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そうだったのか!中国(池上彰) 感想



個人的に2冊目の池上彰本
文庫本ながらかなりのボリュームがあるように思う。
本書は中国の現代史について書いている。

あんまり学校で近代史を学ぶことが
多くないような気がするので個人的には
新鮮だし面白かったと思う。

ただ、本書では中国を批判的な部分が
多いようだが、その批判されてきた部分は
中国としてはあまり直視したくないのだろうと思う。





p91、92
毛沢東の誇大妄想から始まった大躍進政策は、
惨めな失敗に終わりました。この失敗により、
中国全土で少なくとも四〇〇〇万人が死亡したと
推定されます。(中略)
個人が空想する分にはかまいませんが、中国では、
空想的社会主義を実現させる実験のために、
四〇〇〇万人もの犠牲者が出たのです。
日本に対して「過去に教訓すべきだ」と
「歴史問題」で追及する中国は、この過去について
一切口をつぐんでいます。その事実は中国の教科書に
載っていません。日本に対して「歴史を直視」するように求めて
いる中国政府は、自国の負の歴史を直視していないのです。



著者は「毛沢東はどう語ればいいか難しい」という
書きかたをしていたが、ここでは毛沢東の政策の失敗により
多くの犠牲を出したことから、本書では基本的に
毛沢東を批判しています。







p326
二度と天安門事件を起こしてはならない。
そのためには、若者たちに「中国共産党の政治的正統性」
を強調しなければならない。かつての中国人民が、
軍国主義の日本に苦しんだとき、人民を解放したのが
中国共産党である。だから共産党は素晴らしく、人々は
共産党を愛し、その指導に従わなければならない。
第1章で見たように、こうした「愛国教育」
(実際には「中国共産党を愛しなさい」という教育)
を徹底するために、過去いかに中国人民が日本によって
辛酸をなめさせられたかを強調することになります。
これが、やがて若者達の「反日」意識を育成することに
つながるのです。




ここで思うのが、歴史問題にしろ反日教育にしろ
中国は感情ではなく政治で利益があるほうのポーズを
徹底していると思う。

日本に歴史問題をつきつけるのは、
そのほうが外交で有利になるからだろう。
たぶん、有利にならないと思っているのなら
一切口にしないと思う。

一般の中国人は本当に怒っているのかもしれないが、
中国政府は政治的に見て得かどうかで判断をするもの
が極端に現れている。

ただ、規模が多い中国で政治をするには
これくらいのことが必要なのかもしれないが



最後に少し前に話題になった「尖閣諸島」について
引用します。





p394
日本と中国の間では、尖閣諸島の領有権問題
もあります。(中略)
長らく注目されることのない無人島でしたが、
一九六八年、国連のアジア極東経済委員会が、
この周辺海域を調査した結果、石油資源が埋蔵されている
可能性が高いことがわかりました。この調査結果が発表
されたところ、二年後から、中国と台湾が相次いで
「自国の領土だ」という主張を始めたのです。
大変わかりやすい行動です。


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