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よしカウンセラー
「よしカウンセリングルーム」へようこそ よしカウンセリングルームでは、心理学・哲学・禅の思想に基づき「生きづらさの解消」を目的とした情報をカウンセラーの視点から解説し発信しています。 仕事人間として生きてきてストレスから大病を患った経験があり、もう完治はありません。 そのようなストレスの多くは実は自分自身が作り出しているもの・・・ 「私のような経験をしてほしくない」 「人生に生きづらさを抱えている」 「ストレスを軽減したい」 このような悩みをもつあなたへ私の発信が少しでもお役に立てれば幸いです。 資格  JADP認定 心理カウンセラー / 上級心理カウンセラー
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2024年12月07日

【対人関係の改善】アドラー心理学に学ぶ5つの理論と課題の分離とは?

アドラーは、オーストリアの精神科医であったアルフレッド・アドラー(1870〜1937)が提唱した心理学。アドラーはフロイトやユングと共に活躍した心理学における三大巨頭の一人。
アドラーは、現代の自己啓発に多大な影響を与えたため「自己啓発の父」とも呼ばれます。

アドラー心理学では「誰もが幸福感を得られる人生を」という前提のもと、幸せな人生になるために大切な5つの理論を提唱。それは目的論・全体論・認知論・対人関係論・自己決定性としています。その理論に対し具体的な技法も論じているため、アドラー心理学は非常に実用的な心理学と言えます。
アドラー心理学を学ぶことによって、より協力的なコミュニケーションをいかにして実践していくかの方法が分かります。職場での上司、部下とのストレスや家庭や友人に起因する人間関係に悩む人にとって、アドラー心理学を学ぶことで、考え方にポジティブな効果を得られることでしょう。




勇気づけ

アドラーが提唱した心理学とは勇気の心理学、「人は目的のために生きている、人生の課題を乗り越えて幸せになるには勇気を持つこと」という概念から成り立ちます。
その活力を「勇気づけ」と言います。

アドラー心理学が伝えたかった勇気とは、人の心の中にある「一歩前に踏み出そうとする気持ち」つまり行動すること。行動しなければなんも変わりません。例えば、「パソコンを始めてみよう」だったり、「何かの資格にチャレンジしよう」と思ったときに、実際の行動に移す後押ししてくれる力を「勇気づけ」と呼びました。

アドラー心理学の基本は5つの基礎理論の組み合わせによって答えが導き出せるという考え。

5つの基礎理論
 
・目的論 人の行動には目的がある
・全体論 心と体が一体になった状態
・認知論 誰もが主観的に物事を観ている
・対人関係論 すべての行動には相手がある
・自己決定性 人生の主役は自分


アドラーは、フロイトやユングの提唱したクライエントが過去の辛い経験によって「トラウマ」が形成され、そのトラウマが原因となり、今の「生きづらさを生んでいる」といった原因論を否定しました。
例えば
いじめが原因⇒不登校になった
アドラーは、この「トラウマ」の存在を完全に否定し、「自分の心は自分だけのもので、過去に縛られたり、誰かに侵されたりすることはない」と考えました。
アドラーは、個人心理学を提唱し、個人の主体性や目的意識を重視した「勇気づけ」心理学。

目的論

アドラーが提唱した「目的論」とは「人の行動には、すべて目的がある」という理論。これはつまり「人間は自ら定めた目的に向かって生きていく」という前提があります。
先ほどの不登校を例にしてみますと

学校に行きたくない目的⇒いじめを理由にした
という構図になります。
目的論 学校に行きたくない 過去のいじめを理由にした
原因論 学校でいじめにあった 不登校になった

アドラーに言わせれば、学校に行きたくない目的を達成するために、過去にあったいじめを理由にして、不登校を達成した。

このことから、「自分の目的を達成するために自らが選択した結果、自分が現在置かれている状況が今ここにある」ということになります。
IMG_4527.jpg


そんなこと言ってもいじめにあったのは事実で、そのようなことを言われては元も子もない・・・
と、言われてしまいそうですが、アドラーはそのような方を見捨てるつもりは全くありません。

目的論 学校に行きたくない ⇒ 学校に行きたい

目的の部分を書き換え

学校に行きたい⇒カウンセリングを受けたとなります。

学校に行きたいという目的を持たせることによって、カウンセリングを受けるという行動を促し、不登校を克服し「生きやすさ」を手に入れようとする手法。
これがアドラーの伝えたかった本質であり、そのための「勇気づけ」で、起きてしまった変えられない過去ではなく、これから作る未来に目を向けた考えとなります。
【日本統合医学協会】アドラー心理学検定1級講座


全体論

アドラーが提唱した「全体論」とは、人間の心と体を分けて考えるのは不可能であり、全体の立場から捉えるべきだとしています。
例えばメジャーリーグで相手が誰でも堂々と最高のパフォーマンスするためにメンタル、つまり「心」だけでなく、ピッチングのスキル「技」や肉体改造によって「体」を改善する対策を実践すること。
これは、自分が他の要素が相互作用し合う「統一体」として捉えるもので、つまりこれが「全体論」です。これを、自分の中の自分と戦うといった表現をする人がいますが、アドラーの全体論では、この考え方を否定しています。
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つまり、人の心や意識に矛盾はなく、すべて自分自身であるという考え方が全体論です。
意識することはもちろん無意識も含めて自分自身であり、両者を分ける必要はなく、そもそも分けることなどできないと説いています。
自分の中の一部の自分に嫌悪感を抱くと、自分自身をなかなか受け入れられません。
それでは、不幸をもたらします。
全体論では、理性と感情、心と身体はすべてつながったひとつのものと捉えます「人は、心の中が矛盾対立する生き物ではなく、1人ひとりかけがえのない、分割不能な存在である」という捉え方。
人間は精神、意識・無意識、肉体といったすべての要素において分割できない存在であると考えます。それは自分だけとは限りません。
例えばそれが職場において他者に対してもそのような敬意をもって接する「勇気を持つ」ことができれば、あなたの周りの人は「敵」ではなく、友や仲間として見ることができるようになります。
尊敬の対象であればこそ、その相手がどんな人であっても、学ぶことがあり、それは必ずあなたにとってプラスになることでしょう。

認知論

アドラーが提唱した「認知論」とは、人間は個人の主観的な意味づけを通してしか物事を把握できないという理論。
人は、起きた出来事について事実をありのままに把握することは不可能であり、それは、同じ出来事を体験したとしても、感じ方が人それぞれ異なってしまうからです。

つまり、人は事実そのものではなく、事実の「解釈」を体験していることになり、「起きたことをどのように受け取り、それを解釈するかで、現実や体験を変えることができる」と提唱しています。
認知論の実例として、例えば大好物のプリンがあったとしましょう。
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途中まで食べたところで、容器を眺め、「なんておいしいプリンだ、まだ半分も残っている」と捉えれば、これが本人の事実となります。
反対に「もう半分しかない・・・」と捉えれば、それはそのことが事実となります。起こった過去の出来事が同じであっても、それぞれの人間が「独自の解釈」によって捉えるため、考え方に多様性が出てくるという実例です。
つまり、例え自分にとって不都合な経験(認知)をしたとしても、それは、あなたの捉え方次第で結果を変えることができるということになります。
それは実際のカウンセリン現場でも有効で、不都合な認知を書き換えることによって、結果を変えることができるということ。
すべては、「事実」と、あなたが独自で感じた「認知」を区別することから始まります。

対人関係論

アドラーが提唱した「対人関係論」とは「人間の悩みのすべては対人関係の悩みである」としています。
人生のあらゆる選択や悩みの根本には必ず「相手役」がいる、という考え方。人間の行動や感情には必ず相手が存在していて、例えば仕事で失敗したとしましょう。
そんな時、職場の上司が「自分のことをどう思っているか?」と考えてしまうことから悩みに発展してしまいます。
このように人間関係のあらゆる行動には、常に相手がいるのです。
この悩みに打ち勝つためには、悩みの元となる「相手」の存在を一度「無いもの」として考えること。
このように、一度余計な考えを取り払い考えることができれば、「自分はミスをしたけど、他はできていた」「この悩みは大きな問題ではない」という前向きな解決策を導き出すことができます。
相手の存在をいったん無いものとするという考えは、相手を軽く扱うとい意味ではありません。
一度、責任を自分に転換し、「自分の考えで自分を苦しめている」と理解すること。
相手がどう思っているかを考えると、その思考が邪魔をして、正しい判断ができなくなってしまうことを知りましょう。
そのうえで「相手のために自分は何ができるのか?」という考えを持つことができたのなら「お互いに良い人間関係」を築いていくことが可能となります。

自己決定性

アドラーが提唱した「自己決定性」とは、「人間は環境や過去に縛られることなく自らの運命を切り開くと都ができる」という考え方。人生において、自分は画家だと捉えてみましょう。
あなたは、そのキャンパスに対して好きなように描くことができます。
つまりアドラーが言いたいことは、「人は誰しもが自分の運命の主人公」ということ。

【日本統合医学協会】アドラー心理学検定1級講座

それは、悩みや課題があっても、「自分の置かれた環境をどう捉え、どのように対応するのかは自分自身が決めることができるということ」
それには他人の意見や、自分が育ってきた環境や先天的な要素などは一切関係ありません。
例えば職場で「無能な上司のせいで不幸だ」と嘆くのではなく、そうした影響の解釈をどのように変えるか?がカギとなります。
つまり、スキルアップして転職するといった行動をとることができるのは自分自身ということです。

このように、自己決定性に関しては、自己啓発の要素が大きいことが特徴。

共同体感覚

アドラー心理学では5つの理論が土台となっていることをご説明しましたが、最終的な目的は他人を尊重する「共同体感覚」にあります。
共同体感覚とは、「世界と自分は共同体の一部であり繋がりや絆の感覚」であるとしています。
個人が世界と主観的に感じる感覚であり、他人へ関心を向けることを意味します。
共同体感覚の最小単位は「家族」でありそこから「地域」「学校」「職場」「社会」「世界」「宇宙」などの中で、自分はその部分であるという感覚を持っている状態で健全な人間関係の維持に不可欠な要素。
共同体感覚の3つの思想
・ありのままの自分を受け入れる(自己受容)
・他者が自分を支えてくれている(他者信頼)
・自分は他者に貢献できている(他者貢献)

共同体感覚には「相手を無条件に信頼する」「そのままの自分を受け入れる」「他人の役に立つ行いをする」という3つの思想が重要。
対人関係論の理論にあるように、アドラーは「人はもともと誰かとつながりたいと切望する存在である」と考え、「共同体感覚を持ちながら他人を尊重し幸せにすることが、自分の幸せにもつながる」と説いています。

ライフタスク

アドラー心理学は「仕事」「交友」「愛」の3つの人生の課題とし、これをライフタスクと名付けました。共同体感覚では、あらゆる人生の課題は対人関係に集約され、その後3つのテーマに分類されるとしています。 すなわち「仕事の課題」「交友の課題」「愛の課題」であり、アドラーはこれらを称してライフタスク(人生の課題)と呼びました。

ライフタスク(人生の課題)  ライフスタイル(人生への価値観)
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・仕事のタスク 自己概念
・交友のタスク 世界像
・愛のタスク  自己理想

これはライフスタイルという個人の価値観によってライフタスクが決定されていると唱えました。
それはつまり、ライフスタイルを変えればライフタスクも変わるということ。
これがアドラー心理学でいうところの「自分の人生で解決していく課題は自分が変えられる」という意味になります。
山登りに例えましょう。
あなたは頂上を目指して登山をします。
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つまり頂上が「共同体感覚」になります。
山登りの最中に直面する困難や課題が「ライフタスク」になります。
しかし、登山への道は何通りもあり、どの道を選択していくかは個人の自由。
どの道を選ぶかが「ライフタスク」となるのです。
どの道に進む過程でも様々な「課題」が訪れます。
そこで役に立つのが「5つの基礎理論」であり「勇気」ということになります。
最後まで読んで下さりありがとうございました。
あなたの生きやすい未来が来ることを祈っています。




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