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Loser Takes All

 「負けた者がみな貰う」  グレアム・グリーン作 丸谷才一訳

 作者、グレアム・グリーンはイギリスを代表する作家であるとともに
 
20世紀のもっとも偉大な作家のひとり、なのですが
 彼の経歴を見ますと、世界を股にかけたジャーナリストという感じ。
 作品の幾つかが映画化されています。
 「情事の終わり(ことの終わり)」は古い映画です。見た記憶は
 あるのですが、全然覚えてません・・・落ち込み
 
 さて、自分の作品を「ノヴェル」と「エンターテイメント」に
 しっかり分類したグリーンさんですが、この作品はもちろん、
 エンターテイメント。さえない中年の会計係の主人公(バツいち)と
 若い恋人とつましい結婚式を挙げる予定でしたが、雇い主の気まぐれ
 から高級リゾートのモンテカルロで式を挙げることになってしまい
 ました・・・でもぉ・・・

 ちょっとしたことでドンドンすれ違っていく二人。
 分かるような、分からないような・・・
 でも男の人って本当にギャンブルが好きよねぇ・・・
 
 丸谷才一さんの品のある訳がよかったです。

 他の人と幸せに暮らすより、あなたと不幸に暮らすほうが
 いいもの

 男たるもの、こういう言葉を言わせなきゃね笑顔

 わたしの二度目の妻は・・・あの頃はわたしもまだ若かった・・・
 家出しましてね。そしてわたしは、妻を連れ戻すという失敗を
 やったのです。もういちど出ていってもらうまで、
 何年もかかりましたよ。あれは善良な女だった。
 善良な女と別れるのはむずかしい。
 どうせ結婚しなくちゃならぬなら、悪い女を妻にすることだね。

 だそうですよ。これから結婚しようとする方は参考に。
 善良な奥様をお持ちの方は時が経つのをひたすら待って
 悪い奥様をお持ちの方は微笑んでくださいね。

 さすが、グレアム・グリーン!という文章が随所に。
 特に気まぐれな雇い主、ドルーサー翁が出ているシーンは
 どれもいいです。
 特にお金や野心に対しての言葉が重く深いです。
 この作品も映画化されたそうです。 

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