2011年02月02日
ぼら・鯔・鰡のうんちく
鯔の季節・春・ 鯔背(いなせ)な気分になって
= ぼら・鯔・鰡のうんちく =
● 本稿では[ぼら]についての四方山話をご披露。
● 併せて漁業についての一口話-北の漁師。
== 出世魚としての人とのかかわり ==
● 北の漁師が、川口(汽水域)・浦(湾)の奥で、
群(魚倉-なぐら)をなして泳いでいるのをみて、
ガキの時分好ましく思った。
なんとまあ、このぼらはこのくらい居るのだから、
「獲ってもいいんじゃないか、怒られないだろうと」。
この魚倉を「鰭を出して水を押している-水押し」と称す。
● 橋の上から「投網」で、あるいは「刺網」で。
首尾よく獲ったら早速刺身で食す。
=== 出世魚 ===
● ブリやクロダイ、スズキなどと同様に、
大きくなるにつれて呼び名が変わる出世魚にもなっている。
・関東-オボコ→イナッコ→スバシリ→イナ→ボラ→トド
・関西-ハク→オボコ→スバシリ→イナ→ボラ→トド
・高知-イキナゴ→コボラ→イナ→ボラ→オオボラ
・東北-コツブラ→ツボ→ミョウゲチ→ボラ
→「せいご」- 「イナ」よりちいさいものに、
せいごを冠す- 北の漁師。
また、生後が大漁の年に、
生まれた男の子に好まれて名前を頂戴する親も。
●「トド」は、「これ以上大きくならない」ことから、
「結局」「行きつくところ」などを意味する、
「とどのつまり」の語源となった。
●「イナ」は若い衆の髷の青々とした剃り跡を、
イナの青灰色でざらついた背中に見たてたことから、
「いなせ」の語源とも言われる。
また、「若い衆が粋さを見せるために跳ね上げた髷の形を、
イナの背びれの形にたとえた」との説もある。
== 漁業とグルメる鯔 ==
● 寒ぼら
・その食性から汚染した水域で採れるものは臭みが強く、
食用には適さない。
・水質の良い水域のものや外洋の回遊個体は臭みが少なく、
特に冬に脂瞼の回りに脂肪が付き白濁した状態になる、
「寒ボラ」は美味とされる。
・身は歯ごたえのある白身で、血合が鮮やかな赤色をしている。
刺身、洗い、味噌汁、唐揚げなど様々な料理で食べられる。
・刺身などの際は鱗と皮が厚く丈夫なので剥ぎ取った方がよい。
臭みを消すには酢味噌や柚子胡椒が用いられる。
● 「ぼらのへそ」・「そろばん玉」
・ニワトリの砂嚢(砂肝、スナズリ)を、
柔らかくしたような歯ごたえで珍重される。
よく水洗いした上で塩焼きや味噌汁などで食べられる。
1匹から1つしか取れないため、これだけが流通することはまずない。
これだけは私らも食ったことなし。
→幻のCD級-漁師の役得-北の漁師。
● からすみ
メスの卵巣を塩漬けし乾燥させたものがカラスミで、
冬季の回遊ルートにあたる西日本各地や台湾、
地中海沿岸など世界各地で作られている。
また、ギリシア料理ではボラの卵をタラモサラダに用いる。
見たところ卵の粒が非常に細かい。
これが口ざわりを左右する→商品価値が高く、
卵の粒の大なるものはその点で「次品」として、
等級を下げられる-北の漁師。
● すべからく魚卵は、筋子・いくらを除いて、
粒の小なるものが「一等子」でして、
たら子(スケコ)・数の子・かにの「外子・内子」も、
口ざわりとの関わりから、小さい方が最良とされてきました。
皆さんが好むたら子は、
大きいのが店頭に並んで久しいですけど、
従いまして真鱈の子はたら子と比べれば、
利用価値が違いますので-加工品・粒が大きい-
私らはフライパンで炒める-沖でも「塩水漬け」はしない。
よくよく吟味されて食されよ。
近来北の漁師が食べようとして食えない魚。
● 漁撈作業
ぼらは馬鹿な魚で、
網の外に跳ね越えたのにまた網の中に飛び込んでんる。
それゆえなにがしかの仕掛けをしたもんだ-古老の話。
その時沖へ逃げないで陸の方へ逃げる-これが特徴。
以前東京湾のぼらが川床の突然の湧水を感づいて、
よろこんで川を上る新聞報道がありました。
東京海湾はけして汚れた水じゃないけど、
汚れに強いとされるが、生物の性でしょう。
まずは筆をおさめます。
★北の漁師の情報局
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まぐろぐ
6番目の定係港-投稿記事
まぐろぐ
H23 2011-02-02T17:30
まぐろぐ
= ぼら・鯔・鰡のうんちく =
● 本稿では[ぼら]についての四方山話をご披露。
● 併せて漁業についての一口話-北の漁師。
== 出世魚としての人とのかかわり ==
● 北の漁師が、川口(汽水域)・浦(湾)の奥で、
群(魚倉-なぐら)をなして泳いでいるのをみて、
ガキの時分好ましく思った。
なんとまあ、このぼらはこのくらい居るのだから、
「獲ってもいいんじゃないか、怒られないだろうと」。
この魚倉を「鰭を出して水を押している-水押し」と称す。
● 橋の上から「投網」で、あるいは「刺網」で。
首尾よく獲ったら早速刺身で食す。
=== 出世魚 ===
● ブリやクロダイ、スズキなどと同様に、
大きくなるにつれて呼び名が変わる出世魚にもなっている。
・関東-オボコ→イナッコ→スバシリ→イナ→ボラ→トド
・関西-ハク→オボコ→スバシリ→イナ→ボラ→トド
・高知-イキナゴ→コボラ→イナ→ボラ→オオボラ
・東北-コツブラ→ツボ→ミョウゲチ→ボラ
→「せいご」- 「イナ」よりちいさいものに、
せいごを冠す- 北の漁師。
また、生後が大漁の年に、
生まれた男の子に好まれて名前を頂戴する親も。
●「トド」は、「これ以上大きくならない」ことから、
「結局」「行きつくところ」などを意味する、
「とどのつまり」の語源となった。
●「イナ」は若い衆の髷の青々とした剃り跡を、
イナの青灰色でざらついた背中に見たてたことから、
「いなせ」の語源とも言われる。
また、「若い衆が粋さを見せるために跳ね上げた髷の形を、
イナの背びれの形にたとえた」との説もある。
== 漁業とグルメる鯔 ==
● 寒ぼら
・その食性から汚染した水域で採れるものは臭みが強く、
食用には適さない。
・水質の良い水域のものや外洋の回遊個体は臭みが少なく、
特に冬に脂瞼の回りに脂肪が付き白濁した状態になる、
「寒ボラ」は美味とされる。
・身は歯ごたえのある白身で、血合が鮮やかな赤色をしている。
刺身、洗い、味噌汁、唐揚げなど様々な料理で食べられる。
・刺身などの際は鱗と皮が厚く丈夫なので剥ぎ取った方がよい。
臭みを消すには酢味噌や柚子胡椒が用いられる。
● 「ぼらのへそ」・「そろばん玉」
・ニワトリの砂嚢(砂肝、スナズリ)を、
柔らかくしたような歯ごたえで珍重される。
よく水洗いした上で塩焼きや味噌汁などで食べられる。
1匹から1つしか取れないため、これだけが流通することはまずない。
これだけは私らも食ったことなし。
→幻のCD級-漁師の役得-北の漁師。
● からすみ
メスの卵巣を塩漬けし乾燥させたものがカラスミで、
冬季の回遊ルートにあたる西日本各地や台湾、
地中海沿岸など世界各地で作られている。
また、ギリシア料理ではボラの卵をタラモサラダに用いる。
見たところ卵の粒が非常に細かい。
これが口ざわりを左右する→商品価値が高く、
卵の粒の大なるものはその点で「次品」として、
等級を下げられる-北の漁師。
● すべからく魚卵は、筋子・いくらを除いて、
粒の小なるものが「一等子」でして、
たら子(スケコ)・数の子・かにの「外子・内子」も、
口ざわりとの関わりから、小さい方が最良とされてきました。
皆さんが好むたら子は、
大きいのが店頭に並んで久しいですけど、
従いまして真鱈の子はたら子と比べれば、
利用価値が違いますので-加工品・粒が大きい-
私らはフライパンで炒める-沖でも「塩水漬け」はしない。
よくよく吟味されて食されよ。
近来北の漁師が食べようとして食えない魚。
● 漁撈作業
ぼらは馬鹿な魚で、
網の外に跳ね越えたのにまた網の中に飛び込んでんる。
それゆえなにがしかの仕掛けをしたもんだ-古老の話。
その時沖へ逃げないで陸の方へ逃げる-これが特徴。
以前東京湾のぼらが川床の突然の湧水を感づいて、
よろこんで川を上る新聞報道がありました。
東京海湾はけして汚れた水じゃないけど、
汚れに強いとされるが、生物の性でしょう。
まずは筆をおさめます。
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