2016年08月04日
「ミステリアン」のこと(その4)
私がもっとも思い入れのある「ミステリアン」エピソードの「スターウォーズ」ですが、ヒロインに恋した中年社長の自己犠牲のシーンも印象深かったものの、もう一つ、侵略者宇宙人の地球侵攻目的もひどく頭に焼き付きました。
この悪い宇宙人たちなのですが、地球人を戦争好きの凶悪生物と考え、自分たちの軍隊兵器に使う事を目論んでいたのです。私も過去に多くの侵略宇宙人ものを見てきましたが、これほど説得力があって、斬新な侵略理由ははじめてでした。
だって、過去の対侵略宇宙人ものは、あくまで地球人側のヒューマニズムの視線に立つものばかりでしたので、地球人の好戦種族ぶりを強調するのは、まさにタブーでしたから。(地球人が、うっかり侵略的な行為を行ない、それをたしなめるような物語ならありましたが)
特に、ウルトラマンなどの子ども向けヒーローものでは絶対に使えないアイディアでしょう。かと思ったら、よく探すと、あったのです。それが「帰ってきたウルトラマン」の第49話「宇宙戦士その名はMAT」で、遠い宇宙で星間戦争をしている宇宙人が地球防衛隊を傭兵に改造しようとする内容です。登場する宇宙人の名前がミステラー星人でして、この星人名をマーシャン(火星人)風に表記すると、見事にミステリアンになります。
はたして、「ミステリアン」の作者の西岸良平氏は、このへんは確信犯だったのでしょうか。そもそも、ミステリアンという言葉自体が、東宝特撮映画「地球防衛軍」に出てきた侵略宇宙人に与えられた名称ですし、西岸氏はけっこうなSF通だったみたいだからです。
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