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恋人時代

 ママに言った。

 彼ったらね、タラコが大好物なんだって!
 焼き鳥が好きなのは知っていたけれど
 すっごく嬉しそうな顔でタラコを食べるのよ。
 そしてね、土鍋でとても上手においしく
 ご飯が炊けたりするの、すごいでしょ。
 後片付けもちゃんとしてくれるし
 お掃除もお洗濯もとてもマメなの。
 何もできない私に文句一つ言わないわ。
 彼が作ってくれるお料理をおいしい!って
 食べてるのを見るだけで満足ですって。
 あたしさぁ、早く彼と一緒に住みたいの。
 きっとうまくやっていけると思うのよ。

 するとママはニコニコしながらこう言った。

 それはとても素晴らしいわね。
 いつも一緒にいたい、
 もっと一緒にいたい、恋をすれば当然の気持ちね。
 だけど、10年お付き合いしていても
 分からなかったことが3日暮らしただけで
 分かってしまうこともあるの。
 いいことも悪いことも・・・
 だから結婚する前に一緒に暮らすことは
 悪いことではないと思うのよ。
 でもねぇ、もう少し一緒にいたいのに
 もうこんな時間、帰らなくちゃ、
 あなたといるとどうしてこんなに早く時間が
 過ぎてしまうのかしら・・・と切なく思いながら
 さよなら、またね、また明日ねって
 それぞれの家に帰ることもいいものよ。
 恋人時代にしか味わえない気持ちよ、
 今はまだそういうことを大事にした方がいいわね。

 そうなの?
 そうかしら・・・

 重く気まずい空気の中、どこへも行き場所がなくて
 それでも一緒にいなくてはならない時もあるの・・・
 どうして、いつからこんな風になってしまったんだろう、
 って悲しく思いながらもね・・・とママは小さな声で
 つぶやいた、それは私に言ったのではなかったけれど・・・

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