むかしむかし、ある寒い冬、おじいさんとおばあさんが、小さな家に住んでいました。おじいさんは山へ木を取りに行き、おばあさんは家で仕事をしていました。二人はとても貧しくて、毎日、少しずつでも幸せに暮らしていました。
ある日、おじいさんはいつものように山へ木を取りに行きました。雪が降ってとても寒い日でした。おじいさんが雪の中を歩いていると、ふと足元に小さな白い鳥が倒れているのを見つけました。その鳥は、風に吹かれて震えながら動けませんでした。
「かわいそうに、こんな寒い中で…。」おじいさんは鳥を見て心配になり、すぐにその鳥を家に連れて帰りました。
おばあさんは驚きましたが、「きっとこの鳥も寒さで困っていたんだわ。」と言って、温かい部屋で鳥を休ませました。おじいさんとおばあさんはその鳥にお水をあげ、暖かい場所を用意してあげました。鳥は元気を取り戻し、元気に鳴いて感謝の気持ちを伝えるように見えました。
その晩、鳥は「ありがとう」と言いました。「私はこの恩を忘れません。」と言って、家を出て行きました。おじいさんとおばあさんは、鳥がどこへ行ったのか気になりましたが、何も言わずにその夜は寝ました。
次の日のことです。突然、美しい女性が家にやってきました。その女性はとても優しそうで、おじいさんとおばあさんに「お手伝いをさせてください」と言いました。おばあさんはびっくりしましたが、彼女がとても親切であったので、喜んでお願いしました。
その女性は、毎日、家の中で布を織ってくれました。その布は、色とりどりでとてもきれいでした。町の人々もその布を見て、「この布はすごい!どこで手に入るの?」と言って、みんな買いたがりました。おじいさんとおばあさんは、その布を売って得たお金で、生活が豊かになり、幸せに暮らすことができました。
ある日、その女性はおじいさんとおばあさんに言いました。「私が布を織っている夜のことを、決して見ないでください。もし見てしまったら、私はここを去らなくてはなりません。」おじいさんとおばあさんは、そのお願いをしっかりと守ることにしました。どんなに気になっても、決して覗いてはいけません。
けれども、ある晩、おじいさんはとても好奇心が強くなり、ついに女性が布を織っているところを見てしまいました。その瞬間、目の前に現れたのは、なんとあの寒い冬の日に助けた鶴の姿でした!
「私は鶴です。」女性は言いました。「あなたたちに助けてもらったお礼をしたくて、私の姿を隠していたのです。でも、約束を破ってしまったので、もうここにいられません。」そう言うと、鶴は羽を広げ、空へと飛び立ちました。
おじいさんとおばあさんは、鶴が飛んでいくのを見ながら、悲しみの涙を流しました。鶴のことを忘れることはできませんでしたが、その優しさと恩返しの心を忘れることはありませんでした。
それから、町の人々は「おじいさんとおばあさんは、あの美しい布を手に入れたのは、きっと何かの縁だろう」と言い、二人を敬いました。しかし、おじいさんとおばあさんは、心の中で鶴に感謝し続けました。
その後、おじいさんとおばあさんは、また少し貧しくなったものの、鶴がしてくれたことを大切に思いながら、幸せに暮らし続けました。二人は、他の誰にも、あのように優しい心を忘れないようにし、みんなに親切にすることを大切にしました。
おしまい。
2024年11月20日
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