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2020年05月24日

ロクでなし魔術講師と禁忌教典 16巻の感想・評価 システィーナの心が試される

『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』16巻の感想・評価です。
”汝望まば、他者の望みを炉にくべよ”

ロクでなし魔術講師と禁忌教典 16巻 / 羊太郎
rokudenashi16.jpg


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<あらすじ>

システィーナがメイン・ウィザードを務めるアルザーノ帝国は、魔術祭典の準決勝へと進みました。
システィーナは日輪の国のメイン・ウィザードであるサクヤという少女と出会い、自身の魔術士としての在り方を試されます。

一方グレンの方にはフォーゼル先生がやってきて、『アリシア三世の手記』の解読法が明らかになりました!
しかしこの手記は重大な機密が詰まっているだけあって、他者によってすでに細工が施されていました。グレンは解読しようとしたものの、手記にかけられていた罠にかかり、手記の中の世界に閉じ込められてしまいます。

<感想・評価>

5段階評価
おすすめ度    ★★★★
ハーレム度    ★★★★
戦闘・バトルの量:★★★★
ラブコメ量:   ★★★★
読みやすさ:   ★★★★




感想
今回はアリシア三世の過去のシーンが見れました。昔のアリシア三世が『魔王』や『禁忌教典(アカシック・レコード)』について調べて、真実を知って狂気に染まっていくシーンがとても印象的でした。なんだか話の内容がクトゥルフ神話のようになってきました!邪神とかが登場しそうな様子です。
過去のアリシア三世が狂気に染まっていった様子も、私は『SAN値がゼロになったんだな』と思いながら読んでいました。笑 (いや、笑うようなシーンでもありませんが……)
王家に女性しか生まれない理由や『魔王』の存在など、グレンたちが行く先にはなかなかエグい真相が待っているようで楽しみです。

前の15巻もそうだったかもしれませんが、この16巻はシスティーナたち生徒が魔術大会で戦う『表』お話と、グレンがアリシアの手記を解読したり、天の知恵研究会や帝国宮廷魔道士団特務分室などが怪しい行動をする『裏』のお話、二つが同時進行で楽しめるような形になっています。
伏線が多く、1冊の中で起こる出来事も多いので、あちこちに気が逸らされてしまうのはちょっと煩わしいかも。
情報量が多くて前巻までの内容を思い出すのも大変です……(汗)

フォーゼル先生のキャラが飛び抜けていて面白いです!今回も突如グレンの前に登場して、有無を言わさず連れ出そうとし、抵抗するグレンに対して堂々と言い放ちました。

フォーゼル:「ふっ! この僕が人の都合を気にするようなマトモな人間だとでも!? 君の都合なんかどうでもいいんだッ! 僕の都合さえ良ければ、それでいいッッッ!
(この後、グレンに投げ飛ばされて壁に叩きつけられた)

グレンとシスティーナが別行動気味だったので、ラブコメ要素が少なめだったのは残念でした!魔術大会が終わるまではラブコメ要素は控えめになりそうです。次巻以降に期待!
(ここまで16巻の感想)

アリシア三世の発言

以下、アリシア三世の気になる発言をメモ代わりに載せておきます。かなり意味深な発言でした。
ネタバレ注意です。

「ぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ――ッ!」

「なんてこと……ッ! ああああ、なんてことなの……ッ! なんて、悍(おぞ)ましいッ! こんな、こんなことってぇええええーーッ!? ああ、知るんじゃなかった! 知りたくなかったッ! こんな……こんなぁ……ぁあああああああああああああああ――ッ!」

「ああ、道理で、我がアルザーノ王家の一族に女ばかりが生まれるわけだわ! 全て、かの古の魔王に仕組まれていたことだった! 私達は孕み袋なんだわ! 《天空の双生児(タウム)》という悍ましき冒涜的怪物を生むためのッ! そのために、女ばかりが生まれる呪いが、魔王によってこの血にかけられていた!」

「悍ましい! なんて悍ましいッ! この身に流れる呪われた血が悍ましいッ! このアルザーノ帝国は……古代の魔王が、再び《天空の双生児》の加護を得るために作った……禁忌教典(アカシック・レコード)を手にするために作った、広大な魔術儀式場だった! アルザーノの民は……そのために畜産増殖された家畜……生贄だった……ッ!」

「ああ、そうよ、間違いないわ……"正義の魔法使い"に倒された魔王は――“今も生きている”ッ! “生きて、この世界のどこかに潜んでいる”ッ! だって、だって、だって――《封印の地》……《封印の地》で、私は見たもの……ッ! 私の……我が王家の家系図を……家系図、家系図、家系図……ああ、魂紋……魂紋がぁ、ぁああああ、ああああああああああああああああああああああああああああああああーーッ!」

「遥か遠き後世……我が聖なる王家の血筋から、悪魔の化身が生れ落ちるんだわ……この国に災いをもたらし……世界に終焉をもたらすんだわ……うひ、ひひひひ……させない……そんなこと……させないわ……ッ! この国は、民は、私が守、守るあははは……ひゃははははははははははははははははははははははーーッ!」

(『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』16巻の感想・評価)
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