2018年05月24日
人気の「新撰組物語」 その6 幕末から箱館まで
人気の「新撰組物語」その6
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長州征伐
1864（文久4）年8月2日「蛤御門の変で御所に発砲した長州を討て」と幕府は諸藩に命令を出した。その年11月18日には長州を総攻撃する手筈だったがこの時、外国の4か国連合艦隊からも攻撃を受けて居た長州は、幕府に許しをこうた。その一方で、知識を得近代的な軍備を揃える為イギリスと仲良く為った。
1865（慶応元）年9月21日 再び長州征伐の命令が下った。「長州藩が怪しからん企てをして居るから」と云うのが理由だった。が、ハッキリしない理由だしこんな時期に大軍を動かせば天下が乱れると反対する大名も多かった。
1866（慶応2）年6月 第2次長州征伐開始。戦争が始まってみると長州藩は勝ち続け、その最中の7月に将軍家茂は病死。12月一橋慶喜が将軍と為り長州征伐も引き継いだが退却せざるを得なかった。この月幕府と協力し合って行く方針だった孝明天皇が崩御。幕府の権威はガタガタに為って来る。
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百姓一揆・うちこわし・ええじゃないか
同じく文久頃から増え始めた「百姓一揆」「うちこわし」も幕府を悩ませる種だった。1866（慶応2）年5月11日には大阪で、8月には兵庫で打ち壊し。江戸でも5月28日品川から始まり、6月には四谷・本所で打ち壊し。6月7日は川越藩で米の値下げを求める世直し一揆。6月13日に秩父郡名栗村から始まった武州一揆はたちまち農地武蔵国13郡に広がった。
更に、1867（慶応3）年、秋から冬に掛けて「ええじゃないか」と云う踊りが大流行した。何百・何千の人々が、タイコ、笛を鳴らしながら「ええじゃないか、ええじゃないか」と叫び、踊り狂いながら金持ちの家に上がり込み、酒や食べ物をせびる。その有様は打ち壊しも同じだ。
「ええじゃないか」は京都・大阪を中心に、神戸・横浜・江戸・甲府・会津まで広がった。「うちこわし」なら数日だが「ええじゃないか」は1ヶ月以上続く。主だった都市の働きはマヒしてしまい、幕府はどうすることも出来なかった。
「百姓一揆」 農民が領主に対して起こす闘争。年貢を減らして貰う事や代官を替えて貰う事など目標を挙げて行われることが多い。
「うちこわし」 都市の大商人とか村の金持ちなどを襲って、家や道具を壊し、食料など品物の安売りを約束させたりする。飢饉と物価の値上がりなどが原因。
「ええじゃないか」 幕府を困らせる為、倒幕派が仕掛けたと云う説もあるが、元々あった伊勢神宮への「おかげ詣り」の信仰が大爆発したとも言われ、原因はハッキリしない。
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薩長軍事同盟
土佐藩出身の浪人、坂本龍馬と中岡慎太郎は、1865（慶応元）年の1年間を薩摩藩と長州藩の仲直りの為、駆けずり回っていた。文久3年以来、「蛤御門の変」や第1次長州征伐など、長州は薩摩に酷い目に合わされて来た恨みがある。だから仲は悪かった。しかし、日本を一つにまとめる為には、薩摩藩と長州藩の協力がどうしても必要だ。
1866（慶応2）年1月22日、龍馬と慎太郎の努力は実った。薩摩の西郷隆盛と長州の桂小五郎は話し合い、王政復古の為協力し合うことを約束。ニ藩の軍事同盟が成立した。
更に1867（慶応3）年10月には、倒幕派の公卿・岩倉具視から、幕府を討つ許しを密かに得た。
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大政奉還−政権を朝廷に返す−
1867（慶応3）年10月3日 土佐の前藩主、山内豊信は平和に事が収まる様願い、幕府に「大政奉還」の意見を申し出た。政権を朝廷に返してしまえば長州・薩摩が幕府を倒す理由は無くなる筈だ。
10月14日、慶喜は朝廷に大政奉還を申し出て受け入れられた。徳川の勢力は取り敢えず今まで通り残ったが、倒幕派に取っては落ち着か無い。これは何時仕返しされるか判らない危ない状態だ。諸藩は薩長につくべきか、幕府を助けるべきか迷っている。おまけに一般の人たちは「ええじゃないか」騒ぎ。“幕府の勢力をつぶそう！”倒幕派は決心して立ち上がった。
12月9日、薩摩藩の大久保利通、西郷隆盛を中心に「王政復古の大号令」が発せられ、新政府の誕生が宣言された。
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戊辰戦争
幕府を叩き潰すには、先ず向こうから攻撃させる事だと西郷隆盛はわざと相手を怒らせるよう仕向けた。 1868（慶応4）年1月1日、遂に将軍慶喜は戦う決心をし諸藩に兵を集めるよう連絡した。会津・桑名藩の兵を合わせ旧幕府軍は1万5、000人。大坂城を発ち、鳥羽・伏見を通る道筋で京都を目指した。
一方、1月3日の朝廷の会議で、薩摩藩と長州藩は武力で解決すべきだと岩倉具視に迫り、慶喜を「朝敵」（朝廷にさからう敵）とすることに成功。伏見は長州藩、鳥羽は薩摩藩が中心となり、計4、500人の兵で旧幕府軍を迎えた。
戦いは1月3日、午後5時頃開始。人数こそ勝ったものの「朝敵を討つ」と云う名目を持ち、西洋式の軍備を整えた薩長軍の前に旧幕府軍は敗れる他は無かった。この戦いを始まりに、日本は1年以上つづく「戊辰戦争」と云う国内戦争に嵌まり込んで行く。戦争の始まった1868年の干支が「戊辰」なので、こう言われる。
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江戸無血開城
1868（慶応4）年1月7日、有栖川宮熾仁親王は御所に大名たちを集め、大政奉還は名ばかりで「鳥羽・伏見の戦い」を起こした慶喜を討てと命令を出した。反対する者は前土佐藩主・山内豊信只一人…。
2月15日、薩摩・長州・土佐・肥前・芸州の5藩5万人の兵は江戸を目指し進軍。迷って居た他の藩も、殆ど新政府側に着いた。
慶喜は只管慎み従う姿勢をとり、旧幕府側の陸軍総裁・勝海舟は3月13、14日の2日間、西郷隆盛と戦いを避ける為の話し合いを持った。その結果、江戸城は戦いの血を流すこと無く4月11日に開かれ、江戸の町は火の海に為らずに済んだ。
が、この降伏に不満な一部の幕臣たちは、各地で戦闘を起こした。彰義隊は上野のお山に立て籠もり、旧幕府の海軍副総裁榎本武揚は新政府に軍艦を引き渡すことを拒んだ。4月11日、開陽丸ら8隻を率いて江戸を脱出した。
北越戦争
1868（慶応4）年うるう4月19日、奥羽（東北）地方25藩は新政府に対抗する為同盟を結んだ。更に5月3日には、北陸地方、越後の長岡藩ら6藩がこれに加わった。同盟の中心と為ったのは会津・庄内・米沢・仙台の4藩。
新政府軍は江戸より更に北上。5月の長岡戦争を始まりに、8月23日には会津藩の城下町の若松に突入。若松城は1万数千人の敵を引き受け集中攻撃された。飯森山に立て籠もった白虎隊（16〜7才の少年中心の会津の部隊）は互いに刺し違え命を絶った。
その後、東北諸藩は次々に降伏。孤立した会津藩もひと月城に立て籠もった後、9月22日降伏。この間9月8日、元号は「明治」と為り、9月20日、明治天皇は京都を出発。翌月東京城（江戸城）入城。東京が首都となる。
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箱館戦争
榎本武揚率いる軍艦も、北越戦争の応援の為、8月19日東北に向かう。会津が落城の後は、10月12日北海道を目指した。同乗するのは元老中、板倉勝清、小笠原長行、元新選組土方歳三ら総勢2、800人。10月20日北海道に上陸、25日には箱館の五稜郭を占領。ここに徳川一門を迎え王国を建設しようと夢見た。
しかし、翌1869（明治2）年3月から、新政府軍は薩摩の黒田清隆等が指揮を執り、海から陸から大軍を繰り出した。5月11日には、箱館総攻撃が始まり、土方歳三は戦死。5月17日、榎本武揚は新政府軍に降伏。1年5ヵ月に渉る戊辰戦争は要約終った。
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その7 につづく
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