2009年12月26日
夏の庭
湯本香樹実さん作のこの「夏の庭」は舞台にも映画にもなったそうです。
たくさんの国で翻訳もされているそうです。読むまで知らなかったんですけど。
読後、まずスタンド・バイ・ミーを思い出された方は多いのではないでしょうか。
三人の少年と老人が軸に世代間の違う人との交流、死、そして一歩大人に・・・
10代前半の少年にとっておじいちゃんや、おばあちゃんなんてずっとずっと
最初から老人であって、若い頃もあってそれぞれにいろんな人生があった、
なんて信じられないことなのよね。頭ではなんとなくわかってはいても。
また、死もいつかは誰にでも訪れることは知っているけれど、それは老人達のもの。
まだ自分達には無縁なもの。 でもなんとなく意識しだした頃。
少年がもつ無邪気な残酷さと、老人のかたくなさと・・・
もう中間にいる私には(老人寄りか?)どちらにもなれて、どちらでもなく
ドキドキ、ヒリヒリしながら見守っていました。
少年達はこの夏のことをスッカリ忘れてしまう時期があり
また鮮明に思い出す時がくるのでしょう。それはいつ、どんな風に?
もしかすると歳をとるのは楽しいことなのかもしれない。
歳をとればとるほど思い出は増えるのだから。そしていつかその持ち主が
あとかたもなく消えてしまっても思い出は空気の中を漂い、雨に溶け、
土に染み込んで生き続けるとしたら・・・ いろいろなところを漂いながら
また別のだれかの心にちょっとしのびこんみるかもしれない。
時々、初めての場所なのになぜか来たことがあると感じたりするのは
遠い昔のだれかの思い出のいたずらなのだ。(文中より)
あなたの思い出、昨夜見た私の夢だったかも・・・
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