2021年08月27日
instant pickles
ドアノブを回す音。
奥の部屋、寝室の扉が開く。
「おはよう」
彼女が言って、バスローブを羽織りながら出てくる。
ワタシはダイニングキッチンで、緑茶を入れながら応える。
「おはようございます」
「あなた、寝てないの?」
昨夜と同じ格好のワタシを見て、彼女が言う。
心配する素振りの彼女に、笑みを浮かべて元気よく応える。
「ええ、お昼寝する方が、今回の仕事はリズムが合いそうですから」
「あなたがよければいいけど、頼んだ私が言うのも妙だけど、無理はしないでね」
そう言う彼女に、カップ&ソーサーに緑茶を注ぎながら応える。
「はい、先生をお送りしたら、やすむつもりです」
言いながら、彼女にカップ&ソーサーを差し出す。
彼女が、鼻を近づけて言う。
「いい香ね、先に洗顔するから、あとでいただくわ」
そのままバスルームに入っていく。
一人佇むワタシは、手にしたソーサーから、緑茶のカップを口に運ぶ。
これはこれでおいしいけど、彼女を送ったら、ウチからいろいろと持ってこようと思う。
冷蔵庫を開けて、ラップをかけたガラス製の小さな器を取り出す。
残っていたミニトマトで作った、即席のピクルス。
まだ浅いとは思うが、朝のお茶うけにはなるだろう。
ラップを外して、ひたひたの漬け汁を、サッとシンクに空ける。
ガラスの底に、うっすらと漬け汁が残ったまま、小鉢をダイニングカウンターに置く。
一つ摘んで、頬張る。
口の中に酸味が広がる。
軽く噛むと、ミニトマトの皮が弾ける。
同時に、浅く漬かったトマトの酸味と甘味が口の中を覆い尽くす。
「ありあわせにしては、悪くないわね」
呟いて、酸味と甘味の残る唇に、緑茶を運ぶ。
渋みとあいまって、穏やかな香が鼻に抜ける。
思わず、一人ほくそ笑む。
彼女がバスルームから出てくる。
「お待たせ」
言いながら、ダイニングカウンターの椅子に座る彼女。
緑茶のカップ&ソーサーを、マットの上に置くワタシに訊いてくる。
「なにこれ?」
「ミニトマトがあったので、昨日のうちにピクルスにしてみました、まだ浅いですが」
彼女が、目を丸くして、ワタシの顔をしげしげと覗きこむ。
奥の部屋、寝室の扉が開く。
「おはよう」
彼女が言って、バスローブを羽織りながら出てくる。
ワタシはダイニングキッチンで、緑茶を入れながら応える。
「おはようございます」
「あなた、寝てないの?」
昨夜と同じ格好のワタシを見て、彼女が言う。
心配する素振りの彼女に、笑みを浮かべて元気よく応える。
「ええ、お昼寝する方が、今回の仕事はリズムが合いそうですから」
「あなたがよければいいけど、頼んだ私が言うのも妙だけど、無理はしないでね」
そう言う彼女に、カップ&ソーサーに緑茶を注ぎながら応える。
「はい、先生をお送りしたら、やすむつもりです」
言いながら、彼女にカップ&ソーサーを差し出す。
彼女が、鼻を近づけて言う。
「いい香ね、先に洗顔するから、あとでいただくわ」
そのままバスルームに入っていく。
一人佇むワタシは、手にしたソーサーから、緑茶のカップを口に運ぶ。
これはこれでおいしいけど、彼女を送ったら、ウチからいろいろと持ってこようと思う。
冷蔵庫を開けて、ラップをかけたガラス製の小さな器を取り出す。
残っていたミニトマトで作った、即席のピクルス。
まだ浅いとは思うが、朝のお茶うけにはなるだろう。
ラップを外して、ひたひたの漬け汁を、サッとシンクに空ける。
ガラスの底に、うっすらと漬け汁が残ったまま、小鉢をダイニングカウンターに置く。
一つ摘んで、頬張る。
口の中に酸味が広がる。
軽く噛むと、ミニトマトの皮が弾ける。
同時に、浅く漬かったトマトの酸味と甘味が口の中を覆い尽くす。
「ありあわせにしては、悪くないわね」
呟いて、酸味と甘味の残る唇に、緑茶を運ぶ。
渋みとあいまって、穏やかな香が鼻に抜ける。
思わず、一人ほくそ笑む。
彼女がバスルームから出てくる。
「お待たせ」
言いながら、ダイニングカウンターの椅子に座る彼女。
緑茶のカップ&ソーサーを、マットの上に置くワタシに訊いてくる。
「なにこれ?」
「ミニトマトがあったので、昨日のうちにピクルスにしてみました、まだ浅いですが」
彼女が、目を丸くして、ワタシの顔をしげしげと覗きこむ。
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