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2018年09月11日
9月12日経済指標(結果検証済)
明日は、21:30に8月集計分米国PPIが発表されます。
11日9時半時点における市場予想は、
前月比0.2%(前回0%)
前年比3.2%(前回3.3%)
コア前月比0.2%(前回0.1%)
コア前年比2.7%(前回2.7%)
となっています。事前差異判別式の解は0です。
米国PPIの過去反応は、あまり大きくありません。ほとんどの経済指標で発表結果に最も素直に反応する直後1分足跳幅は、本指標では過去平均で12pipsです。2018年発表分に限れば、前月発表までの平均がたった5pipsです。
この数字は終値でなく跳値で、小売売上高と同時発表されたときは含めていません。
指標発表前の取引と発表時刻を跨いだ取引は行いません。
直前1分足は、過去陰線率が75%と偏りがあるものの、2017年以降は陰線率がそれほど高くありません。
輸入物価指数やISM製造業価格指数との相関は高くありません。どちらかと言えば、輸入物価指数の上昇/下降とは弱い逆相関の関係があるものの、これは両指標の因果関係から言えばおかしな話です。取引の論拠にはできません。
指標発表後の取引方針を以下に示します。
指標発表直後の早期追撃開始・早期利確が基本です。但し、指標発表から数10秒のうちに小刻みな上下動が続くようなら、損切が小さいうちにポジションを閉じた方が良いでしょう。もともと反応が小さい指標なので、指標発表から数分間の追撃は、反応が既に5pips以上に達していたら諦めた方が良いでしょう。つまり、せいぜい数pipsを狙うしかありません。
再追撃は、直後1分足と直後11分足との方向一致率が68%で、その68%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことが86%という数字をアテにするしかありません。指標発表から1分経過時点を挟んで、やはり数pipsを狙う訳です。
直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びていたことは、過去48%しかありません。短時間しか取引しないことがこの指標での取引の基本です。
以下は、9月15日に追記しています。
結果を下表に纏めておきました。
指標結果は総じて悪化し、反応は陰線、事後差異判別式の解は△2.6でした。
今回の結果を「市場予想改善に反して」との解説も見受けられますが(ブルームバーグ記事)、事前差異判別式の解は0で、総合的に今回の市場予想が改善だったとは言えません。ブルームバーグはPPI前月比のみを取り上げて解説しています。
次に、詳細分析記事における事前方針の判定は、初期追撃に関して〇で、再追撃は〇に近い判定不可です。
取引はできなかったものの、うまくやっても事前方針通りだと数pips稼げた程度だったでしょう。
次回本指標発表は10月10日です。
11日9時半時点における市場予想は、
前月比0.2%(前回0%)
前年比3.2%(前回3.3%)
コア前月比0.2%(前回0.1%)
コア前年比2.7%(前回2.7%)
となっています。事前差異判別式の解は0です。
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米国PPIの過去反応は、あまり大きくありません。ほとんどの経済指標で発表結果に最も素直に反応する直後1分足跳幅は、本指標では過去平均で12pipsです。2018年発表分に限れば、前月発表までの平均がたった5pipsです。
この数字は終値でなく跳値で、小売売上高と同時発表されたときは含めていません。
指標発表前の取引と発表時刻を跨いだ取引は行いません。
直前1分足は、過去陰線率が75%と偏りがあるものの、2017年以降は陰線率がそれほど高くありません。
輸入物価指数やISM製造業価格指数との相関は高くありません。どちらかと言えば、輸入物価指数の上昇/下降とは弱い逆相関の関係があるものの、これは両指標の因果関係から言えばおかしな話です。取引の論拠にはできません。
指標発表後の取引方針を以下に示します。
指標発表直後の早期追撃開始・早期利確が基本です。但し、指標発表から数10秒のうちに小刻みな上下動が続くようなら、損切が小さいうちにポジションを閉じた方が良いでしょう。もともと反応が小さい指標なので、指標発表から数分間の追撃は、反応が既に5pips以上に達していたら諦めた方が良いでしょう。つまり、せいぜい数pipsを狙うしかありません。
再追撃は、直後1分足と直後11分足との方向一致率が68%で、その68%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことが86%という数字をアテにするしかありません。指標発表から1分経過時点を挟んで、やはり数pipsを狙う訳です。
直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びていたことは、過去48%しかありません。短時間しか取引しないことがこの指標での取引の基本です。
以上
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以下は、9月15日に追記しています。
【事後検証】
結果を下表に纏めておきました。
指標結果は総じて悪化し、反応は陰線、事後差異判別式の解は△2.6でした。
今回の結果を「市場予想改善に反して」との解説も見受けられますが(ブルームバーグ記事)、事前差異判別式の解は0で、総合的に今回の市場予想が改善だったとは言えません。ブルームバーグはPPI前月比のみを取り上げて解説しています。
次に、詳細分析記事における事前方針の判定は、初期追撃に関して〇で、再追撃は〇に近い判定不可です。
取引はできなかったものの、うまくやっても事前方針通りだと数pips稼げた程度だったでしょう。
次回本指標発表は10月10日です。
以上
タグ:米国PPI
孤独な英国人は減ったのか
以前にも書いたように、2018年1月、英国では孤独担当大臣というのが任命されました。
そんなにEUに残りたかったのなら残ればいいじゃん、と思ったら、そうではなくて個人の「孤独」に対応する担当大臣だったのです。話を聞いてくれるのかも知れません。
けれども「あほくさ」って思ってはいけません。
例えば、日本では2007年に少子化対策担当大臣のポストが新設されました。その頃、遠く離れた英国では「いったい何をしてくれるのだろう」と、わくわくして来日した人だっていたのかも知れません。そんなヤツが一人も居なかったとは言えません。
さて、例えわかりきったことでも但書きが必要なことがあります。
これまでは個別の記事にいちいち下記「注記」を添えていましたが、以降はここに「注記」を纏めておき、個別記事にはここへのリンクを貼って、注記を簡単に留めることにします。
本ブログでの分析記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
そんなにEUに残りたかったのなら残ればいいじゃん、と思ったら、そうではなくて個人の「孤独」に対応する担当大臣だったのです。話を聞いてくれるのかも知れません。
けれども「あほくさ」って思ってはいけません。
例えば、日本では2007年に少子化対策担当大臣のポストが新設されました。その頃、遠く離れた英国では「いったい何をしてくれるのだろう」と、わくわくして来日した人だっていたのかも知れません。そんなヤツが一人も居なかったとは言えません。
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さて、例えわかりきったことでも但書きが必要なことがあります。
これまでは個別の記事にいちいち下記「注記」を添えていましたが、以降はここに「注記」を纏めておき、個別記事にはここへのリンクを貼って、注記を簡単に留めることにします。
ーーー注記1ーーー
本ブログでの分析記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記2ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
9月11日経済指標(結果検証済)
本日は、17:30に7・8月集計分英国雇用統計が、18:00に9月集計分独国ZEW景況感調査が発表されます。
今日は仕事が休みなので、取引が楽しみです。エテシテこんなときに限って負けるのですが。
台風22号がグァムを直撃しており、現地では観光客がホテルに缶詰め状態だそうです。
米国のホテルは煙草が吸えないので大変です。「部屋で煙草を吸ったら200ドルの罰金」という念書をチェックインのときに書かされたりするのです。それで夜にホテルの外で煙草を吸っていると「煙草くれよ」と言ってくるデカい人が来たりするのです。晴れた夜に「はいはい」ってあげると大変です。1時間後にまた煙草を吸いに外に出ると、デカい人が増えていたりするのです。でも、台風の中で煙草を吸えば、そんな怖い思いはしなくてすみそうです。煙草に火がつかないだけです。
FXに関係ない話ですが。
英国雇用統計の過去反応は、事後差異がプラスだったときは素直に陽線での反応が期待できるものの、マイナスだった場合は陰線で反応するかどうかちょっと怪しいところがあります。追撃は陽線のとき行いましょう。
直近のEU離脱を巡る情勢を踏まえると、この過去パターンが逆に「事後差異がプラスのときに陽線になるか否かが怪しく、マイナスなら素直に陰線」にならないかを注視しています。ここ数か月では、まだそうした変化は起きていないようです。
指標発表前の取引方針は次の通りです。
直前10-1分足の取引方針は「事前差異がプラスのときにロングをオーダー」です。10日夜時点における市場予想では、事前差異判別式の解は+0.4です。
直前1分足の取引方針は「直前10-1分足が陽線のときにショートをオーダー」です。
なお、直前10-1分足や直前1分足は、過去に年2・3回の割合でそれぞれ20pips以上・10pips以上跳ねています。そのときのチャートではかなり大きな跳ねに見えるはずです。けれども、この跳ねた方向は、過去の結果を調べてみると、指標発表後の反応方向と関係ありません。
気を付けましょう。
指標発表時の取引方針は「取引しない」です。
過去の直後1分足の陰線率は64%、直前10-1分足との方向一致率は37%(不一致率63%)、事前差異と直後1分足の方向一致率は38%(不一致率62%)となっています。個別に取引基準の70%に達していないので、指標発表時刻を跨いだポジションは薦めません。
直後1分足の過去平均跳幅は30pips(2018年発表分は27pips)にも達しており、大きく反応しがちな指標だから慎重です。
指標発表後の取引方針は次の通りです。
追撃方針は「初期反応方向が陽線のとき追撃開始し、1分を過ぎたら利確の機会を窺う」です。直後1分足と直後11分足との方向一致率は83%で、その83%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは71%です。けれども、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは51%しかありません。
再追撃方針は「直後1分足跳幅が40pips以上なら実施」です。直後1分足跳幅が40pips以上だったことは過去11回(頻度26%)あります。この11回の直後1分足値幅は平均40pipsで、直後11分足値幅は平均52pipsです。直後1分足跳幅が大きいときは、平均的にヒゲが短く、なるべく早く追撃に参加しても直後11分足の終値がつく頃までに反応を伸ばしがちです。pips平均でなく回数を見てみると、直後1分足跳幅が40pips以上だったときに、直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びていたことは、11回のうち8回(73%)です。いわゆる「抜けたら追う」べきポイントが直後1分足跳幅40pips以上と考えておけば良いでしょう。
直後1分足跳幅が40pipsに達しないときは、直後11分足のヒゲが過去平均で全幅の1/3にも達することをアテにします。再追撃方針は「上下動を利用した短時間の再追撃と逆張り」です。参考にすべきは、直後11分足の過去平均跳幅が40pips(2018年発表分41pips)、同値幅が27pips(同28pips)という落差の大きさです(戻り比率ほぼ1/3)。指標発表から5分後ぐらいまでは順張り、その後は逆張りの機会を窺います。
独国ZEW景況感調査の過去反応は、多くの指標解説で期待指数に注目が集まるように誘導されていることに注意しましょう。指標発表直後の反応方向との一致率が高いのは現況指数の方です。
ただ、あまり大きく反応する指標ではありません。過去の傾向から言えば、前回結果がどうあれ指標発表前後の反応方向に関係なく、発表結果と市場予想の大小関係だけに素直に反応しています。
前回結果が(市場予想に対し)どうあれ反応方向に関係ないのだから、指標発表前の方針は「取引しない」です。
指標発表時の取引方針は「直前1分足と同じ方向に指標発表直前にポジションをオーダー」です。
直前1分足と直後1分足の方向一致率は過去18%(不一致率82%)しかないことをアテにします。
指標発表後の取引方針は次の通りです。
追撃方針は「初期反応方向に追撃し、なるべく早めの利確/損切」です。直後1分足こそ指標結果の良し悪しに素直に反応します。
再追撃方針は「取引しない」です。直後1分足終値を超えて直後11分足終値が反応を伸ばしていたことは38%しかありません。本指標の反応方向への影響力は小さく、ECB金融政策が明後日に迫っている影響がわからないことから逆張りは行いません。
以下は9月12日5時頃に追撃しています。
まず、英国雇用統計の分析検証です。
指標結果は失業保険申請件数と平均所得が前回・予想を上回り、反応は素直で陽線でした。事後差異判別式の解は+0.4でした。
典型的な本指標への反応パターンだったのか、分析方針には問題ありません。
下表は取引結果です。
今回の取引方針は全て当たっていたため、問題ありません。
直前1分足での取引は、実質的に2分前〜1分前の取引となりました。
追撃は、発表直後のオーダーが約定せず、実施が遅れました。
逆張りは、発表から5分を待てずに開始しました。10分後にもう一度逆張りを行ったのは余計でした。
下表に、これまでの本指標での取引成績を示します。ここに記載した取引は全て、指標発表前に分析結果を示して発表後に結果検証を行った取引です。
本指標次回発表は10月16日です。
次にZEWの分析検証です。
指標結果は改善だったにも関わらず、反応は陰線でした。事後差異判別式の解は+11.4でした。
期待指数・現況指数ともに、市場予想は前回よりやや悪化となっていたものの、結果はともに改善でした。
事前方針は、指標発表時が直前1分足と同じ方向にオーダーなので、判定は●です。
追撃は、直後11分足が跳幅・値幅ともに直後1分足を超えて反応を伸ばしているので、判定は〇です。
取引結果は下表の通りです。
背景が黄色の列は事前方針に示していない取引です。黄色背景の取引は、次の過去成績に含めません。
指標発表時の取引は、ポジションオーダーが発表直前過ぎて約定が18時を2秒過ぎていました。17:59:59頃のオーダーだったので、この時間の約定には3秒を要しています。オーダーが遅くなったのは、直前1分足が陽線側に転じたのが55秒頃だったためです。がしかし、損切となったのは、事前方針が当たっていなかったからで、オーダーが遅くなったせいではありません。
本指標取引の過去成績を下表に纏めておきます。
欧州指標は苦手ですが、ZEWは負けが目立ちます。幸い、反応が小さい指標のためたいしたことがないものの、負けが指標発表時に生じているのか追撃で生じているのか、過去に遡って調べておきましょう。
次回本指標発表は10月16日です。
今日は仕事が休みなので、取引が楽しみです。エテシテこんなときに限って負けるのですが。
台風22号がグァムを直撃しており、現地では観光客がホテルに缶詰め状態だそうです。
米国のホテルは煙草が吸えないので大変です。「部屋で煙草を吸ったら200ドルの罰金」という念書をチェックインのときに書かされたりするのです。それで夜にホテルの外で煙草を吸っていると「煙草くれよ」と言ってくるデカい人が来たりするのです。晴れた夜に「はいはい」ってあげると大変です。1時間後にまた煙草を吸いに外に出ると、デカい人が増えていたりするのです。でも、台風の中で煙草を吸えば、そんな怖い思いはしなくてすみそうです。煙草に火がつかないだけです。
FXに関係ない話ですが。
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英国雇用統計の過去反応は、事後差異がプラスだったときは素直に陽線での反応が期待できるものの、マイナスだった場合は陰線で反応するかどうかちょっと怪しいところがあります。追撃は陽線のとき行いましょう。
直近のEU離脱を巡る情勢を踏まえると、この過去パターンが逆に「事後差異がプラスのときに陽線になるか否かが怪しく、マイナスなら素直に陰線」にならないかを注視しています。ここ数か月では、まだそうした変化は起きていないようです。
指標発表前の取引方針は次の通りです。
直前10-1分足の取引方針は「事前差異がプラスのときにロングをオーダー」です。10日夜時点における市場予想では、事前差異判別式の解は+0.4です。
直前1分足の取引方針は「直前10-1分足が陽線のときにショートをオーダー」です。
なお、直前10-1分足や直前1分足は、過去に年2・3回の割合でそれぞれ20pips以上・10pips以上跳ねています。そのときのチャートではかなり大きな跳ねに見えるはずです。けれども、この跳ねた方向は、過去の結果を調べてみると、指標発表後の反応方向と関係ありません。
気を付けましょう。
指標発表時の取引方針は「取引しない」です。
過去の直後1分足の陰線率は64%、直前10-1分足との方向一致率は37%(不一致率63%)、事前差異と直後1分足の方向一致率は38%(不一致率62%)となっています。個別に取引基準の70%に達していないので、指標発表時刻を跨いだポジションは薦めません。
直後1分足の過去平均跳幅は30pips(2018年発表分は27pips)にも達しており、大きく反応しがちな指標だから慎重です。
指標発表後の取引方針は次の通りです。
追撃方針は「初期反応方向が陽線のとき追撃開始し、1分を過ぎたら利確の機会を窺う」です。直後1分足と直後11分足との方向一致率は83%で、その83%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは71%です。けれども、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは51%しかありません。
再追撃方針は「直後1分足跳幅が40pips以上なら実施」です。直後1分足跳幅が40pips以上だったことは過去11回(頻度26%)あります。この11回の直後1分足値幅は平均40pipsで、直後11分足値幅は平均52pipsです。直後1分足跳幅が大きいときは、平均的にヒゲが短く、なるべく早く追撃に参加しても直後11分足の終値がつく頃までに反応を伸ばしがちです。pips平均でなく回数を見てみると、直後1分足跳幅が40pips以上だったときに、直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びていたことは、11回のうち8回(73%)です。いわゆる「抜けたら追う」べきポイントが直後1分足跳幅40pips以上と考えておけば良いでしょう。
直後1分足跳幅が40pipsに達しないときは、直後11分足のヒゲが過去平均で全幅の1/3にも達することをアテにします。再追撃方針は「上下動を利用した短時間の再追撃と逆張り」です。参考にすべきは、直後11分足の過去平均跳幅が40pips(2018年発表分41pips)、同値幅が27pips(同28pips)という落差の大きさです(戻り比率ほぼ1/3)。指標発表から5分後ぐらいまでは順張り、その後は逆張りの機会を窺います。
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独国ZEW景況感調査の過去反応は、多くの指標解説で期待指数に注目が集まるように誘導されていることに注意しましょう。指標発表直後の反応方向との一致率が高いのは現況指数の方です。
ただ、あまり大きく反応する指標ではありません。過去の傾向から言えば、前回結果がどうあれ指標発表前後の反応方向に関係なく、発表結果と市場予想の大小関係だけに素直に反応しています。
前回結果が(市場予想に対し)どうあれ反応方向に関係ないのだから、指標発表前の方針は「取引しない」です。
指標発表時の取引方針は「直前1分足と同じ方向に指標発表直前にポジションをオーダー」です。
直前1分足と直後1分足の方向一致率は過去18%(不一致率82%)しかないことをアテにします。
指標発表後の取引方針は次の通りです。
追撃方針は「初期反応方向に追撃し、なるべく早めの利確/損切」です。直後1分足こそ指標結果の良し悪しに素直に反応します。
再追撃方針は「取引しない」です。直後1分足終値を超えて直後11分足終値が反応を伸ばしていたことは38%しかありません。本指標の反応方向への影響力は小さく、ECB金融政策が明後日に迫っている影響がわからないことから逆張りは行いません。
以上
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以下は9月12日5時頃に追撃しています。
【事後検証】
まず、英国雇用統計の分析検証です。
指標結果は失業保険申請件数と平均所得が前回・予想を上回り、反応は素直で陽線でした。事後差異判別式の解は+0.4でした。
典型的な本指標への反応パターンだったのか、分析方針には問題ありません。
下表は取引結果です。
今回の取引方針は全て当たっていたため、問題ありません。
直前1分足での取引は、実質的に2分前〜1分前の取引となりました。
追撃は、発表直後のオーダーが約定せず、実施が遅れました。
逆張りは、発表から5分を待てずに開始しました。10分後にもう一度逆張りを行ったのは余計でした。
下表に、これまでの本指標での取引成績を示します。ここに記載した取引は全て、指標発表前に分析結果を示して発表後に結果検証を行った取引です。
本指標次回発表は10月16日です。
ーーー$€¥£A$ーーー
次にZEWの分析検証です。
指標結果は改善だったにも関わらず、反応は陰線でした。事後差異判別式の解は+11.4でした。
期待指数・現況指数ともに、市場予想は前回よりやや悪化となっていたものの、結果はともに改善でした。
事前方針は、指標発表時が直前1分足と同じ方向にオーダーなので、判定は●です。
追撃は、直後11分足が跳幅・値幅ともに直後1分足を超えて反応を伸ばしているので、判定は〇です。
取引結果は下表の通りです。
背景が黄色の列は事前方針に示していない取引です。黄色背景の取引は、次の過去成績に含めません。
指標発表時の取引は、ポジションオーダーが発表直前過ぎて約定が18時を2秒過ぎていました。17:59:59頃のオーダーだったので、この時間の約定には3秒を要しています。オーダーが遅くなったのは、直前1分足が陽線側に転じたのが55秒頃だったためです。がしかし、損切となったのは、事前方針が当たっていなかったからで、オーダーが遅くなったせいではありません。
本指標取引の過去成績を下表に纏めておきます。
欧州指標は苦手ですが、ZEWは負けが目立ちます。幸い、反応が小さい指標のためたいしたことがないものの、負けが指標発表時に生じているのか追撃で生じているのか、過去に遡って調べておきましょう。
次回本指標発表は10月16日です。
以上
タグ:英国雇用統計,独国ZEW
9月10日経済指標(結果検証)
今週発表される主要指標の過去分析の要点要約は、こちらに記載済です。
昨日は、英国鉱工業生産指数・製造業生産指数の発表が17:30にありました。
仕事を終えてスマホを見たのが17:20過ぎ。急いで、自分の分析記事を見てポジションをオーダーしたものの、そういうのは駄目ですね。通りで立ち止まって、通行の邪魔になってました。
まず分析検証です。
指標結果は前回・予想を下回り、反応は陰線でした。
事前差異判別式の解は△0.6で直前10-1分足は陽線、事後差異判別式の解は△1.1で直後1分足は陰線、実態差異判別式の解は△0.1で直後11分足は陰線でした。
分析対象期間(発表前後10分)を過ぎてGBPは上昇しています。
このGBP上昇基調は、10月中のEU離脱交渉暫定合意の可能性が先週から報道されていることと、今週のMPCに向けてのトレンドと思われます。それにも関わらず、本指標発表後10分はややGBP売り優先なので、本指標の影響力は意外に強いのかも知れません。
事前分析記事の判定を行います。この記事の分析対象範囲は、2015年1月集計分〜2018年3月集計分(同年5月発表分)の39回の本指標発表前後でした。
まず、直前10-1分足での取引方針は「事前差異判別式の解と逆方向にオーダー」です。今回の事前差異判別式の解はマイナスで、結果は陽線でした。よって、判定は〇です。
次に、指標発表時の取引方針は「直前10-1分足が13pips以上跳ねたら、その方向に指標発表直前にポジションオーダー」でした。今回の直前10-1分足跳幅は10pipsなので、判定は前提不成立です。
そして、再追撃の取引方針は「直後1分足が30pips以上跳ねたら実施」でした。今回の直後1分足跳幅は6pipsなので、判定は前提不成立です。
判定が難しいのは、追撃時の取引方針です。事前方針は「初期反応方向への早期追撃開始、発表から1分過ぎたら決済機会を窺う」でした。
問題は初期反応方向の「初期」が発表から何秒後までを指すかです。
直前1分足終値は143.69円でした。これを直後1分足始値とします。
指標発表から30秒間の直後1分足が陽線となっていた時間と陰線となっていた時間は、ほぼ2:1でした。そして、指標発表から30秒後から直後1分足終値がつくまの時間は、陽線となっていた時間と陰線となっていた時間は、ほぼ1:2でした。そして、その後は陰線となっていた時間が支配的となっていました。
どのタイミングでポジションを取るかによって、追撃方向が異なります。
このような動きのとき、初期反応方向を見極めることなんてできません。よって、分析記事による事後差異判別式の解と直後1分足の方向こそ結果的に一致したものの、事前方針の「初期反応方向への早期追撃開始、発表から1分過ぎたら決済機会を窺う」は取引不可を結論とします。
分析自体はまぁ当ててたのに、ちょっともったいない気がしますが仕方ありません。
次に取引結果です。
本指標取引での過去成績を挙げておきます。
次回本指標発表は10月10日です。
昨日は、英国鉱工業生産指数・製造業生産指数の発表が17:30にありました。
仕事を終えてスマホを見たのが17:20過ぎ。急いで、自分の分析記事を見てポジションをオーダーしたものの、そういうのは駄目ですね。通りで立ち止まって、通行の邪魔になってました。
ーーー$€¥£A$ーーー
まず分析検証です。
指標結果は前回・予想を下回り、反応は陰線でした。
事前差異判別式の解は△0.6で直前10-1分足は陽線、事後差異判別式の解は△1.1で直後1分足は陰線、実態差異判別式の解は△0.1で直後11分足は陰線でした。
分析対象期間(発表前後10分)を過ぎてGBPは上昇しています。
このGBP上昇基調は、10月中のEU離脱交渉暫定合意の可能性が先週から報道されていることと、今週のMPCに向けてのトレンドと思われます。それにも関わらず、本指標発表後10分はややGBP売り優先なので、本指標の影響力は意外に強いのかも知れません。
事前分析記事の判定を行います。この記事の分析対象範囲は、2015年1月集計分〜2018年3月集計分(同年5月発表分)の39回の本指標発表前後でした。
まず、直前10-1分足での取引方針は「事前差異判別式の解と逆方向にオーダー」です。今回の事前差異判別式の解はマイナスで、結果は陽線でした。よって、判定は〇です。
次に、指標発表時の取引方針は「直前10-1分足が13pips以上跳ねたら、その方向に指標発表直前にポジションオーダー」でした。今回の直前10-1分足跳幅は10pipsなので、判定は前提不成立です。
そして、再追撃の取引方針は「直後1分足が30pips以上跳ねたら実施」でした。今回の直後1分足跳幅は6pipsなので、判定は前提不成立です。
判定が難しいのは、追撃時の取引方針です。事前方針は「初期反応方向への早期追撃開始、発表から1分過ぎたら決済機会を窺う」でした。
問題は初期反応方向の「初期」が発表から何秒後までを指すかです。
直前1分足終値は143.69円でした。これを直後1分足始値とします。
指標発表から30秒間の直後1分足が陽線となっていた時間と陰線となっていた時間は、ほぼ2:1でした。そして、指標発表から30秒後から直後1分足終値がつくまの時間は、陽線となっていた時間と陰線となっていた時間は、ほぼ1:2でした。そして、その後は陰線となっていた時間が支配的となっていました。
どのタイミングでポジションを取るかによって、追撃方向が異なります。
このような動きのとき、初期反応方向を見極めることなんてできません。よって、分析記事による事後差異判別式の解と直後1分足の方向こそ結果的に一致したものの、事前方針の「初期反応方向への早期追撃開始、発表から1分過ぎたら決済機会を窺う」は取引不可を結論とします。
分析自体はまぁ当ててたのに、ちょっともったいない気がしますが仕方ありません。
次に取引結果です。
本指標取引での過去成績を挙げておきます。
次回本指標発表は10月10日です。
以上