2018年12月13日
「タローカード入門」
こないだ、その存在を知って入手したばかりの私家版「タローカード入門」(虹星人叢書)。
そもそも、「悪魔考」が目当てで取り寄せた本だったのですが、表題作の「タローカード入門」も、けっこう面白かったです。この「タローカード入門」が、「タローカード入門」と言うタイトルなのに、タローカードそのものの解説はほとんど行なっていません。Tarotはタロットと呼ぶのかタローと呼ぶのかと言う、入り口の話で止まってしまい、そのまま終了しているのであります。なるほど、商業用の単行本の中には収録できなかったはずだ。
で、著者(ウラヌス星風氏)の分かりやすい解説によると、タローが正解で、タロットは誤った表記だとの事。それで思い出したのが、ノストラダムスの「諸世紀」です。この著名な予言書のタイトルは全くの誤訳だそうで、どこの分野の日本語訳でも、こう言うトラブルは発生するものなんだと、あらためて考えさせられてしまいました。
ちなみに、私自身は、これまで、タロットが正式表記で、タロカードはカッコつけた言い方なのかな、程度の認識でおりました。よく考えたら、私の小説のキャラでも、タロ占いが十八番だと言うキャラ(山精)がいて、卒中タロカードをひけらかしているんですよね。このタロ論争を読んで、私も、慌てて自分の過去作を調べてしまいました。そしたら、タロ使いの山精自体はきちんとタロカードと呼んでましたが、地の文(つまり、作者の私)が平気でタロットと言う言葉を使っていたのでした。ははは。
で、本来の目的の「悪魔考」ですが、悪魔そのものの解説より、悪魔の性器とか魔女の軟膏の話など、少しマニアックな話題の方が楽しめました。同じ著者が、「妖怪学入門」と言うエッセーも執筆していたそうなので、いずれ入手したいと思います。
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