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遅読のすすめ



  山村修著 「遅読のすすめ」 は安心して、ゆったりと
 心から楽しめた本でした。とてもとてもステキな本でした。

 目が文字を追っていくと、それにともないながら、その情景があらわれてくる。
 目のはたらき、理解のはたらきがそろっている。そのときはおそらく
 呼吸も、心拍もうまくはたらき合っている。それが読むということだ。
 読むリズムが快くきざまれているとき、それは読み手の心身のリズムと
 幸福に呼応しあっている。
 読書とは本と心身とのアンサンブルなのだ。


 幸福とは幸福の予感であるーー。だれであったか、そう書いていた作家がいた。
 どんなたぐいの幸福にせよ、またそれが実現するにせよ、しないにせよ、
 幸福のうれしい予感に胸をさわがせるときがまず何よりの幸福である。
 そのような意味であったと思う。読書にもまったく同じようにじっさいに本を
 読む前の幸福というものがある。読まないうちに幸福を予感する。
 読書にとって、これがもっともたいせつなことだ。


 などなど、すばらしい文章ばかりです。感想などおこがましく述べられません。

 速読、何ほどのものぞ。なんのための・・・
 1冊の本を手に取り、ワクワクしてページをめくり、
 心を自由に飛ばせ、泣き笑い、怒り悲しみ、とまどいあきらめ・・・・
 ここにいながらここにいない自分
 そして、あ〜おもしろかった!と本を閉じられればそれでいいのね。

 
 

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