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2017年10月02日

15.「闇」

15.「闇」

「ナツキ。」

教室の中にいるナツキを呼ぶと、ナツキはビクリと肩を震わせた。

「−−−ナツ。」

「話があるんだけど。」

「・・・うん、私も。」


誰も通らないような廊下に移動する二人。

「あの時のこと、お前あいつに言ったの?」

「・・・・ごめん。」

「余計なこというなって・・・。」

「ごめん、でもっ!でも私ナツのことがわからないんだもん!
なんで曽根川先輩とは初めて会った振りしたの?」

「相手が過去の記憶なくしてんだからしょーがないでしょ。」

「じゃあなんでそこまでして会うの?」

「・・・・・・・・・尊敬してるって。」

「私だって最初はそう思ったよ。そう思って納得した。でも最近のナツって曽根川先輩
ばっかりで、、まさか仲良くなるなんて、、あんなことがあったのに。」

「やめろ。」

「私の不安が的中しそうで怖い・・・」

ナツキが俯く。そして、

「ナツって前から曽根川先輩のこと恋愛感情としてみてるんじゃないかって思ってる。」

はっきりと伝えた。

でもナツは表情を変えることはなかった。待ってましたと言わんばかりだ。

「ねえ、」

口元から笑みが零れる。ナツキは初めてナツに確信をついてしまったかのような気持ちになる。
確信というのだろうか、地雷というのだろうか。とにかく言ってはいけなかったセリフだというのをすぐに理解した。

でももう遅かった。傷つくのは誰かということに。

「お前が俺に執着してる理由って俺がお前を好きじゃないからだよね。お前は周りから羨ましがられ、
且つ自分が精神的に負担にならない相手を選んだだけだ。」

「ちがう・・・!」

「恋愛感情なんて、唯一なんの根拠もない感情の名前なんだよ。お前が理由なく俺を好きなわけあるはずないじゃないか。」

「どうしてそんなこと言うの・・・ひどい。」

「仮に俺と別れても、お前は何年後かには笑顔で暮らしてるはずだよ。」

「・・・・・・・・・・・・」

「人間ってそうゆうものだからさ。」

「・・・・・・・・・・・死ねばわかってもらえるの?死ねば永遠よね。」

「永遠、、、だけどそれは愚かだよ。」

「なぜ?」

「死ねば俺のトラウマとしてお前のこと忘れられないかもしれないけど、、、残念だけど俺はそうゆう人間じゃないよ。」

「私が死んでも何も残せないってゆうの?」

「何にも。」

「・・・・ひどい、、ナツは人間じゃないみたい。」

「俺は人間じゃないよ。今頃気づいたの?」

あ、ちなみに

「お前が生きても死んでもどっちでもいいんだけど、どうすんの?」

posted by れな。 at 23:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説

2017年09月29日

14.ありふれた日常に怒りと悲しみそして喜び、苦痛を伴うがその日見つけた景色の情景はいくつになってもそこに色褪せることもなく」

14.ありふれた日常に怒りと悲しみそして喜び、苦痛を伴うがその日見つけた景色の情景はいくつになってもそこに色褪せることもなく」


キュッキュッとバッシュを履いて制服姿のまま一人体育館でバスケの練習をしているナツがいる。
外はもう下校時間を過ぎており、人通りもまばら。
楽しそうに群れる女子の笑い声が渡り廊下を通過する。




ーーー俺はね、
将来たくさん働いて、死ぬまでに親に自分にかけてくれたお金、全額返せるようになりたいんだ。

え、理由?理由はたくさんあるけど、ねぇ・・・

例えば 親に投資だけさせて何も生活の為にならない子供なんて恥ずかしいし、
何か親が嫌なことしてきたとき、育ててくれたお金支払っとけば何時縁をきることになっても、
お互いある意味わだかまりないだろ。
ほら、「恩を仇で返す」とかゆーじゃんよく。
俺はそうゆう風に言われたくないの。少しでも。

もうこうゆう性格事態がかわいくないって感じでがっかりさせるだろうけどさ。


俺ね、常になんかあった時のためのこと考えてんの。
人生って何がおこるかわからないから。


家族?俺ね全然好きだよ。仲いいし。
うち離婚してっけどね。
離婚して新しい女作った父親も社会的に立派だからすぐ次の人見つかるの当然だし。
やっぱ身の回りの世話してくれる女って必要だし。
うちの母親普通に正社員で働いてるからふっつーに家買って生活してる。普通に独身を満喫してるって感じ。

父親も母親も俺のことが一番大事なんだって。どんなときも。
だから俺のために何でもかってくれるし、なんでも話をするよ。

でもそんな俺のこと大好きな親でも、急に親どうしは別々に暮らし始めるわけじゃん?

だから俺明日にでもほんと人のこといつ嫌いになる、なられるかわかんないって思うし。

俺だから人の言葉ってホントなに聞いても何もかんじなくなっちゃったし、その分自分もそのとき思った感情ぶつけても

次の日には忘れるようになったんだよね。

メンタル強い、弱いの話ではなくて。今しゃべってる言葉も、次には違う考えになってる可能性を秘めてるわけだから。

人の思考回路ってホント無限大。

でもたまに思うんだ。

もっと違う、人間臭い考えが少しでも俺にあったらって。
人を損得なしで思えたらって。
先輩に出会ってそう望むことが永遠にできると思ったのに。

たくさんの人たちが俺の邪魔をするよ。
それとも俺は何かを間違えた?

「先輩ーーー・・」

ダムダムとナツの手からはバスケットボールがはずれ、電池が切れたようにうずくまるナツだった。










posted by れな。 at 02:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説

2017年09月28日

13.ありふれた日常に怒りと悲しみそして喜び、苦痛を伴うがその日見つけた景色の情景はいくつになってもそこに色褪せる」

13.ありふれた日常に怒りと悲しみそして喜び、苦痛を伴うがその日見つけた景色の情景はいくつになってもそこに色褪せる」

私のことは忘れてほしい・・」

背中越しにそういわれてそのまま屋上から出ていく。

階段を降りようとすると、片瀬が居た。

「っ先輩!俺先輩に言うことがあるんです!」

聞いてたのかな。本当にもう今日は疲れた。。。

「先輩の彼女実は・・・!」

もういいってば。片瀬ーーーー。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


・・・病院?


あ、そっかあ俺階段から落ちて。。。

だせぇな、ほんと。


「先生っ曽根川君が目を覚ましました・・!」

携帯のようなもので電話してる看護婦さん。

俺には呼吸器のようなものがついていてとてもしゃべる気になれなかった。

バタバタと涙目の母親が近づいてくる。

「アキラっ!!よかった・・!」

「・・・・・・・・・・・」

かあさんごめんな、迷惑かけて。
言葉にならないけど心でそう思った。

「こんな時に、、って本当に思うけど、、あんたの彼女の塩川さんが事故で亡くなられて・・
あんたまでいなくなったらどうしようって・・」

「学校の友達も心配してたくさんお見舞い来てくれたわよ。」

「なんでこんなことに・・あなた本当にかわいそう。」

・・・・・・・・え。

先輩が・・・

先輩が・・・・・


死んだ?

森永製菓 おいしいコラーゲンドリンク







posted by れな。 at 01:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説

2017年09月27日

12.「ありふれた日常に怒りと悲しみそして喜び、苦痛を伴うがその日見つけた景色の情景はいくつになっても」

12.ありふれた日常に怒りと悲しみそして喜び、苦痛を伴うがその日見つけた景色の情景はいくつになっても」

キーンコーンカーンコーンー
お昼になり一斉にクラス中の扉が開く。

「ナツキ」

振り返るとにっこり笑う友達。

「おはよー」

「おはよ。」

「久しぶりじゃん優。」

「クラス違うしね。」

「でもナツと同じクラスだからうらやましいな・・」

「聞いたよー、片瀬と付き合い始めたんでしょ?良かったね、念願かなってさ!」

「あーうん、本当に今毎日が充実ってゆうか・・」

「本当によかったよ!」

笑顔の里中と水樹。
里中は心からよかったと思えていた。
水樹ナツキとは小学生から幼馴染であったからだ。
中学からは同じクラスになることはなかったが、
小学校時代は家も近く常に一緒に遊ぶような仲であった。

「私たちが付き合ってることナツから聞いたの?」

「いや、周りから。かなり噂になってたし、、一応隣の席なんだけどね。」

「嘘、隣なんだ・・!ナツったらなんにも言ってなかったから知らなかった。」

自分の存在を消される感覚がしてどことなくイラつく里中。でも顔には見せない。

「・・・そっかでもまあ話さないし、そもそも顔見知り程度だし。」

「まあそうだよね〜ナツとは全然中学の時同じクラスじゃなかったもんね。私ともだけどさ!」

「たしかに!」

あはは・・と笑いあう二人。

「あ、学食行くけど一緒行く?」

「うん、いいよ、あ、そういえばさー」

「ん?」

「曽根川先輩と片瀬ってさこないだ一緒に帰ってたんだけど、あの二人って仲いいの?」

「あ・・・うん、そうみたい。」

口ごもるナツキ。

「ん?どした?なんかあった?」

わざとらしく聞き返す里中。


「あー・・そのことなんだけど・・・なんかナツって、最近変なんだよね。」


ーーーーーーーーーーーーー

学食につき、うどんなどを注文したあと、席につくなりさっきの続きを話し始める二人。

「で、変って何が?」

「曾根川先輩なんだけど・・また初対面として仲良くし始めちゃってんの。
でさ、ナツと中学の時一緒に帰ってたじゃん?部活終わりに待ってたんだけど、あの日ナツ待ち合わせに来なくて・・」

「あの日って?」

「あの日だよ!あの日・・曽根川先輩が階段から落ちて記憶なくしちゃった日。」

「・・・え!」

まさか、信じられないというような顔の里中。

「・・・ちょっと待って、水樹があの日・・」

「・・・・・これ、ほんとに誰にも言わないで。」

念を押すナツキ。

「・・・わかった、絶対言わない。」

強いまなざしを向ける里中。

「だからナツの教室に向かおうとしたら、ナツの声が屋上の入り口の方から聞こえてきたから向かったらーー」

「・・・まさか、曽根川先輩が落ちるとこ、、見たの??」

「・・・・・うん。」

「・・・ちなみに上にいたのは・・・片瀬だけ?」

「・・・・・・・・・・・・うん。」

「でもあれはなんか変で。」

「なにが、なにが変だったの?」

「先輩自分から落ちていったような」

「・・・え、そんな、ことって・・」

「そのあと屋上から優の部活の先輩が出てきて・・あの亡くなった人あの、、。」

「・・・・・・・・・・・え。」

固まる優。

「え、塩川先輩がいたの・・?」

「私多分その先輩と曽根川先輩が何かあって、それで・・」

「ちがう!それは違うよ。塩川先輩は曽根川先輩を傷つけたりしないって!」

「・・・・・そうなのかな。」

「でもってゆうかなんでそこに片瀬がいるの?」

「それは、、まだ聞いてないけど。」

「先輩達は付き合ってて、仲のいいカップルだったんだよ?」

ふうーと一息置いて、里中が話始める。

「正直言うけど、あのころ、塩川先輩を片瀬は追いかけまわしてた。」

「・・・えっ、?嘘でしょ・・なんで」

驚きを隠せないナツキ。

とにかく、と続ける里中。

「完全に片瀬が怪しいから。」






posted by れな。 at 01:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説

2017年09月26日

11.ありふれた日常に怒りと悲しみそして喜び、苦痛を伴うがその日見つけた景色の情景は」

11.ありふれた日常に怒りと悲しみそして喜び、苦痛を伴うがその日見つけた景色の情景は」

ーーーーーー塩川事故前日の屋上。


「やっぱ俺とは今後付き合ってくの、しんどい?」

「え・・・」

「俺さ、塩川ってあまり笑わないじゃん?だから俺が笑顔にしてあげたいって、
そう思いながらなんか突っ走ってたってゆうか、」

「ごめんなさい・・気を使わせてしまってたんだ。」

「いや全然。でもさ、逆に俺が負担になっちゃってるのかもって最近気づいたんだよね。」

「そんなことないよ・・・」

「だからもう別れてもいいよ、強引に付き合ってもらってるだけだし。」

「・・・・・」

「友達に戻りましょう!・・ってことで」

じゃあ、、と言って屋上から去ろうとする彼をとっさに呼び止める。

「待って!」

足を止めて振り返るアキラ。

「わたしのことを、・・・忘れて、いい人見つけてね。」

振り向いたあきら君の笑顔はとてもきれいだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


3日前ーーー屋上


「なんでも器用な人ってさ、実は一番不幸なんだって。選択肢が増えて、普通の人の何倍も悩むらしいよ〜!」

器用な人は大変だよね、と隣の女が微笑む。

本当にうざったい。消えろ。
でも俺はそんなことは言わない。だって器用だから。

「それ、俺に言ってんの?」

「自意識過剰。」

「お前そろそろしつこいよ?」

性格歪んでブスになるぞ、と付け足すといよいよあっちも本気になったらしい。

「私勘違いしてたよ。」

「何が?」

「先輩の交通事故は本当に交通事故だった。」

「、、ハッ、だから前から言ってるだろ。用事それ?わざわざ屋上に呼び出しといて。」

「で、もう一つ。」

「、、なんだよ。」

本当に面倒くさいやつ。

「アキラ先輩が屋上の階段から落ちたのが、アンタが原因だったんだね。それを元に先輩を追い詰めて」

「、、、、何言ってんの。」

「誤解は溶けたよありがとう。見た人がいたんだよ。」

「、、、、」

「誰か見当はついてるだろうけど。」

「、、、」

「私はね、今回の件であんたがどんなクズな人間か分かったよ。先輩の件も事故だし、アキラ先輩も生きてるし、そもそもアキラ先輩は記憶喪失。罪にもならないか、、
アンタはきっと認めないだろうし、当時中学生の話だし。証拠品もない。だからきっとこのままアンタを誰も裁けない。でもあんたは自己中で最低の人間だよ!」

じゃあね、と色のない目をして去っていく奴をぼーっと眺めていた。

真実?何が。お前なんかにわかるわけない。俺がどうゆう気持ちでアキラ先輩を守ろうとしてたか。

「アキラ先輩、、」

頭が痛い。頭に血が昇ってどうにかして欲しい。思わずその場にしゃがみこんだ。

どうしようもなかった。





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posted by れな。 at 02:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説

2017年09月24日

10.ありふれた日常に怒りと悲しみそして喜び、苦痛を伴うがその日見つけた」

10.ありふれた日常に怒りと悲しみそして喜び、苦痛を伴うがその日見つけた」

先生と付き合ってた。


もとから先生はうちのお父さんの教え子で私が小さいころ彼は大学生で、私の家庭教師をしてくれていて。
気づいたらそうゆう関係になっていた。

私の学校に新任教師としてくるなんて偶然、あるんだって思った。

誰にも言えなかった、もちろん親にも。友達にも。

どうしたらいいかわからない、そんなときにアキラ君から告白された。

「お試しでいいから付き合って。」

そういわれて断ることができなかった。
自分は誰かに縋りつきたい気持ちでいっぱいだったから、
「お試し」という言葉に揺れたのは事実。

「俺バスケ部辞めて、軽音部に入るから。」

付き合い始めて一か月ぐらいたって、
部活が終わって、放課後体育館の中で話してる時に突然言われた。


「・・・どうして突然、バスケ好きなんじゃないの?」

私は驚きを隠せなかった、だって軽音部の顧問は先生だからーー。

「だってよく軽音部覗いてるから・・・そうゆうのかっこいいとか思ってんのかなって。」

「あ・・・うん、そうなんだ・・ちょっとだけ憧れてて。」

「そうゆうの、なんでも言ってよ。」

また嘘で塗り固めてしまった言動。
先生のとのこと言わなきゃと思うけど、言えなかった。また胸が苦しくなった。
アキラ君と付き合うちょっと前から先生とは距離を置かれていた。
理由は先生から言われた「今は着任したばかりで大事な時期だから。」と。

先生の気持ちがもう私に向いていないこともうすうす感じてはいた。
リスクを背負ってまで付き合っていくという選択肢がないんだろう。

私への恋愛感情はリスクに負けてしまう程度だったのだ。

そう思うと、先生はただ大学生時代に年下の女の子と付き合ってたというだけなんだろう。
私じゃなきゃだめということはなかったのだろうか?

だけど先生が違う赴任先であったならば私との関係は問題なく続いていただろうと思う。
そう考えるとこの偶然に起こってしまった状況が、感情のレベルをはっきりさせてくれたということなのだろうか?

そして、私自身もはっきりしたことがある。
わたしはきっと愛されたい人なんだということ。相手次第な人なんだということ。
アキラくんに与えられた言葉で私はアキラ君と付き合うことを決めた。

「俺、塩川のこと支えたいんだ。」

この言葉に私は救われた。

posted by れな。 at 03:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説

10.ありふれた日常に怒りと悲しみそして喜び、苦痛を伴うがその日見つけた」

10.ありふれた日常に怒りと悲しみそして喜び、苦痛を伴うがその日見つけた」

先生と付き合ってた。


もとから先生はうちのお父さんの教え子で私が小さいころ彼は大学生で、私の家庭教師をしてくれていて。
気づいたらそうゆう関係になっていた。

私の学校に新任教師としてくるなんて偶然、あるんだって思った。

誰にも言えなかった、もちろん親にも。友達にも。

どうしたらいいかわからない、そんなときにアキラ君から告白された。

「お試しでいいから付き合って。」

そういわれて断ることができなかった。
自分は誰かに縋りつきたい気持ちでいっぱいだったから、
「お試し」という言葉に揺れたのは事実。

「俺バスケ部辞めて、軽音部に入るから。」

付き合い始めて一か月ぐらいたって、
部活が終わって、放課後体育館の中で話してる時に突然言われた。


「・・・どうして突然、バスケ好きなんじゃないの?」

私は驚きを隠せなかった、だって軽音部の顧問は先生だからーー。

「だってよく軽音部覗いてるから・・・そうゆうのかっこいいとか思ってんのかなって。」

「あ・・・うん、そうなんだ・・ちょっとだけ憧れてて。」

「そうゆうの、なんでも言ってよ。」

また嘘で塗り固めてしまった言動。
先生のとのこと言わなきゃと思うけど、言えなかった。また胸が苦しくなった。
アキラ君と付き合うちょっと前から先生とは距離を置かれていた。
理由は先生から言われた「今は着任したばかりで大事な時期だから。」と。

先生の気持ちがもう私に向いていないこともうすうす感じてはいた。
リスクを背負ってまで付き合っていくという選択肢がないんだろう。

私への恋愛感情はリスクに負けてしまう程度だったのだ。

そう思うと、先生はただ大学生時代に年下の女の子と付き合ってたというだけなんだろう。
私じゃなきゃだめということはなかったのだろうか?

だけど先生が違う赴任先であったならば私との関係は問題なく続いていただろうと思う。
そう考えるとこの偶然に起こってしまった状況が、感情のレベルをはっきりさせてくれたということなのだろうか?

そして、私自身もはっきりしたことがある。
わたしはきっと愛されたい人なんだということ。相手次第な人なんだということ。
アキラくんに与えられた言葉で私はアキラ君と付き合うことを決めた。

「俺、塩川のこと支えたいんだ。」

この言葉に私は救われた。

posted by れな。 at 03:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説

2017年09月20日

「9.ありふれた日常に怒りと悲しみそして喜び、苦痛を伴うがその日」

9.ありふれた日常に怒りと悲しみそして喜び、苦痛を伴うがその日」

「・・・何か用ですか?」

空いた窓から風が入ってくる、赤茶色のカーテンは綺麗になびいていた。
彼女の長い髪も同じように風に煽られる、絵は綺麗だとは思ったが、もう醜い人間にしか見れなかった。
大会後の放課後の音楽室なんて部活動がない日は誰も来ない。

「こないだ、昨日アキラ先輩が二階の教室から遊びで飛び降りたのって、、あんたのせい?」

「付き合ってすぐバスケ部辞めて軽音部入れさせたのも?」


「・・・・」


「・・・・アキラ先輩が死んだらどうするつもりだったんですか?」

「・・・私を責めてるの?」

真顔の女にとうとうキレそうになった。

「ええ、責めてます。そもそも、先輩ほかに男いますよね。」

塩川の顔色がみるみるうちに青ざめていく。

「なんで・・・・それ・・・。」

「軽音部の顧問やってる先生だから?アキラ先輩軽音部に入れたの?」


「・・・・・・・・・・・・・」

「曽根川先輩はカモフラージュですか?ちょうどいいのがいたってか?
あ、そっか気軽に出入りできるようになって先生と会える回数も増えるよね。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「俺この話バラしちゃおうかな〜、もう先生も学校にいらんないね。」

「・・・・・・気持ち悪い、あなたって。」

「・・これでも俺モテるんで。俺から見たらあんたも気持ち悪いけどね。」


青ざめている先輩はもう正気を失ってるようだからかわりに話してあげる。

「半分死んでもいいと思ったんでしょ。カモフラージュもめんどうになってきたし、先輩の好きは重いし、
いい子ちゃんは疲れるよね。」

「これってさぁ、殺人未遂なんじゃないの?」

「ち、違う!本当に、、、殺そうとなんてするわけない!」

「・・・先輩入院させといて次の日普通に先生と笑いあってるアンタ見てまじぞっとした。学校にいるときだけ落ち込んでる振りしてさぁ〜」

「・・・・あんた、なに?なんなわけ?」

「俺ね、ずるいやつは徹底的に追い詰めるんで。もう先輩終わりっすよ。おれが消してあげる。」

「・・・・・」

「俺はね、最低な人間には最低な扱いしかしない。同じ扱いしか。」

今泣き喚いたって、どんなことしたって遅いんだよ。

そのまま音楽室から出ると、女が入りたそうにドアの前にいた。
今思えばきっとそれが里中だった。


きっと俺はいつか誰かに追いつめられるんだろう。
人を傷つければ、きっと自分もきずつけられるから。
俺はその覚悟をしなきゃならない。

おれはもう戻らないし、戻れない。
posted by れな。 at 00:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説

2017年09月17日

8「ありふれた日常に怒りと悲しみそして喜び、苦痛を伴うが」

8「ありふれた日常に怒りと悲しみそして喜び、苦痛を伴うが」

あの女が死んでも、俺はあの女を許さない。
先輩の人生が変わって、俺の人生も変わった。

部活をどれにしようか迷ってた俺は、バスケ部の見学にいって、
誘われるままに練習試合を見た。

その時に一番輝いて見えたのがあの人だ。
誰からも信頼され、黒い部分が一つもない真っ白な人―ーーー。

バスケ部に迷わず入部すると、その人柄にどんどん惹かれていった。
あんな人になりたい。心がきれいな人を守りたい。

身近できれいな先輩に触れているとこっちの心まできれいになるような気がした。

先輩と出会うまでの俺はイライラしていた。
弱者と強者。子供の世界でもそれは変わらない。
子供だからあっという間にできる格差。
だからそれを利用したりした。
でも黒い自分が嫌だ。
人を利用できるかできないかで判断する自分が憎い。
常に勝者でいたい俺が怖い。
常に頭をこうやったら喜ぶ、こうやったら傷つくって。
考えながら生きてしまう、うまく生きなきゃって。
すごく疲れる。
同級生の心を操るのは簡単だった。
それはおもしろいほどだ。
でもこんなことを考えてしまう自分が嫌いだった。
もう訳が分からない感情。

みんなどんなことを考えて生きているのか?
何のために生きているのか?

小さいころからずっと生きることが無駄に見えてしょうがなかった。


人は生きていくにつれいつか真っ白な心に少しずつ色を足していくんだと思う。
それはイエローだったり、ピンクだったり、いろんな色が混ざって自分色になるんだろう。
そして個性が作り上げられていくっていえば例えはわかりやすいだろう。

一度黒色が混ざってしまうともう白には戻れない、近づけない。

俺は生まれながらに黒を足してしまった人間のようだけど、
先輩は真っ白なキャンパスに綺麗な色しか入ってない人みたいだった。

先輩がいるなら、俺は悪い奴にならないから。
俺にはこの人が必要。すぐそう思った。

里中は俺がなにかしたんだと疑っているんだろう。









posted by れな。 at 22:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説

2017年09月16日

7「ありふれた日常に怒りと悲しみそして喜び、苦痛」

7「ありふれた日常に怒りと悲しみそして喜び、苦痛」

俺は欠陥した人間だ。
アキラは鏡を見つめながら、そんなことを思う。

いや、結論から言うと、「らしい。」だ。


親が言うには、突然倒れて中三の夏休みから冬になるまでずーっと入院していたと。
目を覚ました時、俺は病院のベットの上だった。
そして中学校にいた時の記憶がところどころ曖昧だった。
人間関係の内容が頭からすっぽり抜けていたのだ。

自分が誰と親しかったのか全く記憶になかった。

それがわかってからはその中学校にはいける許可がなぜか親から降りなかった。
幸い勉強などは覚えていたし、推薦ももらっていたということで
高校には問題なく受験できて今に至るわけだが、
倒れた理由は教えてもらえなかった。
怖くて吐き気を催した時期もあったけど、覚えていないものはどうしようもない。
あきらめる、という選択肢を覚えてからはずいぶんと気が楽になった。
それで特に問題なく過ごしてきて、今に至る。

「う〜んどうしよう、、、ナツのこと。」

最近の悩み。。というか急に男にキスされるって。

「いや、てか。・・なんの罰ゲームだよ。」

ファーストキスが男って、、、おいおい。

「はぁ〜もーやめやめ、寝よ。」

あきらめることでストレスは簡単に回避できる。
何かに固執するから人は気が狂いそうになるんだ。

普通に生きていれば困ったことなんてないと思う。

悪い人間なんて簡単には見つからないから安心していい。
今日もいい天気だ。











posted by れな。 at 23:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説
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