2017年03月27日
小池百合子東京都知事の「豊洲移転の先送り」限界?
小池百合子東京都知事の「豊洲移転の先送り」限界か
世論調査「豊洲移転」支持増える
https://news.nifty.com/article/domestic/society/12180-504773/ニフティニュース経由
2017年03月25日 11時35分 NEWSポストセブン
小池百合子氏の支持を広げた「豊洲劇場」だが、「食の安全・安心」押し出しが裏目に
築地市場関係者は、石原慎太郎氏、浜渦武生氏への証人喚問より世論調査に注目
環境基準100倍のベンゼン検出も、世論調査は「豊洲移転」が「築地建て直し」を上回る
小池劇場 「豊洲市場移転の先送り」はそろそろ限界だ
2017年03月25日 07時00分 NEWSポストセブン
小池劇場 「豊洲市場移転の先送り」はそろそろ限界だ
小池知事は7月の都議選を見据える
都民は徒にリスクばかりが喧伝される事態を望んでいるわけではないはずだ。豊洲市場移転問題について、都政に詳しいジャーナリスト・広野真嗣氏がレポートする。
* * *
小池百合子・都知事の人気を盤石なものに押し上げてきた「豊洲劇場」が山場を迎えている。「移転延期」の判断以降、地下空洞問題などを浮き彫りにして支持を広げてきたが、「食の安全・安心」を前面に押し出す手法がここにきて裏目に出はじめた。一体何が起きているのか──。
石原慎太郎・元知事、浜渦武生・元副知事への証人喚問にワイドショーの関心が集まる中、築地市場関係者の間で注目されたのは日本テレビが3月17日〜19日に全国の有権者を対象に行った世論調査だった。
「早く豊洲に移転すべき」が31%と、
「移転を断念し築地を建て直すべき」の25%を
はっきりと上回っていた。
昨年11月に現職幹部やOBの処分で終わった地下空間問題に加え、今年1月には豊洲の地下水モニタリング調査で環境基準の79倍のベンゼンなどが検出された。さらに世論調査の最終日の3月19日には環境基準の最大100倍のベンゼンなどが検出されたが、それでも「移転すべき」が凌駕していることは意外に受け止められた。
というのも1か月前、媒体こそ異なるが朝日新聞が行った世論調査(2月18〜19日)では「移転をやめるべき」が43%で「移転を目指すべき」の29%と反対の結果だったからだ。
有権者の反応は偶然ではない。この間に“逆転現象”を促すファクトが立て続けに明らかになった。
◆小池知事も認めた「法的に安全」
最大のポイントは、小池知事自身が14日、一問一答方式の都議会の予算特別委員会で、「(豊洲新市場は)法的に求められている点はカバーしている」と認めたことだ。土壌汚染対策法が求める対策を施して完成させた施設である以上当たり前だが、この点について小池氏が認めたのは就任以来、初めてのことだ(答弁を変遷させながら最終的に小池氏が容認するに至る当日の“ドラマ”については3月25日発売の月刊誌『WiLL5月号』で詳報した)。
小池氏は「法令を上回る措置を講じることが東京都の意思だ」と、法令では求めていない地下水の環境基準がまだ達成されていないことを強調したが、その言葉を繰り返すほど、皮肉にも、開場に向けた法的な条件は揃っていることが明確になるのだ。
ここで気になるのは、法律では求めていない「地下水の環境基準」とは何かという点だろう。
やや立ち入った話になるが、石原都政下で策定されたプロジェクトの青写真である「豊洲新市場整備方針」(2009年2月)の中で“達成すべき目標”として掲げられたのが、地下水の「環境基準」だった。飲み水として求められる指標で、「人間が70年間、毎日2リットル飲み続けても健康に影響がない濃度」である。
豊洲の地下水は飲むどころか触れることすらないため、今から振り返れば過剰に安全を追い求めてきた面は否めない。3月20日の百条委員会で石原氏は「ハードルが高すぎたかもしれない」と省みた。市場開設を認可する農林水産省は先月16日の国会答弁で、「(方違反がなければ)認可の障害になるとは考えていない」と明言している。霞が関からみても、開場の法的条件とは無関係なのだ。
こうした行き過ぎが生じたのは、政治情勢と無関係ではない。整備方針が策定された時期は、「強引な移転に反対」と主張していた鳩山由紀夫代表が率いる民主党が都議選で第1党に躍り出る前夜。つまり、政争の“とばっちり”を受けた構図とみればよい。
◆「安心」が得られた先に持ち出す「次のリスク」
前述のように3月19日に明らかになった地下水の再調査では、環境基準超えの有害物質は検出されたが、都の専門家会議(座長=平田健正・放送大学和歌山学習センター所長)は「地上は安全」と結論づけている。
法的にも安全。科学的にも安全。過去の「闇」を狙った百条委員会も石原元知事への喚問は全くの不発に終わった──。
にもかかわらず小池氏が移転判断を「まだ早い」というは、豊洲問題を都議選の争点として引き伸ばしたい都合があるからだ。だが繰り返すが、いくら小池氏が「都民の安心が得られていない」と牽制しても、冒頭で紹介した世論調査を見ればむしろ「安全」への理解は確実に広がっている(それこそ安心ではないか)。
先送りの方便としてあげつらってきた「豊洲のリスク」も“弾切れ”に近づきつつある。
そのせいか、小池氏は24日の定例会見で、都庁内に副知事をトップに「市場のあり方戦略本部」を設置することを明らかにした。豊洲・築地を「食の安全」とは別の「経済性、物流の観点からも検討する」と述べ、「そちらが本筋」などと“ゴールポスト”をずらす戦法に出たのだ。
もちろん、豊洲市場を「経営体」と見れば、ツッコミどころは少なくない。高機能の低温管理施設や空調設備を盛り込みすぎたために整備費は約6000億円上っており、開場後の減価償却費が収支を圧迫する。築地市場の売却益で補うとしても、減価償却を除いてすら赤字が見込まれる収支計画では、将来都民にツケが回る可能性は確かにある。
しかも水産物取扱量は15年前と比べ3割も減っている実態は深刻だ。高齢化して担い手もいない零細の仲卸業者に廃業が進めば、施設利用料を原資とした市場の収支はさらに悪化するだろう。小池知事の言い振りは一見、もっともらしく見える。
だが、ちょっと待ってほしい。これと移転判断の先送りは全くの別の問題ではないか。高コストが問題ならば移転を進めながら「コスト削減計画」や「物流戦略プラン」づくりに着手すればよい。築地にいて卸売市場の右肩下がりをストップさせることは不可能だからだ。
小池知事は「豊洲リスク」ばかりを強調するが、そもそも移転が必要なのは「築地のリスク」が窮まっているからだ。築地の建物は耐震性を満たしておらず、大量のネズミが生息し、温度管理もできない。つまり、生鮮食品を扱う市場としてもはや適さないことは誰の目にも明らかなのだ。
「現在営業しているから築地は安全」などとはぐらかして、ご都合主義で情報発信を歪める小池知事の姿勢は、「フェイクニュース」そのものである。以上。
拝啓 小池百合子東京都知事殿
豊洲移転問題を、ご自分の勢力拡大に、都合のいいようにお
使いになるよりも、効率の良い都政の運営をしなければ、やは
り都民は下心を見抜きます。くれぐれもご用心なさいませ。
早々。長野県 生意気。
世論調査「豊洲移転」支持増える
https://news.nifty.com/article/domestic/society/12180-504773/ニフティニュース経由
2017年03月25日 11時35分 NEWSポストセブン
小池百合子氏の支持を広げた「豊洲劇場」だが、「食の安全・安心」押し出しが裏目に
築地市場関係者は、石原慎太郎氏、浜渦武生氏への証人喚問より世論調査に注目
環境基準100倍のベンゼン検出も、世論調査は「豊洲移転」が「築地建て直し」を上回る
小池劇場 「豊洲市場移転の先送り」はそろそろ限界だ
2017年03月25日 07時00分 NEWSポストセブン
小池劇場 「豊洲市場移転の先送り」はそろそろ限界だ
小池知事は7月の都議選を見据える
都民は徒にリスクばかりが喧伝される事態を望んでいるわけではないはずだ。豊洲市場移転問題について、都政に詳しいジャーナリスト・広野真嗣氏がレポートする。
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小池百合子・都知事の人気を盤石なものに押し上げてきた「豊洲劇場」が山場を迎えている。「移転延期」の判断以降、地下空洞問題などを浮き彫りにして支持を広げてきたが、「食の安全・安心」を前面に押し出す手法がここにきて裏目に出はじめた。一体何が起きているのか──。
石原慎太郎・元知事、浜渦武生・元副知事への証人喚問にワイドショーの関心が集まる中、築地市場関係者の間で注目されたのは日本テレビが3月17日〜19日に全国の有権者を対象に行った世論調査だった。
「早く豊洲に移転すべき」が31%と、
「移転を断念し築地を建て直すべき」の25%を
はっきりと上回っていた。
昨年11月に現職幹部やOBの処分で終わった地下空間問題に加え、今年1月には豊洲の地下水モニタリング調査で環境基準の79倍のベンゼンなどが検出された。さらに世論調査の最終日の3月19日には環境基準の最大100倍のベンゼンなどが検出されたが、それでも「移転すべき」が凌駕していることは意外に受け止められた。
というのも1か月前、媒体こそ異なるが朝日新聞が行った世論調査(2月18〜19日)では「移転をやめるべき」が43%で「移転を目指すべき」の29%と反対の結果だったからだ。
有権者の反応は偶然ではない。この間に“逆転現象”を促すファクトが立て続けに明らかになった。
◆小池知事も認めた「法的に安全」
最大のポイントは、小池知事自身が14日、一問一答方式の都議会の予算特別委員会で、「(豊洲新市場は)法的に求められている点はカバーしている」と認めたことだ。土壌汚染対策法が求める対策を施して完成させた施設である以上当たり前だが、この点について小池氏が認めたのは就任以来、初めてのことだ(答弁を変遷させながら最終的に小池氏が容認するに至る当日の“ドラマ”については3月25日発売の月刊誌『WiLL5月号』で詳報した)。
小池氏は「法令を上回る措置を講じることが東京都の意思だ」と、法令では求めていない地下水の環境基準がまだ達成されていないことを強調したが、その言葉を繰り返すほど、皮肉にも、開場に向けた法的な条件は揃っていることが明確になるのだ。
ここで気になるのは、法律では求めていない「地下水の環境基準」とは何かという点だろう。
やや立ち入った話になるが、石原都政下で策定されたプロジェクトの青写真である「豊洲新市場整備方針」(2009年2月)の中で“達成すべき目標”として掲げられたのが、地下水の「環境基準」だった。飲み水として求められる指標で、「人間が70年間、毎日2リットル飲み続けても健康に影響がない濃度」である。
豊洲の地下水は飲むどころか触れることすらないため、今から振り返れば過剰に安全を追い求めてきた面は否めない。3月20日の百条委員会で石原氏は「ハードルが高すぎたかもしれない」と省みた。市場開設を認可する農林水産省は先月16日の国会答弁で、「(方違反がなければ)認可の障害になるとは考えていない」と明言している。霞が関からみても、開場の法的条件とは無関係なのだ。
こうした行き過ぎが生じたのは、政治情勢と無関係ではない。整備方針が策定された時期は、「強引な移転に反対」と主張していた鳩山由紀夫代表が率いる民主党が都議選で第1党に躍り出る前夜。つまり、政争の“とばっちり”を受けた構図とみればよい。
◆「安心」が得られた先に持ち出す「次のリスク」
前述のように3月19日に明らかになった地下水の再調査では、環境基準超えの有害物質は検出されたが、都の専門家会議(座長=平田健正・放送大学和歌山学習センター所長)は「地上は安全」と結論づけている。
法的にも安全。科学的にも安全。過去の「闇」を狙った百条委員会も石原元知事への喚問は全くの不発に終わった──。
にもかかわらず小池氏が移転判断を「まだ早い」というは、豊洲問題を都議選の争点として引き伸ばしたい都合があるからだ。だが繰り返すが、いくら小池氏が「都民の安心が得られていない」と牽制しても、冒頭で紹介した世論調査を見ればむしろ「安全」への理解は確実に広がっている(それこそ安心ではないか)。
先送りの方便としてあげつらってきた「豊洲のリスク」も“弾切れ”に近づきつつある。
そのせいか、小池氏は24日の定例会見で、都庁内に副知事をトップに「市場のあり方戦略本部」を設置することを明らかにした。豊洲・築地を「食の安全」とは別の「経済性、物流の観点からも検討する」と述べ、「そちらが本筋」などと“ゴールポスト”をずらす戦法に出たのだ。
もちろん、豊洲市場を「経営体」と見れば、ツッコミどころは少なくない。高機能の低温管理施設や空調設備を盛り込みすぎたために整備費は約6000億円上っており、開場後の減価償却費が収支を圧迫する。築地市場の売却益で補うとしても、減価償却を除いてすら赤字が見込まれる収支計画では、将来都民にツケが回る可能性は確かにある。
しかも水産物取扱量は15年前と比べ3割も減っている実態は深刻だ。高齢化して担い手もいない零細の仲卸業者に廃業が進めば、施設利用料を原資とした市場の収支はさらに悪化するだろう。小池知事の言い振りは一見、もっともらしく見える。
だが、ちょっと待ってほしい。これと移転判断の先送りは全くの別の問題ではないか。高コストが問題ならば移転を進めながら「コスト削減計画」や「物流戦略プラン」づくりに着手すればよい。築地にいて卸売市場の右肩下がりをストップさせることは不可能だからだ。
小池知事は「豊洲リスク」ばかりを強調するが、そもそも移転が必要なのは「築地のリスク」が窮まっているからだ。築地の建物は耐震性を満たしておらず、大量のネズミが生息し、温度管理もできない。つまり、生鮮食品を扱う市場としてもはや適さないことは誰の目にも明らかなのだ。
「現在営業しているから築地は安全」などとはぐらかして、ご都合主義で情報発信を歪める小池知事の姿勢は、「フェイクニュース」そのものである。以上。
拝啓 小池百合子東京都知事殿
豊洲移転問題を、ご自分の勢力拡大に、都合のいいようにお
使いになるよりも、効率の良い都政の運営をしなければ、やは
り都民は下心を見抜きます。くれぐれもご用心なさいませ。
早々。長野県 生意気。
タグ:豊洲 小池劇場
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