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1. FXは上達するのか

小さなコツをいくつか覚えたって駄目です。勝てない原因をきちんと突き止めてからやり直しましょう。FXを楽しむためには「投資期間」が必要です。すぐに始めたって勝てないことは、FXに限らず、何事であれ同じなのです。だからこそ、その期間を短縮するための「方法論」が大切なのです。

 右矢印1 1-1. FXを楽しむために
   アマチュアらしく…
 右矢印1 1-2. いつか負けないはずがない!
   上手くなるまでは短期取引です
 右矢印1 1-3. 難しさの正体って何だ
   利確と損切の理解は大切です
 右矢印1 1-4. FXは上達するのか
   取引機会を絞り込むべきです
 右矢印1 1-5. 数字で掴もう
   その機会にどう臨むかです
2. 経済指標の楽しみ方

このブログで扱う取引の理想は、経済指標発表前後の反応を着実に刈り取り、ポジション保有時間を最短化してリスクを避けることです。でも、効率良く取引するにはそれなりに予備知識が必要です。大した話は紹介できませんが、基本だけは押さえておきましょう。

 右矢印1 2-1. 大きなゾウの隠れ方
   指標取引のための予備知識です
 右矢印1 2-2. ウソは嫌いだ!
   短期取引をやるときの指針です
 右矢印1 2-3. イグアナを見分ける前に
   このブログの指標取引での成績です
 右矢印1 2-4. 小ズルくいきましょう
   いわばジンクスで勝つ方法です

3. 指標取引分析手法

このブログでは経済指標への調査・分析を定型書式で行っています。定型書式を用いることで、反省を踏まえてやり方を進歩させたり、相場環境が変わったことを見つけやすくするため、です。

 右矢印1 3-1. 指標取引の予備知識
   指標発表前後の他の時間と違い
 右矢印1 3-2. ローソク足各部の名称
   全幅・値幅・跳幅とは?
 右矢印1 3-3. 4本足チャート
   このブログで使うチャート表記
 右矢印1 3-4. 反応方向の予備知識
   指標分類と反応方向の基本
 右矢印1 3-5. 取引通貨ペアの選択
   通貨ペアによる有利不利
 右矢印1 3-6. 指標分析の方法
   定量指標分析とは?
 右矢印1 3-7. 反応分析の方法
   定量反応分析とは?
 右矢印1 3-8. 分析の成績
   事前分析的中率
 右矢印1 3-9. ブレイク対応準備
   ついでに…
4. 経済指標DB

経済指標発表前後の短時間に分析期間を絞ることによって、指標への反応に一定の再現性(傾向)があることはわかりました。各国「政策決定指標」・「経済実態指標」の項に、主要な指標についての分析結果と分析事例を纏めてあります。

 右矢印1 4-0. 各国経済・通貨の特徴
 右矢印1 4-1. 日本経済
    4-1-1. 政策決定指標
     (a) 日銀短観
     (b1) 東京都区部CPI
     (b2) 全国CPI
    4-1-2. 経済実態指標
     (c) GDP一次速報
     (d) 機械受注
     (e1) 通関貿易統計
     (e2) 国際収支
 右矢印1 4-2. 米国経済
    4-2-1. 政策決定指標
     (a) FOMC
     (b1) UM消信指数速報
     (b2) CB消信指数
     (b3) ISM非製景指数
     (c1) NY連銀製景指数
     (c2) Phil連銀製景指数
     (c3) ISM製景指数
     (d1) 輸出・入物価指数
     (d2) 生産者物価指数
     (d3) 消費者物価指数
     (d4) PCEコアデフレータ
     (e1) ADP雇用統計
     (e2) 雇用統計
    4-2-2. 経済実態指標
     (a1) GDP速報値
     (a2) GDP改定値
     (a3) GDP確定値
     (b1) 小売売上高
     (b2) 個人消費・所得
     (c1) 鉱工業生産
     (c2) 耐久財受注
     (d1) 中古住宅販売件数
     (d2) 新築住宅販売件数
    4-2-3. 収支関連指標
     (a) 貿易収支
 右矢印1 4-3. 欧州経済
    4-3-1. 政策決定指標
     (a) ECB金融政策
     (c1) ZEW企業景況感調査
     (c2) 独国Ifo企業景況指数
     (c3) 独国PMI速報値
     (c4) 欧州PMI速報値
     (d) 欧州HICP速報値
    4-3-2. 経済実態指標
     (a1) 独国GDP速報値
     (b) 独国貿易統計
     (c1) 独国製造業新規受注
     (c2) 独国鉱工業生産
 右矢印1 4-4. 英国経済
    4-4-0. 英国経済指標反応要点
    4-4-1. 政策決定指標
     (a) BOE金融政策
     (c1) PMI速報値
     (c2) 製造業PMI改定値
     (c3) サービス業PMI改定値
     (d) 物価統計
     (e) 雇用統計
    4-4-2. 経済実態指標
     (a1) 月次GDP
     (a2) 四半期GDP速報値
     (b) 小売売上高指数
     (c) 鉱工業生産指数
     (d) 貿易収支
 右矢印1 4-5. 豪州・NZ経済
    4-5-1. 政策決定指標
     (a) RBA金融政策
     (b) RBNZ金融政策
     (c1) NAB企業景況感指数
     (c2) WP消費者信頼感指数
     (d1) 四半期住宅価格指数
     (d2) 四半期生産者物価指数
     (d3) 四半期消費者物価指数
     (e1) 賃金指数
     (e2) ANZ求人広告件数
     (e3) 雇用統計
    4-5-2. 経済実態指標
     (a) 四半期GDP
     (b) 貿易収支
     (c) 小売売上高
     (d1) 住宅ローン件数
     (d2) 建設許可件数

ーーーーーーーー
【FX会社】
各社特徴があります。最初は資金にも限りがあるでしょうから1つの口座で、慣れたらいくつか口座を開いて自分が使いやすい会社を選ぶと良いでしょう。
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DMM.com証券

FX口座数国内第1位はTVCMで有名。主要通貨のスワップポイントが高く、ドル円スプレッドも原則0.3銭と安い。2万円のキャッシュバック条件は、10万円入金+PC・スマホで3か月各500枚(週毎に各約40枚)の取引と意外に簡単!


ヒロセ通商

他社乗換ほか、キャッシュバックプログラム多数。スプレッドは、クロス円でUSD・EUR・NZDが有利、ドルストレートでEUR・GBP・AUDが有利。最小取引は1000通貨単位で初心者に優しい。スワップが良い会社です。


マトリックストレーダー

キャッシュバック条件はヒロセ通商と同じようです。特長は、スキャルピングOK公言・1日の取引上限なし・1000通貨単位取引可、といった点。


OANDA Japan

MT4業者はスプレッドが狭くても約定力が低い業者が多いなか、約定拒否なしが魅力。またHPの各種分析図表が美しく、あちこちのブログで引用されています。本ブログでは他人の著作物転載はしていないので、お見せできません。一度ご覧ください。


外為ファイネスト証券

特徴は、MT4最狭水準のスプレッド、EA利用可、指値制限なし、MT4サーバ国内設定、1000通貨取引可、です。

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2018年12月09日

前週備忘、及び、12月10日〜14日経済指標

【前週備忘】

前週の大きな動きは次の通りでした。

3日、週末に米中首脳会談で追加関税発動が延期されたことを歓迎し、円クロス主要通貨ペアは上窓を開けて週明け取引が開始(AUDJPYは90pips強の上窓)しました。
ちなみに、AUDJPYはこの日7時台の高値が週足高値となり、この週は5日連続陰線となりました。

4日、RBA金融政策発表結果は現状維持で、声明では「今年と来年の成長率が平均3.5%、2020年は減速」というものでした。ところが、翌5日の7-9月集計分豪GDPは2.8%と、この数字や市場予想を大幅に下回り、AUDは大きく売られました。RBAの見込む成長率に今年は達しないことが懸念されています。
また、17時過ぎにEU司法裁判所の法務官が「離脱協定が正式に成立するまでは、英国が離脱を取り消せる可能性が存在する」との勧告が報道されました。GBPはこの日からやや買が優勢に転じたように思えました。

5日、米ブッシュ父元大統領追悼のため米市場が休場でした。

6日、米国の要請でカナダ当局が中国大手通信会社副会長を逮捕との報道があり、主要国株価は揃って下げ始めました。米中貿易摩擦の激化が懸念されたものの、中国側の反発報道は抑制されていたように思えます。日経平均が大きく下げ始めました。

7日、米株価が週足でダウ△4.5%・S&P△4.6%・ナスダック△4.9%の大幅な下げとなりました。
週足の主要通貨強弱は、JPY>EUR>USD>GBP>AUD、となっており、これはわかる気がします。経済指標への反応はあまり素直でなく、これもわかるような気がする週でした。

【今週指標】

11日(日本時間12日4時)に予定されている英国離脱案採決と、その後の展開が今週最も注目される点です。採決自体は否決が見込まれており、否決後の動きに繋がるニュースに要注意です。
EU側からは「英国離脱を取り消せる(EU司法裁の法務官)」とか「(離脱合意案の実質を変えなければ)文言修正に応じる(関係筋との匿名報道で真偽不明)」との報道が前週にありました。英議会での離脱合意案否決が「合意なき離脱」に直結するとは言えません。
再国民投票に繋がる動きは大きなGBP買、離脱交渉延期や離脱案修正に関わるニュースがEU側から出ればGBP買で、首相退陣はGBP売、といったところでしょうか。

また、次週19日のFOMCは利上げと予想されているものの、米長短金利の逆イールド化が景気後退予兆として懸念されています。
懸念を払拭するには、経済指標の改善が暫く続くしかないので、それに要する期間は1・2か月を要します。その間は、米金利の動きが株価に増幅反映されることが続くように思えます。但し、株価とUSDJPYの動きには、以前のように連動性がなくなってきているので、株価が大きく下げ始めたら、USDJPYは追撃の売りをもったままタイミングを計って戻し狙いの両建てを少しやってみます。

EURは、現在、売買の理由が複雑すぎて手を出せません。
AUDは、前週に発表された7-9月期GDP前期比の低下が大きすぎて、RBA声明の今年の成長率見込み約3.5%に達しないことが懸念されています。前週に売られ過ぎているので、週明け月曜は買のタイミングを見て少し稼いだら、週前半にはAUDから離れます。

指標予定は次の通りです。

12月10日(月)
07:00・09:00・10時仲値前・17〜19時 週末報道を受けたGBPUSD・EURUSD・EURGBP・GBPJPY・EURJPYの動きを注視
08:50 7-9月集計分日本四半期GDP改定値・10月集計分日本国際収支
18:30 10月集計分英国月次GDP・10月集計分英国鉱工業生産指数・製造業生産指数

12月11日(火)
07:00・09:00・10時仲値前・17〜19時 前夜報道を受けたGBPUSD・EURUSD・EURGBP・GBPJPY・EURJPYの動きを注視
09:30 11月集計分NAB企業景況感調査・7-9月集計分豪州四半期住宅価格指数
18:30 10・11月集計分英国雇用統計
19:00 12月集計分独国ZEW景況感調査
22:30 11月集計分米国生産者物価指数(PPI)
28:00 英国離脱法案採決

12月12日(水)
07:00・09:00・10時仲値前・17〜19時 未明報道を受けたGBPUSD・EURUSD・EURGBP・GBPJPY・EURJPYの動きを注視
22:30 11月集計分米国消費者物価指数(CPI)

12月13日(木)
21:45 欧中銀(ECB)金融政策
22:30 ECB総裁定例記者会見
22:30 11月集計分米国輸入物価指数

12月14日(金)
17:30 12月集計分独国PMI速報値
22:30 11月集計分米国小売売上高
23:15 11月集計分米国設備稼働率・鉱工業生産・製造業生産
以上




2018年12月08日

11月次成績に基づく過去傾向分析の有効性検証

雇用統計翌週から次の雇用統計までの指標分析結果と取引結果を前月の月次成績としています。
11月5日〜12月7日に発表された経済指標のうち、前日乃至は当日に事前分析記事を参考に取引方針を事前に示していた指標が対象です。

成績を気にするのは、各経済指標の詳細分析記事の結論である事前取引方針の妥当性を検証し続けるためです。




【過去傾向に基づく取引方針の妥当性】

詳細分析記事に挙げている過去の傾向を踏まえた取引方針の成績は次の通りです。

  • 事前分析成績は43勝23敗(分析採用回数66回、的中率65%)
  • 事前分析の取引方針を採用できなかったことは、前提を満たさずに取引できなかったことが22回、判定不可及び取引不可だったことが9回で、計31回です(97回の取引を事前準備し、うち66回で取引可能=方針採用率68%)。
  • 換言すれば、この1か月の経済指標発表前後の取引では、現在の経済状況に関係なく、取引の前提を満たした68%の期間・タイミングで66%が過去の傾向通りだった、ということになります。

注目指標の事前分析の成績を、1か月に亘って連続して記録し続けたのは、これで3か月目です。

【事前取引方針中心の実取引成績】

次に実際の取引成績です。

事前取引方針は、細かく決めすぎると裁量の余地がなくなって、自動取引と同じになってしまいます。がしかし、少なくとも現時点では、まだ自動取引のプログラムは経済指標発表前後の取引が苦手なことがわかっています(指標発表直後の一瞬を除く)。自動取引プログラムとの違いは、事前取引方針でどこを事前に決めずに自分の裁量でやるかがポイントとも言えます。

また、事前取引方針を決めていても、ポジションをオーダーするタイミングを逸したら取引を止めることができます。そしてもし、たった数秒間だけチャートの動きの先読みが50%以上当てられるようになれば、特に追撃方針の取引で利幅を稼げるようになります。だから、こうしたやり方だと、実際の取引の勝率が期待的中率よりもやや高くなるのは当然です。

結果は次の通りでした。

  • 過去分析に基づく事前方針に沿った取引は、37回行って28勝9敗でした(勝率76%、事前準備した取引方針97回に対する方針実施率38%)。
  • それとは別に、過去分析に基づかない、もしくはポジション保有時間延長による取引は8勝1敗でした(全取引に対する方針順守率80%)。この9回の多くは、事前方針にない指標発表後の追撃や逆張りに依るものです。
  • この月次期間での取引時間は4時間01分24秒、損益は+242.10pipsでした。1分足1本当たりの損益は+1.0pipsということになります。
    効率の良い取引が出来ました。

【過去傾向踏襲状況】

指標結果が良ければその国の通貨が買われ、悪ければ売られることを素直な反応と呼んでいます。

素直な反応さえ一定時間・一定確率以上の再現性で生じれば、金融や経済の専門家でもない我々アマチュアの分析でも、専門家と同等レベルに近づけます。例え指標発表前後10分ぐらいしか専門家と同じような分析ができなくても、その10分は我々アマチュアがFXのプロフェッショナルに近い取引ができます。プロやセミプロになりたい訳じゃなくても、分析に基づく取引をしない限り、上達(安定して収益を上げ続けること)に繋がりません。

経済指標発表前後の反応方向は、発表結果が市場予想を上回れば指標発表から1分間陽線側に振れ、下回れば陰線側に振れることが、60〜80%ぐらい起きることがわかっています。この経験則から外れることが続く期間は、過去の経験則が活かせない、とも言えます。
そんな異常が起きていないことを確認するため、下表で確認します。

下表は、当該期間に発表された主要経済指標が素直に反応したかを検証するものです。
XXXJPY・XXXUSDは、米国指標の場合、USDJPY・EURUSDです。米国以外の指標では、その国の通貨と円やドルとのクロスになります。例えば欧州指標なら、EURJPY・EURUSDです。
各指標の事後差異と直後1分足の方向が一致していれば青、不一致なら赤で示しています。方向の一致とは、事後差異がプラスのときその国の通貨が買われたか、マイナスのとき売られたか、です。

1811指標素直.png

円クロスでは13青9赤(青率59%)、ドルストレートでは15青7赤(青率68%)です。

経済指標発表前後は、円クロスで取引する方がドルストレートで取引するより素直に反応しがちです。がしかし、11月に関する限り、ドルストレートで取引する方が円クロスで取引するより素直な反応が起きていたようです。
何かおかしなことが起きていないか、来月(12月)も注意しておきましょう。
以上




2018年12月07日

12月7日経済指標(結果検証済)

昨日は、米国の要請でカナダ当局が中国大手通信会社の副会長を拘束との報道があり。米中対立の激化が予感されて朝から日経平均が大きく下げました。米国は安全保障に関わるとして、主要同盟国に対して同社製品の官庁・通信会社での採用を見合わせるように通達しています。

22:30 11月集計分米国雇用統計
24:00 12月集計分UM消費者信頼感指数
UMは取引しません。

ーーー$€¥£A$ーーー

米国雇用統計

市場予想(前回結果)
・平均時給前月比+0.3%(+0.2%)
・失業率3.7%(3.7%)
・NFP増減+20.0万人(+25.0万人)
事前差異判別式の解は△5.2です。市場予想は発表前に再確認しておきましょう。

過去反応平均順跳幅/値幅pips(2018年平均pips)
・直前10-1分足4/2(6/3)
・直後1分足21/15(41/31)
・直後11分足25/17(50/35)
2018年に入って発表後の反応が半減しています。

過去傾向に基づく取引方針
・直前10-1分足は、事前差異判別式の解の符号がマイナスならショート、プラスならロングで、利確/損切の目安は3・4pipsぐらいで良いでしょう。
・NFPと平均時給のどちらかに過大反動が期待できるとき、もう一方の事前差異が過大反動方向と同じならば、その方向にポジションをオーダーします。発表直後の跳ねで利確/損切です。今回は、前月結果が突出しておらず、過大反動は期待できません。
・発表直後の追撃は早期開始、早期終了です。
・直後1分足跳幅が70pipsに達したら、同終値がつく頃まで待って追撃し15pipsの利確を狙います。但し、直後11分足終値がつくまで伸び続けたことは少なく、発表から数分で15pipsの利幅に達しなければ、どこかで決済しておいた方が良いでしょう。
・直後1分足終値を基準に、それを上回れば直後1分足終値に向けた戻しを狙って指標結果に対し逆張り、下回れば再反転して直後1分足終値に向けて指標結果に対し順張りの機会を窺います。目安は3pips程度を狙える場合です。
以上




以下は12月7日23:30頃に追記しています。
【事後検証】

雇用統計

1811米国雇用指標700.png

1811米国雇用指標800.png

1811米国雇用指標900.png

ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
注記以上




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タグ:雇用統計,UM

2018年12月06日

12月6日経済指標(結果検証済)

昨夜は休場だった米市場が再開し、ADP・ISMも本日発表されます。不安定な株価や金利の逆イールド化がこの先どうなっていくのかに関心が集まっています。
2019年のUSDJPYは105円付近を目指すとの解説も散見されます。長く続いた112円〜114円のレンジは下抜けの予想が多いものの、その時期については12月FOMC後・年明けから・3月FOMCで利上げ無しなら、と専門家の見解も分かれているようです。
怖いのは、専門家に下げの予想が多いときは一旦上げてから下げる、上げの予想が多いときは一旦下げてから上げることが多いことです。あまり先走らず、チャートを見て判断しましょう。

09:30 10月集計分豪州小売売上高
22:15 11月集計分米国ADP雇用統計
22:30 10月集計分米国貿易収支
24:00 11月集計分米国ISM非製造業景況指数

ーーー$€¥£A$ーーー

豪州小売売上高
発表後の反応が素直で伸びやすい傾向があります。直後の跳ねで高値/安値掴みに気を付けましょう。

市場予想(前回結果)
・前月比+0.3%(+0.2%)
事前差異判別式の解は+0.1です。市場予想は発表前に再確認しておきましょう。

過去反応平均順跳幅/値幅pips(2018年平均pips)
・直前10-1分足6/3(5/2)
・直後1分足18/12(16/12)
・直後11分足22/15(21/16)

過去傾向に基づく取引方針
・直前1分足は、事前差異がプラスのときショートです。
・指標発表後は1分を過ぎても反応を伸ばしがちです。初期反応方向を確認したら追撃は早期開始です

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米国ADP雇用統計
本指標は市場予想後追い型で、発表後の反応は一方向に伸びがちで、追撃・再追撃は徹底すべきです。特に、直後1分足値幅が20pipsを超えたら更に追撃を続け、超えなければ平均的に直後1分足終値に向けて戻す動きで微益を狙いましょう。

市場予想(前回結果)
・非農業部門雇用者数増減+19.6万人(+22.7万人)
事前差異判別式の解は△3.1です。市場予想は発表前に再確認しておきましょう。

過去反応平均順跳幅/値幅pips(2018年平均pips)
・直前10-1分足4/3(3/3)
・直後1分足13/9(6/3)
・直後11分足17/12(10/7)
2018年に入って発表後の反応が小さくなっています。

過去傾向に基づく取引方針
・直前1分足はショートをオーダーし、利確・損切の目安を2・3pipsとします。
・指標発表直前に前月の事後差異と同じ方向にポジションを取り、発表直後の跳ねで利確/損切します。但し、直前10-1分足が10pips以上、それとは逆に跳ねたら取引を中止します。前月事後差異は+3.8でした。
・初期反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。最近の反応の小ささを踏まえると、狙いは3〜6pipsで良いでしょう。
・直後1分足終値で再追撃を開始し、最近の直後1分足終値と直後11分足跳幅の平均の差6pips弱が利確/損切の目安とします。
・直後1分足終値より6pips以上離れたら、直後1分足終値方向に3pips程度戻すのを狙いましょう。
・直後1分足値幅が20pipsを超えたことを確認次第、その方向に追撃を開始します。利確/損切の目安は10pipsとします。

ーーー$€¥£A$ーーー

米国ISM非製造業景況指数
発表項目が多いものの、指標発表直後の反応方向に影響するのは、非製造業景況指数・新規受注指数・雇用指数です。本指標実態差異判別式の解の符号は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が各91%・81%と、極めて高いことがわかっています

市場予想(前回結果)
・非製造業景況指数59.2(60.3)
事前差異判別式の解は△1.1です。市場予想は発表前に再確認しておきましょう。

過去反応平均順跳幅/値幅pips(2018年平均pips)
・直前10-1分足7/5(5/4)
・直後1分足13/9(6/3)
・直後11分足19/13(10/6)
2018年に入って発表後の反応が小さくなっています。

過去傾向に基づく取引方針
・直前10-1分足は、事前差異と同じ方向に2・3pips狙うぐらいます。
・直前1分足は、事前差異がマイナスのとき、ショートをオーダーし、2・3pips狙います。
・指標発表直前に、事前差異と同じ方向にオーダーし、発表直後の跳ねで利確/損切します。
・それとは別に、直前10-1分足が10pips以上跳ねたら、指標発表直前に同じ方向にオーダーし、発表直後の跳ねで利確/損切します。
・指標発表直後は、初期反応方向を確認したら早期追撃開始です。
・指標発表後1分を過ぎてから直後1分足値幅を削ることがあれば再追撃し、利確/損切の目安を3pipsにします。
以上




以下は12月7日に追記しています。
【事後検証】

豪州小売

1810豪州小売売上高700.png

ーーー$€¥£A$ーーー

ADP

1811ADP100.png

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ISM

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ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
注記以上




広告以上

2018年12月05日

12月5日経済指標(結果検証済)

本日、米国株式市場は休場です。また、24:15に予定されていたFRB議長の議会証言も中止になりました。米国指標の発表も延期となりました。

英国現状を整理しておきましょう。

政府は、これまで国益に反すると非公開にしていた離脱に関する法的助言を、議会の可決で公表せざるを得なくなりました。11日の首相離脱案が否決された場合、離脱プロセスでの議会権限強化を図る修正案も可決されました。英政権は明らかに弱体化しています。

そこに追い打ちをかけるように、昨日17時過ぎに、EU司法裁判所の法務官が「英国はいつでも離脱を撤回できる」旨の勧告を裁判所に行いました。勧告であって拘束力はないものの、裁判所は過去にこうした勧告に従っています。
何やら、首相辞任→再国民投票→離脱中止、のシナリオが実現性を帯び始めました。英首相にとっては最悪のタイミングでの勧告だったでしょう。もしこの法務官が何も政治的意図を持っていないとしたら、極めつきの専門家だったのでしょう。
ともあれ、11日の首相離脱案を否決しても、これで英国のEU残留の芽が残りました。離脱派も残留派も首相案を承認する必要がなくなって、「混乱さえ許容すれば」急がずに政治信条を追求できるようになりました。

極めつきの専門家の勧告は、それが報道されて約1時間のGBP買を催し、その後はやはりそれ以前のGBP水準より売られました。このGBPの動きは、最初がサプライズでその後が当面の混乱への予感、と解釈できますよね。
本夕もGBPは注意が必要で、チャートを見ていないときにGBPを持つのは避けた方が良いでしょう。

09:30 7-9月期集計分豪州GDP
10:45 11月集計分中国サービス業PMI
18:30 11月集計分英国サービス業PMI

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豪州GDP

市場予想(前回結果)
・前期比+0.6%(+0.9%)
・前年比+3.3%(+3.4%)
事前差異判別式の解は△0.4です。市場予想は発表前に再確認しておきましょう。

過去反応平均順跳幅/値幅pips(2018年平均pips)
・直前10-1分足7/4(5/4)
・直後1分足34/26(24/19)
・直後11分足40/32(28/21)

過去傾向に基づく取引方針
・直前10-1分足は、事前差異がプラスのときにロングをオーダーする方が良いでしょう。現時点では、事後差異はマイナスとなっています。
・直前1分足は、陽線側に跳ねたのを確認してから、逆張りでショートをオーダーします。陰線側に戻るのは指標発表直前になることが多い、と推察されるため、ポジション取得と解消のタイミングをミスらないように気を付けましょう。
・指標発表後は、上下動のタイミングをうまく捉えるしか勝ちようがありません。過去の反転率の低さ(頻度9%)や、事後差異との方向一致率の高さ(95%)を踏まえると、方向は事後差異と同じで、直後1分足がまだ17pips以下のときに追撃を始めないとケガの元です。
・再追撃は、指標発表から1分を過ぎてから、直後1分足終値よりも戻したときだけ追撃し、同終値を超えたら利確を繰り返す、という方法が良いでしょう。
※ 10:45には中国サービス業PMIの発表が予定されています。追撃はほどほどにしておきましょう。

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英国サービス業PMI

市場予想(前回結果)
・PMI 52.5(52.2)
事前差異判別式の解は+0.3です。市場予想は発表前に再確認しておきましょう。

過去反応平均順跳幅/値幅pips(2018年平均pips)
・直前10-1分足10/7(9/7)
・直後1分足21/15(16/13)
・直後11分足29/19(22/15)
2018年に入って発表後の反応が小さくなっています。

過去傾向に基づく取引方針
・直前1分足はショートで利確4pipsを狙います。そして、直前1分足が陽線側に5pips以上になったら、逆張りでショートをナンピンし、始値に戻したら利確です。この期間の損切は10pipsか発表5秒前です。
・EURGBP月足値幅が100pips以上だった2か月後の集計月発表では、発表直前にGBP安ならロング、GBP高ならショートします。指標発表直後の跳ねで利確/損切です。残念ながら、今回11月集計分の2か月前9月は69pipsのGBP高でした。
・それとは別に、直前1分足跳幅が10pips以上だったときは、発表直前に直前1分足値幅方向と逆にポジションをオーダーです。直前1分足値幅方向なので終値がつく数秒前の見切りが必要になります。
・追撃は、指標発表後に反応方向を確認したら、早期開始・早期決済します。
以上




以下は12月5日19時頃に追記しています。
【事後検証】

豪州GDP

指標結果は悪化で、反応は直後11分足跳幅が2016年7-9月期以来の50pips超の陰線でした。
指標結果について、賃金の伸び悩みが個人消費支出が伸び悩んだ結果、との報道解説がありました。前期比の+0.3%は低い数字ですが、前年比+2.8%はそれほど悪い数字でもありません。
憶測ながら、昨日、RBA声明で「緩やかな成長が続く」という今後の見通しに対するサプライズが大きな陰線を形成した、と考えられます。

1812豪州GDP700.png

前提不成立だった直前10-1分足以外の判定は、全て「〇」にしたい気もしますが、甘く採点しても仕方ありません。

直前1分足は「陽線側に跳ねたらショート」ですが、陽線側に跳ねることなく陰線側に反応を伸ばしました。その時点でわかっていることなら前提不成立ですが、陽線側に跳ねるか否かを同時的に待つことになっていたら取引できなかったので、判定は「取引不可」としておきます。

追撃や再追撃の判定も同様です。
指標発表直後にどーんと陰線側に跳ねて、とても17pips以下で追撃ポジションが取れるタイミングはなかったでしょう。また指標発表から1分経過以降に直後1分足値幅を削ったのは、発表から1分から1分20秒ぐらいの20秒弱しかありませんでした。この20秒弱以外に、再追撃を行う方向は示していませんでした。
よって、追撃・再追撃も「取引不可」を結論とします。

今回は、勝てた取引を逃した気がする発表でした。

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英国サービス業PMI

指標結果は悪化したものの、反応は20秒余り陰線側に跳ねて、その後は陽線側に転じました。

1811英国サービス業PMI700.png

取引結果と過去成績表を以下に纏めておきます。

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ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
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10GBで月額400円という安さです。参考までに、2016年末頃から始めたこのブログの情報量は、まだ0.5GBぐらいです。サーバー初利用なら400円から始めても十分だと思います。

そして、申込むと自動でWordPressがセットアップされるため、難しい設定をしなくても最短1〜2分でホームページの作成を始めることができます。定期的に行われるWordPressのバージョンアップも自動で行われるので、古いバージョンを使用して起こるセキュリティーリスクの心配もありません。
初心者に優しくなっていますよね。
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タグ:豪GDP,英PMI

2018年12月04日

英国景気指標「サービス業PMI」発表前後のGBPJPY反応分析(3.1訂版)

本稿は、過去の本指標結果と反応方向の関係を分析することによって、本指標発表前後のGBPJPY取引に役立つ特徴を見出すことがテーマです。

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PMIとはPurchasing Managers’ Index(購買担当者指数)の省略形です。IHS Markit社が主要国主要企業の動向調査結果を指数化して発表しています。

以前から本指標解説記事には誤解しかねない話が多々見受けらました。
例えば、本指標総合値だけを取り上げているのに、Markit社が企業購買担当者に直接調査して算出した値だから、本指標が景気実態を正確に反映した先行指標、というものです。また、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため、製造業の景気指標には非製造業のそれよりも先行性がある、という指標解説記事も見た覚えがあります。
これらが「違う」ということについては『英国景気指標「製造業PMI」発表前後のGBPJPY反応分析』に詳述したので、そちらを参照願います。

その製造業PMIにはEURGBP月足との相関がなかったものの、本指標は2か月前(発表月の3か月前)のEURGBP月足との強い相関が見受けられます。詳細は1.3.3項をご覧ください。
一方、本指標は、後日発表される小売売上高指数との相関が見受けられません(1.3.2項参照)。このことは、英国のサービス業では保険・金融業の規模が大きいため、と推察さます。保険・金融業の四半期業績と比較すれば、本指標と相関があるかも知れません。

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本分析結果に基づく過去傾向を踏まえた取引方針は、以下の通りです。

  • 直前1分足はショートで利確4pipsを狙います。そして、直前1分足が陽線側に5pips以上になったら、逆張りでショートをナンピンし、始値に戻したら利確です。この期間の損切は10pipsか発表5秒前です。
  • EURGBP月足値幅が100pips以上だった2か月後の集計月発表では、発表直前にGBP安ならロング、GBP高ならショートします。指標発表直後の跳ねで利確/損切です。
  • それとは別に、直前1分足跳幅が10pips以上だったときは、発表直前に直前1分足値幅方向と逆にポジションをオーダーです。直前1分足値幅方向なので終値がつく数秒前の見切りが必要になります。
  • 追撃は、指標発表後に反応方向を確認したら、早期開始・早期決済します。

上記本指標要点や過去傾向を踏まえた取引方針の論拠を以下に示します。
以下の特徴を踏まえた取引を行うか、その日の値動きが異常なら取引を止めるかがベターな選択と考えています。少なくとも過去の傾向に反した取引方法は、長い目で見ると勝率をさげてしまいがちです。




T.指標分析

以下、事前差異(=市場予想ー前回結果)と事後差異(=発表結果ー市場予想)と実態差異(発表結果ー前回結果)の関係を多用します。差異がプラスのとき陽線・マイナスのとき陰線と対応していれば、反応が素直だと言うことにします。

【1.1 指標推移】

本指標分析にはサービス業PMI総合値のみを用います。
この分析に用いたデータは、2015年1月集計分〜2018年10月集計分(同年11月発表分)の46回分です。本指標と本指標への反応に一貫した傾向がないかを分析するには十分なサンプル数です。

過去の市場予想と発表結果の推移を以下に示します。本指標発表値は前月分の集計データです。グラフ横軸は集計月基準となっています。
市場予想は発表直前の値を用い、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままを用います。これは本指標発表直前直後の反応程度や反応方向との関係にしか興味がないからです。

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過去の市場予想と発表結果の推移を以下に示します。

1811英国サービス業PMI210.png

2015年の8〜12月にかけては、EURGBPでGBPが最も高かった時期です。それに先立つ同年1〜3月は一気にGBP高が進み、その翌月4月のピーク(59.5)に達しました。
その後、2016年6月にブリグジット投票が行われ、翌7月にはボトム(47.4)を形成しました。
もう駄目だという悲観的論調の解説が多かったことは、その後のGBP安に繋がりました。2016年8月には、BOE(英中銀)が利下げとQE規模拡大を行い、同年12月まで続いたトランプラリーと言われた先進主要国での株価上昇もあって、2016年12月には直近ピーク(56.2)を形成しました。
2017年4月には、英首相が2017年6月に総選挙を前倒し実施することを表明しました。この時期はブリグジット投票結果を巡って国論分裂状態だったことが窺えます。そして、2017年11月にはBOEが利上げを行いました。けれども、本指標は少しずつ下降基調を続け、その勾配は本指標結果の月々の上下動に比して緩やかな状況が続いています。上下動の過程では、2018年3月が直近ボトム(51.7)となっています。

こうした「こじつけ」にどれほどの意味があるかは疑問があります。過去の指標推移のトレンド転換に何か意味を見いだせても気がしても、そんな気がするのはいつも事後ばかりです。大きな転換点は、2015年4月・2016年7月・2016年12月、でした。

【1.2 指標結果良否判定】

本指標発表前後の反応分析には総合値のみを用いています。
よって、事前差異判別式(=市場予想ー前回結果)・事後差異判別式(=発表結果ー市場予想)と実態差異判別式(=発表結果ー前回結果)は、それぞれ簡単に求められます。

ここで、判別式の「判別」とは、市場予想や発表結果が前回結果や市場予想に対し良いか悪いかの判別です。陽線での反応はGBP買、陰線での反応はGBP売、なので、これが指標結果の良し悪しの判断基準です。

事前差異判別式の解の符号(プラスが陽線、マイナスが陰線に対応)は、直前10-1分足と過去56%の方向一致率です。
事後差異判別式の解の符号は、直後1分足と過去82%の方向一致率です。実態差異判別式の解の符号は、直後11分足と過去72%の方向一致率です。指標発表後は素直に反応する指標です。

以後は、これら「判別式の解」やその「符号」を、特に断りなく単に「事前差異」「事後差異」「実態差異」と略記する場合があります。解の値を示しているのか、解の符号を示しているのかは、前後の文脈から判断願います。

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2015年以降の毎年の各差異平均値の推移を下図に示します。

1811英国サービス業PMI221.png

この図から、本指標の前回結果と市場予想と発表結果の平均的な差異が読み取れます。2016年はブリグジット投票が行われ、市場予想が難しかったことが窺われます。
全体平均を見ると、事後差異・実態差異は事前差異に対しそれぞれ2倍・3倍となっていたことがわかります。但し、毎年の各差異の大きさの比率は変化が大きいため、この2倍・3倍という数字を予想に用いることは難しいようです。

2.1項で後述するように、事後差異の解の大きさと直後1分足値幅の相関は、製造業PMIのように高い訳ではありません。よって、ここでは発表後の解説で時折見かける「予想との乖離が大きい」というのが、事後差異1.1を超えた場合に「過去平均よりも予想との乖離が大きい」と思えるようになっていれば、理解が十分だと言えるでしょう。

【1.3 指標間一致性分析】

以下に、サービス業の景気指標が製造業の景気指標よりも遅行するのかを、それぞれの総合値を見比べて検証しておきます。また、景気指標総合値とその景気の対象分野全体の指数が、単月毎に連動しているか否かを検証しておきます。そして、為替水準がサービス業景気指標総合値に影響しているか否かを、検証しておきます。

(1.3.1.サービス業PMI総合値と 製造業PMI総合値の関係)

最初の比較対象は製造業PMI総合値です。

製造業はサービス業に比べて、材料の手配・加工・組立に時間を要する期間だけ受注から出荷までの時間が余計にかかる、と考えられていました。そのため、製造業の景気指標はサービス業のそれより先行性がある、との指標解説が未だ散見されます。

製造業だって四半期や年間の発注予定数を予め示して、購入規模で材料の値引きを迫るとともに、受注・販売状況に応じて最低限確保してある在庫や仕掛在庫の最終組立で短納期対応する時代です。そんな先行性が目立って起きるはずないのです。

下図をご覧ください。製造業PMI(赤)とサービス業PMI(青)の過去推移を同じグラフ上にプロットしてあります。

1811英国サービス業PMI230.png

これでは上昇・下降・停滞といった大きなトレンドについて、両指標が一致しているとも、一方が他方を先行示唆しているとも言えません。傾向が一致しているのは、2016年7月のボトムとその前後数か月の下降から上昇への転換だけです。
つまり、ブリグジット投票でEU離脱が決まるぐらい大きなことが起きない限り、両指標の連動や追従は起きていないのです

念のため、単月毎の増減について見ておきましょう。
横軸の同期という箇所をご覧ください。これは、両指標の同月集計分同士の実態差異方向一致率が53%だった、ということです。横軸は「製造業PMIがサービス業PMIよりも〇か月先行/遅行」と読みます。
縦軸は、両指標の実態差異方向一致率です。実態差異は、発表結果ー前月結果、なので市場予想が絡みません。

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製造業PMIがサービス業PMIよりも2か月先行と1か月遅行の数値をご覧ください。方向一致率はそれぞれ33%と38%となっています。
過去40回以上のデータを調べても、両指標の方向一致率が50%を超えたときよりも、むしろ方向一致率が50%を下回ったときの方が中立値50%との乖離が大きくなっています。これでは、一致率が僅かに50%を上回った時差を見つけて、両指標に時差相関があるとは言えません。逆相関が起きる理由はもっと説明できません。

つまり、両指標間の先行性/同期性/遅行性の関係はないか、もしあっても取引に有益な情報を取り出すことはできません。単月毎の連動・追従が起きていない限り、単月毎の指標発表時の取引に役立てることは難しい、と言えます。

(1.3.2 本指標総合値と小売売上高指数の関係)

サービス業PMIは小売売上高指数との相関が期待されます。
両指標の実態差異方向一致率を調べた結果を下図に示します。

横軸の同期という箇所をご覧ください。これは、両指標の同月集計分同士の実態差異方向一致率が37%だった、ということです。横軸は「小売売上高指数がサービス業PMIよりも〇か月先行/遅行」と読みます。

縦軸は、両指標の実態差異方向一致率です。実態差異は、発表結果ー前月結果、なので市場予想が絡みません。小売売上高指数の実態差異の方向は、2✕前年比の実態差異+1✕コア前月比の実態差異+3✕コア前年比の実態差異、という判別式で求めています。小売売上高指数の実態差異は、2015年1月集計分〜2018年6月集計分の42回で、直後11分足と76%の方向一致率があります(判別式はアテにできることが実績からわかっています)。

1811英国サービス業PMI250.png

両指標の同月集計分は44%の方向一致率があり、前後に月ズレしたときに比べて一致率が低くなっています。けれども、両指標の実態差異方向一致率が高くなるなら説明がつくものの、低くなるのでは説明がつきません。景気が良いとき売上が悪く、景気が悪いとき売上が増えるという内容では、とても当月のFX取引の参考にできません。

つまり、両指標間の先行性/同期性/遅行性の関係はないか、あっても取引に有益な情報を抽出できません

(1.3.3 本指標総合値とEURGBPの関係)

最後に、本指標とEURGBPにおけるGBP高やGBP安の一致率を調べておきます。

EURGBPを選んだ理由は、英国の貿易額の過半がEU諸国と行われているためです。
そして、GBP安で本指標悪化か、GBP高で本指標改善のとき、方向一致と見なします。この関係は、1.2項に示した通り、GBP安の時期に本指標は直近ボトムとなり、GBP高の時期に本指標はピークになった実績に基づいています。但し、この関係は、製造業PMIのように「GBP安で指標改善を方向一致」と見なしたのと逆になっています。

横軸の同期という箇所をご覧ください。これは、両指標の同月集計分同士の実態差異方向一致率が29%だった、ということです。横軸は「GBP高・GBP安がサービス業PMIよりも〇か月先行/遅行」と読みます。縦軸は、両指標の実態差異方向一致率です。

1811英国サービス業PMI260.png

図から、方向一致率は、GBP安/GBP高が本指標実態差異の悪化/改善よりも2か月先行して37%になっています。言い換えます。GBP安/GBP高の2か月後に実態差異が改善/悪化したことが63%です。

次に、2015年以降のEURGBP月足値幅(=終値ー始値)が100pips以上だった月は22回あります。この22回だけだと、GBP安/GBP高の2か月後に実態差異が改善/悪化したことが77%です。
同様に、200pips以上だった月は12回あり75%、300pips以上だった月は5回あり83%、400pips以上だった月は3回あり100%です。
よって、EURGBP月足でGBP安なら2か月後の本指標改善、GBP高なら本指標悪化の関係があります。この関係を下表に纏めておきます。

1811英国サービス業PMI270.png

【1.4 指標分析結論】

  • 事後差異判別式の解の符号と直後1分足の反応方向が過去80%超の方向一致率となっています。がしかし、事後差異判別式の解の大小と直後1分足値幅の大小の相関は低い指標です。
    アテにできるのは方向だけです。
  • EURGBP月足でGBP安なら2か月後の本指標集計分は前月より改善、GBP高なら本指標集計分は前月より悪化の関係があります。この関係はEURGBP月足値幅が大きいほど信頼できます。EURGBP月足値幅は、本指標の2か月先行指標です。
  • 製造業PMIの改善/悪化は、単月毎に見比べる限り前後3か月ずらしても本指標の改善/悪化と関係ありません。先に発表される製造業PMIは、本指標結果を先行示唆していません。
    本指標の改善/悪化は、単月毎に見比べる限り前後3か月ずらしても、小売売上高指数の改善/悪化と関係ありません。先に発表される本指標は、小売売上高指数の先行指標ではありません。




U.反応分析

分析は、反応程度の大きさだけを取り上げる方法と、反応方向だけを取り上げる方法と、それらを事前に示唆する予兆がないか、について行います。

【2.1 反応程度】

過去の4本足チャートの各ローソク足平均値と、最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅の分布を下表に纏めておきます。

1811英国サービス業PMI110.png

直後1分足跳幅は過去平均で21pipsです。この数字は、主要国(日米欧豪)の非製造業景気指標で最も大きくなっています。

いま、各ローソク足始値で完璧な事前分析に基づきポジションをオーダーし、各ローソク足順跳幅の先端で完璧に利確できる完璧な取引ができたとします。それほど完璧な取引が行えたなら、1回の発表で4本のローソク足順跳幅で平均66pipsが稼げます。
当然、そんな完璧な分析も完璧な取引も不可能なので、1回の発表で狙うのはその2〜4割ぐらいにしておけば良いでしょう(13〜27pips)。その期間の動き全体の2〜4割を狙う、というのは、長期に亘る収益最大化の個人的な経験値です。ご参考までに。

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次に、1年毎に区切った直前10-1分足と直後1分足と直後11分足の反応程度の推移を下図に示します。この図では、反応の方向を無視して大きさだけを比べるため、データは絶対値の平均値を用いています。絶対値というのは、例えば−1も1も大きさを1と見なすことです。

1811英国サービス業PMI120.png

意外にもブリグジット投票が行われた2016年の反応が小さくなっています。
2016年だけは他の年と違って、直後1分足の順跳幅(ローソク足値幅方向と同じ方向)と長跳幅(上跳幅と下跳幅の長い方)の方向不一致が3回も起きており、直後1分足と直後11分足の反転も3回起きています。発表直後の上下動が激しく一方向に伸び続けなかったことが多かったのです。

【2.2 個別反応分析】

個別反応分析は、勝率よりも期待値を重視して取引するための分析です。合理的とは言えるものの、例え連敗が続いてもずっと同じやり方で取引を続ける不屈さが必須です。

多くの指標では、事後差異と直後1分足の方向一致率が高くなりがちなことがわかっています。けれども、方向こそ一致しがちでも、事後差異の大きさと直後1分足値幅が比例的になる指標は少ないことがわかっています。
事後差異判別式の解(横軸)と直後1分足終値(縦軸)の関係を下図に示します。

1811英国サービス業PMI130.png

相関係数R^2値は0.5を下回っており高くありません。
図の右半分で下半分や左半分で上半分のドットは少なく、全体的な方向は素直です。けれども、ばらつきが大きいため、事後差異1単位毎にどれだけ直後1分足が伸びるかという目安は得られません。

次に直後1分足形成後の反応がどうなるかです。
直後1分足終値(横軸)と直後11分足終値(縦軸)の関係を下図に示します。

1811英国サービス業PMI140.png

相関係数R^2値は0.71と、直後1分足終値と直後11分足終値は比例的です。但し、回帰式(赤線)の係数は0.94となっており、これは直後11分足終値が直後1分足終値の値幅を平均6%削りがちということを示しています。

勝率よりも期待値を重視する方は追撃することができないので、本指標での取引に向いていません

【2.3 回数反応分析】

回数反応分析は、何よりも勝率を重視するための分析です。程度を問題にせず、比較対象同士の大小関係や方向一致した回数だけに注目します。けれども、利確や損切のタイミングを見切れないと、分析結果を活かせないという欠点があります。

指標一致性分析は、各差異と反応方向の一致率を調べています。反応一致性分析は、先に形成されたローソク足と後で形成されるローソク足の方向一致率を調べています。

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事前差異と各ローソク足の方向一致率はほぼ50%付近に集中しています。直前10-1分足や直前1分足も、発表後の値動きとの方向一致率が50%付近に集中しています。
指標発表前の有益な情報は、直前1分足の過去陰線率が69%と偏りがある点ぐらいです。

直後1分足・直後11分足は、事前差異より実態差異との方向一致率がやや勝ります。その実態差異とは、直前10-1分足との方向一致率が69%となっています。けれども、直前10-1分足と直後1分足の方向一致率は52%なので、直前10-1分足の方向はアテにできません。
この数値の食い違いは、本ブログの計数ルールによるものです。各差異やローソク足の方向は、同値終了のときにはカウントされません。その結果、直前10-1分足・直後1分足・実態差異のどれかに0(同値終了)が含まれていると、こうした数値の違いが生じます。
ともあれ、指標発表時刻を跨ぐポジションの根拠は得られない、が結論です。

次に、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を分析します。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。

1811英国サービス業PMI330.png

直後1分足と直後11分足との方向一致率は75%です。指標発表直後には、その後も反応が伸び続けると信じるしかありません。75%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは73%です。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。

そして、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは、全事例の52%しかありません。けれども、直後1分足と直後11分足の方向が一致していた場合、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは70%です。
早期追撃開始したポジションをいつ決済するかの判断が非常に難しいことがわかります。答えはありません。

【2.4 分析結論】

  • 主要国(日米欧豪)の非製造業景気指標で最も大きく反応する指標です。指標発表直後は、発表結果が前回結果を上回れば陽線方向、下回れば陰線方向に素直に反応します。
  • 直後1分足と直後11分足が同方向になる事例数が多く、そうした事例では跳幅が発表から1分を過ぎても伸ばしがちです。けれども、直後1分足終値に対して直後11分足終値は、事例数で同一方向に反応を伸ばし、平均値では反応を削っています。
    発表から1分を過ぎてからは、追撃すべきか逆張りすべきか、判断が難しい指標だと言えます。




V.取引方針

以下に過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示し、それぞれの期間の取引方針を纏めておきます。

【3.1 直前10-1分足】

下図は直前10-1分足の始値基準ローソク足です。

1811英国サービス業PMI410.png

直前10-1分足は、過去平均跳幅が10pips、同値幅は7pipsです。事前に方向を示唆する兆候はありません。
直前10-1分足の方向に対し逆ヒゲが発生したことが過去9回あります(頻度20%)。逆ヒゲというのは、逆跳幅(値幅方向に対し逆方向)が順跳幅(値幅方向と同方向)より大きくなったヒゲのことです。
また、直後10-1分足跳幅が20pips以上だった回数を数えると、過去4回(頻度9%)ありました。この4回の直前10-1分足と直後1分足の方向が一致したのは1回(25%)です。直前10-1分足が大きく跳ねたからと言って、それは直後1分足の反応方向とは関係ありません。そうした動きに慌てて追撃ポジションをオーダーすべきではありません。
20pips以上の跳幅が生じたら逆張りをする、というのも、まだ事例数が少なく不安です。

この期間の取引は避けた方が良いでしょう

【3.2 直前1分足】

次に、直前1分足です

1811英国サービス業PMI420.png

直前1分足は、過去平均跳幅が6pips、同値幅が4pipsです。過去陰線率は69%と、方向に偏りが目立ちます。
ヒゲは長いものの、過去に逆ヒゲが発生したことは4回しかありません(頻度9%)。

直前1分足はショートで利確4pipsを狙います。もし直前1分足が陽線側に5pips以上跳ねたら、逆張りでショートをナンピンし、始値に戻したら利確です。

直前1分足が陽線だったことは過去11回です(頻度24%)。けれども、直前1分足が陽線だったときに直後1分足が陽線だったことは6回です(方向一致率55%)。
この期間に珍しく陽線を形成しても、慌ててロングを持って指標発表時刻を迎えるようなことをすべきではありません。本指標は、市場でも事前にどっちに反応するかわかっていません。

【3.3 直後1分足】

そして直後1分足です。

1811英国サービス業PMI430.png

直後1分足は、過去平均跳幅が21pips、同値幅15pipsです。上図から、2015年5月と2017年3月の跳幅・値幅が突出しています。そこで、この2回を除くと、過去平均跳幅は18pips、同値幅は12pipsです。

1.3.3項に述べた通り、EURGBP月足値幅が100pips以上だった2か月後の集計月発表では、GBP安なら本指標改善(ロング)、GBP安なら本指標悪化(ショート)です。
けれども、2か月前のEURGBP月足が100pips以上の値幅なら、直前10-1分足に注意しておきましょう。直前10-1分足が一方向に大きく動き過ぎているときは、指標発表直後の反応は小さい可能性が高いので、利確し損ねないように気を付けましょう。

直前1分足跳幅が10pips以上だったことは過去10回(頻度22%)ありました。この10回の直前1分足と直後1分足の方向が一致したことは3回(30%)しかありません。
直前1分足が10pips以上跳ねたときは、指標発表直前に直前1分足と逆方向にポジションをオーダーです。ご注意ください。直前1分足が跳ねた方向でなく、値幅方向なので直前1分足終値がつく数秒前の見切りが必要になります。

直後1分足と直後11分足との方向一致率は75%で、その75%の方向一致時に直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは73%です。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。
そして、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは、全事例の52%しかありません。けれども、直後1分足と直後11分足の方向が一致していた場合、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは70%です。早期追撃開始したポジションをいつ決済するかの判断が非常に難しいことがわかります。答えはありません。

【3.4 直後11分足】

最後に直後11分足です。

1811英国サービス業PMI440.png

直後11分足は、過去平均跳幅が29pips、同値幅が19pipsです。

直後1分足跳幅が30pips以上だったことは過去9回ありました(頻度20%)。その9回のうち、直後1分足跳幅よりも直後11分足が反応を伸ばしていたことは5回で、高値掴み/安値掴みが心配です。
直後1分足が30pips以上跳ねた場合は、せめて1/3〜半値戻しを確認してから追撃(直後1分足値幅方向)することにしましょう。確率的に逆張り(直後1分足値幅方向に対し逆)は不利です。

【3.5 取引方針結論】

  • 直前1分足はショートで利確4pipsを狙います。そして、直前1分足が陽線側に5pips以上になったら、逆張りでショートをナンピンし、始値に戻したら利確です。この期間の損切は10pipsか発表5秒前です。
  • EURGBP月足値幅が100pips以上だった2か月後の集計月発表では、発表直前にGBP安ならロング、GBP安ならショートします。指標発表直後の跳ねで利確/損切です。
  • それとは別に、直前1分足跳幅が10pips以上だったときは、発表直前に直前1分足値幅方向と逆にポジションをオーダーです。直前1分足値幅方向なので終値がつく数秒前の見切りが必要になります。
  • 追撃は、指標発表後に反応方向を確認したら、早期開始・早期決済します。




W.過去成績

取引成績は、この分析に記載方針に沿って実際に取引を行った結果だけを纏めています。実際に取引した結果以外は、例え事前方針が妥当だったとしてもここには含みません。また、事前方針に挙げていない取引(方針外取引)の成績は含めません。

実際の取引は、例え結果的に陽線だったとしても終値1秒前まで長い陰線側へのヒゲをずっと形成していたりします。そういった場合、事前のその期間の取引方針がロングが正解かショートが正解かわかりません。実際の取引で利確できたか損切せざるを得なかったかだけが公平な判定基準だと言えます。そして、方針外取引をここに含めると、事前分析の有効性が後日検証できなくなってしまいます。

取引方針の記述を、勝ちやすく・分析結果を誤解しにくく・自己裁量部分がわかるように、進歩・改善していくしかありません。記述はがんじがらめ過ぎても取引がうまくいきません。その兼ね合いが難しいので、試行錯誤しています。

1810英国サービス業PMI900.png

以上

ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
注記以上




スキャル専用口座とHPで公言している会社です。取引回数が増えるほど、キャッシュバック額も多くなります。今なら「小林芳彦あられ」のプレゼントももらえます。あられが欲しいとは思わないけれど、私は同氏のファンです。

同氏はホンモノに強いので、大きな指標発表前には取引を控えることを表明しています。確かに、かつて同氏のツイッター通りに1か月ぐらい取引したら、その間の勝率は70%ぐらいになりました。きっと、エントリーとイグジットのタイミングを私がもっとうまく捉えられたなら、この勝率は更に高くなっていたのでしょう。

会員限定の彼の解説が読めることも、この会社を薦める理由です。
経済指標発表前後以外は、彼の相場感をアテにして、エントリーとイグジットのタイミングやミスジャッジしたときの撤退(損切)のセンスを磨くというのは、練習法としてアリだと思います。

彼の解説を読んで思うのは、テクニカル指標や、個々のファンダメンタルの変化を捉えるだけではダメだということです。それらの軽重判断を反応方向や程度に結び付けて、収益期待値が高く保てないと、有益な相場観とは言えないことがよくわかります。


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12月4日経済指標(結果検証済)

本日は

12:30 豪州RBA金融政策
18:15 BOE総裁発言
当夜〜翌朝未明にかけて英議会審議、採決は12月11日の予定

です。
以上

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17:26、GBPUSDは瞬間最大分速(=高値ー安値)52pips、GBPJPYは同52pipsで跳ね上げました。原因は、EU司法裁判所の法務官が「離脱協定が正式に成立するまでは、英国が離脱を取り消せる可能性が存在する」と勧告したため、です。この勧告が法的拘束力は持たないものの、EU司法裁判所は通常こうした勧告に従うそうです。
またまたややこしくなってきました。

以下は12月4日20時過ぎに追記しています。
【事後検証】

豪州RBA金融政策

1812豪州RBA700.png

RBA声明の要点は以下の通りでした。

  • 結論は、政策金利据え置き
  • 現状認識は、豪経済が順調に推移しており、今年と来年の成長率が平均約3.5%で、2020年には資源輸出の伸びが鈍化することで減速、と予想
  • インフレ率は今後数年間で緩やかな上昇が見込まれ、2019年が2.25%、2020年は更に小幅に上昇と予想
  • 労働市場の見通しは依然としてポジティブで、6年ぶりの水準に改善した失業率は一段と低下する可能性が高く、賃金の伸びはいずれ押し上げられるはずだが緩やかなプロセスとなる見通し

以上




以下は11月23日に追記しています。
【事後検証】

チャートを記録していなかったので、結論のみ述べます。
事前に示した取引方針は2つとも外しました。
以上

ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

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本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
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2018年12月03日

12月3日経済指標(結果検証済)

米中首脳会談の結果、来年1月発動が予定されていた米国の中国製品輸入関税の25%への引き上げは、発動が延期されました。
この関税25%延期と金利上昇余地減少(来年利上げ打ち止め)による株価上昇(が起きれば)は、USD買に結び付きます。19日FOMCでの利上げは織込み済なので、19日までUSD買が続くか、それ以前にUSD売が始まるか、長期方針転換のタイミングが難しそうですね。

10:45の中国製造業PMIは、とうとう50近辺まで下がってきました。かつてほどAUD・NZDに与える影響は大きくないものの、50を下回ると相応のAUDやNZDの下げ材料、JPY買材料になります。
10時の仲値後は、少しチャートの動きが変わる可能性があります。

欧州時間からは、明日夜からの英議会審議に対し、突発で良いニュースが入らない限り、リスク回避でGBP売が進む可能性を頭に置いて起きましょう。良いニュースが入ってGBPが買われ大きく跳ねた場合、そのニュースが首相案承認を決定づける内容でない限り、1時間後(目安)には戻しに備える必要があります。
参考までに、11月22日19:12頃「英欧間で将来関係の枠組みで大筋合意」との一報が流れたときは(GBPJPY144.60円付近)、19:31に高値145.94円まで跳ね上がり(平均分速6.7pips)、事態発生から1時間では145.65円(時速105pips)でした。ところが、事態発生直後の跳ね上げから少しずつ下げ戻していたところ、22:25に145.58円から一瞬144.64円まで瞬間最大分速94pipsで下落しました。記録を見てみると、22:25:30〜22:25:50の20秒内にほぼ90pipsの下落だったようです。
このときはサプライズな面(合意が近いという事前報道はあったものの、それまで何度も合意できていなかった)もあったので、反応が大きかったと思われます。今後は、よほどのサプライズなニュースでない限り、この1/3〜半分(30〜50pips)ぐらいの動きに留まると思われます。議会承認/否決に決定的ニュースが生じたときは、この限りではありません。そのときは戻しもないでしょう。
GBPは、チャートを見ていないときポジションを持たない方が良い時期です。

ーーー$€¥£A$ーーー

本日は、

07:00 米中首脳会談結果を受けた週明け
10:45 11月集計分中国製造業PMI
18:30 11月集計分英国製造業PMI
24:00 11月集計分米国ISM製造業景況指数

です。

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英国製造業PMI

市場予想(前回結果)
・PMI51.6(51.1)
事前差異判別式の解は+0.5です。市場予想は発表前に再確認しておきましょう。

過去反応平均順跳幅/値幅pips(2018年平均pips)
・直前10-1分足13/9(10/5)
・直後1分足20/15(14/9)
・直後11分足28/20(15/12)
2018年に入って、特に直後11分足の反応が小さくなっています。

過去傾向に基づく取引方針
・直前1分足は、事前差異と直前10-1分足の方向が一致したら、その逆方向にオーダーです。利確/損切の目安は4pips程度を狙い、遅くとも発表10秒前には決済しておきましょう。
・指標発表直後は、反応方向を確認したら早期に追撃を開始し、発表から1分を過ぎたら利確の機会を窺います。
・早期追撃開始で高値掴み/安値掴みをするリスクが生じる点への備えは、ポジションをいつもの半分程度にしておき、指標発表から1分以内の戻しがあれば1回だけならナンピンしても良いでしょう。
・指標発表から1分を過ぎたら、利幅4pips程度が狙えるときに短期再追撃の繰り返しです。それ未満の動きが期待できないときも勝てれば良いものの、時間効率が悪いスキャル癖がつくことを恐れます。

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米国ISM製造業景況指数

市場予想(前回結果)
・景況指数57.5(57.7)
・受注指数ー(57.4)
・雇用指数?(56.8)
・価格指数70.1(71.6)
事前差異判別式の解は△1.9です。市場予想は発表前に再確認しておきましょう。

過去反応平均順跳幅/値幅pips(2018年平均pips)
・直前10-1分足6/4(6/4)
・直後1分足12/8(7/5)
・直後11分足17/12(10/6)
2018年に入って発表後の反応が小さくなっています。

過去傾向に基づく取引方針
・発表時には、直前10-1分足が10pips以上跳ねたら指標発表直前に逆方向にオーダーし、直前1分足が10pips以上跳ねたら指標発表直前に同じ方向にオーダーします。どちらも起きたら直前10-1分足のサインを重視し、指標発表直後の跳ねで利確/損切します。
・それとは別に、指標発表直前に直前10-1分足が陽線なら、いつもの半分の規模でロングをオーダーし、10分以内に目安20pipsの利確/損切を目指します。
但し、この方針は方向だけを判定対象とし、目安到達有無は判定対象に含めません。直後1分足が終値△6pips以上の陰線となった場合は、その時点で損切です。
・追撃は、指標発表後に反応方向を確認したら早期開始し、発表から1分を経過したら利確の機会を早めに探った方が良さそうです。1分経過以前であっても、3pipsも取れたらその時点で利確で構いません。もともと反応が小さい指標です。
・再追撃を行うなら、ポジションを長持ちするより、短期利確を繰り返す方が良さそうです。ポジションオーダー3pips以上を狙ってです。
以上




FX会社によっても差があるでしょうけど、今朝7時のAUDJPYは93pips、AUDUSDは73pipsの上窓を開けました。
11月集計分中国製造業PMIは50.2(予想50.1)と、懸念の50割れとならず窓閉めの動きには繋がりませんでした。

以下は12月4日に追記しています。
【事後検証】

英国製造業PMI

指標結果は大きく改善したものの、素直な陽線での反応は短時間で、その後は陰線側に転じました。
この日、GBPJPYは16時半ぐらいからGBP売に勢いがあり、23時頃まで下降が続きました。

1811英国製造業PMI700.png

取引結果と過去成績表を下表に纏めておきます。
取引結果の背景が黄色の列は方針外取引です。方針外取引は成績表に含めていません。

1811英国製造業PMI800.png



1811英国製造業PMI900.png


ーーー$€¥£A$ーーー

米国ISM製造業景況指数

下表に示すように、判別式は今回の指標結果と反応方向の関係を完全に外していました。
景況指数と雇用指数は、市場予想が前回結果より悪化に対し発表結果が改善したものの、価格指数は大幅に前回結果と市場予想を下回りました。事後差異判別式では、価格指数の大幅低下によってマイナスになりました。
価格指数の値は6年ぶりの低水準でした。原因は、原油価格下落の影響が大きかった、との解説が散見されます。

1811ISM製造業700.png

上チャートでは、このブログのルールで窓無しチャートとなっています。実際には、指標発表と同時に上窓を開けて跳ねたようです(EURUSDでは下窓)。

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2018年12月02日

前週成績、及び、2018年12月3日〜7日経済指標

【前週備忘】

成績を気にするのは、各経済指標の詳細分析記事の結論である事前取引方針の妥当性を検証し続けるためです。

前週の事前分析成績は9勝4敗(過去分析的中率69%)、前提を満たさなかったことが3回、判定不可が1回、取引不可が2回でした(分析有効率68%)。判定は、リンク先の詳細分析記事の結論が、今回の発表でも通用したかを判定しています。
取引成績は9勝2敗、それとは別に事前方針にない取引で1勝、取引中止が6回でした。取引時間は20分4秒で、損益は13.12pipsでした。

1分足1本あたり損益+0.65pipsはあまり効率の良い数字じゃありません。けれども、pipsはチャート次第なので、やれることは勝率だけです。得意場面での個々の取引で負けないことを重視です。確か、9月からの週次成績での負け越しは、事前分析も実際取引でもなかったと思います。

ーーー$€¥£A$ーーー

11月28日、FRB議長は政策金利が中立水準を「僅かに下回っている」との現状認識を示し、従来の「下回っている」との認識を改めました。結果、市場における来年の利上げ予想回数が、従来の2〜4回から1〜3回にへと減少したようです。なお、次回12月19日FOMCでの利上げ予想はそのままとなっています。
来年の利上げがペースダウン、もしくは、来年中の利上げ停止は、株価に好材料となりました。株価は、ダウや約2年ぶり、ナスダックとS&Pは約7年ぶりの週間上昇率となりました。
一方、為替は先々週終値に対し、USDJPYが+64pips、AUDUSDが△73pipsと、週足ではUSDが買われていました。独自の材料があった欧英も、EURUSDが△10pips、GBPUSDが△106pipsと、USD買で終わっています。
週末の米中首脳会談を控えて、売られても不思議ではない状況でした。そして、EURが安心して買えない現状では、リスク回避でのJPY買が生じると大きくなると予想していました。これは外しました。

11月25日にEU緊急首脳会議で承認された英離脱協定案は、英議会で12月4日から5日に亘って審議される予定です。
現時点までの報道を見る限り、議員多数は協定案を否決してEUに譲歩を求めているようですが、EUは再交渉するつもりがないことを表明しています。
英首相、BOE総裁、EU当局者は、それぞれ改めて先週、合意なき離脱が英経済に与える悪影響について繰り返し発言しました。そのためか、議会では協定案が否決される恐れがあるものの、世論調査の協定案支持が上向き始めました(まだ過半数に達したとの報道はありません)。
先々週に比べると先週のGBPは、突発的な上下動の頻度が減って、その差も小さかったものの、12月11日の議会採決まで、また夕方の飛び込みニュースで突発的な上下動の頻度も程度も大きくなる気がしてきました。

【今週経済指標】

米中首脳会談の結果、来年1月発動が予定されていた米国の中国製品輸入関税の25%への引き上げは、発動が延期されました。

12月3日(月)
07:00 米中首脳会談結果を受けた週明け
10:45 11月集計分中国製造業PMI
18:30 11月集計分英国製造業PMI
24:00 11月集計分米国ISM製造業景況指数

12月4日(火)
12:30 豪州RBA金融政策
18:15 BOE総裁発言
当夜〜翌朝未明にかけて英議会審議

12月5日(水)
09:30 7-9月期集計分豪州GDP
10:45 11月集計分中国サービス業PMI
18:30 11月集計分英国サービス業PMI

12月6日(木)
09:30 10月集計分豪州小売売上高
22:15 11月集計分米国ADP雇用統計
22:30 10月集計分米国貿易収支
24:00 11月集計分米国ISM非製造業景況指数

12月7日(金)
22:30 11月集計分米国雇用統計
24:00 12月集計分UM消費者信頼感指数
以上




2018年12月01日

英国景気指標「製造業PMI」発表前後のGBPJPY反応分析(4.1訂版)

本稿は次のリンク先に改訂済です。

ーーー$€¥£A$ーーー

本稿は、過去の本指標結果と反応方向の関係を分析することによって、本指標発表前後のGBPJPY取引に役立つ特徴を見出すことがテーマです。

ーーー$€¥£A$ーーー

PMIとはPurchasing Managers’ Index(購買担当者指数)の省略形です。IHS Markit社が主要国主要企業の動向調査結果を指数化して発表しています。

以下は、かつて公開されていた日本語案内資料(※ Markit Group Limited「PMI 調査データ解釈の手引き(PMI 調査指数間の相互関係を読み解くには)」2014.)からの引用・抜粋です。同資料は、現在、検索しても見つからなくなってしまいました。Markit社がIHS Markit社になったため、と推察されます。
ともあれ「PMI調査は、400を超える企業の上級担当責任者(もしくは同等職)を対象とするアンケート調査への回答に基づきます。対象企業は製造業の構成を正確に反映するように選ばれています。アンケートは各月後半に実施し、事業活動・新規事業・受注残・サービス単価・購買価格・雇用・事業見通しについて、前月より改善/横ばい/悪化の3択とその理由を回答します。その集計結果をMarkit社のエコノミストがまとめて発表しています」
資料からの引用はここまでです。もしこの内容が現在と異なるため先述資料の公開を止めたのであれば、この内容の不正確な点をお詫びいたします。

さて、旧Markit社の説明とは違って、以前から本指標解説記事には誤解しかねない話が多々見受けらました。
例えば、本指標総合値だけを取り上げているのに、Markit社が企業購買担当者に直接調査して算出した値だから、本指標が景気実態を正確に反映した先行指標、というものです。また、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため、製造業の景気指標には非製造業のそれよりも先行性がある、という指標解説記事も見た覚えがあります。

けれども、旧Markit社はそんなことを言っていませんでした。
古典的な景気循環サイクルに当てはめて各調査項目毎の指数の変化を見れば、現状がそのサイクルのどの段階にあるかを把握しやすい旨を説明していました。現在が景気循環サイクルのどの段階かがわかれば、次の段階に向けた変化を予測し得る旨を説明していました。こうしたデータの見方が経済状況の変化の兆候を掴むことに繋がる、と説明していたのです。
決して、それらを総合した指数だけを見て(見せて)、「景気実態を正確に反映する」とか「製造業PMI総合値がサービス業PMI総合値よりも先行する」なんてことは説明していませんでした

実際に2015年以降の総合値を見る限り、製造業PMI総合値はサービス業PMI総合値よりも変化を先行示唆しているとは言えません。また、単月毎の製造業PMI総合値だけの変化を見ても、単月毎の鉱工業生産指数・製造業生産指数の変化とも連動していません。

がしかし、以下の分析で明らかにするように、製造業PMI総合値の良し悪しとその程度は、GBPチャートの反応方向・反応程度との相関が高い、という特徴があります。結果の良し悪しがチャートに素直で比例的に反映されるという本指標の特徴は、前述の景気循環の話と全く関係ありません。でも、本指標がGBP売買の材料として市場の信頼感が非常に高い、ということは言えます。

誤解しないでください。
単月毎のGBP安やGBP高が本指標結果に影響しているのではありません(そんなことは起きていません)。

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本分析結果に基づく過去傾向を踏まえた取引方針は、以下の通りです。

  • 直前1分足は、事前差異と直前10-1分足の方向が一致したら、その逆方向にオーダーです。利確/損切の目安は4pips程度を狙い、遅くとも発表10秒前には決済しておきましょう。
  • 指標発表直後は、反応方向を確認したら早期に追撃を開始し、発表から1分を過ぎたら利確の機会を窺います。
    早期追撃開始で高値掴み/安値掴みをするリスクが生じる点への備えは、ポジションをいつもの半分程度にしておき、指標発表から1分以内の戻しがあれば1回だけならナンピンしても良いでしょう。
  • 指標発表から1分を過ぎたら、利幅4pips程度が狙えるときに短期再追撃の繰り返しです。それ未満の動きが期待できないときも勝てれば良いものの、時間効率が悪いスキャル癖がつくことを恐れます。

上記本指標要点や過去傾向を踏まえた取引方針の論拠を以下に示します。
以下の特徴を踏まえた取引を行うか、その日の値動きが異常なら取引を止めるかがベターな選択と考えています。少なくとも過去の傾向に反した取引方法は、長い目で見ると勝率をさげてしまいがちです。




T.指標分析

以下、事前差異(=市場予想ー前回結果)と事後差異(=発表結果ー市場予想)と実態差異(発表結果ー前回結果)の関係を多用します。差異がプラスのとき陽線・マイナスのとき陰線と対応していれば、反応が素直だと言うことにします。

【1.1 指標推移】

最初に挙げた通り、本指標分析には製造業PMI総合値のみを用います。
この分析に用いたデータは、2015年1月集計分〜2018年10月集計分(同年11月発表分)の46回分です。本指標と本指標への反応に一貫した傾向がないかを分析するには十分なサンプル数です。

過去の市場予想と発表結果の推移を以下に示します。本指標発表値は前月分の集計データです。グラフ横軸は集計月基準となっています。
市場予想は発表直前の値を用い、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままを用います。これは本指標発表直前直後の反応程度や反応方向との関係にしか興味がないからです。

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過去の市場予想と発表結果の推移を以下に示します。

1811英国製造業PMI210.png

2015年10月の最初のピーク(55.5)は、EURGBPチャートで最もGBPが高かった頃です。英国の貿易額の半分以上がEU諸国であることが、この現象の理解に役立つでしょう。英国は好景気だったのです。
2016年7月は、前月にブリグジット投票が行われています。もう駄目だという悲観的論調の解説が多かったこともあり、2016年7月にボトム(48.2)を形成しています。
その後、トランプラリーによる株価上昇やGBP安による企業業績改善もあり、2017年11月にピーク値(58.2)を更新しています。この月は、BOE(英中銀)が利上げを行った月でもあります。
それからは、2019年3月末のEU離脱が迫るにつれて、同意なきEU離脱に伴う混乱が懸念されています。EU離脱交渉が一時的に進展することがあっても、全体的には難航と伝えられることが多かったと記憶しています。

こうした「こじつけ」にどれほどの意味があるかは疑問があります。過去の指標推移のトレンド転換に何か意味を見いだせても気がしても、そんな気がするのはいつも事後ばかりです。

【1.2 指標結果良否判定】

本指標発表前後の反応分析には総合値のみを用いています。
よって、事前差異判別式(=市場予想ー前回結果)・事後差異判別式(=発表結果ー市場予想)と実態差異判別式(発表結果ー前回結果)は、それぞれ簡単に求められます。

ここで、判別式の「判別」とは、市場予想や発表結果が前回結果や市場予想に対し良いか悪いかの判別です。陽線での反応はGBP買、陰線での反応はGBP売、なので、これが指標結果の良し悪しの判断基準です。

事前差異判別式の解の符号(プラスが陽線、マイナスが陰線に対応)は、直前10-1分足と過去59%の方向一致率です。
事後差異判別式の解の符号は、直後1分足と過去93%の方向一致率です。90%を超える方向一致率となる指標は、他の主要国指標も含めてほとんどありません
実態差異判別式の解の符号は、直後11分足と過去73%の方向一致率です。
本指標への反応は、指標結果の良し悪しに非常に素直です。

以後は、これら「判別式の解」やその「符号」を、特に断りなく単に「事前差異」「事後差異」「実態差異」と略記します。解の値を示しているのか、解の符号を示しているのかは、前後の文脈から判断願います。

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2015年以降の毎年の各差異平均値の推移を下図に示します。

1811英国製造業PMI220.png

この図から、本指標の前回結果と市場予想と発表結果の平均的な差異が読み取れます。市場予想は前回結果とほぼ同じで、発表結果は前回結果や市場予想から大きく外れることがわかります。

事後差異が1.2を超えれば、過去の平均的な市場予想との差異より大きいものの、後述するように、事後差異と直後1分足の反応程度は比例的です。事後差異が大きかったからと言って、その比例的な関係が成り立たなくなる訳ではありません

【1.3 指標間一致性分析】

以下に、製造業の景気指数がサービス業の景気指数よりも先行するのかを、それぞれの総合値を見比べて検証しておきます。また、景気指標総合値とその景気の対象分野全体の指数が、単月毎に連動しているか否かを検証しておきます。そして、為替水準が製造業景気指標総合値に影響しているか否かを、検証しておきます。

(1.3.1 製造業PMIとサービス業PMIの関係)

詳細は『英国景気指標「サービス業PMI」発表前後のGBPJPY反応分析』の1.3.1項を参照願います。結論は、一方が他方を追従しているとは言えない、です

また、上昇・下降・停滞といった大きなトレンドについて、両指標が連動しているのは、2016年7月のボトムとその前後数か月だけです。単月毎の上下動には連動がありません。ブリグジット投票ぐらい大きなことがない限り、両指標の連動は起きていません

当月ないしは数か月前の製造業PMIが改善/悪化していることを論拠に、サービス業PMIの改善/悪化を予想することは、こうした実績データを上回る論拠を示していない限り無意味です。

(1.3.2 製造業PMIと鉱工業生産指数・製造業生産指数の関係)

もし本指標総合値が景気実態を反映するのなら、その反映対象の鉱工業生産指数・製造業生産指数は本指標に追従ないし連動しているはずです。ところが、それら指数と本指標の単月毎の増減方向は、一方を1か月ずらしてみても、方向一致率が高くありません。その定量検証結果は『英国実態指標「鉱工業生産指数・製造業生産指数」発表前後のGBPJPY反応分析』に詳述しているので、そちらをご参照願います。

当月ないしは数か月前の製造業PMIが改善/悪化していることを論拠に、鉱工業生産指数・製造業生産指数の改善/悪化を予想することは、こうした実績データを上回る論拠を示していない限り無意味です。

(1.3.3 製造業PMIとEURGBPの関係)

この分析の比較対象はEURGBPです。
毎月のEURGBPは、終値ー始値、だけを考慮します。そして、指標推移は実態差異(=発表結果ー前月結果)だけを考慮します。両者に相関があるかという分析は、それぞれを単純化して行います。

分析方法は、GBP安だったときに実態差異がプラスだった月と、GBP高だったときに実態差異がマイナスだった月を、方向が一致した月と解釈します。そして、GBP安やGBP高が翌月以降の実態差異に影響する可能性を考慮して、この比較は本指標実態差異を翌月・翌々月・3か月後までずらして行いました。
結果を下図に示します。

1811英国製造業PMI250.png

上図から、単月毎に見比べる限り、GBP高やGBP安は本指標結果の悪化/改善との相関があるとは言えません。
常識的には、GBPが安くなれば本指標は改善しても良さそうです。がしかし、もし単月毎のGBP安やGBP高が単月毎の本指標結果の改善や悪化に影響するのだとしても、それはポジションを持つ根拠にならない程度にしか影響しない、ということになります。

別に「通貨安が(輸出)製造業に有利」という話を否定している訳ではありません。当月の製造業PMIの予想に通貨安/通貨高が関係ない(むしろ害がある)、と言っているだけです。

事実と異なる話に騙されにくくなれれば、それで十分とは言えなくても良いのです。まずは初心者やアマチュアが信じやすい「ありそうで事実でない話」は、事実に基づき否定しておかないといけません。
それでどうする、という話は事実を知ってから考える話です。

【1.4 指標分析結論】

  • 事後差異判別式の解の符号と直後1分足の反応方向が過去90%超の方向一致率となっています。また、後述する反応分析に示すように、事後差異判別式の解と反応程度は比例的です。
    事後差異判別式の解の過去平均値は1.2です。
  • 本指標発表日以前にわかっているEURGBPのGBP高/GBP安によって、本指標結果の改善/悪化は示唆されていません。
    本指標結果の改善/悪化は、その後で発表されるサービス業PMIや鉱工業生産指数・製造業生産指数の改善/悪化を先行示唆していません。




U. 反応分析

分析は、反応程度の大きさだけを取り上げる方法と、反応方向だけを取り上げる方法と、それらを事前に示唆する予兆がないか、について行います。

【2.1 反応程度】

過去の4本足チャートの各ローソク足平均値と、最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅の分布を下表に纏めておきます。

1811英国製造業PMI110.png

指標結果に最も素直に反応しがちな直後1分足順跳幅は過去平均で20pipsです。この数字は、主要国(日米欧豪)の製造業景気指標で最も大きくなっています。

けれども、平均値の20pipsを超えたことは36%です。全体の半数近くの46%の事例では、平均値の0.5倍超〜平均値以下の範囲に収まっています。
大きく反応すると思っていた指標で、それほど反応しなかったときは、利確のタイミングを逸しがちです。そこに気を付けましょう。

いま、各ローソク足始値で完璧な事前分析に基づきポジションをオーダーし、各ローソク足順跳幅の先端で完璧に利確できる完璧な取引ができたとします。それほど完璧な取引が行えたなら、1回の発表で4本のローソク足順跳幅で平均68pipsが稼げます。
当然、そんな完璧な分析も完璧な取引も不可能なので、1回の発表で狙うのはその2〜4割ぐらいにしておけば良いでしょう(13〜28pips)。その期間の動き全体の2〜4割を狙う、というのは、長期に亘る収益最大化の個人的な経験値です。ご参考までに。

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次に、2015年以降の反応平均値の推移を下図に示します。
この図では、反応の方向を無視して大きさだけを比べるため、データは絶対値の平均値を用いています。絶対値というのは、例えば−1も1も大きさを1と見なすことです。

1811英国製造業PMI120.png

2015年以降毎年、反応は小さくなっています。
そしてこの間の反応程度の毎年平均値は、直前10-1分足値幅さえ見ておけば、直後1分足はその1.5倍ぐらい、直後11分足はその2倍ぐらい、となっています。

【2.2 個別反応分析】

多くの指標では、事後差異と直後1分足の方向一致率が高くなりがちなことがわかっています。けれども、事後差異の大きさと直後1分足値幅が比例的になる指標は少ないことがわかっています。
事後差異判別式の解(横軸)と直後1分足終値(縦軸)の関係を下図に示します。

1811英国製造業PMI230.png

相関係数R^2値が0.75ということは、R値は√0.75=0.87と、かなり高くなっています。R値が0.87ということは、回帰線(青線)からの縦方向の平均的なズレが上下13%付近ということです。そして、回帰式に依れば、事後差異判別式の解が0.1毎に直後1分足終値は1.1pipsずつ大きくなっていきます。

事後差異と直後1分足の相関が高いことがわかったら、次は直後1分足形成後の反応がどうなるかです。
直後1分足終値(横軸)と直後11分足終値(縦軸)の関係を下図に示します。

1811英国製造業PMI240.png

相関係数R^2値は0.73と、直後1分足終値と直後11分足終値は比例的です。また、回帰式(赤線)の係数は1.16となっており、これは直後11分足終値が直後1分足終値より16%(3〜4pips)反応を伸ばしがちなことを示しています。2.1項最初に挙げた表でも、直後1分足値幅平均と直後11分足値幅平均の差は5pipsしかありません。

よって、直後1分足終値が付いてから直後11分足終値が付くまでの10分間に、それらの差3〜5pips以上が狙えそうなタイミングを狙うことになります。3〜5pips以上狙えそうなタイミングで3〜5pipsしか狙わなければ、当然、勝率は高まります。

【2.3 回数反応分析】

本項では比較対象同士の大小関係や方向一致した回数だけに注目します。
指標一致性分析は、各差異と各ローソク足の方向一致率を調べています。また、反応一致性分析は、先に形成されたローソク足と後で形成されるローソク足の方向一致率を調べています。
それぞれの関係を調べることによって、先にわかることが後で起きることを示唆していないかがわかります。

1811英国製造業PMI310.png

1811英国製造業PMI320.png

事前差異・事後差異・実態差異の偏りは、自然なばらつき範囲内です。また、各ローソク足の陰線率・陽線率には、極端な偏りがありません。

直前1分足は事前差異との方向一致率が27%(不一致率73%)です。そして、事後差異と直後1分足の方向一致率は93%にも達し、本指標が結果の良し悪しに極めて素直に反応していたことがわかります。
事後差異・実態差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率は、いずれも高い方向一致率を示しています。その結果、直後1分足と直後11分足の方向一致率も84%と、非常に高い数値となっています。

次に、反応性分析は、指標発表時点と発表から1分経過時点から見て、同じ方向に反応を伸ばし続けていたかを調べています。

1811英国製造業PMI330.png

前述の通り、直後1分足と直後11分足との方向一致率は84%です。この84%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことが70%です。指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。

けれども、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは全体で55%まで下がっています。よって、早期追撃で得たポジションは、指標発表から1分を過ぎたら利確の機会を早めに探った方が良さそうです。再追撃を行うなら、ポジションを長持ちするより、短期利確を繰り返す方が良さそうです。

【2.4 反応分析結論】

  • 指標発表後は、ざっくり事後差異判別式の解が0.1毎に直後1分足終値が1.1pipsずつ大きくなっていきます。そして、直後1分足終値に対して直後11分足は、平均的に16%反応を伸ばします。
    過去の実績から言えば、これらの関係の誤差は小さいことがわかっています(誤差が大きいことは滅多にありません)。
  • 毎回の発表毎の誤差や方向はわからないものの、ざっくりと目安を得ておくには、過去1年毎の直後1分足値幅や直後11分足値幅の平均値は、直前10-1分足値幅の平均値に対し、各1.5倍・2倍となっています。
    このことは、以前から本指標発表後の反応の大きさが、直前10-1分足値幅で示唆されていた、ということです。
  • 直後1分足と直後11分足の方向一致率が非常に高く、その方向一致時に直後1分足跳幅を超えて直後11分足跳幅が反応を伸ばす確率が高いことがわかっています。
    初期反応方向への早期追撃開始や、初期反応からの戻しを狙って初期反応方向への追撃を積極的に行いやすい、という特徴があります。




V. 取引方針

以下に過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。ここまでの分析結論に基づき、各ローソク足での取引方針を定めます。

【3.1 直前10-1分足】

下図は直前10-1分足の始値基準ローソク足です。

1811英国製造業PMI410.png

直前10-1分足は、過去平均順跳幅が13pips、同値幅は9pipsです。そんじょそこらの指標発表直後より大きく動くので、不用意にポジションをもつべきではありません。過去の陽線率は59%、事前差異との方向一致率は59%で、どちらに反応するかに決め手はありません

ここで、禁止注意事例を紹介しておきます。

例えば、直前10-1分足が陰線側に10pips以上動いた事例だけを、上図でご覧ください。そうした事例は過去11回ありました(頻度24%)。この期間に一方向に10pipsも動いたら、その時点からの追撃なんて普通やりません。つい逆張りしたくなるものです。
けれども、この11回のうち、そのまま陰線側に15pips以上伸びた事例は7回(事例発生率64%)で、その7回の下跳幅平均は24pipsです。陰線側への跳ねが10pipsに達しても逆張りをしてはならない、ということがわかります。
陽線側に跳ねたときの同様事例の数値も同じようなものです。要するに、ここに挙げた数値はこの期間に逆張りでpipsを稼ぐことの難しさを示唆しています。動きの早い跳びが一方向に進んだ瞬間から次に戻す瞬間以外に、逆張りでの勝負は勝ちにくいのです。そんな瞬間を見極める難しさに加え、そんな動きの早い跳びが一方向に進んだ瞬間から次に戻す瞬間は、約定が難しいかスリップが大きくなりがちです。
かと言って、10pipsに達したのを見てから追撃するにも、同様に約定が難しいかスリップが大きくなりがちです。
そんな危ない橋を渡らなくても、本指標は発表後の追撃が行いやすいのです。これら数字に基づき、指標発表前後の取引に馴れていなければ、危ない勝負は避けた方がしない方が良いでしょう。

また、直前10-1分足が陽線であれ陰線であれ、跳幅が20pips以上だったことは過去9回(頻度20%)あります。この9回の直前10-1分足と直後1分足の方向は、3回が同じで5回が逆で1回が同値終了です。つまり、直前10-1分足が半年に一度しかないほど大きく跳ねても、それは直後1分足の方向を示唆している訳ではありません

本指標の直前10-1分足は、他の多くの経済指標の発表直後数分と同じかそれ以上に動くのです。けれども、指標発表後と違って、動きの基準となる指標結果は未明です。その結果、どちらにどれだけ動くかに一貫した傾向なんてありません。このような期間の取引は、高い勝率を長期に亘って安定して保つことに繋がりません。
だから、このブログでの主張は、この期間の取引は避けるべき、です。

【3.2 直前1分足】

下図は直前10-1分足の始値基準ローソク足です。

1811英国製造業PMI420.png

直前1分足の過去平均跳幅は7pips、同値幅は5pipsです。過去の陰線率は57%、事前差異との方向一致率は27%(不一致率73%)、直前10-1分足との方向一致率は34%(不一致率66%)です。

この期間は、事前差異と直前10-1分足の方向が一致したら、その逆方向にオーダーです
上図をご覧ください。2017年中盤頃からは、ヒゲを残して戻したことが多くなっています。利確/損切の目安は4pips程度を狙い、遅くとも発表10秒前には決済しておきましょう。
直前1分足が10pips以上跳ねたことは、2016年10月集計分発表以降ありません。あまり欲張らない方が良いでしょう。

【3.3 直後1分足】

直後1分足の過去の始値基準ローソク足を下図に示します。

1811英国製造業PMI430.png

直後1分足の過去平均跳幅は20pips、同値幅は15pipsです。直近の反応は、過去平均の半分程度しかなく、その点には注意が必要です。
上図から、騙しの逆ヒゲ発生頻度が少ないことは幸いです。また、事後差異との方向一致率は93%と極めて素直に反応する特徴があります。事前差異や直前10-1分足や直前1分足の方向は、いずれも直後1分足の反応方向との一致率が50%付近で、事前に反応方向を示唆していません。
これらのことから、本指標は追撃で稼ぐ指標だと言えます。

直後1分足と直後11分足との方向一致率は84%です。そして、その84%の方向一致時に、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えたことは70%となっています。指標発表直後の方向一致率が高く、発表から1分を過ぎても反応を伸ばす確率が高い以上、反応方向を確認したら早期追撃開始です。

早期追撃開始で高値掴み/安値掴みをするリスクが生じる点への備えは、ポジションをいつもの半分程度にしておき、指標発表から1分以内の戻しがあれば1回だけならナンピンすれば良いでしょう。
但し、発表から1分経過後に、直後11分足値幅が直後1分足値幅を超えたことは55%となっています。追撃はポジションの長持ちを避けて、短期利確の繰り返しで行う方が良いでしょう。

【3.4 直後11分足】

直後11分足の過去の始値基準ローソク足を下図に示します。

1811英国製造業PMI440.png

直後11分足跳幅は直後1分足値幅より過去平均で13pips大きくなっています。けれども、直後11分足は跳幅と値幅の差が8pips(戻り比率28%)あります。一方向に反応を伸ばしがちとは言え、安易にポジションの長持ちは避けた方が良いでしょう。
上下動を利用して短期追撃を重ねて稼ぎましょう。

指標発表から1分を過ぎてからの再追撃は、利幅4pips程度が狙えるときの短期繰り返しです。
計算上は、直後1分足終値よりも直後11分足終値は16%程度なので、4pipsを狙うためには直後1分足終値が25pipsが必要です。そんなに直後1分足終値が大きかったことは、過去6回(頻度14%)しかありません。短期で狙えるときしか、現実的ではありません。
4pips程度という目安は、多くのFX会社のGBPJPYスプレッドが1pips程度だからです。スプレッドの4倍の利幅を狙う場合のSL解消勝率は63%です。2勝1敗ペースでぎりぎりSL解消勝率が上回ることになります。

【3.5 取引方針結論】

  • 直前1分足は、事前差異と直前10-1分足の方向が一致したら、その逆方向にオーダーです。利確/損切の目安は4pips程度を狙い、遅くとも発表10秒前には決済しておきましょう。
  • 指標発表直後は、反応方向を確認したら早期に追撃を開始し、発表から1分を過ぎたら利確の機会を窺います。
    早期追撃開始で高値掴み/安値掴みをするリスクが生じる点への備えは、ポジションをいつもの半分程度にしておき、指標発表から1分以内の戻しがあれば1回だけならナンピンしても良いでしょう。
  • 指標発表から1分を過ぎたら、利幅4pips程度が狙えるときに短期再追撃の繰り返しです。それ未満の動きが期待できないときも勝てれば良いものの、時間効率が悪いスキャル癖がつくことを恐れます。




W. 過去成績

取引成績は、この分析に記載方針に沿って実際に取引を行った結果だけを纏めています。実際に取引した結果以外は、例え事前方針が妥当だったとしてもここには含みません。また、事前方針に挙げていない取引(方針外取引)の成績は含めません。

実際の取引は、例え結果的に陽線だったとしても終値1秒前まで長い陰線側へのヒゲをずっと形成していたりします。そういった場合、事前のその期間の取引方針がロングが正解かショートが正解かわかりません。実際の取引で利確できたか損切せざるを得なかったかだけが公平な判定基準だと言えます。そして、方針外取引をここに含めると、事前分析の有効性が後日検証できなくなってしまいます。

取引方針の記述を、勝ちやすく・分析結果を誤解しにくく・自己裁量部分がわかるように、進歩・改善していくしかありません。記述はがんじがらめ過ぎても取引がうまくいきません。その兼ね合いが難しいので、試行錯誤しています。

1810英国製造業PMI900.png

以上

ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
注記以上




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同氏はホンモノに強いので、大きな指標発表前には取引を控えることを表明しています。確かに、かつて同氏のツイッター通りに1か月ぐらい取引したら、その間の勝率は70%ぐらいになりました。きっと、エントリーとイグジットのタイミングを私がもっとうまく捉えられたなら、この勝率は更に高くなっていたのでしょう。

会員限定の彼の解説が読めることも、この会社を薦める理由です。
経済指標発表前後以外は、彼の相場感をアテにして、エントリーとイグジットのタイミングやミスジャッジしたときの撤退(損切)のセンスを磨くというのは、練習法としてアリだと思います。

彼の解説を読んで思うのは、テクニカル指標や、個々のファンダメンタルの変化を捉えるだけではダメだということです。それらの軽重判断を反応方向や程度に結び付けて、収益期待値が高く保てないと、有益な相場観とは言えないことがよくわかります。


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