2021年09月28日
epilogue 〜 mini and tight with shades
金髪にミニの彼女が先頭。
そして、議員、ワタシと後に続く。
彼女が黒いSUVの運転席に乗り込む。
後部席に、議員、そしてワタシが乗り込む。
議場に黒いSUVが乗りつける。
後部席からワタシが降りても誰も気にしない。
続いて議員が降りて一歩踏み出すと、砂糖に群がる蟻のごとく、待ち構えている記者たちが詰め寄ってくる。
ワタシが一歩、議員の前に出る。
一瞬、記者たちが固まる。
その隙に議員を先導する、が、すぐにまた取り囲まれる。
ワタシが前に出て制しても、一瞬離れるだけで、直ぐに詰め寄ってくる。
なかなか進めずにいると、腹に響く怒鳴り声、しかも英語。
皆の動きがとまる。
その隙に、議員とワタシがすり抜けるように入口を目指す。
しばらくして振り返ると、恐る恐る振り返る記者たちの後ろから、金髪の彼女が颯爽と登場する。
記者たちを圧倒するその姿は、まさに圧巻。
ワタシですら、格好いいと思う。
心強い味方を得て議員を誘導すると、議場の入口で秘書達に引き渡す。
議員が振り返って言う。
「ありがとう、今度は私が生命を懸ける番よ、みててね」
秘書達と話しながら議場に向かう彼女を見送る。
「さぁっ、帰るわよ」
朗らかな声に振り返る。
金髪を靡かせる彼女が、ミニで仁王立ちしてワタシを見ている。
頷いて、彼女に向かって歩きはじめる。
不意に前を塞がれる。
「あなた、議員との関係は?」
「その傷、どうしたんですか?」
「何があったんですか?」
記者たちが、今度はワタシに詰めよる。
そこに、また英語で怒鳴り声。
記者たちが固まる。
その間に、彼女がワタシの腕をとって、強引に歩きだす。
ミニの裾を気にせず大股に歩く彼女、遅れぬように歩を速めるタイトスカートのワタシ。
黒いSUVが近づいてくる。
彼女が、助手席のドアを開けて促す。
ワタシが乗り込む間に、彼女が運転席にまわる。
シートベルトを締めると、スキッド音を残して黒いSUVが発進する。
呆然とする記者たちが小さくなる。
運転席の彼女が、胸元からサングラスを取り出してかける。
口元に笑みを浮かべて言う。
「あなた、ああいうの嫌いでしょ」
「ええ、必要なら仕方ないけど、今は違う」
前を見たまま応える。
サングラスの横顔の彼女が、笑ったような気がする。
初夏に近い陽射しに、ワタシも上着からサングラスを取りだしてかける。
金髪にサングラスの彼女と、黒髪にサングラスのワタシ。
初夏の陽射しに煌く車列に紛れ込む。
そして、議員、ワタシと後に続く。
彼女が黒いSUVの運転席に乗り込む。
後部席に、議員、そしてワタシが乗り込む。
議場に黒いSUVが乗りつける。
後部席からワタシが降りても誰も気にしない。
続いて議員が降りて一歩踏み出すと、砂糖に群がる蟻のごとく、待ち構えている記者たちが詰め寄ってくる。
ワタシが一歩、議員の前に出る。
一瞬、記者たちが固まる。
その隙に議員を先導する、が、すぐにまた取り囲まれる。
ワタシが前に出て制しても、一瞬離れるだけで、直ぐに詰め寄ってくる。
なかなか進めずにいると、腹に響く怒鳴り声、しかも英語。
皆の動きがとまる。
その隙に、議員とワタシがすり抜けるように入口を目指す。
しばらくして振り返ると、恐る恐る振り返る記者たちの後ろから、金髪の彼女が颯爽と登場する。
記者たちを圧倒するその姿は、まさに圧巻。
ワタシですら、格好いいと思う。
心強い味方を得て議員を誘導すると、議場の入口で秘書達に引き渡す。
議員が振り返って言う。
「ありがとう、今度は私が生命を懸ける番よ、みててね」
秘書達と話しながら議場に向かう彼女を見送る。
「さぁっ、帰るわよ」
朗らかな声に振り返る。
金髪を靡かせる彼女が、ミニで仁王立ちしてワタシを見ている。
頷いて、彼女に向かって歩きはじめる。
不意に前を塞がれる。
「あなた、議員との関係は?」
「その傷、どうしたんですか?」
「何があったんですか?」
記者たちが、今度はワタシに詰めよる。
そこに、また英語で怒鳴り声。
記者たちが固まる。
その間に、彼女がワタシの腕をとって、強引に歩きだす。
ミニの裾を気にせず大股に歩く彼女、遅れぬように歩を速めるタイトスカートのワタシ。
黒いSUVが近づいてくる。
彼女が、助手席のドアを開けて促す。
ワタシが乗り込む間に、彼女が運転席にまわる。
シートベルトを締めると、スキッド音を残して黒いSUVが発進する。
呆然とする記者たちが小さくなる。
運転席の彼女が、胸元からサングラスを取り出してかける。
口元に笑みを浮かべて言う。
「あなた、ああいうの嫌いでしょ」
「ええ、必要なら仕方ないけど、今は違う」
前を見たまま応える。
サングラスの横顔の彼女が、笑ったような気がする。
初夏に近い陽射しに、ワタシも上着からサングラスを取りだしてかける。
金髪にサングラスの彼女と、黒髪にサングラスのワタシ。
初夏の陽射しに煌く車列に紛れ込む。
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