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1. FXは上達するのか

小さなコツをいくつか覚えたって駄目です。勝てない原因をきちんと突き止めてからやり直しましょう。FXを楽しむためには「投資期間」が必要です。すぐに始めたって勝てないことは、FXに限らず、何事であれ同じなのです。だからこそ、その期間を短縮するための「方法論」が大切なのです。

 右矢印1 1-1. FXを楽しむために
   アマチュアらしく…
 右矢印1 1-2. いつか負けないはずがない!
   上手くなるまでは短期取引です
 右矢印1 1-3. 難しさの正体って何だ
   利確と損切の理解は大切です
 右矢印1 1-4. FXは上達するのか
   取引機会を絞り込むべきです
 右矢印1 1-5. 数字で掴もう
   その機会にどう臨むかです
2. 経済指標の楽しみ方

このブログで扱う取引の理想は、経済指標発表前後の反応を着実に刈り取り、ポジション保有時間を最短化してリスクを避けることです。でも、効率良く取引するにはそれなりに予備知識が必要です。大した話は紹介できませんが、基本だけは押さえておきましょう。

 右矢印1 2-1. 大きなゾウの隠れ方
   指標取引のための予備知識です
 右矢印1 2-2. ウソは嫌いだ!
   短期取引をやるときの指針です
 右矢印1 2-3. イグアナを見分ける前に
   このブログの指標取引での成績です
 右矢印1 2-4. 小ズルくいきましょう
   いわばジンクスで勝つ方法です

3. 指標取引分析手法

このブログでは経済指標への調査・分析を定型書式で行っています。定型書式を用いることで、反省を踏まえてやり方を進歩させたり、相場環境が変わったことを見つけやすくするため、です。

 右矢印1 3-1. 指標取引の予備知識
   指標発表前後の他の時間と違い
 右矢印1 3-2. ローソク足各部の名称
   全幅・値幅・跳幅とは?
 右矢印1 3-3. 4本足チャート
   このブログで使うチャート表記
 右矢印1 3-4. 反応方向の予備知識
   指標分類と反応方向の基本
 右矢印1 3-5. 取引通貨ペアの選択
   通貨ペアによる有利不利
 右矢印1 3-6. 指標分析の方法
   定量指標分析とは?
 右矢印1 3-7. 反応分析の方法
   定量反応分析とは?
 右矢印1 3-8. 分析の成績
   事前分析的中率
 右矢印1 3-9. ブレイク対応準備
   ついでに…
4. 経済指標DB

経済指標発表前後の短時間に分析期間を絞ることによって、指標への反応に一定の再現性(傾向)があることはわかりました。各国「政策決定指標」・「経済実態指標」の項に、主要な指標についての分析結果と分析事例を纏めてあります。

 右矢印1 4-0. 各国経済・通貨の特徴
 右矢印1 4-1. 日本経済
    4-1-1. 政策決定指標
     (a) 日銀短観
     (b1) 東京都区部CPI
     (b2) 全国CPI
    4-1-2. 経済実態指標
     (c) GDP一次速報
     (d) 機械受注
     (e1) 通関貿易統計
     (e2) 国際収支
 右矢印1 4-2. 米国経済
    4-2-1. 政策決定指標
     (a) FOMC
     (b1) UM消信指数速報
     (b2) CB消信指数
     (b3) ISM非製景指数
     (c1) NY連銀製景指数
     (c2) Phil連銀製景指数
     (c3) ISM製景指数
     (d1) 輸出・入物価指数
     (d2) 生産者物価指数
     (d3) 消費者物価指数
     (d4) PCEコアデフレータ
     (e1) ADP雇用統計
     (e2) 雇用統計
    4-2-2. 経済実態指標
     (a1) GDP速報値
     (a2) GDP改定値
     (a3) GDP確定値
     (b1) 小売売上高
     (b2) 個人消費・所得
     (c1) 鉱工業生産
     (c2) 耐久財受注
     (d1) 中古住宅販売件数
     (d2) 新築住宅販売件数
    4-2-3. 収支関連指標
     (a) 貿易収支
 右矢印1 4-3. 欧州経済
    4-3-1. 政策決定指標
     (a) ECB金融政策
     (c1) ZEW企業景況感調査
     (c2) 独国Ifo企業景況指数
     (c3) 独国PMI速報値
     (c4) 欧州PMI速報値
     (d) 欧州HICP速報値
    4-3-2. 経済実態指標
     (a1) 独国GDP速報値
     (b) 独国貿易統計
     (c1) 独国製造業新規受注
     (c2) 独国鉱工業生産
 右矢印1 4-4. 英国経済
    4-4-0. 英国経済指標反応要点
    4-4-1. 政策決定指標
     (a) BOE金融政策
     (c1) PMI速報値
     (c2) 製造業PMI改定値
     (c3) サービス業PMI改定値
     (d) 物価統計
     (e) 雇用統計
    4-4-2. 経済実態指標
     (a1) 月次GDP
     (a2) 四半期GDP速報値
     (b) 小売売上高指数
     (c) 鉱工業生産指数
     (d) 貿易収支
 右矢印1 4-5. 豪州・NZ経済
    4-5-1. 政策決定指標
     (a) RBA金融政策
     (b) RBNZ金融政策
     (c1) NAB企業景況感指数
     (c2) WP消費者信頼感指数
     (d1) 四半期住宅価格指数
     (d2) 四半期生産者物価指数
     (d3) 四半期消費者物価指数
     (e1) 賃金指数
     (e2) ANZ求人広告件数
     (e3) 雇用統計
    4-5-2. 経済実態指標
     (a) 四半期GDP
     (b) 貿易収支
     (c) 小売売上高
     (d1) 住宅ローン件数
     (d2) 建設許可件数

ーーーーーーーー
【FX会社】
各社特徴があります。最初は資金にも限りがあるでしょうから1つの口座で、慣れたらいくつか口座を開いて自分が使いやすい会社を選ぶと良いでしょう。
ーーーーーーーー

DMM.com証券

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ヒロセ通商

他社乗換ほか、キャッシュバックプログラム多数。スプレッドは、クロス円でUSD・EUR・NZDが有利、ドルストレートでEUR・GBP・AUDが有利。最小取引は1000通貨単位で初心者に優しい。スワップが良い会社です。


マトリックストレーダー

キャッシュバック条件はヒロセ通商と同じようです。特長は、スキャルピングOK公言・1日の取引上限なし・1000通貨単位取引可、といった点。


OANDA Japan

MT4業者はスプレッドが狭くても約定力が低い業者が多いなか、約定拒否なしが魅力。またHPの各種分析図表が美しく、あちこちのブログで引用されています。本ブログでは他人の著作物転載はしていないので、お見せできません。一度ご覧ください。


外為ファイネスト証券

特徴は、MT4最狭水準のスプレッド、EA利用可、指値制限なし、MT4サーバ国内設定、1000通貨取引可、です。

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2017年05月09日

英国実態指標「鉱工業生産(前月比)」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年5月11日17:30発表結果検証済)

以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。

2017年5月11日17:30に英国実態指標「鉱工業生産」が発表されます。今回発表は2017年3月分の集計結果です。
同時に、実態指標「製造業生産」「建設業生産高」・国際収支「貿易収支」が発表されます。過去の傾向から言って、反応に寄与するのは、鉱工業生産(前月比)>製造業生産(前月比)>貿易収支、という印象を持っています。がしかし、製造業生産は鉱工業生産の約80%を占めており、ほぼ同じに扱えます。
よって、もっとも注視すべきは鉱工業生産(前月比)となります。

本指標の要点は下表に整理しておきました。

1703英国鉱工業生産100.png

次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。

  • まず、他の先進国の鉱工業生産関連指標よりも反応が大きい、という特徴があります。
    そして、鉱工業生産前月比の事後差異と直後1分足・直後11分足との方向一致率はそれぞれ79%・67%となっています。発表時には、鉱工業生産前月比が市場予想に比べ大きいか小さいかだけに注目すればいいでしょう。

  • 指標については次の通りです。
    1月・2月の鉱工業生産前月比はマイナスが続いています。今回3月分の市場予想も△0.4%とマイナスの予想となっています。
    4月28日に発表された1-3月期GDP速報値の鉱工業生産前期比は+0.3%でした。この点に注目すると、今回発表の3月分も前月比マイナスでは辻褄が合いません。
    前月比は市場予想を上回るのではないでしょうか。

  • シナリオは次の通りです。
    (1) 直前10-1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率が28%です。今回の事前差異はマイナスとなっているので、陽線と見込みます。
    (2) 直前1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率が72%です。陰線と見込みます。
    (3) 直後1分足は、上記指標定性分析結論により、陽線と見込みます。
    (4) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が73%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが68%です。追撃可ですが、反応伸長率が70%を切っているので、高値掴み(安値掴み)に気をつけましょう。

T.調査・分析

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。

【1. 指標概要】

英国実態指標「鉱工業生産」は、鉱工業と製造業の企業生産高を指数化した経済指標です。英国国家統計局が毎月中旬に前月比・前年比を発表し、反応は前月比>前年比となる傾向があります。他の先進国の鉱工業生産関連指標よりも反応が大きい、という特徴があります。

本指標の意義は、鉱工業生産がGDPの構成要素となっているため、その先行指標と言われています。がしかし、英国GDPに占める鉱工業部門の割合は20%程度しかありません。ですから、本指標がGDPの先行指標として役立つかは少し疑問があります。

【2. 既出情報

以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。

(2-1. 過去情報)

下図に、もっとも注目すべき鉱工業生産の過去の市場予想と発表結果を示します。

1703英国鉱工業生産200.png

1月・2月の前月比はマイナスが続いています。3月市場予想も△0.4%とマイナスの予想となっています。4月28日に発表された1-3月期GDP速報値の鉱工業生産前期比は+0.3%でした。この点に注目すると、今回発表の3月分も前月比マイナスでは辻褄が合いません。
前月比は市場予想を上回るのではないでしょうか。

(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。

1703英国鉱工業生産310.png

1703英国鉱工業生産320.png

1703英国鉱工業生産330.png

1703英国鉱工業生産340.png

【3. 定型分析】

(3-1. 反応性分析)

反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。

1703英国鉱工業生産410.png

直後11分足は、直後1分足との方向一致率が73%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが68%です。追撃可ですが、反応伸長率が70%を切っているので、高値掴み(安値掴み)に気をつけましょう。

(3-2. 反応一致性分析)

反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は
「反応一致性分析」
をご参照願います。

1703英国鉱工業生産425.png

陽線や陰線への偏りがあまりありません。直前10-1分足と直前1分足の方向一致率が31%とやや低く、直後1分足と直後11分足の方向一致率は73%とやや高くなっています。

(3-3. 指標一致性分析)

指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。

1703英国鉱工業生産430.png

事前差異は、鉱工業生産前月比と前年比の(市場予想ー前回結果)で和で求めています。結果、直前10-1分足・直前1分足との方向一致率がそれぞれ28%・72%でした。今回の事前差異はマイナスとなっています。

事後差異は、鉱工業生産前月比の(発表結果ー市場予想)で求めています。結果、直後1分足・直後11分足との方向一致率がそれぞれ79%・67%でした。発表時には、鉱工業生産前月比が市場予想に比べ大きいか小さいかだけに注目します。

【4. シナリオ作成】

巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上




2017年5月11日17:30発表

以下は2017年5月12日15:30頃に追記しています。
U. 結果・検証

【5. 発表結果】

(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1703英国鉱工業生産510.png

結果は、全般的に市場予想を下回り、注目していた鉱工業生産前月比も△0.5%でした。1-3月期の伸びは+0.1%となり、先に発表された1-3月期GDP速報値で見込まれた+0.3%を下回っています。GDP改定値に反映されるでしょう。
同時発表された貿易収支も、市場予想よりも赤字拡大となりました。1-3月期貿易赤字は105億ポンドと、昨年10-12月(第4四半期)の48億ポンドから急拡大しました。内訳は、輸出が△0.5%、輸入が+3.3%となっています。

(5-2. 取引結果)

取引結果は次の通りでした。

1703英国鉱工業生産520.png

直前1分足が損切となりましたが、これは確率上の問題ですから仕方がありません。
直後1分足の損切は、分析を完全に間違っていたためです。詳細は次項に記します。
直後11分足は、かなり粘ったものの挽回できませんでした。その後もGBPJPYは下がっているので、もっと粘れば損失が取り返せたかも知れません。がしかし、それは結果論であり、ポジションとしては利確となりました。

【6. 分析検証】

(6-1. 分析検証)

事前調査分析内容を、以下に検証します

  • まず、他の先進国の鉱工業生産関連指標よりも反応が大きい、という特徴があります。
    そして、鉱工業生産前月比の事後差異と直後1分足・直後11分足との方向一致率はそれぞれ79%・67%となっています。発表時には、鉱工業生産前月比が市場予想に比べ大きいか小さいかだけに注目すればいいでしょう。
  • 指標については次の通りです。
    1月・2月の鉱工業生産前月比はマイナスが続いています。今回3月分の市場予想も△0.4%とマイナスの予想となっています。
    4月28日に発表された1-3月期GDP速報値の鉱工業生産前期比は+0.3%でした。この点に注目すると、今回発表の3月分も前月比マイナスでは辻褄が合いません。
    前月比は市場予想を上回るのではないでしょうか。

まず、鉱工業生産前月比の事後差異マイナスに対し、陰線で反応しています。
今回、製造業PMIでなくGDP速報値をアテにして分析を行いました。結果、分析を外してしまい、次回以降はまたPMIを中心に事前分析するようにします。

(6-2. シナリオ検証)

事前準備していたシナリオは次の通りです。
  • シナリオは次の通りです。
    (1) 直前10-1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率が28%です。今回の事前差異はマイナスとなっているので、陽線と見込みます。
    (2) 直前1分足は、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率が72%です。陰線と見込みます。
    (3) 直後1分足は、上記指標定性分析結論により、陽線と見込みます。
    (4) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が73%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが68%です。追撃可ですが、反応伸長率が70%を切っているので、高値掴み(安値掴み)に気をつけましょう。

シナリオには問題ありません。

下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。

1703英国鉱工業生産530.png

以上



ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

NZ金融政策「RBNZ政策金利」発表前後のNZDJPY反応分析(2017年5月11日06:00発表結果検証済)

以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。

2017年5月11日06:00にNZ金融政策「RBNZ政策金利」が発表されます。

本指標の要点は下表に整理しておきました。

1705NZ政策金利100.png

市場予想は現状維持です。
上表下段の反応分布をご覧ください。過去33回の発表時の直後1分足跳幅平均値は55pipsですが、全体の76%はその半分の27pips以下の反応となっています。市場予想通りの現状維持の場合、30pips弱の反応と見ておけば良いでしょう。

次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。

  • まず、本指標で取引する上での注意点です。
    RBNZの政策金利は、市場予想の的中率が高いという特徴があります。今回、市場予想は「現状維持」となっています。過去33回の発表で市場予想が「現状維持」だったことは21回あります。この21回の予想は全て的中しています。

  • 指標については、市場予想通り現状維持と考えています。

  • シナリオは次の通りです。
    (1) 直後1分足の方向を示唆する関係は見出せません。ただ、直後11分足は直後1分足との方向一致率が91%と極めて高く、直前10-1分足との方向一致率が27%となっています。よって、直前10-1分足の方向を確認し、その逆に直後1分足・直後11分足が反応する可能性が高いと考えられます。
    (2) 直後11分足は、高値掴み(安値掴み)に注意して短時間追撃です。

T.調査・分析

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。

【1. 指標概要】

ニュージーランドの政策金利は、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)が年8回発表しています。
過去の実績から言えば、RBNZの政策金利はほぼ市場予想通りになります。特に市場予想が「現状維持」だった場合、調査期間において市場予想が外れたことはありません。

【2. 既出情報

以下の調査分析範囲は、2013年1月分以降前回までの33回分のデータに基づいています。

(2-1. 過去情報)

下図に過去の市場予想と発表結果を示します。

1705NZ政策金利200.png


既に近年にない低金利となっています。事前の予想通り「現状維持」と発表される可能性が高いでしょう。

念のためにいくつか指標を見ておきます。

10-12月期GDPは前期比+0.4%で、6四半期ぶりの低い成長となっていました。
但し、実態指標の10-12月期小売売上高は前期比+0.8%で、少なくとも2013年からずっとプラス推移しています。貿易収支もまた、2016年9月を底に回復基調が続いており、2017年3月には9か月ぶりの黒字転換に至りました。気になる点は、景気指標のNBNZ企業信頼感が、2016年9月をピークに下降基調に転じた状態です。ただ、4月分データではまだ+11なので、マイナスに転じる可能性は低いと思われます。
よって、成長率が大きく崩れる心配はなく、1%未満の低成長が安定しています。

次に、CPIは、2015年10-12月期にマイナスに落ち込んで以降、上昇基調が続いています。2017年1-3月期は+1.0%まで回復しました。
AUDNZDは1.07付近で2014年以降はNZD高となっているものの、NZDUSDは0.692付近で、ここ3か月はNZD安が進みました。CPI変化はNZDUSDのトレンド変化とタイミングが合致しています。6月米利上げに向けてのUSD高とその後のUSD安を考えると、後者の変化の方が大きいと考えられますので、NZD高→CPI上昇ストップでのアクションは「金利を動かさない」です。
実際、現状の1.75%という政策金利は、豪中銀の1.50%に対して良い位置にあります。豪州より金利が低くなると、NZは投資が呼び込めなくなります。

先のRBA政策金利発表時の声明では「豪中銀利上げは当面なし」と市場が反応しました。RBNZも、この動きに追従すると思われます。

前回3月23日の政策金利発表時の声明では「金融政策はかなりの期間緩和的であり続けるだろう」との一文がありました。

(2-2. 過去反応)

過去の直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。

直後1分足には、全体的にヒゲが少ない印象を受けます。ヒゲが少ないローソク足は、同じ方向に反応が伸びがちです。但し、後述する反応性分析の結果では63%です。発表後2-4分後に戻していることも多いようなので、追撃するにせよポジションを持つタイミングが重要です。

1705NZ政策金利330.png

1705NZ政策金利340.png

【3. 定型分析】

(3-1. 反応性分析)

反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。

1705NZ政策金利410.png

直後11分足は、直後1分足との方向一致率が91%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが63%です。追撃には注意が必要です。特に、最近は「市場予想通りに現状維持」だったときの反応が小さいので、下手をすると高値掴み(安値掴み)になりかねません。

(3-2. 反応一致性分析)

反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。

1705NZ政策金利420.png

直後1分足の方向を示唆する関係は見出せません。ただ、直後11分足は直後1分足との方向一致率が91%と極めて高く、直前10-1分足との方向一致率が27%となっています。
よって、直前10-1分足の方向を確認し、その逆に直後1分足・直後11分足が反応する可能性が高いと考えられます。

(3-3. 指標一致性分析)

政策金利発表時に市場予想が現状維持の場合、指標一致性分析は行いません。

【4. シナリオ作成】

以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。

(1) 直後1分足の方向を示唆する関係は見出せません。ただ、直後11分足は直後1分足との方向一致率が91%と極めて高く、直前10-1分足との方向一致率が27%となっています。よって、直前10-1分足の方向を確認し、その逆に直後1分足・直後11分足が反応する可能性が高いと考えられます。
(2) 直後11分足は、高値掴み(安値掴み)に注意して短時間追撃です。




2017年5月11日06:00発表

以下は2017年5月12日14:30頃に追記しています。
U. 結果・検証

【5. 発表結果】

(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1705NZ政策金利510.png

結果は市場予想通り現状維持で、反応は陰線となりました。
同時に発表された声明の現状及び見通しの要点は次の通りです。

  • 為替について、最近のNZD下落は好ましく、その基調維持が成長見通し改善に繋がる。
  • 物価について、1-3月期CPIは前年比+2.2%で、中銀見通しの+1.5%を上回っているものの、変動の激しいガソリンや食品の値上がりといった一時的要因と見なしている。中期的には1-3%の中間値になる。
  • 住宅価格の上昇ペースは鈍化、賃金上昇加速も見られない。
  • よって、経済が想定通りに推移すれば、予見可能な将来に亘って政策金利を変更する必要はない。

最後の「予見可能な将来に亘って政策金利を変更する必要はない」で、陰線への反応が大きくなったと考えられます。

(5-2. 取引結果)

取引結果は次の通りでした。

1705NZ政策金利520.png

使っているFX会社が06:00前に取引できず、追撃のみとなりました。
声明内容が明らかになるに連れて追撃を繰り返したものの、最後は我慢不足でした。この後、NZDJPYはもっと下がっています。

【6. 分析検証】

(6-1. 分析検証)

事前調査分析内容を、以下に検証します

  • RBNZの政策金利は、市場予想の的中率が高いという特徴があります。今回、市場予想は「現状維持」となっています。過去33回の発表で市場予想が「現状維持」だったことは21回あります。この21回の予想は全て的中しています。
  • 指標については、市場予想通り現状維持と考えています。

問題ありません。

(6-2. シナリオ検証)

事前準備していたシナリオは次の通りです。

  • (1) 直後1分足の方向を示唆する関係は見出せません。ただ、直後11分足は直後1分足との方向一致率が91%と極めて高く、直前10-1分足との方向一致率が27%となっています。よって、直前10-1分足の方向を確認し、その逆に直後1分足・直後11分足が反応する可能性が高いと考えられます。
    (2) 直後11分足は、高値掴み(安値掴み)に注意して短時間追撃です。

問題ありません。

下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。

1705NZ政策金利530.png

以上



ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

2017年05月08日

米国物価指標「輸入物価指数(前月比・前年比)」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年5月10日21:30発表結果検証済)

以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。

2017年5月10日21:30に米国物価指標「輸入物価指数(前月比・前年比)」が発表されます。今回発表は2017年4月分の集計結果です。
同時に、輸出物価指数も発表されますが、過去の傾向から反応は、輸入物価指数>輸出物価指数です。よって、以下は輸入物価指数についてのみ分析を行います。

本指標の要点は下表に整理しておきました。
前年比の市場予想が空欄のままですが、これも過去の傾向から反応が、前月比>前年比ですから気にすることはありません。

1704米国輸入物価110.png

上表最下部の反応分布をご覧ください。本指標の特徴がよく表れています。
発表結果に最も素直に反応する直後1分足跳幅の過去平均は11pipsです。その11pipsを超えて反応したことは、33%しかありません。この指標への反応は、ほとんどの場合、小さいのです。48%は6pips以下の反応となっています。
一方、過去平均の2倍の22pipsを超えて反応したことは19%もあります。つまり、たいてい小さくしか反応しないものの、たまに大きく反応してしまうのです。これは、輸入物価がたまに大きく反応すると解釈するよりも、発表時刻の関係で金利や株価がたまに大きく反応し、それに追従しているのでしょう。

次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。

  • まず、本指標についてです。
    本文で述べているように、物価が輸入→PPI→CPIへと下流に波及するという話は、直近の事実として正しくありません。反応も小さく、方向にはあまり規則性がありません。本指標発表時に取引する意義は、下記シナリオの項に記載の通り、直後1分足と直後11分足の方向一致率と反応伸長率がともに高いので、追撃を行いやすいからです。

  • シナリオは次の通りです。
    直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が71%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが76%です。この数字なら、ほぼ安心して追撃ポジションが取れます。

T.調査・分析

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。

【1. 指標概要】

輸入物価指数は、米国輸入時点における物価水準を、2000年を100として指数化したものです。対象は、約2,000の企業と4,000の物品です。軍事関連は含まず、サービスは含まれています。

ある製品が消費者の手元に届くまでには、輸入価格→生産者価格→小売価格の順に波及すると考えられます。従って、多くの経済指標解説では、物価指標も輸入物価指数→PPI→CPIの順に波及すると考えられ、本指標はPPI・CPIの先行指標と記されています。
がしかし、少なくとも米国輸入物価指数に関しては、この話をアテにすべきではありません。

下図をご覧ください。図は、輸入物価指数とPPI前月比とCPI前月比を同時プロットしたものです。輸入物価指数が上昇基調(下降基調)なら、PPIやCPIも追従しているように見えなくもありません。ですが、それは目の錯覚か、輸入物価の特徴的な大きなピークや谷の位置に着目してしまうから、です。

1704米国輸入物価250.png

実際、きちんと定量的に求めてみましょう。

例えば、2015年2月分〜2017年3月分までの輸入物価指数の「前月との増減」を基準にしてみましょう。そして、同じ月のPPI前月比やCPI前月比について、この基準と方向一致率を求めてみましょう。結果、この期間における輸入物価指数の前月との増減とPPI前月比との方向一致率は50%、CPI前月比との方向一致率は46%となります。
一致なんかしていません。

次に、輸入物価→PPI→CPIと物価が下流に波及するという従来仮説に従って、先の基準に対しPPI前月比・CPI前月比の増減を1か月遅延・2か月遅延・3か月遅延とずらしてみましょう。1月と2月との輸入物価指数の増減の方向を、2月のPPI前月比の増減の方向と比べる、というのが「1か月遅延」の意味です。

1か月遅延ではPPIとの方向一致率が30%・CPIとの方向一致率が34%、2か月遅延ではPPI31%・CPI27%、3か月遅延では43%・29%と、いずれも相関が低いことがわかります。

よって、直近の数字で確認する限り「輸入物価指数がPPI・CPIの先行指標」という話は、原理的に関係しないはずがないにせよ、事実として相関が低いことを知らない不勉強な結論です。
あるいは、これらの指標間の内訳にまで入り込めば相関が強い項目も見つかるかもしれません。がしかし、それならやはり輸入物価指数がPPI・CPIの先行指標というFX参加者への助言は不親切です。内訳同士の対比になんて誰も興味ないはずです。

もうひとつの定説、「物価が下流に波及する」という話は、以前と違って徐々に下流に波及するのでなく、この数字を見る限り、ほぼ同時進行で下流に波及しているのではないでしょうか。これほど高度に情報化された時代ならばわかるような気がします。

【2. 既出情報

以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの27回分のデータに基づいています。

(2-1. 過去情報)

下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
前年比の市場予想がまだプロットされていませんが、気にすることはありません。

1704米国輸入物価210.png


(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。

直前1分足にやや陰線が目立ちますが、後述する反応一致性分析の結果、陰線率は68%です。
また、直後1分足は、ほとんど反応が生じないことも多いものの、後述する反応性分析の結果、直後11分足で同じ方向に反応が伸びたことが76%となっています。

1704米国輸入物価340.png

1704米国輸入物価330.png

1704米国輸入物価320.png

1704米国輸入物価310.png

【3. 定型分析】

(3-1. 反応性分析)

反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。

1704米国輸入物価410.png

直後11分足は、直後1分足との方向一致率が71%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが76%です。この数字なら、ほぼ安心して追撃ポジションが取れます。

(3-2. 反応一致性分析)

反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は
「反応一致性分析」
をご参照願います。

1704米国輸入物価420.png

各ローソク足の方向について70%以上の偏りはありません。また、ローソク足同士での方向一致率に70%以上の偏りはありません。

(3-3. 指標一致性分析)

指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。

【4. シナリオ作成】

巻頭のシナリオの項を参照願います。

以上




2017年5月10日21:30発表

以下は2017年5月10日22:17頃に追記しています。
U. 結果・検証

【5. 発表結果】

(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1704米国輸入物価510.png

結果は、前月比が+0.5%(市場予想+0.1%)、前年比が+4.1%(市場予想+3.6%)でした。いずれも市場予想を上回っています。
反応は陽線で、直後11分足が直後1分足と同じ方向に伸びています。

(5-2. 取引結果)

取引結果は次の通りでした。

1704米国輸入物価520.png

これでも粘ったのですが、利確をあと7分先延ばしすればあと数pips稼げたようです。こういうのは仕方ありません。もたもた動かないときには逃げておいた方が安心です。

【6. 分析検証】

(6-1. 分析検証)

事前調査分析内容を、以下に検証します

  • 本指標発表時に取引する意義は、下記シナリオの項に記載の通り、直後1分足と直後11分足の方向一致率と反応伸長率がともに高いので、追撃を行いやすいからです。

当たったと言えば当たりましたが、今回のように初期反応後に停滞している場合、辛抱強く待つ訳にもいきません。

(6-2. シナリオ検証)

事前準備していたシナリオは次の通りです。

  • 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が71%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが76%です。この数字なら、ほぼ安心して追撃ポジションが取れます。

問題ありません。

下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。

1704米国輸入物価530.png

以上



ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

2017年05月07日

豪州実態指標「小売売上高(前月比)・四半期小売売上高(前期比)」発表前後のAUDJPY反応分析(2017年5月9日10:30発表結果検証済)

以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。

2017年5月9日10:30に豪州実態指標「小売売上高前月比・四半期小売売上高前期比」が発表されます。今回発表はそれぞれ2017年3月分と1-3月分の集計結果です。
気になる中国経済指標は、少なくとも主要なものについてこの日発表予定がありません。

本指標の要点は下表に整理しておきました。

1703豪州小売売上高110.png

次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。

  • まず、本指標で取引する上での注意点です。
    直後11分足は、直後1分足との方向一致率が81%もあるものの、終値が直後1分足終値よりも伸びたことが46%しかありません。とても追いかけてポジションを取れる数字ではありません。この指標は最初に大きく跳ねたら、それで終わりという傾向が強いのです。

  • 指標については次の通りです。
    まず、過去の傾向から言えば、前月比>前期比で反応するので、以下は前月比に話題を絞ります。
    今回の市場予想は、前月比が+0.3%(前回結果△0.1%)です。
    3月分Westpac消費者信頼感は+0.1%で、2月分+2.3%よりも2.2%も減少しています。プラスにはなっているので、今回は市場発表を下回り、前回結果を上回る、と予想します。
    そして、指標一致性分析の結果、反応方向は事後差異との方向一致率が高いため、陰線と予想しています。

  • シナリオは次の通りです。
    (1) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が92%です。また、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率が30%です。今回の事前差異はプラスなので、直前1分足は陰線率が70%ということです。
    (2) 直後1分足は、上記指標定性分析結論に依り、陰線と見込みます。
    (3) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が81%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが46%です。安心して追撃ポジションを取れる数字ではありません。よって、この日10:25頃までのトレンド方向と同じ方向に事後差異がなっているなら追撃とし、そうでなければポジション取得を諦めます。

T.調査・分析

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。

【1. 指標概要】

豪州小売売上高は、小売・サービス業の月間売上高をサンプル調査に基づき算出しています。発表は豪連邦統計局(ABS:Australian Bureau of Statistics)が行い、翌々月上旬に月次発表されています。

豪州と言えば資源関連企業に注目が集まります。ところが、資源関連企業の収益は、資源価格が頭打ちとなるにつれて伸び悩んでいます。もともと豪州GDPに占める鉱工業生産高は1割程度しかないのです。その一方、非資源関連企業の収益は、小売売上高が長期的に拡大傾向と見なされており堅調と言えます。

その背景として、豪州は毎年約20万人の移民を受け入れており、2050年までに自然増も含めて約40%の人口増加が見込まれています。豪州は先進国で人口増加率の最も高い国のひとつです。
最近の小売売上高は、この人口増加と低金利と豪ドル安が個人消費を押し上げており、堅調に拡大しています。

注意すべき点として、豪州経済指標が発表される時間帯に前後して、中国経済指標の発表が行われることがあります。その場合、中国指標の影響でAUDJPYが1円以上動くことがあります。また、専門家による市場予想が方向も値もまるで当たらない指標です。
ご注意ください。

【2. 既出情報

以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。

(2-1. 過去情報)

下図に、小売売上高前月比の過去の市場予想と発表結果を示します。一見してわかるように、アテになるような市場予想ではありません。それにも関わらず、後述する指標一致性検証の結果、反応は直後1分足・直後11分足ともに事後差異との方向一致率が極めて高い(ともに86%)という特徴があります。

1703豪州小売売上高210.png

今回の市場予想は、前月比が+0.3%(前回結果△0.1%)、前期比が+0.4%(前回結果+0.9%)です。過去の傾向から言えば、前月比>前期比で反応するので、以下は前月比に話題を絞ります。

もともと小売売上高は休日日数や営業日数との関係が深いものです。今年の2月と3月とは土日の回数が同じで、日数が3月が3日多くなっています。通常なら3月は前月比で売上が増えても良いはずです。がしかし、3月分の関連指標を見ておくと、必ずしもそう言えません。3月分Westpac消費者信頼感は+0.1%で、2月分+2.3%よりも2.2%減少しています。プラスにはなっているので、今回は市場発表を下回ると予想します。

(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。

それにしても直前1分足の陰線への偏りは異常ですね。

1703豪州小売売上高310.png

1703豪州小売売上高320.png

1703豪州小売売上高330.png

1703豪州小売売上高340.png

過去3回の指標発表前後の反応を、4本足ローソク足チャートで下図に示します。

1703豪州小売売上高220.png

【3. 定型分析】

(3-1. 反応性分析)

反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。

1703豪州小売売上高410.png

直後11分足は、直後1分足との方向一致率が81%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが46%です。安心して追撃ポジションを取れる数字ではありません。

(3-2. 反応一致性分析)

反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。

1703豪州小売売上高420.png

直前1分足は陰線率が92%です。

(3-3. 指標一致性分析)

指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。

1703豪州小売売上高430.png

事前差異は、直前1分足との方向一致率が30%です。今回の事前差異はプラスなので、直前1分足は陰線率が70%ということです。この結果は、先の反応一致性分析の結果と方向が一致しています。
本指標での事後差異は(発表結果ー市場予想)で求め、前回結果を反映していません。事後差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率がともに86%で、素直に反応しています。

【4. シナリオ作成】

巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照ください。
以上




2017年5月9日10:30発表

以下は2017年5月9日11:10頃に追記しています。
U. 結果・検証

【5. 発表結果】

(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1703豪州小売売上高510.png

結果は市場予想を下回り、反応は陰線でした。

(5-2. 取引結果)

取引結果は次の通りでした。

1703豪州小売売上高520.png

【6. 分析検証】

(6-1. 分析検証)

事前分析は次の通りでした。

  • 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が81%もあるものの、終値が直後1分足終値よりも伸びたことが46%しかありません。とても追いかけてポジションを取れる数字ではありません。この指標は最初に大きく跳ねたら、それで終わりという傾向が強いのです。
  • まず、過去の傾向から言えば、前月比>前期比で反応するので、以下は前月比に話題を絞ります。
    今回の市場予想は、前月比が+0.3%(前回結果△0.1%)です。
    3月分Westpac消費者信頼感は+0.1%で、2月分+2.3%よりも2.2%も減少しています。プラスにはなっているので、今回は市場発表を下回り、前回結果を上回る、と予想します。
    そして、指標一致性分析の結果、反応方向は事後差異との方向一致率が高いため、陰線と予想しています。

反応は、発表後の反応が陰線側に伸びていきました。確率上の問題ゆえ、この点は分析を外しても仕方ありません。
指標は、市場予想を下回りました。問題ありません。

(6-2. シナリオ検証)

事前準備していたシナリオは次の通りです。

  • (1) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が92%です。また、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率が30%です。今回の事前差異はプラスなので、直前1分足は陰線率が70%ということです。
    (2) 直後1分足は、上記指標定性分析結論に依り、陰線と見込みます。
    (3) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が81%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが46%です。安心して追撃ポジションを取れる数字ではありません。よって、この日10:25頃までのトレンド方向と同じ方向に事後差異がなっているなら追撃とし、そうでなければポジション取得を諦めます。

直後11分足の取引は、朝からのトレンドが上昇で、反応方向が陰線だったため、ポジション取得を諦めました。陽線側への反転しそうなら追撃することも考えていたものの、指標結果がかなり悪い内容だったため、早期反転なしと判断しました。

下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。

1703豪州小売売上高530.png

以上

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ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

8-7. JPYのスワップ協定と、通貨別・通貨ペア別シェア

GWに、日中韓とASEANの財務相・中央銀行総裁は、金融危機発生時の通貨交換枠拡大を柱とした協力体制について議論した、と報道されました。日本が「円」を融通する支援体制を設けて、最大4兆円規模の融通枠を新たに設けることをASEAN諸国と合意したというものです。

ASEAN諸国通貨の信用を強化することは、いざというときに現地の日本企業の工場の操業を止めずに済ませられます。現地では産業の裾野がまだまだ狭く、進出した日本企業の工場は多くの部品を日本から輸入しているというのが現実です。輸入決済が滞れば、たちどころに困ります。

と言っても、いざというときに備えて現地工場の部品在庫を増やし過ぎると、経営上の圧迫要因となるため限度があります。多くの現地工場は、法的優遇処置をスムーズに受けるため、現地資本と合弁となっていることが多いのです。

だから、日本側本社の都合だけで部品在庫をむやみに増やしておくにも限度があります。むしろ日頃は危機に備えてというよりも、日本側に利益を還流するために期末に部品在庫を増やしている、という方が実態に近い姿だと言えるでしょう。

ともあれ、幸いJPYは過去のリスク発生時にめっぽう強い通貨です。JPYさえあれば、USDでも何でも決済できるようになります。一方、JPYにとってもこの4兆円分がおそらく最終的にUSDになって決済されるので、急激なJPY高への数少ないブレーキとなるでしょう。

輸出や海外投資を増やしている中国が、元の国際決済通貨化を果たしたいのも同じ理由で、別にUSD・EUR・JPY・GBPに取って代わる必要などないのでしょう。ただ、次のリスクが中国発で起きたら意味がない、ということです。

いざというとき強い通貨でない限り、経済援助と引き換えでなければ中国元のシェアは増えないはずです。このやり方は、かつての日本と同じやり方です。海外資産さえ順調に増えていけば、中国元もそこそこの国際決済通貨になっていくのでしょう。

ーーー$€¥ーーー

国際決済銀行HPの公開資料から、2016年の各国通貨の決済シェアを比べてみます。

下図は、同資料での合計が200%となるシェアが載っているので、合計が100%となるように改めています。全体数(100%)は$5067Bです。

ちなみに、シェア順位はUSD・EUR・JPY・GBP・AUDが1位から5位に順に並び、NZDは10位です。これらの通貨で、世界全体の決済シェアの81%を占めています。まぁUSDが44%とその半分以上を占めている訳ですが。中国元は8位ぐらいだったと覚えています。

国際決済通貨.png

そして、最初の話と同じ国際決済銀行HPの公開資料から、2016年の通貨ペア毎の決済シェアを比べてみます。

下図の通り、USDJPYが18%を占めており、これはEURUSDの26%(図には載せていません)に次いで世界で2番目に多く決済されています。このことから、EURUSDとEURJPYとUSDJPYでの取引が46%と半分近くを占めており、それ以外の数100種類の通貨ペアはほとんど取引されていないことがわかります。

国際決済通貨2.png

以上

4-5. 豪州経済指標DB(2017年5月版、5月7日改訂)

豪州の経済指標発表前後の取引はAUDJPYで行っています。

AUDJPYは、中国経済指標によって大きく動く傾向があります。

中国国家統計局は4月17日に1-3月期GDPが+6.9%(2017年の成長率目標は6.5%前後)と発表しました。中国では、今年が5年に1度の共産党大会の年で、党大会の年には経済に限らず各種業績が好調になりがちです。中国の景気拡大は財政政策に負う点が大きいと見られています。

そして、秋の党大会で最高指導部7人のうち国家主席と首相を除く5人が68歳定年を迎えます。中国の特徴は、TOPが代われば下々まで大きく人事が刷新されます。今秋のどこかまでは、中央から地方まで成績アピール合戦です。それでも、中国経済指標が良くなればAUDJPYは買われます。

豪中銀は、中国の経済成長がインフラや不動産への投資で下支えされており、これら投資が借り入れ急増を伴っているためリスクがあることを認識しています。

また、以前とは違って中国から豪州への投資がそれで増えるかは疑問です。
中国政府は資本流出の抑制策を強めており、以前のように中国から豪州への直接投資が難しい環境になっています。がしかし、そこには抜け穴もあって、中国国外で米ドルで資金調達して米ドルで投資するなら、中国の規制に縛られることなく、中国企業の海外投資は可能です。
その結果、豪州投資はどこから資金が流入しているのか、実態が見えなくなってしまいました。RBAは、実態も把握した上で政策を決定しているのでしょうが。

豪州経済全般は、世界経済の回復によるコモディティー価格上昇によって支えられています。低金利で成長が暫く続いた結果、不動産投資とローン残高が増加しつつあり、貸出基準の厳格化と投資目的不動産ローン金利を引き上げて対策を始めました。

AUDJPYは、4月24日週の中国GDPの好調で陽線側に反発していました。がしかし、その前後の週は停滞です。米金利が下がっていた間は前週との日豪金利差も開くためAUDJPYは上昇するものの、FRBの6月利上げへの折込みが始まると豪金利は下がり始めます。まだ少し早い気もしますが、タイミングを間違わないように注意が必要です。

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170508AUDJPY C4.png

【4-5-1. 政策決定指標】

金融政策

RBA金融政策は「暫く様子見」です。4月に公表された議事録では、前回発表と同じく、現状維持こそが成長と物価と雇用に寄与する旨、記載されています。

そして、5月2日、RBAは政策金利を「市場予想通り現状維持」と決定しました。金利据え置きは9か月連続となります。政策現状維持の理由として、従来のAUD高懸念•住宅債務増•中国債務リスクに加えて「賃金の伸びが暫く鈍い状態が続くと予想」が追加されました。
この結果を受けた先物市場では、年内の金利変更の可能性がほぼ無しと見なしたようです。

 (1) RBA政策金利(2017年6月6日発表結果検証済)
 (2) RBA金融政策理事会議事録(2017年5月16日公表結果検証済)

物価指標

RBA見解(3月)では、インフレ率が2017年に2%を上回る、と予想されています。人件費の伸び悩みが物価上昇を抑えているようです。

 (1) 四半期消費者物価指数(2017年4月26日発表結果検証済)
 (2) 四半期生産者物価指数

雇用指標

最近、他の国と同様に賃金上昇率が注目されていますが、豪州ではパートタイム従業員よりフルタイム従業員が増加している点が同じ趣旨でも意味があります。がしかし、本指標への反応は、まだ新規雇用者数の増減が最も強く影響しています。
4月に発表された3月の新規雇用者数は、2015年11月以来の高い数字となりました。

 (1) 雇用統計(2017年4月13日発表結果検証済)

【4-5-2. 政策決定指標】

経済成長

豪州経済自体は堅実に成長が続くと見込んでいます。がしかし、AUDJPYの反応はまだ暫く中国経済の見通しに影響を受けると思われます。2016年10-12月期の落ち込みは一時的なものと、RBAは見なしています。落ち込みと言っても、前年比+1.8%とか+2.4%といった数字のことなのですが。

中国の工業部門企業利益は1-3月が+28.3%でした。好調の原因は、建設ブームで建材の価格上昇や売上増加が続いており、低迷していた製鋼所など重工業の利益回復にもつながっている、とのことです。但し、生産者物価がピークに達しており、年内には新規投資や採算性が弱まる可能性があるそうです。なお、3月末時点の工業部門負債は、前年比+6.6%でした。

 (1) 四半期GDP(2017年6月7日発表結果検証済)

実態指標

豪州は先進国で最も今後の人口増が期待される国です。人口増は消費指標や小売指標に対し長期的改善をもたらします。

小売売上高前月比は、ここ最近やや低い数字となることが多かったものの、6月1日に発表された4月分データが前月比+1%となりました。+1%に達するのは2014年9月データ以来です。

手元で確認できる2013年以降で+1%以上になったことは4回しかありません。過去に+1%に達したときには翌月に反動で落ち込んでいるので、次回7月発表(5月分データ)でそのことを留意しておく必要があります。

 (事例1) 小売売上高(2017年6月1日発表結果検証済)
(事例2)四半期小売売上高(2017年5月9日発表結果検証済)
以上




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4-4. 英国経済指標DB(2017年5月版、5月7日改訂)

英国の経済指標発表前後の取引はGBPJPYで行っています。

さて、2017年度のトレンド判断は、

  • 6月8日総選挙でメイ首相の立場がどれぐらい強まるか
  • BOEが物価高にいつどの程度の対策を講じるか
  • ブリグジット交渉進展内容(1月英最高裁判断・3月英国離脱通告・4月EU側交渉方針開示・時期不詳の第1回交渉)

がポイントと捉えています。

4月は、メイ首相による総選挙実施発表によってGBPは値を上げました。総選挙の大義名分は「ハードブリグジットに向けた挙国一致」的な解説が多く見受けられます。離脱交渉に向けて総選挙を行う決定をしたことは、首相・与党・ハードブリグジット派の勢いに自信があるからでしょう。

3月末時点では、2016年6月国民投票後に英国から引き揚げられていたファンド資金が半分以上戻ったことが報道されていました。そして、銀行株と輸出企業の比重が大きいFTSE100は、GBP安を好感して最高値を更新しました。

がしかし、ハードブリグジット交渉を争点に掲げた6月総選挙実施発表が4月に発表されると、FTSEは値を下げました。これは与野党を問わず、ハードブリグジット派がソフトブリグジット派を駆逐するための選挙と見られているため、です。経済的にはソフトな方が良いですから。このまま、株価が再び下がり始めないか注視しておく必要があります。

下図に前週との日英株価比差を示します。

170508GBPJPY C5.png

5月8日には仏大統領選の結果が判明するため、選挙向けの英国への過激な要求が現実的なものに変化していくと見込まれます。5月4日には、欧州委員会のバルニエ首席交渉官が「11月までに費用負担問題を解決し、金額については白地小切手を求めている訳でなく、英国が確約した支払いを遂行することを求めている」旨、発言しています。この発言は、これまでのEU側の強硬な発言とは少しニュアンスが異なるように思えます。

この後、EURは仏大統領選結果判明でイベント一段落、GBPは5月中旬までEURに連られて下げても、下旬には6月8日選挙に向けて強気となるでしょう。そして、6月15日FOMCでの利上げに向けてまた下落でしょうか。上下に激しく動くか、どちらにも動けないかは、見てみないとわかりません。

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【4-4-1. 政策決定指標】

BOEは、そうそう簡単に政策変更しないという話があります。もちろん、これは過去の実績で、BOE総裁もMPC委員も実際には入れ替わっているのだから、こんな話を当てにはできません。

英国離脱交渉における負担金の問題なんて、今後しばらく支払った上で漸減的に支払額を縮小していけば良いので、大した問題とも思えません。もともと、英国側はEUを離脱しても貿易特権を維持したいのだから、何らかの負担は覚悟しているでしょう。
但し、5月仏大統領選本選・6月英総選挙・8-10月独選挙ですから、一連の選挙が終わるまでは、互いに相手に甘い顔ができないこともわかります。

よって、独選挙までの間、GBPとEURは、GBP安材料・EUR安材料を双方ひとつ抱えることができます。通貨安はインフレ率上昇と貿易収支(成長)に貢献するので、経済にとって悪い話じゃありません(生活にとってではありません)。

そして、英国は利上げ・欧州は緩和縮小を公言さえすれば何もしなくても、過度な物価高に適度なブレーキをかけることもできます。その金融政策転換の予告宣伝のタイミングは、英国選挙と独国選挙の間が狙い目ですよね。英国の雇用状況が良いため、銀行と輸出企業に悪影響がなければ、選挙前に金融引き締め側の話が出てくるかも知れません。

ともあれ、英離脱交渉は協議内容だけの一喜一憂でGBPやEURが動き、実質的進展がないのでしょう。秋までは金融中心の期間、その後にやっと政治交渉の期間が来るのでしょう。

金融政策

2017年1月17日にBOE総裁は「今後数年間の英成長は鈍化する見込み」で「個人消費の進展が政策にとっての鍵になる」と発言しています。また、2017年2月2日に四半期インフレ報告で「インフレ見通しが2017年は2.7%、2018年は2.6%」と示されました。IMFでは、この期間の経済成長を1.5%・1.4%と予想しています。3月16日のMPCでは、昨年7月以来の利上げ主張する委員が現れました。

 (1) BOE政策金利・MPC議事録・四半期インフレ報告(2017年5月11日発表結果検証済)

景気指標

製造業の景況感が悪化し始めると、サービス業もそれを追いかける、という言い伝えがあります。近年、この法則に当てはまらない事例が多々見受けられます。

4月分製造業PMIは57.3(市場予想54.0、前月結果54.2)となり、3年ぶりの高水準でした。内訳は、新規受注指数が2014年1月以来の高水準で、輸出受注指数も7カ月ぶりの高水準となっており、GBP安が原因と思われます。
4月分サービス業PMIは55.8(市場予想54.5、前回結果55.0)で、4か月ぶりの高水準でした。

 (1) 製造業PMI(2017年5月2日発表結果検証済)
 (2) サービス業PMI(2017年6月5日発表結果検証済)

物価指標

主要国でCPI・RPI・PPIが一度に発表されるのは英国だけです。CPIやRPIの発表結果が揃って改善/悪化すると、驚くほど大きく反応するので注意が必要です。なお、4月11日発表(3月集計分)では、CPI前年比が2.3%、CPIコア前年比が1.9%です。3月発表(2月集計分)では、BOEのインフレ目標2%に達していました。
今後ますますCPIと利上げとの関係解説記事が増えることでしょう。

また、英国は法律で年金支給額がRPI上昇率によって決まります。RPI上昇とCPI上昇は近い関係のため、インフレ問題は、報道記事の通りに受け取るのは難しいところがあります。
アンケートで物価高について問われれば、必ずネガティブな主張が目立ちます。そして、その主張は部分的に低所得者層の声を代弁しています。でも収入が増える限り、インフレがそれ以上だという苦言が一部にあっても、あまり真に受ける必要がありません(圧倒的インフレの場合は別ですが、英国もEU側もそれほどではありません)。
それなのに、選挙前はインフレ抑止政策や低所得者層保護政策が話題に挙がりやすいため、解釈が難しくなるのです。

なお、5月発表(4月分データを発表)には注意が必要です。英国では公共料金が4月に引き上げられます。

 (1) 消費者物価指数・小売物価指数・生産者物価指数(2017年5月16日発表結果検証済)

雇用指標

英国経済指標は、指標発表結果に対して素直な反応をしがちです。がしかし、雇用統計だけは別に見えます。多くの経済指標発表カレンダーには、失業保険受給者数と失業率しか示されていませんが、反応は平均所得(賃金)の増減で方向が決まりがちです。

3月発表値を見る限り、平均賃金の伸びはCPIに対して悪化しているとは言えません。がしかし、物価上昇に伴う消費支出低迷から成長鈍化に繋がると、実質賃金はマイナス転換の可能性があります。現在、英国はインフレ率が急上昇しており、失業保険受給件数や失業率よりも実質賃金への注目度が高まるハズです。

 (1) 失業保険申請件数・失業率(2017年5月17日17:30発表予定、事前分析済)

【4-4-2. 経済情勢指標】

IMF予想によれば、英国の2017年経済成長は1.5%となっています。これはPIGS諸国を抱えるEUの1.6%を下回っており、2018年は英国が1.4%、EUが1.6%と、その差が広がる予想となっています。現状はその差の広がり方が緩やかに見えるので、この差が広がるスピードが速まるような話(懸念であっても)が出れば、GBPは一気に売られるリスクを抱えています。

経済成長

EU離脱国民投票後、一時は成長がマイナスになるという解説記事さえあったものの、2016年はかなり好調でした。それだけに2017年は成長鈍化と見込まれています。さすがにマイナスという解説はなくなりましたが。

4月28日発表された1-3月期GDP速報値は、前年比+2.1%(市場予想+2.2%、前回結果+1.9%)、前期比+0.3%(市場予想+0.4%、前回結果+0.7%)でした。
内訳は、消費に結びつきやすいサービス部門が前期比+0.3%と、2015年1-3月期以来の低い伸び率です。鉱工業生産も前期比+0.3%で、建設が+0.2%です。
この結果について、一様にGBP安に伴うインフレ加速による消費低迷が原因、と報道解説記事では指摘されています。

 (1) 四半期GDP速報値(2017年4月28日発表結果検証済)
 (2) 四半期GDP改定値(2017年5月25日発表結果検証済)
 (3) 四半期GDP確定値(2017年3月31日発表結果検証済)

実態指標

4月発表結果(2月分データ)は、小売が好調だったものの、生産がかなり悪化しました。実態指標は景況感を示すPMIよりも遅れて反応するという解釈が基本ですが、4月発表では製造業・サービス業ともにPMIの3月分データと方向が一致しました。実態指標の方が景気指標よりも先行しています。

5月18日に発表された4月小売売上高指数前月比+2.3%となり、前回結果△1.4%・市場予想+1.0%を上回りました。前年比は+4.0%で、前回結果+2.0%・市場予想+2.1%を上回りました。
製造は輸出次第(GBPレート次第)、小売は国内景気と物価次第、という基本が大切です。

 (1) 小売売上高指数(2017年4月21日発表結果検証済)
 (2) 鉱工業生産(2017年6月9日17:30発表結果検証済)
以上




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2017年05月06日

4-3. 欧州経済指標DB(2017年5月版、5月6日改訂)

欧州の経済指標発表前後の取引はEURJPYで行っています。
EURJPYは、他の通貨ペアと比べると、相対的にトレンドの影響が強く、指標の影響が小さい傾向があります。おそらく、各国毎の発表が先行しているため、その時々にEURレートへの折込みが行われるからでしょう。
指標発表結果への反応方向は素直なものの、反応程度が小さく、反応期間が短い、という感触を持っています。

さて、2017年のトレンド判断は、

  • FRBとECBの緩和縮小の時期差・内容差・程度差
  • 各国選挙(3月蘭議会・4-5月仏大統領選・6月仏/英議会・8-10月独議会)
  • ブリグジット交渉進展内容(1月英最高裁判断・3月英国離脱通告・4月EU側交渉方針開示・時期不詳の第1回交渉)

がポイントとなるでしょう。

4月は23日の仏大統領選第1回投票が行われ、翌24日週明けはEURJPYが400pipsに迫る窓を開けて上昇しました。この窓は、おそらく今年最大となるでしょう。
5月7日には決戦投票が行われますが、既に報道では極右政党候補の当選は難しいとの論調一色です。よって、その通りになっても、もう4月第1回投票結果判明時ほどには大きな窓が開かないでしょう。むしろ、結果歓迎のEUR買と、その次に起きる事実確定によるEUR売がどこまで進むかに関心があります。

週足でのチャートを示します。本ブログのチャートは、窓を埋めて表示する窓無しチャートです。

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RSI(14日)は買われ過ぎの領域に達しています。

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独経済の好調を受けて、前週との日独金利差・日独株価比差は、プラスが続いています。この傾向から言えば、EURは一見、値を下げても大きく崩れそうには見えません。

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がしかし、6月の米FRB利上げの折込みがこれから進みます。前週との日独金利差がマイナスに転じると、思ったより深くEURは値を下げるかも知れません。但し、仏大統領選第1回投票結果が判明した状況が120円です。よって、そこまでは下がらないなら6月FOMC前に121円付近と見ておけばどうでしょう。

【4-3-1. 政策決定指標】

金融政策

過去の緩和政策が効果をあげたのか、欧州の成長率・物価は上向きつつあります。他の国であれば、次はいつどのように引き締めを開始するかに注目すべきです。がしかし、欧州の場合は、成長の地域格差が大きく、若年失業率が高いという問題があります。金融取引では域内1位・経済規模で域内2位だった英国を失う悪影響をどう軽減していくかも、いずれ議論が始まるでしょう。

4月27日、ECBは金融政策の現状維持を決めました。
理事会後の記者会見でドラギ総裁は「EU圏の景気回復が底堅さを増し、下振れリスクが後退した」と述べると、EURは買われました。がしかし「大規模緩和の縮小を開始するにはまだいくつかの障害がある」と発言したため、今度はEURが売られました。この人の記者会見はいつも、最終的なEUR安を導くときは持ち上げて落とす、EUR高にしたいときはその逆です。かつて、マジックとかおだてられたのが良くなかったのか、たちが悪い。
ともあれ「理事会で緩和バイアス縮小の議論せず」が公式見解です。

これに先立つ先々週4月20日には、独ショイブレ財務相が「ECBがFRBに倣って、金融緩和解除に着手することが悪い考えでない」との見方を示していました。それに対して翌日、ノボトニー・オーストリア中銀総裁は「米国は事実上の完全雇用に達しインフレ率も2%に近い。EU圏では失業率は10%程度もあり、インフレ率上昇もペースが緩やかに留まっている」と反論しています。

更にノボトニー・オーストリア中銀総裁は先週4月25日に、「ECBは今年いっぱい資産買い入れと金利政策を現状で維持する方針だが、来年以降の政策については今年後半に決める見通し」との見解を示しています。続けて「2017年の政策が既定であり、債券買い入れを縮小した水準で続け、金利構造については現状を維持し、年後半に2017年末以降についての政策を決める」と述べています。
そして同じく4月25日には、関係筋の話として「ECBが6月理事会で、金融緩和策の解除に向け文言の変更を検討している」との報道がありました。この報道直後、EURは買われています。
5月4日、プラートECB専務理事は、EU圏の成長が力強さを増しており、今後の政策指針を示すフォワードガイダンスの一部は時間とともに変わる可能性があるとの考えを示しました。この発言は、ECBが来月理事会で、追加緩和の可能性や下振れリスクに関する文言を削除するとの観測を後押しする可能性があります。

これらの発言には不一致な点が散見されます。
欧州指標での取引が嫌いで、このブログを始めるまで(初めて直後は)ほとんど取引しなかった理由は、こうした発言を見逃す可能性が高く、小さく短時間しか反応しない指標結果の捉え方を間違う可能性が高かったからです。
私見ながら、EURは取引が上手な人のトレンドフォロー手法に最も向いた通貨で、指標発表前後の取引に最も向かない通貨だという気がします。私のような「下手だけど勝ちたい(笑)」という者には向かないと思っています。

次回のECB政策金利発表は6月8日20:45に予定されています。

 (1) ECB政策金利(2017年6月8日発表結果検証済)

景気指標

関連指標同士の関係も整合性があり、発表直後の反応は比較的素直です。反応は小さいものの、実態指標分析の裏付けとなるし、練習にはもってこいかも知れません。但し、指標発表前後の影響は、日米英豪に比べて小さく短時間です。

5月23日に発表された仏・独・欧5月PMI速報値・5月Ifo業況指数はいずれも良好な結果となりました。特にIfo景況感指数は1991年以来の高水準に達しました。
独経済は、ECBの金融緩和政策によるEUR安によって輸出も好調です。今後の懸案は、欧州政治リスクと各国保護主義気運の高まりです。
独メルケル首相は5月22日にEURの現水準が安すぎる旨、発言したと伝えられています。

 (1) 独国Ifo景況指数(2017年5月23日発表結果検証済)
 (2) 独国ZEW景況感調査・欧州ZEW景況指数(2017年2月14日発表結果検証済)
 (3) 独国PMI速報値(2017年5月23日発表結果検証済)
 (4) 欧州PMI速報値(2017年5月23日発表結果検証済)

物価指標

ECB政策転換の時期を探るため注視しておきたい指標です。

4月28日発表された4月HICP速報値は、前年比+1.9%(市場予想1.8%、前回結果+1.5%)で、4年来の2.0%に達した2月結果をやや下回りました。ECBのインフレ率目標は2%弱なので、やはりEU圏のインフレ率は既に目標を達しつつあるように見受けられます。

あえてECBの現状スタンス(緩和バイアスの縮小をしない)を弁護するなら、このインフレ率がエネルギー価格上昇でもたらされている可能性が高い点です。エネルギー価格は食料品と同じで価格変動が大きいため、現在のHICPは高めになっている可能性も捨てきれません。
ドイツ以外の国で雇用指標・実態指標が改善しないと、景気回復に伴うインフレ目標到達とは言えないのでしょう。

 (1) 消費者物価指数(HICP)速報値(2017年2月発表結果記載済)

雇用指標

5月3日、独連邦雇用庁は4月失業者数(季節調整後)が254.3万人となり、前月比△1.5万人と発表しました。失業率は前月同値の5.8%で、こんな数字なのに1990年の東西統一以来の低水準維持だそうです。驚きです。

【4-3-2. 政策決定指標】

経済成長

欧州GDPは、発表結果と反応方向とがあまり関係ありません。おそらく、各国毎の発表が先行しているため、その時々にEURレートへの折込みが行われるからでしょう。

IMFの2017年4月版報告に依れば、EU全体が16.4兆ドル(EU全体に占める英国離脱前%→英国離脱後%)で、独3.47兆ドル(21.2%→25.1%)>英2.63兆ドル(16.3%→0%)>仏2.46兆ドル(15.0%→17.8%)>伊1.85兆ドル(11.3%→13.4%)、です。

EU全体に占める主要3か国のGDP比は、英国離脱前後で52.4%→56.3%に変わります。そして、PIGSと言われるポルトガル・イタリア・ギリシャ・スペインのGDP合計は3.48兆ドルなので、21.2%→25.2%です。
英国離脱後は、主要3か国にイタリアが入ることと、独GDP比率をPIGS合計比率が僅かに上回ることがポイントです。ドイツはシャカリキになって英国離脱の2年後までにGDPをあと0.2%増やしたいでしょうね。

論拠は、高水準の鉱工業受注・製造業の楽観的な見通し・輸出の回復が成長を下支え、です。そして今後は「労働市場が好調に推移し消費者マインドは良好であることから、民間消費は引き続き成長の重要な押し上げ要因となる」と指摘しています。2016年10-12月期の経済成長率は0.4%で、2017年1-3月期データは5月12日に発表される予定です。

ECBは、4月25日に四半期報告書を公表し、EU圏銀行が4-6月期の企業向け融資が低金利を背景に増加する、との見込みを示しました。1-3月期のEU主要国における企業向けの融資需要は、ドイツとスペインで増加し、イタリアとオランダで低下、フランスは横ばいだったそうです。住宅ローンについても融資は増加するとみられています。

5月3日、EU統計局は1-3月期GDP速報値を、前期比+0.5%、前年比+1.7%と発表しました。更に、10-12月期GDPを前期比+0.4%から+0.5%に、前年比+1.7%から+1.8%に改定しました。GDP内訳が公表されないものの、エコノミストは消費と設備投資が成長を牽引したと見なしている旨、解説記事がありました。

5月23日に発表された独国1-3月期GDP改定値は前期比+0.6%でした。内訳は消費支出・投資・輸出の全てについて経済成長に寄与したようです。この結果は、4月24日に独連銀月報で示された「2017年1-3月期の同国経済成長は鉱工業や民間消費の押し上げにより大幅に加速した可能性がある」との見解通りでした。

 (1) 独国四半期GDP(季調済)速報値(2017年2月14日発表結果検証済)
 (2) 欧州四半期GDP(季調済)速報値

B3. 実態指標

地域間格差が大きく、何を見て因果関係を掴めばよいかがわかりません。

今後、独指標について調べていこうと思います。ただ、独→英→日と二重翻訳資料をあたることになるので、リアルタイムの情報収集が難しいことと、多くの指標が15時・16時発表というのが面倒ですね。そもそも、ドイツ語なんてバームクーヘンぐらいしか覚えていませんもんね。

以上




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2017年05月05日

2017年5月第1週成績と、5月第2週主要指標の過去反応pips

【1. 今週成績及び所感】

2017年年初からの成績と、今週(4月第4週)の成績を一覧集計しておきます。

201705第1週成績.png

今週は8指標で取引を行い、取引時間は67分7秒、損益は+7,864円で、7勝1敗でした。シナリオ単位では16勝5敗で、シナリオの実施見送り0、シナリオ外取引3(3勝)でした。

【2. 次週主要指標の過去反応】

次週、5月第2週で関心を持っている指標を下表に纏めておきます。

201705第2週予定.png

この表の右3列の数字は、過去の直後1分足跳幅・値幅・直後11分足値幅の平均pipsです。データはまだ、各指標の前回記事で用いた値ですから、最新の値にはなっていません(誤差が1-3pips程度あると思われます)。そのつもりでご覧ください。
以上






2017年05月04日

米国雇用指標「平均時給・NFP・失業率」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年5月5日21:30発表結果検証済)

以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。

2017年5月5日21:30に米国雇用指標「平均時給・NFP・失業率」が発表されます。今回発表は2017年4月分の集計結果です。

本指標の要点は下表に整理しておきました。

1704米国雇用指標100.png

次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。

  • まず、本指標で取引する上での注意点です。
    (1) 最も参加者が多い指標であり、最も大口の参加者が多い指標でもあります。値がピョンピョンと動くことが多いので、ポジションを取り損なったら、決して無理に参加しないことです。
    (2) そもそも大きく反応しかねない指標で取引するのなら、過去の直後1分足跳幅・値幅を確認しておき、直前のレートから平均値分だけ動いたらいくらかを頭に入れておきましょう。チャート画面での動きの大きさが他の指標と違うため、ポジションは値を見て取るようにしましょう。
    (3) 直前1分足跳幅が過去平均で17pipsもあります。もし発表を跨いでポジションを持つつもりなら、指標発表直前までこらえた方が良いでしょう。

  • 指標については次の通りです。
    今回の市場予想は少し高すぎると思います。前月結果よりも良いものの、市場予想を下回ると予想します。初期反応は陰線ですが、平均時給が市場予想以上ならば陽線に転じる可能性があります。6月利上げが絡むからです。
    論拠は、先行指標であるISM製造業/非製造業での雇用指数が前回結果より悪化しており、ADP雇用統計もほぼ平均的な雇用者数だったため、です。

  • シナリオは次の通りです。
    (1) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が85%となっています。
    (2) 直後1分足は、上記指標定性分析結論により、陰線と見込みます。但し、平均時給が市場予想以上の場合、陽線に転じる可能性があります。
    (3) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が89%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが48%です。初期反応が大きく戻りが少なかったときは、追撃ポジションを取りにくいと思います。追撃は短時間が良いという数字です。

T.調査・分析

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。

【1. 指標概要】

本指標発表で過去に最も反応したのはNFPですが、最近は平均時給への注目が高まっています。
平均時給への注目が高くなっているのは、以前にFRB幹部が注目していると発言したからです。現在、米国経済は緩やかな成長とインフレが持続しています。インフレが進むのに賃金が上昇しなければ、いずれ成長が腰折れしてしまいます。だから、平均賃金への関心が高まっているのです。

【2. 既出情報

以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの27回分のデータに基づいています。

(2-1. 過去情報)

下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
平均時給のグラフはまだ用意できないので、上図がNFP、下図が失業率です。

1704米国雇用指標210.png

1704米国雇用指標220.png

今回の市場予想は、平均時給が+0.3%(前回結果+0.2%)、NFP(非農業部門雇用者数)が19.0万人(前回結果9.8万人)、失業率が4.6%(前回結果4.5%)です。

4月ISM製造業景気指数の雇用指数は52.0(前回結果58.9)となっていました。
4月ISM非製造業景気指数の雇用指数は51.4で昨年8月来の低水準でした。
4月ADP雇用統計の結果は、市場予想17.5万人を上回る17.7万人でした。前月は25.5万人へと、26.3万人から下方修正されました。今回の内訳は、製造業や建設業を含む財生産部門の雇用が1.2万人、サービス業は16.5万人でした。

これらの結果から言えば、今回の市場予想は少し高すぎると思います。前月結果よりも良いものの、市場予想を下回ると予想します。初期反応は陰線ですが、平均時給が市場予想以上ならば陽線に転じる可能性があります。

(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。

1704米国雇用指標310.png

1704米国雇用指標320.png

1704米国雇用指標330.png

1704米国雇用指標340.png

【3. 定型分析】

(3-1. 反応性分析)

反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。

1704米国雇用指標410.png

直後11分足は、直後1分足との方向一致率が89%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが48%です。初期反応が大きく戻りが少なかったときは、追撃ポジションを取りにくいと思います。追撃は短時間が良いという数字です。

(3-2. 反応一致性分析)

反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。

1704米国雇用指標420.png

直前1分足は陰線率が85%となっています。

(3-3. 指標一致性分析)

指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。

1704米国雇用指標430.png

事後差異と直後11分足との方向一致率が74%となっています。

本指標での事後差異の計算は少し複雑です。
NFPと失業率との(2✕発表結果ー市場予想ー前回結果)です。そして、(NFPの事後差異+10✕失業率の事後差異)がプラス/マイナスなら直後11分足が陽線/陰線ということです。瞬間的には求められないので、失業率が市場予想と0.2ずれたらそちら優先、それ以外はNFPの市場予想と発表結果の大小でポジション取得方向を決めています。
本指標では、単純に(発表結果ー市場予想)を事後差異で求めると、70%以上の期待的中率が得られません。本指標は、前回結果も反応方向に関係しているようです。

【4. シナリオ作成】

以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。

1704米国雇用指標500.png

以上




2017年5月5日21:30発表

以下は2017年5月5日22:30頃に追記しています。
U. 結果・検証

別途、追記します。
【5. 発表結果】

(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1704米国雇用指標610.png

結果と反応が少し妙な動きだったように思います。USDJPYではなくEURUSD中心に発表後のEUR買が起きました。理由はわかりません。

(5-2. 取引結果)

取引結果は次の通りでした。

1704米国雇用指標620.png

【6. 分析検証】

(6-1. 分析検証)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
事前調査分析内容を、以下に検証します

  • 今回の市場予想は少し高すぎると思います。前月結果よりも良いものの、市場予想を下回ると予想します。初期反応は陰線ですが、平均時給が市場予想以上ならば陽線に転じる可能性があります。6月利上げが絡むからです。
    論拠は、先行指標であるISM製造業/非製造業での雇用指数が前回結果より悪化しており、ADP雇用統計もほぼ平均的な雇用者数だったため、です。

分析は外しました。
平均時給・NPF・失業率の全てが前回結果よりも改善しました。市場予想に対しては、NPFと失業率が改善しました。

(6-2. シナリオ検証)

事前準備していたシナリオは次の通りです。

  • (1) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が85%となっています。
    (2) 直後1分足は、上記指標定性分析結論により、陰線と見込みます。但し、平均時給が市場予想以上の場合、陽線に転じる可能性があります。
    (3) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が89%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが48%です。初期反応が大きく戻りが少なかったときは、追撃ポジションを取りにくいと思います。追撃は短時間が良いという数字です。

直後1分足が損切となったのは、分析を間違ったためです。
直後11分足は、陰線に反応が伸びると見込んでのことでしたが、外して傷口を広げました。
がしかし、ここまでの反応は少し理解に苦しむ内容です。シナリオ外取引ですが、思い直して買ポジションを取って再追撃し、これが幸いしました。

下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。表註記載の通り、シナリオ外取引は、下表集計に含めていません。

1704米国雇用指標630.png

以上


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ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

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