2017年05月24日
英国経済指標「四半期GDP改定値」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年5月25日17:30発表結果検証済)
結果検証は6月1日以降になります。
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年5月25日17:30に英国経済指標「四半期GDP改定値」が発表されます。今回発表は2017年1-3月期分の集計結果です。
本指標要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
先に、本指標で取引する上での注意点です。
指標については次の通りです。
シナリオは次の通りです。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。
GDPは国内経済活動を総合的に表すので、その国の経済状況が良くなっているのか悪くなっているのかが一目瞭然です。英国四半期GDPは「速報値」「改定値」「確報値」と3回発表されます。
GDP改定値は、英国国家統計局が 2月・5月・8月・11月の下旬に前四半期分を発表しています。
EU離脱国民投票後、一時は成長がマイナスになるという解説記事さえあったものの、2016年はかなり好調でした。それだけに2017年は成長鈍化と見込まれています。さすがにマイナスという解説はなくなりましたが。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの16回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
グラフは過去の改定値の市場予想と発表結果を示しています。本来ならば、速報値との比較を行うべきですが、対応できていません。
今回の市場予想は前回速報値の発表結果と同じになっています。
4月28日発表された1-3月期GDP速報値は、前年比+2.1%(市場予想+2.2%、前回結果+1.9%)、前期比+0.3%(市場予想+0.4%、前回結果+0.7%)でした。
内訳は、消費に結びつきやすいサービス部門が前期比+0.3%と、2015年1-3月期以来の低い伸び率です。鉱工業生産も前期比+0.3%で、建設が+0.2%です。
この結果について、一様にGBP安に伴うインフレ加速による消費低迷が原因、と報道解説記事では指摘されています。
速報値発表以降に発表された3月分経済指標は次の通りです。
5月4日に発表された3月消費者信用残高は、1月2月より増えています。10-12月期総額に対し1-3月期総額はほぼ同じです。信用残高が増えるということは、消費者のローン総額が増えているということです。
5月11日に発表された3月鉱工業生産指数は前月比マイナスとなり、3か月連続で前月比マイナスが続きました。
5月11日に発表された3月貿易収支の水準は2月より赤字拡大となっています。10-12月期に対し1-3月期の赤字額は拡大しています。本来は輸出入額を調べて参考にすべきですが、見つかりませんでした。
5月17日に発表された3月失業率(ILO方式)は4.6%に低下しています。そして3月平均所得(ボーナスを含む)は前月比+2.4%でした。失業率は10-12月期より改善し、平均所得の伸びは10-12月期より低下しています。
速報値発表時点よりも、鉱工業が悪化・個人消費が改善と見受けられます。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足はたまに大きく反応しています。過去、大きく反応したときに何が原因だったかは把握できていません。
直前1分足もたまに大きく反応しています。直前10-1分足が大きく動いたときには、逆方向に大きく戻しがち
です。
直後1分足には、直後11分足ほどには逆ヒゲ(値幅方向と逆方向のヒゲ)が目立ちません。
直後11分足には、陽線側・陰線側の両方にヒゲが目立ちます。これは発表後にも方向が定まりにくいということですから、損切にせよ利確にせよタイミングが難しいことが多いようです。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が67%です。方向一致時に、直後1分足と直後11分足の跳値同士・終値同士を比較した反応伸長率は各70%・60%でした。追撃しても良いものの、少し心もとない数字ですね。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
直前1分足の陰線率が73%となっています。
直後1分足の陽線率が73%となっています。
分析に足るデータ数が足りないため割愛します。
過去16回の発表で、発表結果が市場予想からずれたことは6回、前回(速報値)結果とずれたことは5回しかありません。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照ください。
以下は2017年6月1日に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
前期比・前年比ともに前回(速報値)結果・市場予想を0.1%下回りました。英国GDPの発表で、このように改定値が速報値からズレることは珍しいことです。
その結果、反応は陰線となり、直後1分足跳幅も34pipsと過去反応平均値の2倍を超えました。
取引結果は次の通りでした。
過去の実績に基づいてポジション取得のタイミングと方向を決めている以上、こうして外すことも一定の確率で起きてしまいます。
難しいことは、こうゆう結果になったときの追撃です。
理性的には、確率的に同じ指標での取引を繰り返すことで、損切分もいずれ取り返せます。がしかし、ついそのときに取り返そうとして、シナリオにない追撃を行いがちです。本指標では、短時間追撃が可能と事前にわかっていたので良かったものの、追撃に向かない指標で慌てて損切分を取り返そうと追撃すると、傷口を広げることにもなりかねません。
そういうことにならないように、追撃に向く・向かない傾向の有無は事前にしっかり押さえておきたいものですね。
事前調査分析内容を、以下に検証します。
まず、英国GDP改定値は速報値からの数値修正が少ない、ということがわかっていました。その結果、今回のように数値が修正されると大きな反応になりがちです。
ただ、こうした負け方は過去の実績を調べてポジションを取得する以上、どうしても防げません。そして、市場予想が良く当たる指標では、日頃の勝率が高くないと負けたときの損失が取り返せなくなってしまいます。
追撃では、あと少しで損失分が取り返せるところでした。残念な気がするものの、こういうときこそ、別の時間尺度でのチャートと切り替えながら、反転したり山谷をつけそうなポイントを早く見つける必要があります。
当会では、指標発表前後の短時間のみ取引するので、発表15分前頃に日足・4時間足・1時間足…を眺めておきます。発表10分前からは10分足と1分足を切り替えながら、一目均衡表を表示させています。
短時間取引で一目均衡表は役に立たない(役に立つハズがない)のですが、反転や山谷の目安を得るのにやはり便利です。ボリンジャーバンドでは線が多すぎて、どうもポイントを外してしまうことの方が多かったので(私見です)。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
今回の実際の取引よりも損失が多くなっています。これは、この表ではシナリオ外取引で損失を取り返した分を含めていないからです。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年5月25日17:30に英国経済指標「四半期GDP改定値」が発表されます。今回発表は2017年1-3月期分の集計結果です。
本指標要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
先に、本指標で取引する上での注意点です。
- 本指標発表結果は、市場予想からのブレがあまり起きないことがわかっています。そのためかどうかはわかりませんが、過去発表時の直後11分足には、陽線側・陰線側の両方にヒゲが目立ちます。これは発表後にも方向が定まりにくいということだと思います。損切にせよ利確にせよタイミングが難しいことが多い、ということでもあります。
ご注意ください。
指標については次の通りです。
- 過去16回の発表で、発表結果が市場予想からずれたことは6回、前回(速報値)結果とずれたことは5回しかありません。英統計局はすごいのです。
- 前回速報値発表以降の3月分経済指標を見てみると、個人消費に繋がる信用残高が増えて、失業率(ILO方式)が改善しています。3月平均賃金は+2.4%となっており、貿易収支の赤字が拡大しています。
もし、数値が改定されるなら、市場予想よりも改善するのではないでしょうか。
シナリオは次の通りです。
- 直前1分足の陰線率が73%となっています。
- 直後1分足の陽線率が73%となっています。
- 発表結果が市場予想とすれたときに追撃します。直後1分足と直後11分足の方向一致率が高くないので、短時間取引です。
T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。
【1. 指標概要】
GDPは国内経済活動を総合的に表すので、その国の経済状況が良くなっているのか悪くなっているのかが一目瞭然です。英国四半期GDPは「速報値」「改定値」「確報値」と3回発表されます。
GDP改定値は、英国国家統計局が 2月・5月・8月・11月の下旬に前四半期分を発表しています。
EU離脱国民投票後、一時は成長がマイナスになるという解説記事さえあったものの、2016年はかなり好調でした。それだけに2017年は成長鈍化と見込まれています。さすがにマイナスという解説はなくなりましたが。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの16回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
グラフは過去の改定値の市場予想と発表結果を示しています。本来ならば、速報値との比較を行うべきですが、対応できていません。
今回の市場予想は前回速報値の発表結果と同じになっています。
4月28日発表された1-3月期GDP速報値は、前年比+2.1%(市場予想+2.2%、前回結果+1.9%)、前期比+0.3%(市場予想+0.4%、前回結果+0.7%)でした。
内訳は、消費に結びつきやすいサービス部門が前期比+0.3%と、2015年1-3月期以来の低い伸び率です。鉱工業生産も前期比+0.3%で、建設が+0.2%です。
この結果について、一様にGBP安に伴うインフレ加速による消費低迷が原因、と報道解説記事では指摘されています。
速報値発表以降に発表された3月分経済指標は次の通りです。
5月4日に発表された3月消費者信用残高は、1月2月より増えています。10-12月期総額に対し1-3月期総額はほぼ同じです。信用残高が増えるということは、消費者のローン総額が増えているということです。
5月11日に発表された3月鉱工業生産指数は前月比マイナスとなり、3か月連続で前月比マイナスが続きました。
5月11日に発表された3月貿易収支の水準は2月より赤字拡大となっています。10-12月期に対し1-3月期の赤字額は拡大しています。本来は輸出入額を調べて参考にすべきですが、見つかりませんでした。
5月17日に発表された3月失業率(ILO方式)は4.6%に低下しています。そして3月平均所得(ボーナスを含む)は前月比+2.4%でした。失業率は10-12月期より改善し、平均所得の伸びは10-12月期より低下しています。
速報値発表時点よりも、鉱工業が悪化・個人消費が改善と見受けられます。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足はたまに大きく反応しています。過去、大きく反応したときに何が原因だったかは把握できていません。
直前1分足もたまに大きく反応しています。直前10-1分足が大きく動いたときには、逆方向に大きく戻しがち
です。
直後1分足には、直後11分足ほどには逆ヒゲ(値幅方向と逆方向のヒゲ)が目立ちません。
直後11分足には、陽線側・陰線側の両方にヒゲが目立ちます。これは発表後にも方向が定まりにくいということですから、損切にせよ利確にせよタイミングが難しいことが多いようです。
【3. 定型分析】
(3-1. 反応性分析)
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が67%です。方向一致時に、直後1分足と直後11分足の跳値同士・終値同士を比較した反応伸長率は各70%・60%でした。追撃しても良いものの、少し心もとない数字ですね。
(3-2. 反応一致性分析)
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
直前1分足の陰線率が73%となっています。
直後1分足の陽線率が73%となっています。
(3-3. 指標一致性分析)
分析に足るデータ数が足りないため割愛します。
過去16回の発表で、発表結果が市場予想からずれたことは6回、前回(速報値)結果とずれたことは5回しかありません。
【4. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照ください。
以上
2017年5月25日17:30発表
以下は2017年6月1日に追記しています。
U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
前期比・前年比ともに前回(速報値)結果・市場予想を0.1%下回りました。英国GDPの発表で、このように改定値が速報値からズレることは珍しいことです。
その結果、反応は陰線となり、直後1分足跳幅も34pipsと過去反応平均値の2倍を超えました。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
過去の実績に基づいてポジション取得のタイミングと方向を決めている以上、こうして外すことも一定の確率で起きてしまいます。
難しいことは、こうゆう結果になったときの追撃です。
理性的には、確率的に同じ指標での取引を繰り返すことで、損切分もいずれ取り返せます。がしかし、ついそのときに取り返そうとして、シナリオにない追撃を行いがちです。本指標では、短時間追撃が可能と事前にわかっていたので良かったものの、追撃に向かない指標で慌てて損切分を取り返そうと追撃すると、傷口を広げることにもなりかねません。
そういうことにならないように、追撃に向く・向かない傾向の有無は事前にしっかり押さえておきたいものですね。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
事前調査分析内容を、以下に検証します。
まず、英国GDP改定値は速報値からの数値修正が少ない、ということがわかっていました。その結果、今回のように数値が修正されると大きな反応になりがちです。
ただ、こうした負け方は過去の実績を調べてポジションを取得する以上、どうしても防げません。そして、市場予想が良く当たる指標では、日頃の勝率が高くないと負けたときの損失が取り返せなくなってしまいます。
追撃では、あと少しで損失分が取り返せるところでした。残念な気がするものの、こういうときこそ、別の時間尺度でのチャートと切り替えながら、反転したり山谷をつけそうなポイントを早く見つける必要があります。
当会では、指標発表前後の短時間のみ取引するので、発表15分前頃に日足・4時間足・1時間足…を眺めておきます。発表10分前からは10分足と1分足を切り替えながら、一目均衡表を表示させています。
短時間取引で一目均衡表は役に立たない(役に立つハズがない)のですが、反転や山谷の目安を得るのにやはり便利です。ボリンジャーバンドでは線が多すぎて、どうもポイントを外してしまうことの方が多かったので(私見です)。
(6-2. シナリオ検証)
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
今回の実際の取引よりも損失が多くなっています。これは、この表ではシナリオ外取引で損失を取り返した分を含めていないからです。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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