2018年12月09日
前週備忘、及び、12月10日〜14日経済指標
【前週備忘】
前週の大きな動きは次の通りでした。
3日、週末に米中首脳会談で追加関税発動が延期されたことを歓迎し、円クロス主要通貨ペアは上窓を開けて週明け取引が開始(AUDJPYは90pips強の上窓)しました。
ちなみに、AUDJPYはこの日7時台の高値が週足高値となり、この週は5日連続陰線となりました。
4日、RBA金融政策発表結果は現状維持で、声明では「今年と来年の成長率が平均3.5%、2020年は減速」というものでした。ところが、翌5日の7-9月集計分豪GDPは2.8%と、この数字や市場予想を大幅に下回り、AUDは大きく売られました。RBAの見込む成長率に今年は達しないことが懸念されています。
また、17時過ぎにEU司法裁判所の法務官が「離脱協定が正式に成立するまでは、英国が離脱を取り消せる可能性が存在する」との勧告が報道されました。GBPはこの日からやや買が優勢に転じたように思えました。
5日、米ブッシュ父元大統領追悼のため米市場が休場でした。
6日、米国の要請でカナダ当局が中国大手通信会社副会長を逮捕との報道があり、主要国株価は揃って下げ始めました。米中貿易摩擦の激化が懸念されたものの、中国側の反発報道は抑制されていたように思えます。日経平均が大きく下げ始めました。
7日、米株価が週足でダウ△4.5%・S&P△4.6%・ナスダック△4.9%の大幅な下げとなりました。
週足の主要通貨強弱は、JPY>EUR>USD>GBP>AUD、となっており、これはわかる気がします。経済指標への反応はあまり素直でなく、これもわかるような気がする週でした。
【今週指標】
11日(日本時間12日4時)に予定されている英国離脱案採決と、その後の展開が今週最も注目される点です。採決自体は否決が見込まれており、否決後の動きに繋がるニュースに要注意です。
EU側からは「英国離脱を取り消せる(EU司法裁の法務官)」とか「(離脱合意案の実質を変えなければ)文言修正に応じる(関係筋との匿名報道で真偽不明)」との報道が前週にありました。英議会での離脱合意案否決が「合意なき離脱」に直結するとは言えません。
再国民投票に繋がる動きは大きなGBP買、離脱交渉延期や離脱案修正に関わるニュースがEU側から出ればGBP買で、首相退陣はGBP売、といったところでしょうか。
また、次週19日のFOMCは利上げと予想されているものの、米長短金利の逆イールド化が景気後退予兆として懸念されています。
懸念を払拭するには、経済指標の改善が暫く続くしかないので、それに要する期間は1・2か月を要します。その間は、米金利の動きが株価に増幅反映されることが続くように思えます。但し、株価とUSDJPYの動きには、以前のように連動性がなくなってきているので、株価が大きく下げ始めたら、USDJPYは追撃の売りをもったままタイミングを計って戻し狙いの両建てを少しやってみます。
EURは、現在、売買の理由が複雑すぎて手を出せません。
AUDは、前週に発表された7-9月期GDP前期比の低下が大きすぎて、RBA声明の今年の成長率見込み約3.5%に達しないことが懸念されています。前週に売られ過ぎているので、週明け月曜は買のタイミングを見て少し稼いだら、週前半にはAUDから離れます。
指標予定は次の通りです。
12月10日(月)
07:00・09:00・10時仲値前・17〜19時 週末報道を受けたGBPUSD・EURUSD・EURGBP・GBPJPY・EURJPYの動きを注視
08:50 7-9月集計分日本四半期GDP改定値・10月集計分日本国際収支
18:30 10月集計分英国月次GDP・10月集計分英国鉱工業生産指数・製造業生産指数
12月11日(火)
07:00・09:00・10時仲値前・17〜19時 前夜報道を受けたGBPUSD・EURUSD・EURGBP・GBPJPY・EURJPYの動きを注視
09:30 11月集計分NAB企業景況感調査・7-9月集計分豪州四半期住宅価格指数
18:30 10・11月集計分英国雇用統計
19:00 12月集計分独国ZEW景況感調査
22:30 11月集計分米国生産者物価指数(PPI)
28:00 英国離脱法案採決
12月12日(水)
07:00・09:00・10時仲値前・17〜19時 未明報道を受けたGBPUSD・EURUSD・EURGBP・GBPJPY・EURJPYの動きを注視
22:30 11月集計分米国消費者物価指数(CPI)
12月13日(木)
21:45 欧中銀(ECB)金融政策
22:30 ECB総裁定例記者会見
22:30 11月集計分米国輸入物価指数
12月14日(金)
17:30 12月集計分独国PMI速報値
22:30 11月集計分米国小売売上高
23:15 11月集計分米国設備稼働率・鉱工業生産・製造業生産
以上
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/8361150
この記事へのトラックバック