「嫌われる勇気」は誰しもが聞いたことがある言葉だと思いますが、実際にどのような理論なのでしょうか?アドラーの心理学は、「自己決定性」が大きな特徴として挙げられます。
アドラーは「宿命論」や「トラウマの存在」を真っ向から否定しました。
つまりそれは、過去の原因し縛られない自分の人生は自分で変えることができるという意味であり「目的論」。
現在「生きづらさ」を抱えて悩んでいるあなたにとって、「課題の分離」という考え方は、今の現実を変えたいあなたにとって救いとなることでしょう。
アドラー心理学の3つの理論、「劣等感」「課題の分離」「嫌われる勇気」というテーマに基づき解説していきます。
アドラーに学ぶ3つの教え
アドラー心理理論 / 技法
・劣等感 / 自己実現に利用できるという考え
・課題の分離 / 自分の課題と相手の課題を切り離す
・嫌われる勇気 / 「承認欲求」「競争意識」「他者と自分との課題を混同」
劣等感
アドラー心理学では劣等感とは「他人と比べて自分が劣っていると感じること」を指します。
しかしそれは健全なことで、アドラーは自身の経験から「人は劣等感があればこそ、それをバネに向上し補おうとする力が備わっている」と考えます。
つまりアドラーは、「劣等感」を持つこと自体は悪いことではなく、「理想の自分に近づくために劣等感を利用する」ことを提唱しています。
これとは反対に劣等感とは向き合わずに逃げてしまう行動を「劣等コンプレックス」と名付けました。
例えば、恋人に「自分の年収が低いから彼女ができない」といった理由で彼女を作らないこうどうをとったりします。
劣等感に立ち向かう人は、自分はダメな人間だと落ち込むのではなく、劣等感を利用して「年収を上げるためにスキルアップしよう」という考えを持ち、行動に移します。
この反対に年収が高いことを自慢するような「優越コンプレックス」というものもあります。
実はこちらも強烈な「コンプレックス」を抱えており、その問題と向き合い克服すべきものとアドラーは唱えました言。
劣等コンプレックスとの向き合い方
3ステップ 克服方法
1.自分の歪んだ考えを正す 「自分は無価値」等、私的理論的な解釈を書き換える
2.対人関係をフラットに 競争意識による比較をしてはいけない
3.普通でいる勇気を持つ 自分だけが特別な存在になろうとしない
自分の歪んだ考えを正すには、自分への価値観を「劣っていると考える必要はないかも?」
と捉え、対人関係を他者との競争意識ではなく、理想の自分へ近づくようにします。
自分にとっての前に進むという意識が重要。そして、自分だけが特別になろうとせず、自分も周りもみんな特別でオンリーワンの精神を持つ。
「別に普通でいい」と、ありのままの自分を愛する事が重要。
課題の分離
アドラー心理学の「課題の分離」とは、自分がコントロールできない他者の課題には介入せず、反対に自分ができることに注力するといった思考法。
自分の課題 他者の課題
線引きが難しいと思いますが、何かの問題があったとして、その「課題」について考えます。
その課題をやらなかったことで
・最終的な責任を負うのは誰か?
・最終的な結論を出すのは誰か?
こう考えると分かりやすいですよ!
自分の課題 / 他者の課題
携帯電話の支払いは自分の問題 / 子供の勉強は子供の問題
無理して風邪が悪化は自分の問題 / 会社での自分への評価は上司の問題
夕飯を作らなかったら食べられない / 親が作った借金
このように「課題の分離」が役に立つのは
・職場などで、自分に対する相手の評価を気にしてしまう時⇒他者の課題
・自分はしてあげたのにと考え、相手に見返りを求めてしまう時⇐自分が相手の課題に踏み込んでしまっている
・子供に勉強を強制させたいと思ってしまった時⇐自分が相手の課題に踏み込んでしまっている
こんな時に役に立つ思考。
つまり、私たちは境界を越えて相手をコントロールしようとしてしまうから人間関係のトラブルを生じさせてしまうのです。
自分のコントロール下にあるものと、コントロールできないものを分けて考えることで、より健全な対人関係を築けるでしょう。
つまり「自分の課題」のみに目を向けるということ。
逆に対人関係のトラブルは、この課題の分離ができないことで発生します。
なぜそうなるのでしょう?
人には承認欲求があり、「課題の分離」ができないことで承認欲求されてしまいます。
他者に認めてもらいたいという欲求は、最終的なあなたを認めるか認めないかは他者の課題。
つまり、いくら自分が求めてもどうにもなりません。
承認欲求に支配されてしまった人の末路は、人のために生きる「奴隷」になってしまいます。
これでは自分の人生ではありません。
そのために必要な考えが「課題の分離」となるのです。
そんなの理想論!
実際は「自己中心的な人が増えるのでは?」「人間関係が希薄になるのでは?」なんて思う方もいるかも知れません。
アドラーは、このような考えを持つ人を真っ向から否定しました。
つまり、自己中心的な人ほど相手に多くを求めてしまい、それは相手の課題に踏み込む行為であり「課題の分離」ができていないと諭したのです。
人間関係が希薄になるということも、お互いかかわりあわないという意味ではありません。
「課題の分離」では互いに尊重しあう関係が健全な人間関係の入り口だと説いたのです。
相手の課題に踏み込み操作し操作される関係は決して健全な人間関係とは呼べません。
もちろん親子関係でも基本は一緒、親は子供の課題に足を踏み入れてはいけません。
つまり勉強を強制させる行為は、子供の課題に親が踏み込んでいることになります。
「課題の分離」ができるようになることで、人間関係のあらゆる悩みから解放されます。
対人関係のトラブルは、自分と相手の課題を分離できていないことが原因。
つまり「課題の分離」さえできるようになれば、自分の人生を選択し自由に生きることが可能となる。
嫌われる勇気とは?
悩みの原因となる対人関係の捉え方は、「承認欲求」「競争意識」「他者と自分との課題を混同」の3つがあります。
対人関係の悩み=生きづらさを生みます。
承認欲求
他者に認めてもらいたい欲求
↓
他者の期待を満たす人生
↓
不自由な人生
↓
嫌われても良いと考える⇒嫌われる勇気
承認欲求をベースに対人関係を構築してしまう
競争意識
競争意識をベースとした人間関係
↓
他者を敵と考えてしまう⇒周りは敵だらけ
↓
人の下になることの恐怖
↓
競争に勝ち続けるのは不可能⇒いつか劣等感を味わう
競争意識をベースとした対人関係を捉えてしまう。
思い描く理想の自分と比較すべき
他者と自分との課題を混同
互いの課題に踏み込む⇒トラブルに発展
↓
相手がどう評価がするかは相手次第
↓
自分にはどうすることもできない⇒無関心になるべき
↓
自分の課題に関しては100%自分次第
他者と自分の問題を混同してしまうことで人生の「生きづらさ」につながる悩みの元凶になっている。
正しい対人関係の3つの捉え方とは
@ 生きづらさを生む承認欲求と競争意識は捨て理想の自分との対話だけ残す⇒健全な劣等感
A 混同が悩みの元凶となることから自分と他者との「課題の分離」を徹底する⇒他人と自分との境界線を引く=嫌われる勇気
B 「共同体感覚」つまり仲間に対する貢献感を養う⇒自分はコミュニティの中の意味ある存在
貢献感=幸福感
自分の価値の実感と幸福感
他人に期待することも無く、他人の期待も気にしない自由な精神⇒自分の課題と真剣に向き合う
い自分は相手に対して何ができるだろうか?
【日本統合医学協会】アドラー心理学検定1級講座
まとめ
アドラー心理学は「勇気の心理学」とも呼ばれ、勇気づけは、アドラー心理学の核となる思想です。勇気づけとは「課題を乗り越えるための内なる活力」のことを指します。
課題に立ち向かう勇気を持つことによって、自分の考え方や行動が変わり、目的達成や悩みの解消につながっていきます。
勇気をもって「劣等感」の克服や「課題の分離」を実践することによって悩みの原因となる対人関係の捉え方が変わり、生きづらさを生む「承認欲求」と「競争意識」を捨てた健全な自分を手に入れることができます。
そして「嫌われる勇気」をもつことによって、あなたは「共同体感覚」といった真の貢献感と幸福感を得ることができるでしょう。
あなたにとって幸せな未来が来ることを願っています。
アドラー心理学の資格を取得!
アドラー心理学は誰でも一度は聞いたことがあると思います。「嫌われる勇気」が特に有名なフレーズですが、いったいどのような意味なのでしょう?
アドラー心理学は現代社会においても非常に有効な心理学。
それは「人の悩みは全て対人関係の悩みである」と唱えている点にあります。
ではどのようにして生きていけば良いのでしょう?
そこで「嫌われる勇気」という考え方がが重要となります。
あなたの生きやすさのヒントになれば幸いです。