2017年07月09日
日本国際収支発表前後のUSDJPY反応分析(2017年7月10日08:50発表結果検証済)
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年7月10日08:50に日本国際収支「貿易収支」が発表されます。今回発表は2017年5月分の集計結果です。
本指標要点を以下図表に纏めておきました。
本指標の過去傾向は、
定型分析結果を以下図表に纏めておきました。図表の細かな文字が見えにくければクリックしてください。
本指標の調査・分析の結論は以下の通りです。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「T.調査・分析」に記しています。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
「貿易収支」と「貿易収支(通関ベース)」は、「輸入建値」と「計上範囲・時点」の違いがあり、もともと数字が一致しないものです。この違いをざっくり説明すると、輸送費や保険料といったサービス収支を含む・含まないという違いと、所有権移転時点と通関時点という違いです。
例えば、日本がアメリカ製の人工衛星を購入し、アメリカで打ち上げるケースについては、人工衛星の所有権がアメリカから日本に移転した時点で「貿易収支」に計上されますが、人工衛星は関税境界を越えないため「貿易統計(通関ベース)」には計上されません。
詳しくはこちらの財務省HPの説明をご覧ください。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの28回分のデータに基づいています。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
見比べずらくて申し訳ないことに、貿易収支の単位は[億円]、経常収支の単位は[兆円]となっています。
エクセルをアップデートしたら旧ファイルがいくつも壊されたため、その復元が最優先で手間をかけられなかったのです。
ともあれ、貿易収支と経常収支の反応への影響を調べておきましょう。
結果は、貿易収支の100億円が経常収支の30億円に相当する関係が、過去の実績からあることがわかりました。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
反応一致性分析の結果を下図に示します。
指標一致性分析の結果を下図に示します。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以下は2017年7月10日12:00頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は、貿易収支・経常収支ともに市場予想を下回り、反応は直後1分足が同値、直後11分足が陰線でした。
貿易収支の内訳は、輸出・輸入ともに増えた上での赤字でした。品目・地域別では、米国からの液化石油ガスの輸入を大幅に増やしたものの自動車輸出が好調だったため、対米貿易収支は黒字に転じました。
経常収支は貿易収支の赤字拡大で前月より減少したものの、1.65兆円の黒字でした。これで黒字は2年11か月連続となりました。
取引結果は次の通りでした。
直前10-1分足は、押し目を待って僅かに利確しておきました。
追撃は、シナリオの前提に従って中止しました。事後差異がマイナスとなったので、陽線が期待できなかったため、です。
事前調査分析内容を、以下に検証します
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年7月10日08:50に日本国際収支「貿易収支」が発表されます。今回発表は2017年5月分の集計結果です。
本指標要点を以下図表に纏めておきました。
本指標の過去傾向は、
- 反応程度は小さく取引に向きません。
- 指標発表直後の反応方向はあまり素直ではありません。
- 追撃は発表直後よりも、東証寄付の1-2分前からに適しています。
定型分析結果を以下図表に纏めておきました。図表の細かな文字が見えにくければクリックしてください。
本指標の調査・分析の結論は以下の通りです。
- 前回結果や市場予想との差が同じなら、貿易収支は経常収支の3倍強、反応方向に影響を与えます。
- 今回の事前差異(市場予想ー前回結果)はマイナスとなっています。事前差異の符号は直前10-1分足と方向一致率が32%(不一致率68%)です。
指標発表前のローソク足の方向は、指標発表後のローソク足の方向と関係ありません。 - 直前1分足の陰線率が76%となっています。がしかし、直前1分足は過去平均で跳幅2pips・値幅1pipsしかなく、取引に向きません。
- 指標発表直後の反応方向を示唆するパターンはありません。がしかし、事後差異(発表結果ー前回結果)と直後11分足の方向一致率は76%となっています。これは、本指標への反応が東証寄付頃に反応が生じがち、と確認できています。
ちなみに、貿易収支の差異✕1[億円]+経常収支の差異✕0.3[億円]で求めた事後差異が、上記76%の方向一致率となります。 - 以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
(1) 直前10-1分足は陽線と見込みます。但し、過去平均は2-5pipsしか反応していません。
(2) 指標発表後は、東証寄付の直前1-2分に上記事後差異の方向に追撃します。但し、これも過去平均は指標発表時刻8:50を始値として4-7pipsしかありません。
いずれも、この程度の反応は何かトレンドが発生していたら、簡単に呑み込まれてしまう程度です。そして、先週末は、米10年債・ダウ・USDJPYのいずれも上昇しています。追撃は陽線が期待できるときのみ、とします。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「T.調査・分析」に記しています。
T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
【1. 指標概要】
「貿易収支」と「貿易収支(通関ベース)」は、「輸入建値」と「計上範囲・時点」の違いがあり、もともと数字が一致しないものです。この違いをざっくり説明すると、輸送費や保険料といったサービス収支を含む・含まないという違いと、所有権移転時点と通関時点という違いです。
例えば、日本がアメリカ製の人工衛星を購入し、アメリカで打ち上げるケースについては、人工衛星の所有権がアメリカから日本に移転した時点で「貿易収支」に計上されますが、人工衛星は関税境界を越えないため「貿易統計(通関ベース)」には計上されません。
詳しくはこちらの財務省HPの説明をご覧ください。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの28回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
見比べずらくて申し訳ないことに、貿易収支の単位は[億円]、経常収支の単位は[兆円]となっています。
エクセルをアップデートしたら旧ファイルがいくつも壊されたため、その復元が最優先で手間をかけられなかったのです。
ともあれ、貿易収支と経常収支の反応への影響を調べておきましょう。
結果は、貿易収支の100億円が経常収支の30億円に相当する関係が、過去の実績からあることがわかりました。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
【3. 定型分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
反応一致性分析の結果を下図に示します。
指標一致性分析の結果を下図に示します。
【4. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上
2017年7月10日08:50発表
以下は2017年7月10日12:00頃に追記しています。
U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は、貿易収支・経常収支ともに市場予想を下回り、反応は直後1分足が同値、直後11分足が陰線でした。
貿易収支の内訳は、輸出・輸入ともに増えた上での赤字でした。品目・地域別では、米国からの液化石油ガスの輸入を大幅に増やしたものの自動車輸出が好調だったため、対米貿易収支は黒字に転じました。
経常収支は貿易収支の赤字拡大で前月より減少したものの、1.65兆円の黒字でした。これで黒字は2年11か月連続となりました。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
直前10-1分足は、押し目を待って僅かに利確しておきました。
追撃は、シナリオの前提に従って中止しました。事後差異がマイナスとなったので、陽線が期待できなかったため、です。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
事前調査分析内容を、以下に検証します
- 今回は、貿易収支・経常収支ともに市場予想を下回ったので、どちらが反応に強く影響するかは確認できませんでした。
- 今回の事前差異(市場予想ー前回結果)はマイナスとなっていました。事前差異の符号は直前10-1分足と方向一致率が32%(不一致率68%)となっていたので、直前10-1分足は陽線と予想していました。
結果は陰線で外しました。がしかし、これは確率的なことなので、従来の分析を見直す・見直さないという話ではありません。 - 過去の直前1分足の陰線率が76%となっていたものの、過去平均で跳幅2pips・値幅1pipsしかなく、取引を断念していました。
結果は陰線となったものの、1pipsしか動いていないので、ポジション取得断念は正解です。 - 事前分析では、事後差異(発表結果ー前回結果)と直後11分足の方向一致率は76%となっていました。
結果は、事後差異がマイナスで、直後1分足は同値・直後11分足は陰線で、東証寄付09:00に陰線値幅のほとんどを形成しました。過去のパターン通りです。
(6-2. シナリオ検証)
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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