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資本主義はなぜ自壊したのか 感想

本書は構造改革の急先鋒の著者の「懺悔の書」ということを
はじめのほうで書いているが
懺悔の書というより、今の資本主義やグローバリズムの成り立ちに
ついていろいろな視点から書いているので
少しタイトルとは違うと思う。

ただ、本書で著者が本当に懺悔しているのかというと
正直、個人的にはそのようなことは感じられなかった。
もし本当に本書が懺悔の書という意味で書いたのなら
もう少し著者が関わってきたことを詳しく書くべきであろう。

本書ではブータンなどの国をかなり褒めていたが
個人的には無批判にブータンが良いからといって
ブータンの文化を取り入れることは
グローバリズムを無批判に取り入れた「構造改革」となんら
変わりは無いと思う。

そこらへんを見ると残念ながら、著者には懺悔が足りないと思ってしまう。

最後のほうには「日本」再生の提言を書いているが
これはいろんな意見があるので
議論が必要だろうが、グローバリズムを一度立ち止まって考えることは
賛成する。

しかし、最近でのTPPの騒動など
結局には民主党に政権交代しても
あまり流れは変わらないな。

中谷 巌 集英社 2008-12-15
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