以下の通りです。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
(1) 直前1分足は陰線と見込みます。
(2) 指標発表直後に騙しに気を付けて(最低3秒あけて)早期参加し、追撃は順張りで徹底します。複数回の追撃も可とします。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「T.調査・分析」に記しています。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
本指標の意義は、RBA(豪中銀)の金融政策に影響を与える点です。RBAが目標とする消費者物価指数は2〜3%ということが公表されています。
本指標は豪州統計局から四半期毎の翌月(1・4・7・11月)下旬に発表されます。
問題は本統計発表に先立ち、他の主要国のように毎月のCPI発表があるか否かです。もしそんなものがあれば、我々は日本で情報不足のまま取引することになってしまいます。確認しておきましょう。
豪統計局HP(ABS)の指標発表カレンダーで確認しておきました。結果、例えば7月にCPI月次発表は見当たりません。
もし興味があれば、ついでに本指標発表の形式をご覧になっておいてもいいでしょう。
ともあれ、基本的な疑問についてはこれで一安心です。
本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。
最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅は、過去平均で45pipsにも達しています。本指標は非常に反応が大きいため、指標発表時刻を跨いでポジションを持つことは慎重でなければいけません。
また上表分布を別の言い方で説明すると、23pips以下だったことは6%しかなく、24-45pipsが47%、46-68pipsが29%、69pips以上は18%、です。
これは大きい。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。下図は発表結果と市場予想をプロットしています。そして、発表結果は後に修正値が発表されても、このグラフでは修正していません。
まず、前期比のグラフ(上)を見てみましょう。
今回は前期よりやや低下すると市場予想されています。AUDUSDの1-3月期は始値0.7183-終値0.7634、4-6月期は始値0.7634-終値0.7689で、AUDが強くなっています。それにも関わらず、本発表翌日に予定されている輸入物価指数は前期比+0.7%と、現時点では強気の市場予想が出ています。
次に、前年比のグラフ(下)を見てみましょう。
今回は前年同期と同値と市場予想されています。昨年4-6月期のAUDUSDは始値0.7657-終値0.7451なので、今年の4-6月期の方がややAUDが強くなっています。こちらは輸入物価指数前年比の資料を見つけることができませんでした。
つまり、AUDUSDレートを見る限り、4-6月期はAUDが強くなっており、本来ならこれは輸入物価が下がります。それにも関わらず、輸入物価指数(前月比しか調べていませんが)は上昇と予想されている状況です。アマチュアの我々は、この矛盾に妙に解釈を加えない方が良さそうです。
前期比・前年比ともに、発表結果と市場予想の大小関係が入れ替わったことは過去8回です。入れ替わりの頻度は50%ですから、本指標は市場予想後追い型ではありません。
前期比・前年比の各項目が反応方向にどの程度影響しているのかを調べておきました。
上表から、発表結果と市場予想最の差(事後差異)と、事後差異に最も素直に反応すると見なせる直後1分足との方向一致率を見ると、前期比と前年比のどちらの影響が強い、とは言えません。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が7pipsです。跳幅がその1.5倍の11pips以上だったことは過去3回(18%)あります。
この3回の直後1分足跳幅は46pipsで、これは直後1分足の過去全平均45pipsとほぼ同じです。そして、この3回の直前10-1分足と直後1分足の方向は2回(67%)一致しています。
つまり、直前10-1分足の反応が11pips以上に達しても、それが直後1分足の反応方向を示唆しているとは言えません。67%あっても、たった3回の事例で67%の根拠で決め打ちするには、本指標直後1分足の反応は大きすぎます。
次に、直前1分足の過去平均跳幅が8pipsです。この跳幅が12pips以上だったことは過去3回(18%)です。
この3回の直後1分足跳幅の平均は56pipsで、これは過去全平均45pipsより12pips大きくなってました。直前1分足がいつもより大きく動いたときには、直後1分足もやや大きく反応している可能性があります。そして、このとき直前1分足と直後1分足の方向は2回(67%)一致しています。
つまり、直前10-1分足の反応が12pips以上に達しても、それが直後1分足の反応方向を示唆しているとは言えません。67%あっても、たった3回の事例で67%の根拠で決め打ちするには、本指標直後1分足の反応は大きすぎます。
そして、直後1分足の過去平均跳幅は45pipsです。
過去平均の45pipsを超えたことは47%あり、平均の1.5倍である68pipsを超えたことも18%あります。本指標は安定して反応が大きな指標だと言えます。
直後11分足は、過去平均跳幅が53pips、過去平均値幅が45pipsです。
平均値を見る限り、直後1分足跳幅よりも直後11分足跳幅は8pips以上大きく、直後1分足終値より直後11分足跳幅は16pips以上大きくなっています。単なる差でなく「以上」と記したのは、これら平均値が直後1分足と直後11分足が反転したことも含めた平均となっているためです。
ともあれ、直後11分足終値と直後1分足跳幅の平均値の差が10pipsある以上、追撃時の利確は直後1分足終値がついてからの方が良さそうです。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は88%です。そして、その88%の方向一致時だけを取り上げて直後1分足と直後11分足とを比較すると、跳値同士・終値同士で反応が伸びたことは各80%・80%です。また、直後1分足終値がついた時点では、それからも反応が伸び続けて直後11分足終値が直後1分足終値を超えた事例は71%もあります。
つまり、本指標は反応方向を確認したら、早期参加・追撃徹底です。高値(安値)掴みに気を付けて、早期参加は2段階か3段階にしても良いかも知れません。
次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。
直前1分足は陰線率が80%と、偏りが目立ちます。
そして、直後1分足は直前10-1分足の方向一致率は23%(不一致率77%)です。おそらくこれは、多くの取引参加者が早い時間から指標発表直後の反応方向を見越し、指標発表10分前ぐらいからポジションを解消しているものと思われます。本指標の取引参加者は、発表後の反応方向をほぼ正しく捉えている可能性があります。
最後に、指標一致性分析の結果を下表に示します。
事後差異と直後1分足との方向一致率は63%で、本指標は発表結果の市場予想に対する良し悪しにあまり素直に反応していません。
そして、事前差異と直後11分足の方向一致率が29%(不一致率71%)となっているものの、今回の事前差異はプラスでもマイナスでもない0となっています。よって、今回はこの特徴を利用したポジションは取れません。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以下は2017年7月27日に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は前回結果・市場予想を下回り、反応は陰線でした。
とは言え、数値自体は前期比プラスで、前年比は+1.9%と、悪い結果ではありません。結果、直後1分足は上下にヒゲを残す形となり、反応程度も過去平均より小さくなりました。
気になる点は、直前1分足であたかも結果を予め知っていたような動きがあったことです。豪州指標には良くこうしたことが起こります。
RBA(豪中銀)のインフレ目標である2-3%は、前期のみでまた2%割れとなりました。関心の高いRBA利上げは当面できない、ということになります。
RBA金融政策は次回8月1日に発表されます。
取引結果は次の通りでした。
思ったほどには陰線が伸びず、損切もありました。理由は先述の通り、前回結果・市場予想には及ばなかったものの、悪い数字ではなかったからでしょう。
事前調査分析結論を、以下に検証します
事前準備していたシナリオは次の通りです。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年7月26日10:30に豪州物価指標「四半期CPI(消費者物価指数)」が発表されます。今回発表は2017年4-6月期分の集計結果です。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点の値です。
※本稿は7月24日に記しています。発表直前には
市場予想を確認しておいた方がいいでしょう。
市場予想を確認しておいた方がいいでしょう。
本指標の特徴は以下の通りです。
- 反応程度が非常に大きいため、指標発表時刻を跨いでポジションを持つことは慎重でなければいけません。でも大丈夫です。そんなリスクを冒さなくても、本指標は追撃に適しています。
- 指標結果に対する反応方向はあまり素直とは言えず(63%)、むしろ指標発表後は一方向に反応が進む特徴に着目した方が良さそうです。
- 反応方向を確認したら、早期参加・順張り徹底を薦めます。騙しには気を付けましょう。ほとんどの場合、指標発表直後の騙しは3-10秒以内に収まります。
定型分析の結果は以下の通りです。
調査・分析結果は以下の通りです。
- 指標結果に関する予想分析は「わからない」が結論です。
(1) AUDUSDレートを見る限り、4-6月期は1-3月期よりAUDが強くなっており、本来ならこれは輸入物価が下がります。それにも関わらず、輸入物価指数(前月比しか調べていませんが)は、現時点で上昇と予想されています。アマチュアの我々は、この矛盾に妙に解釈を加えない方が良さそうです。
(2) 現在、本指標は市場予想後追い型ではありません。
(3) 前期比と前年比のどちらが反応方向に強い影響を与えているといった傾向は見出せません。 - 過去のローソク足を見る限り、何点か予め知っておいた方が良いポイントがありました。
(1) まれに(頻度18%)直前10-1分足の反応が11pips以上になることがあります。がしかし、そのような場合の直後1分足の反応は平均的で、反応方向はわかりません。
(2) まれに(頻度18%)直前1分足の反応が12pips以上になることがあります。そのような場合の直後1分足の反応はやや平均より大きいものの、反応方向はわかりません。
(3) 指標発表直後の跳幅は、23pips以下だったことは6%しかなく、24-45pipsが47%、46-68pipsが29%、69pips以上は18%、です。つまり、本指標は安定して大きく反応しています。 - 定型分析の結論は次の通りです。
(1) 直後1分足と直後11分足との方向一致率は88%です。そして、その88%の方向一致時だけを取り上げて直後1分足と直後11分足とを比較すると、跳値同士・終値同士で反応が伸びたことは各80%・80%です。また、直後1分足終値がついた時点では、それからも反応が伸び続けて直後11分足終値が直後1分足終値を超えた事例は71%もあります。
つまり、本指標は反応方向を確認したら、早期参加・追撃徹底です。高値(安値)掴みに気を付けて、早期参加は2段階か3段階にしても良いかも知れません。
(2) 直後1分足は直前10-1分足の方向一致率は23%(不一致率77%)です。
おそらくこれは、多くの取引参加者が早い時間から指標発表直後の反応方向を見越し、指標発表10分前ぐらいからポジションを解消しているものと思われます。本指標の取引参加者は、発表後の反応方向をほぼ正しく捉えている可能性があります。AUDJPYは、大きな指標発表があるときにかなり早くから動き始めます。
また、直前1分足は陰線率が80%と、偏りが目立ちます。
(3) 事後差異と直後1分足との方向一致率は63%で、本指標は発表結果の市場予想に対する良し悪しにあまり素直に反応していません。
そして、事前差異と直後11分足の方向一致率が29%(不一致率71%)となっているものの、今回の事前差異はプラスでもマイナスでもない0となっています。よって、今回はこの特徴を利用したポジションは取れません。
(1) 直前1分足は陰線と見込みます。
(2) 指標発表直後に騙しに気を付けて(最低3秒あけて)早期参加し、追撃は順張りで徹底します。複数回の追撃も可とします。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「T.調査・分析」に記しています。
T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
【1. 指標概要】
本指標の意義は、RBA(豪中銀)の金融政策に影響を与える点です。RBAが目標とする消費者物価指数は2〜3%ということが公表されています。
本指標は豪州統計局から四半期毎の翌月(1・4・7・11月)下旬に発表されます。
問題は本統計発表に先立ち、他の主要国のように毎月のCPI発表があるか否かです。もしそんなものがあれば、我々は日本で情報不足のまま取引することになってしまいます。確認しておきましょう。
豪統計局HP(ABS)の指標発表カレンダーで確認しておきました。結果、例えば7月にCPI月次発表は見当たりません。
もし興味があれば、ついでに本指標発表の形式をご覧になっておいてもいいでしょう。
ともあれ、基本的な疑問についてはこれで一安心です。
ーーー$€¥ーーー
本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。
最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅は、過去平均で45pipsにも達しています。本指標は非常に反応が大きいため、指標発表時刻を跨いでポジションを持つことは慎重でなければいけません。
また上表分布を別の言い方で説明すると、23pips以下だったことは6%しかなく、24-45pipsが47%、46-68pipsが29%、69pips以上は18%、です。
これは大きい。
【2. 既出情報】
(2-1. 過去情報)
(2-1. 過去情報)
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。下図は発表結果と市場予想をプロットしています。そして、発表結果は後に修正値が発表されても、このグラフでは修正していません。
まず、前期比のグラフ(上)を見てみましょう。
今回は前期よりやや低下すると市場予想されています。AUDUSDの1-3月期は始値0.7183-終値0.7634、4-6月期は始値0.7634-終値0.7689で、AUDが強くなっています。それにも関わらず、本発表翌日に予定されている輸入物価指数は前期比+0.7%と、現時点では強気の市場予想が出ています。
次に、前年比のグラフ(下)を見てみましょう。
今回は前年同期と同値と市場予想されています。昨年4-6月期のAUDUSDは始値0.7657-終値0.7451なので、今年の4-6月期の方がややAUDが強くなっています。こちらは輸入物価指数前年比の資料を見つけることができませんでした。
つまり、AUDUSDレートを見る限り、4-6月期はAUDが強くなっており、本来ならこれは輸入物価が下がります。それにも関わらず、輸入物価指数(前月比しか調べていませんが)は上昇と予想されている状況です。アマチュアの我々は、この矛盾に妙に解釈を加えない方が良さそうです。
ーーー$€¥ーーー
前期比・前年比ともに、発表結果と市場予想の大小関係が入れ替わったことは過去8回です。入れ替わりの頻度は50%ですから、本指標は市場予想後追い型ではありません。
ーーー$€¥ーーー
前期比・前年比の各項目が反応方向にどの程度影響しているのかを調べておきました。
上表から、発表結果と市場予想最の差(事後差異)と、事後差異に最も素直に反応すると見なせる直後1分足との方向一致率を見ると、前期比と前年比のどちらの影響が強い、とは言えません。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が7pipsです。跳幅がその1.5倍の11pips以上だったことは過去3回(18%)あります。
この3回の直後1分足跳幅は46pipsで、これは直後1分足の過去全平均45pipsとほぼ同じです。そして、この3回の直前10-1分足と直後1分足の方向は2回(67%)一致しています。
つまり、直前10-1分足の反応が11pips以上に達しても、それが直後1分足の反応方向を示唆しているとは言えません。67%あっても、たった3回の事例で67%の根拠で決め打ちするには、本指標直後1分足の反応は大きすぎます。
次に、直前1分足の過去平均跳幅が8pipsです。この跳幅が12pips以上だったことは過去3回(18%)です。
この3回の直後1分足跳幅の平均は56pipsで、これは過去全平均45pipsより12pips大きくなってました。直前1分足がいつもより大きく動いたときには、直後1分足もやや大きく反応している可能性があります。そして、このとき直前1分足と直後1分足の方向は2回(67%)一致しています。
つまり、直前10-1分足の反応が12pips以上に達しても、それが直後1分足の反応方向を示唆しているとは言えません。67%あっても、たった3回の事例で67%の根拠で決め打ちするには、本指標直後1分足の反応は大きすぎます。
そして、直後1分足の過去平均跳幅は45pipsです。
過去平均の45pipsを超えたことは47%あり、平均の1.5倍である68pipsを超えたことも18%あります。本指標は安定して反応が大きな指標だと言えます。
直後11分足は、過去平均跳幅が53pips、過去平均値幅が45pipsです。
平均値を見る限り、直後1分足跳幅よりも直後11分足跳幅は8pips以上大きく、直後1分足終値より直後11分足跳幅は16pips以上大きくなっています。単なる差でなく「以上」と記したのは、これら平均値が直後1分足と直後11分足が反転したことも含めた平均となっているためです。
ともあれ、直後11分足終値と直後1分足跳幅の平均値の差が10pipsある以上、追撃時の利確は直後1分足終値がついてからの方が良さそうです。
【3. 定型分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は88%です。そして、その88%の方向一致時だけを取り上げて直後1分足と直後11分足とを比較すると、跳値同士・終値同士で反応が伸びたことは各80%・80%です。また、直後1分足終値がついた時点では、それからも反応が伸び続けて直後11分足終値が直後1分足終値を超えた事例は71%もあります。
つまり、本指標は反応方向を確認したら、早期参加・追撃徹底です。高値(安値)掴みに気を付けて、早期参加は2段階か3段階にしても良いかも知れません。
次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。
直前1分足は陰線率が80%と、偏りが目立ちます。
そして、直後1分足は直前10-1分足の方向一致率は23%(不一致率77%)です。おそらくこれは、多くの取引参加者が早い時間から指標発表直後の反応方向を見越し、指標発表10分前ぐらいからポジションを解消しているものと思われます。本指標の取引参加者は、発表後の反応方向をほぼ正しく捉えている可能性があります。
最後に、指標一致性分析の結果を下表に示します。
事後差異と直後1分足との方向一致率は63%で、本指標は発表結果の市場予想に対する良し悪しにあまり素直に反応していません。
そして、事前差異と直後11分足の方向一致率が29%(不一致率71%)となっているものの、今回の事前差異はプラスでもマイナスでもない0となっています。よって、今回はこの特徴を利用したポジションは取れません。
【4. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上
2017年7月26日10:30発表
以下は2017年7月27日に追記しています。
U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は前回結果・市場予想を下回り、反応は陰線でした。
とは言え、数値自体は前期比プラスで、前年比は+1.9%と、悪い結果ではありません。結果、直後1分足は上下にヒゲを残す形となり、反応程度も過去平均より小さくなりました。
気になる点は、直前1分足であたかも結果を予め知っていたような動きがあったことです。豪州指標には良くこうしたことが起こります。
RBA(豪中銀)のインフレ目標である2-3%は、前期のみでまた2%割れとなりました。関心の高いRBA利上げは当面できない、ということになります。
RBA金融政策は次回8月1日に発表されます。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
思ったほどには陰線が伸びず、損切もありました。理由は先述の通り、前回結果・市場予想には及ばなかったものの、悪い数字ではなかったからでしょう。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
事前調査分析結論を、以下に検証します
- 過去の傾向から言えば、反応程度が非常に大きく、指標発表時刻を跨いでポジションを持たないことにしていました。そんなリスクを冒さなくても、追撃で稼げるからです。
結果は、反応が過去平均より小さくなったものの、発表から5分強ぐらいは追撃しやすかったと思われます。 - 過去の傾向から言えば、指標結果に対する反応方向はあまり素直とは言えず(63%)、むしろ指標発表後は一方向に反応が進む特徴に着目した方が良い、と捉えていました。
結果は、発表直後の上ヒゲからのすぐ反転を過ぎると、陰線側に伸びていきました。ただ、発表後5分過ぎぐらいで停滞し、対象期間を過ぎてからも15:00頃までは下降が続いたようです。 - 反応方向を確認したら、早期参加・順張り徹底を薦めます。騙しには気を付けましょう。ほとんどの場合、指標発表直後の騙しは3-10秒以内に収まります。
(6-2. シナリオ検証)
事前準備していたシナリオは次の通りです。
- 直前1分足は陰線と見込んでいました。
結果は陰線でしたが、その動きは異常で発表後よりも大きくなりました。理由が何であれ危ない通貨です。 - 指標発表直後に騙しに気を付けて(最低3秒あけて)早期参加し、追撃は順張りで徹底を予定していました。
途中、損切もありましたが、複数回の追撃でプラスとなりました。必ず損切(読み間違い)は発生します。がしかし、大きく外さないやり方を続けていれば、問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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