keiさんシリーズ第8弾です。このシリーズも残すところあと一つと
なりました。本日は「完璧を求め過ぎる」という事について。
このテーマも往々にして、初心者の方が一度は陥る株式投資の定番メ
ニューです。と言いますのも、だれしも株式投資は儲けようとしてや
っているのでありますから、取引はできれば全勝したいと思っている
わけです。そうでなくても、勝率は高いほうが有利だと考えやすいも
ので、勝率さえ高ければトータルの取引で必ず利益を出せると思うの
が、一般投資家と言えるでしょう。
そして株式投資に関する、いろいろな勉強に突入していく訳です。フ
ァンダメンタル投資でも、決算データに関するいろいろな数字を、又
テクニカル投資にしても、トレンド系、オシレーター系といろいろな
指標を研究しまくります。
そしてより勝率の高い、完璧に近い手法を得ようとやっきになります。
一時は満足のいく勝率の手法ができたように感じますが、しばらくトレ
ードしていきますと、勝率が下がってきます。そこでその手法を修正し
たり、更に精度の高い手法があるはずと聖杯捜しのドツボに嵌っていく
訳です。この辺りで完璧を求め過ぎる事の弊害に気づかない投資家は、
そう遠くない時期に、市場から退場という事になると思います。
相場には完璧は存在しません。又、求めるものでもありません。相場に
於いては1勝100敗であろうと、最後に利益になれば良いだけの話です。
100勝1敗であろうと、最後に損失になってしまっては何の意味もありま
せん。こう考えてくると、勝率に拘る事にそれほど重要な意味はありま
せん。
それよりも何勝何敗であろうとも、利益を確保でき易い優位性のあるル
ールを自分なりに作る事。そしてそのルールをどんな状況でも守り切る
為のメンタルの強化と、不利な状況下でのヘッジを含めた幅広い対応力
を身に着ける事。けっこう難しいスキルですが、言ってしまえばこれが
プロの相場師の要諦という事でしょうか。ですから株式投資の世界で利
益を出している人は、全体の5%程度と言われる所以です。
それと同じくらい重要な事は、ポジポジ病のように頻繁に取引をするので
はなく、自分の勝ちバターンに来た時のみトレードをする忍耐と、一連の
取引の後は勝っても負けても「休み」を入れて頭を冷やすという事です。
これは自戒を含めてのコメントですが、実際には何十年とやっていても、
いろいろなポカをやってしまいます。それは人間である以上防ぎようがあ
りません。そのポカが致命傷にならないよう祈るばかりです。
それでは又。
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