2017年05月01日
豪州金融政策「RBA政策金利」発表前後のAUDJPY反応分析(2017年5月2日13:30発表結果検証済)
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年5月2日13:30に豪州金融政策「RBA政策金利」が発表されます。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
但し、上表は金利改定のときも含めています。今回の市場予想は現状維持であり、おそらくその通りになるでしょう。そこで、下表に「市場予想通り現状維持」のときの集計結果を纏めておきます。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
公開情報や既出情報に基づく調査を行っています。
RBAとはオーストラリア準備銀行(Reserve Bank Of Australia)のことで、日本の日銀に相当します。RBAの金融政策は、金融政策決定理事会で決定されます。金融政策決定理事会は近年1月を除き毎月第1火曜日に実施されます。
金融政策は、物価を適正水準に保つため中央銀行が行う経済政策です。政策には金融緩和か金融引締という施策があって、政策金利もそのひとつと言えます。
現在、主要先進国で為替レートを適正水準に保とうとする行為は、それがその国の通貨を安くする場合に表向き否定されがちです。がしかし、現実問題として金利が動けば、金利差が広がったときに資金は金利の高い方へと移動します。そして、政策金利を動かした国の通貨の為替レートが動きます。
以下の調査分析範囲は、2014年12月分以降前回までの26回のうち、「市場予想通り現状維持」だった21回を対象にしています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
図中、2015年2月・2016年5月は、市場予想に反して利下げが行われました。
また、2015年4月・2016年8月は、市場予想通り利下げが行われました。
2015年3月は、市場予想に反して現状維持でした。
今回の市場予想は現状維持です。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
上から3番目の直後1分足に、RBA政策金利発表時の特徴が良く表れています。利下げにも関わらず、陽線で反応しています。
また、直近4回の直後1分足をご覧ください。4回続けて「市場予想通り現状維持」で陰線での反応となっています。
過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が80%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが50%です。ちょっと追撃ポジションを取るのは難しそうですね。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直後1分足は陽線率が71%となっています。また、直前1分足との方向一致率が21%となっています。
直後11分足の陽線率が80%となっています。
指標一致性分析は、政策金利発表時の市場予想が現状維持だった場合には行いません。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以下は2017年5月3日17:30頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
RBAは政策金利を「市場予想通り現状維持」と決定しました。金利据え置きは9か月連続となります。
政策現状維持の理由として、従来のAUD高懸念•住宅債務増•中国債務リスクに加えて「賃金の伸びが暫く鈍い状態が続くと予想」が追加されました。この結果を受けた先物市場では、年内の金利変更の可能性がほぼ無しと見なしたようです。
反応は、各ローソク足ともに陽線となりました。
取引結果は次の通りでした。
各ローソク足はいずれも陽線となりました。
事前調査分析内容を、以下に検証します。
反応が起きるのが最近やや遅いという点は、今回も同じでした。
過去の傾向から言って、直後11分足終値が直後1分足終値を超えた反応となったことが2回に1回しかない件は、確率上の問題です。今回は反応を伸ばしました。
発表結果は分析通りに「市場予想通り現状維持」でした。
声明も過去と大きく変わりなかったものの、賃金の伸びが低調な時期が続く可能性に触れたことで、従来の声明よりネガティブな内容が補強されたことになります。
記録・注目すべき点は、従来の声明よりネガティブな内容が補強されると、陽線側に反応が伸びたということです。
事前準備していたシナリオは次の通りです。
発表前は、過去4回とは異なり、陰線側に振れようとすると陽線側にぴょんと戻される動きが目立ちました。そのため、直前10-1分足・直前1分足での取引を止めました。
この動きは、チャートに注視し始めた13:00過ぎぐらいから続いていたように記憶しています。
直後1分足は過去4回続けて陰線だったので売ポジションを取りました。幸い、過去4回と同様になぜか直後1分足の反応が鈍く、損切も小さくて済みました。但し、上記の直前10-1分足・直前1分足での動きを見て、取引を止めるべきだったかも知れません。
直後11分足は、直後1分足での取引の損切を取り返すため、追撃ポジションを7分半も持ち、13:38:33に利確しました。結果的には、発表後10-13分後にあと4pips伸びて高値を形成していました。これは仕方ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年5月2日13:30に豪州金融政策「RBA政策金利」が発表されます。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
但し、上表は金利改定のときも含めています。今回の市場予想は現状維持であり、おそらくその通りになるでしょう。そこで、下表に「市場予想通り現状維持」のときの集計結果を纏めておきます。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- まず、本指標で取引する上での注意点です。
(1) 「市場予想通り現状維持」とは考えているものの、政策金利発表なので万が一の場合があります。もし、市場予想を裏切った場合、大きく反応するので気を付けましょう。RBAは、市場との対話で信用できる中銀ではありません(信用できない中銀です)。
(2) ここ最近は定時になっても反応が鈍い傾向があります。正確な発表時刻が確認できていないものの、発表が遅れているか、同時発表される声明の解釈に手間取っている可能性があります。
(3) 反応性分析の結果、直後11分足は直後1分足との方向一致率が80%もあるものの、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが50%しかありません。ここ最近の直後1分足の値幅が小さいことを踏まえると、追撃は反応方向をゆっくり見極めてからが良いでしょう。 - 発表内容については次の通りです。
市場予想は現状維持です。直近4回の直後1分足は「市場予想通り現状維持」で陰線での反応となっています。但し、あまりに最近の直後1分足は反応が小さいので、上記注意点に記したように、発表が遅れている可能性があります。
同時発表される声明では、AUD高への牽制が定番で、現状政策の維持が中銀目標達成に適う、という内容でしょう。 - シナリオは次の通りです。
(1) 直前10-1分足は、直後1分足が直近4回続けて陰線のため、それを見越した陰線となる可能性があります。売ポジションを持っても良いでしょう。
(2) 直前1分足は、同上理由に依り陰線と見込みます。
(3) 直後1分足は陰線です。但し、直前10-1分足・直前1分足が10pipsを超える陰線の場合には、取引をやめます。
(4) 直後11分足は、声明文を読む時間がないので、反応方向に追従します。但し、少しポジション取得は遅らせて、反応方向を確認後とします。
T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行っています。
【1. 指標概要】
RBAとはオーストラリア準備銀行(Reserve Bank Of Australia)のことで、日本の日銀に相当します。RBAの金融政策は、金融政策決定理事会で決定されます。金融政策決定理事会は近年1月を除き毎月第1火曜日に実施されます。
金融政策は、物価を適正水準に保つため中央銀行が行う経済政策です。政策には金融緩和か金融引締という施策があって、政策金利もそのひとつと言えます。
現在、主要先進国で為替レートを適正水準に保とうとする行為は、それがその国の通貨を安くする場合に表向き否定されがちです。がしかし、現実問題として金利が動けば、金利差が広がったときに資金は金利の高い方へと移動します。そして、政策金利を動かした国の通貨の為替レートが動きます。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2014年12月分以降前回までの26回のうち、「市場予想通り現状維持」だった21回を対象にしています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
図中、2015年2月・2016年5月は、市場予想に反して利下げが行われました。
また、2015年4月・2016年8月は、市場予想通り利下げが行われました。
2015年3月は、市場予想に反して現状維持でした。
今回の市場予想は現状維持です。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
上から3番目の直後1分足に、RBA政策金利発表時の特徴が良く表れています。利下げにも関わらず、陽線で反応しています。
また、直近4回の直後1分足をご覧ください。4回続けて「市場予想通り現状維持」で陰線での反応となっています。
U. 分析
過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が80%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが50%です。ちょっと追撃ポジションを取るのは難しそうですね。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直後1分足は陽線率が71%となっています。また、直前1分足との方向一致率が21%となっています。
直後11分足の陽線率が80%となっています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、政策金利発表時の市場予想が現状維持だった場合には行いません。
【6. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上
2017年5月2日13:30発表
以下は2017年5月3日17:30頃に追記しています。
U. 結果・検証
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
RBAは政策金利を「市場予想通り現状維持」と決定しました。金利据え置きは9か月連続となります。
政策現状維持の理由として、従来のAUD高懸念•住宅債務増•中国債務リスクに加えて「賃金の伸びが暫く鈍い状態が続くと予想」が追加されました。この結果を受けた先物市場では、年内の金利変更の可能性がほぼ無しと見なしたようです。
反応は、各ローソク足ともに陽線となりました。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
各ローソク足はいずれも陽線となりました。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します。
- (1) ここ最近は定時になっても反応が鈍い傾向があります。正確な発表時刻が確認できていないものの、発表が遅れているか、同時発表される声明の解釈に手間取っている可能性があります。
(2) 反応性分析の結果、直後11分足は直後1分足との方向一致率が80%もあるものの、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが50%しかありません。ここ最近の直後1分足の値幅が小さいことを踏まえると、追撃は反応方向をゆっくり見極めてからが良いでしょう。
(3) 市場予想は現状維持です。直近4回の直後1分足は「市場予想通り現状維持」で陰線での反応となっています。但し、あまりに最近の直後1分足は反応が小さいので、上記注意点に記したように、発表が遅れている可能性があります。
(4) 同時発表される声明では、AUD高への牽制が定番で、現状政策の維持が中銀目標達成に適う、という内容でしょう。
反応が起きるのが最近やや遅いという点は、今回も同じでした。
過去の傾向から言って、直後11分足終値が直後1分足終値を超えた反応となったことが2回に1回しかない件は、確率上の問題です。今回は反応を伸ばしました。
発表結果は分析通りに「市場予想通り現状維持」でした。
声明も過去と大きく変わりなかったものの、賃金の伸びが低調な時期が続く可能性に触れたことで、従来の声明よりネガティブな内容が補強されたことになります。
記録・注目すべき点は、従来の声明よりネガティブな内容が補強されると、陽線側に反応が伸びたということです。
【9. シナリオ検証】
事前準備していたシナリオは次の通りです。
- (1) 直前10-1分足は、直後1分足が直近4回続けて陰線のため、それを見越した陰線となる可能性があります。売ポジションを持っても良いでしょう。
(2) 直前1分足は、同上理由に依り陰線と見込みます。
(3) 直後1分足は陰線です。但し、直前10-1分足・直前1分足が10pipsを超える陰線の場合には、取引をやめます。
(4) 直後11分足は、声明文を読む時間がないので、反応方向に追従します。但し、少しポジション取得は遅らせて、反応方向を確認後とします。
発表前は、過去4回とは異なり、陰線側に振れようとすると陽線側にぴょんと戻される動きが目立ちました。そのため、直前10-1分足・直前1分足での取引を止めました。
この動きは、チャートに注視し始めた13:00過ぎぐらいから続いていたように記憶しています。
直後1分足は過去4回続けて陰線だったので売ポジションを取りました。幸い、過去4回と同様になぜか直後1分足の反応が鈍く、損切も小さくて済みました。但し、上記の直前10-1分足・直前1分足での動きを見て、取引を止めるべきだったかも知れません。
直後11分足は、直後1分足での取引の損切を取り返すため、追撃ポジションを7分半も持ち、13:38:33に利確しました。結果的には、発表後10-13分後にあと4pips伸びて高値を形成していました。これは仕方ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
ーーー以下は広告ですーーー
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/6224052
この記事へのトラックバック