2015年11月19日
ぼくは愛を証明しようと思う。 藤沢 数希
”恋愛工学”をキーワードに、女性に対して一途で真っ直ぐだった男が多くの女性をモノにする男へと変わっていく姿を書いた小説です。
恋愛工学のキーワードとして、書中では
”モテ=ヒットレシオ✕試行回数”
という数式が示されています。
これは本書を読むと何となく分かるのですが、恋愛に気持ちとか人間性とかそういったものを持ち込まずに単純化したモデルを考えた場合、このような数式が工学として成り立つという考えです。
野球に例えると、
”年間ヒット数=打率✕打数”
という分かりやすいモデルとなります。
なんだそんなことか・・・と馬鹿にするのは簡単ですが、この単純な理屈を恋愛に持ち込める人はそんなに多くはないのでしょうか。
実を言うと私もその一人です。
恋愛に根拠のないロマンを持ち込み、「人を愛すること、愛されることはとても素敵なことだ」という考えを持っています。そしてそれがまるで世界の真理であるかのように思い込み、自分だけでなく、他の人間もその考えを共通して持っているのだという妄想を感覚として持っています。
さて主人公はこの恋愛工学を駆使し、色々な女性を口説き落とし、次々とセックスしていきます。
まるで「ナンパの指南本」のような内容です。
読者はこの物語を追体験することで、「恋愛」という観念が幻想であることを思い知らされます。女性の気持ちを惹きつけるスキルを身に付け、それを駆使して次々と女性を落としていく姿に、愛って何なんだろう・・・と考えさせらるんじゃないかと思います。
主人公は別に女性を愛しているわけではなく、「セックス=成功」というゲームの中で女性を扱っているだけで、去るものは追わず、淡々とした取り扱いに徹しているんですよね。女性が、まるで名前と体だけの存在であるかのような錯覚を覚えます。
これまで自分が考えていた「恋愛」「女性」とは完全に真逆の考え方・・・
※ちなみに自分のような考え方は、作中では「非モテコミット」として最も駄目な例として取り扱われています。
おそらく、こういった世界はあるのだろうと思います。
また同時に、恋愛にロマンを感じるという世界もあるのだろうと思います。
どちらか一方ではない。そこは自分の好きなように考えてすればいいのだと思います。
さて私の感想ですが・・・
筆者としては、まずは多くの「非モテコミット」の人間の考えを解放したいのだろうなと思いました。
刷り込まれている恋愛に対しての偏見を一度解き放ち、ゼロの状態にしてから、それから自分の好きな道を歩めばいいのだということを言っているのだと。
作中での師匠である「永沢さん」は常に「大事なことは女性を幸せにすることだ」と言っています。
何をナンパ師が・・・と言ってしまうのは簡単ですが、でも、それも確かに言えるのかもしれません。
こういう自分の価値観とは真逆のものを読んで見るのも面白い経験だな、と素直に感じました。
また、昔にこういう本を読んだ時に自分とのあまりのギャップに絶望して涙したことをふと思い出し、今度はそうは感じなかったことから、少しは受け止める器が大きくはなったかな・・・と懐かしくも思いました。
恋愛工学のキーワードとして、書中では
”モテ=ヒットレシオ✕試行回数”
という数式が示されています。
これは本書を読むと何となく分かるのですが、恋愛に気持ちとか人間性とかそういったものを持ち込まずに単純化したモデルを考えた場合、このような数式が工学として成り立つという考えです。
野球に例えると、
”年間ヒット数=打率✕打数”
という分かりやすいモデルとなります。
なんだそんなことか・・・と馬鹿にするのは簡単ですが、この単純な理屈を恋愛に持ち込める人はそんなに多くはないのでしょうか。
実を言うと私もその一人です。
恋愛に根拠のないロマンを持ち込み、「人を愛すること、愛されることはとても素敵なことだ」という考えを持っています。そしてそれがまるで世界の真理であるかのように思い込み、自分だけでなく、他の人間もその考えを共通して持っているのだという妄想を感覚として持っています。
さて主人公はこの恋愛工学を駆使し、色々な女性を口説き落とし、次々とセックスしていきます。
まるで「ナンパの指南本」のような内容です。
読者はこの物語を追体験することで、「恋愛」という観念が幻想であることを思い知らされます。女性の気持ちを惹きつけるスキルを身に付け、それを駆使して次々と女性を落としていく姿に、愛って何なんだろう・・・と考えさせらるんじゃないかと思います。
主人公は別に女性を愛しているわけではなく、「セックス=成功」というゲームの中で女性を扱っているだけで、去るものは追わず、淡々とした取り扱いに徹しているんですよね。女性が、まるで名前と体だけの存在であるかのような錯覚を覚えます。
これまで自分が考えていた「恋愛」「女性」とは完全に真逆の考え方・・・
※ちなみに自分のような考え方は、作中では「非モテコミット」として最も駄目な例として取り扱われています。
おそらく、こういった世界はあるのだろうと思います。
また同時に、恋愛にロマンを感じるという世界もあるのだろうと思います。
どちらか一方ではない。そこは自分の好きなように考えてすればいいのだと思います。
さて私の感想ですが・・・
筆者としては、まずは多くの「非モテコミット」の人間の考えを解放したいのだろうなと思いました。
刷り込まれている恋愛に対しての偏見を一度解き放ち、ゼロの状態にしてから、それから自分の好きな道を歩めばいいのだということを言っているのだと。
作中での師匠である「永沢さん」は常に「大事なことは女性を幸せにすることだ」と言っています。
何をナンパ師が・・・と言ってしまうのは簡単ですが、でも、それも確かに言えるのかもしれません。
こういう自分の価値観とは真逆のものを読んで見るのも面白い経験だな、と素直に感じました。
また、昔にこういう本を読んだ時に自分とのあまりのギャップに絶望して涙したことをふと思い出し、今度はそうは感じなかったことから、少しは受け止める器が大きくはなったかな・・・と懐かしくも思いました。
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