2011年05月22日
そうだったのか!中国(池上彰) 感想
個人的に2冊目の池上彰本
文庫本ながらかなりのボリュームがあるように思う。
本書は中国の現代史について書いている。
あんまり学校で近代史を学ぶことが
多くないような気がするので個人的には
新鮮だし面白かったと思う。
ただ、本書では中国を批判的な部分が
多いようだが、その批判されてきた部分は
中国としてはあまり直視したくないのだろうと思う。
p91、92 毛沢東の誇大妄想から始まった大躍進政策は、 惨めな失敗に終わりました。この失敗により、 中国全土で少なくとも四〇〇〇万人が死亡したと 推定されます。(中略) 個人が空想する分にはかまいませんが、中国では、 空想的社会主義を実現させる実験のために、 四〇〇〇万人もの犠牲者が出たのです。 日本に対して「過去に教訓すべきだ」と 「歴史問題」で追及する中国は、この過去について 一切口をつぐんでいます。その事実は中国の教科書に 載っていません。日本に対して「歴史を直視」するように求めて いる中国政府は、自国の負の歴史を直視していないのです。 |
著者は「毛沢東はどう語ればいいか難しい」という
書きかたをしていたが、ここでは毛沢東の政策の失敗により
多くの犠牲を出したことから、本書では基本的に
毛沢東を批判しています。
p326 二度と天安門事件を起こしてはならない。 そのためには、若者たちに「中国共産党の政治的正統性」 を強調しなければならない。かつての中国人民が、 軍国主義の日本に苦しんだとき、人民を解放したのが 中国共産党である。だから共産党は素晴らしく、人々は 共産党を愛し、その指導に従わなければならない。 第1章で見たように、こうした「愛国教育」 (実際には「中国共産党を愛しなさい」という教育) を徹底するために、過去いかに中国人民が日本によって 辛酸をなめさせられたかを強調することになります。 これが、やがて若者達の「反日」意識を育成することに つながるのです。 |
ここで思うのが、歴史問題にしろ反日教育にしろ
中国は感情ではなく政治で利益があるほうのポーズを
徹底していると思う。
日本に歴史問題をつきつけるのは、
そのほうが外交で有利になるからだろう。
たぶん、有利にならないと思っているのなら
一切口にしないと思う。
一般の中国人は本当に怒っているのかもしれないが、
中国政府は政治的に見て得かどうかで判断をするもの
が極端に現れている。
ただ、規模が多い中国で政治をするには
これくらいのことが必要なのかもしれないが
最後に少し前に話題になった「尖閣諸島」について
引用します。
p394 日本と中国の間では、尖閣諸島の領有権問題 もあります。(中略) 長らく注目されることのない無人島でしたが、 一九六八年、国連のアジア極東経済委員会が、 この周辺海域を調査した結果、石油資源が埋蔵されている 可能性が高いことがわかりました。この調査結果が発表 されたところ、二年後から、中国と台湾が相次いで 「自国の領土だ」という主張を始めたのです。 大変わかりやすい行動です。 |
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