アニメ偉言

キルア（あれはそう…そうだ。
あれはまるで…母親のよう!）

荒れ狂うゴンから、コムギを身を呈して守ろうとするネフェルピトー。
キルアは目を疑った。一方、頭に血が上ったゴンは、コムギが
カイトのように「壊され」ているのだと勘違いしてしまい―?



ナレーション「上に向けた手の平は
害意のないことを示す精一杯の所作であり
キルアはそれを知っていた」

キルア（それは、彼女が王にとって特別だから。
彼女は今、壊されてるんじゃない。
王の命令で治されてるんだ!）

ピトーは両掌を上向きに差し出し、ゴンに待ってくれと願った。
キルアはピトーの態度からコムギがどんな存在なのか察する。
コムギは王にとって特別。原作では「普通でない」とルビがあった。

ピトー「ボクはどうしてもこの人間（ヒト）を
救（たす）けなくちゃいけないんだ!」

ゴン「タスケナクチャ…って何?」

ピトー「このヒトはボクの…ボクの
大切な方が、大切にしているヒトです」

爆発寸前のゴン。
下手をしたらコムギをも巻き込みかねないほどの怒りだ。
ピトーは正直に話すことでゴンの怒りを少しでも和らげようとした。
ゴンは懸命に闘う。戦い方すら見つけられない自分自身と…

ピトー「望むならば、右腕も…
それでも足りなければ、両の脚も…!」

キルアの説得も今のゴンには火に油を注ぐだけ。
ピトーは自ら左腕を折り、さらに害意がないことを示す。
ゴンの怒りはますますやり場のないものとなり、
とうとう攻撃態勢に入るが、キルアが止めた。

ゴン「キルアは…いいよね。
冷静でいられて。関係、ないからっ」

ゴンの怒りはキルアにも向いた。
キルアは一瞬寂しげな表情をし、言いたいことを飲み込み、
今はカイトを助けるためにピトーの要求を呑むべきだと改めて言う。

ゴンは言った。もう大丈夫だと。
無表情で無感情に。

ゴンはピトーに1時間だけ猶予を与えた。
それだけあればコムギも命は取り留めるほどには回復できる。
次はカイトを治してもらうと、ゴンはしばしの休戦モードに入った…

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