2010年05月17日
精神のけもの道
副タイトルに、つい、おかしなことを
やってしまう人たちの話とありまして、
なかなか面白い本でした。アタリ〜〜!
精神のけもの道とは、人の心の働きにおいて、
なるほど論理的で整合性はあるもののそれが
「普通の人の日常的な文脈」からは逸脱してしまい、
しかも何か過剰なものを現出させてしまってる人物の
精神の様態を指す言葉である、そうです。
第一話 精神のけもの道
いびつなる精神の行方
第二話 バランスが肝心
明らかに変なのだが、ちゃんと辻褄はあっている
第三話 不幸は蜜の味
倒錯した精神の安らぐ場所
第四話 そんなもんだと思ってた
かくも強靭な適応能力
第五話 つまらないことほど大切
ケチなプライドやこだわりほど、根の深いものはない
第六話 鍵をねじ切る
何がなんでも安心したいという欲望
第七話 当たる占いしか信じない
傲慢なる依存癖
第八話 そんな嘘をついて何になる
嘘か本当かは、もはや問題ではない
第九話 本当に憶えていないの?
人は、どこまで都合よく忘れられるものか
第十話 わからなくなりました
意味が真っ白になるとき
第十一話 ある日、マンホールに落ちる
運命の理不尽ないたずら
第十二話 愚かさがまぶしい
粗野と崇高さが出会うとき
という12の精神のけもの道に迷い込んだ人たちのお話です。
著者は精神科医さんですので、説得力があり、全部実在の人物
というのがスゴイのですが、でも似た人いるよなぁ・・・ってね。
そして、一つの話のおしまいに大好きな漫画家さん、吉野朔実さんの
漫画付き!これがビミョ〜に本編の話とずれてるのが面白い。
負け癖の不思議なところは、負け続き・不幸続きの日々を
送っているうちにそれに順応し、それどころかたまに
物事が上手くいったりするとかえって居心地悪く感ずるように
なることである。つまり人間は不幸に慣れ親しむ能力がある。
しかもいったん慣れ親しんでしまえば、幸福の訪れに違和感や
不安感すら抱いてしまうのである・・・
ギャンブルで損をした、その感覚は悔しく情けないいっぽう
「やっぱり」「案の定」といった妙な安心感を抱かせる。
それは予定調和のもたらす満足感に似ている。
(第三話より)
怖いですね〜〜
いやですね〜〜
変な癖はやっぱりよくない!!
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