2018年05月23日
人気の「新撰組物語」その2
人気の「新撰組物語」その2
京都新聞>「名刀」ペーパーナイフの返礼人気 京都・壬生寺 5/23(水) 11:40配信
「名刀」ペーパーナイフの返礼人気 京都・壬生寺
壬生寺に伝わる「誠剣」を模したペーパーナイフ
幕末の京で活動した新選組ゆかりの壬生寺(京都市中京区)が、火災で焼けた地蔵菩薩(ぼさつ)像復元のため、岐阜県の刃物業者と共同で「刀」をテーマに、インターネットで資金を募るクラウドファンディングに取り組んでいる。
同寺の絵巻に伝わる「誠剣(じょうけん)」を模したペーパーナイフを商品にすると、100本分の枠が直ぐに埋まる人気振り。新選組の剣を模したペーパーナイフも好評と云う。
新選組隊士も拝んだとされる地蔵菩薩像は1962年の火災で燃えた。同寺は2年前から復元に取り掛かり、来年末の完成を目指す。3千万円以上懸かる復元費用捻出の為クラウドファンディングを活用することにした。
刃物産地・岐阜県関市の業者「ニッケン刃物」が得意の名刀ペーパーナイフ作りを担当。クラウドファンディングを扱う企業「Makuake(マクアケ)」(東京都)も連携する。販売額の2%が寄付に充てられる。
ペーパーナイフは長さ約20センチ。モデルの「誠剣」は、壬生寺縁起絵巻で法師が武士に授けた剣として描かれている内の一振り。柄などを詳細に再現し、職人が1本ずつ丁寧に刃付けして本漆塗りの朱色の鞘を付けて桐箱入りで届ける。
先月下旬のスタート初日で50万円の目標販売額を達成し、早い段階で「誠剣」は完売した。他の近藤勇の愛刀「虎徹」土方歳三の「和泉守兼定」沖田総司の「菊一文字」等のペーパーナイフも人気が高い。既に売れ切れた商品も含めて3千〜1万円のコースがあり、販売額は既に約700万円以上と為っている。
松浦俊昭副住職(50)は「誠の旗を掲げた新選組隊士は、江戸時代に出回って居た壬生寺縁起絵巻の『誠剣』の絵を見て居た可能性もある。この機会に新選組が好きな方と壬生寺との新たな縁が出来て裾野が広がれば好い」と話している。マクアケのサイトで6月18日まで受け付けて居る。以上
新選組局長 近藤勇
新選組「最強の剣士」は誰だったのか?
山岸 良二 歴史家・昭和女子大学講師・東邦大学付属東邦中高等学校非常勤講師 2017年06月08日 から引用してます・・・
幕末のヒーローとして絶大な人気を誇る新選組。その人気の秘密は何と言っても隊士達個々の魅力的なキャラクターにある。そして、時代に逆らい滅び行く江戸幕府に殉じた彼等の「美学」は私達現代人の心を今尚強く揺さ振り続ける。
処で、新選組と言えば剣の使い手揃いとして知られるが、数ある隊士の中でも「最強」の名に相応しい人物は一体誰なのだろうか。本記事では、東邦大学付属東邦中高等学校で長年教鞭を執って来た歴史家の山岸良二氏が「新選組最強の剣士」を解説する。
昨年(2016年)7月、或るニュースが多くの新選組ファンを驚かせました。それは、これ迄「無い」とされて来た新選組隊士・斎藤一(さいとう はじめ)本人が写る鮮明な写真の「歴史的大発見」でした。但し、写真は彼が新選組隊士だった往時のものでは無く、明治維新後に平穏な暮らしを送って居た53歳の時に撮影されたものです。斎藤一は、新選組の数少ない生き残りの一人です。
三番隊組長として、あの沖田総司らと並び最強の隊士と唄われた程の人物で、一説では隊士の中で最も人を斬った男とも言われて居ました。彼の様に、新選組には卓越した剣の使い手は数多く、その中で最も強かったのは誰なのか、今もファンの間では熱い議論が続けられて居ます。
今回は、好く聞かれる質問に答える形で、解説しましょう。
「門限は夜8時」で、遅れたら切腹!
Q1. 新選組って何ですか?
幕末に京都守護職を務めた会津藩主・松平容保(かたもり)の配下として特設された幕府の準警察組織です。当初は「壬生(みぶ)浪士組」と呼ばれていました。母体は、清河八郎が幕府に提案して各地の浪人を募集して創設された「浪士組」で、幕末の討幕運動が高まる京都での治安維持の強化と将軍警護が目的でした。
彼等の活動、特に池田屋事件によって明治維新が1〜2年は遅れたとする指摘もあります。
Q2. 主なメンバーは誰?
隊士の加入脱退、粛清等によりメンバーは常に変動していましたが、最盛期には、江戸市ヶ谷柳町の試衛館(しえいかん)時代からの局長・近藤勇を初め、副長の土方歳三、一番隊組長の沖田総司らが好く知られています。
Q3. 好く耳にする「池田屋事件」って何でしたっけ?
元治元年(1864年)6月5日に京都三条小橋の旅館「池田屋」で起きた、新選組による尊攘派志士襲撃事件です。この襲撃により、新選組の名は一躍世間に知れわたる一方、尊攘派は吉田稔麿(としまろ)を初め長州、土佐を中心とする優秀な志士多数を失います。以後、新選組は尊攘派に取って最大の脅威と為ります。
Q4. 「浪人の集団」と聞くと「荒くれ者の巣窟」の印象を受けますが・・・
実際の新選組は、個々が様々な技能を持つエキスパート集団でもありました。身分を問わず、高いスキルを持つ隊士が指導係(師範)と為り、剣術は勿論、槍術、柔術、更には馬術、砲術と言った各種実技の他、軍学、政治学、書道と言った教養に至るまで、多岐に渉るワークショップ的活動にも熱心に取り組んでいました。
Q5. 訓練は相当、厳しかったのですか?
全てが「実戦」を想定しており、非常に厳しいものでした。剣術の稽古では、竹刀だけで無く木刀も度々用いられた様で、打撲や骨折などケガ人が続出だったそうです。只、任務や訓練以外の時間は自由で、外出も認められていました。とは言え、宵五ツ(現在の夜8時)の門限は絶対厳守で、もし遅れた場合は規則により「切腹」だったとか。
Q6. 実際の処、新選組は強かったのですか?
はい。元治元年(1864年)7月19日に起きた「蛤御門の変(禁門の変)」では、精強な長州軍により各方面で苦戦していた幕府軍の救援に駆け着け、長州軍を悉く撃退しました。白兵戦における新選組の活躍は、幕府軍の中で群を抜いていたと言われています。
Q7. 新選組の「強さの秘密」は何ですか?
競技とは一線を画す実戦剣法でしょう。斬り合いにおいては、相手一人に対して味方は必ず複数で立ち向かうとか、暗殺においては相手を十分酒に酔わせる、又は寝込みを襲う等、所謂「正々堂々」と言った精神とは無縁の戦法こそが、新選組の常套手段です。
Q8. では本題に移ります。新選組「最強の剣士」は誰ですか?
ナカナカ難しい質問です。一口に「最強」と言っても、様々な尺度があり、その内容によって該当する人物は異なるからです。先ずは、個人の純粋な「戦闘能力」を基準に、卓越した新選組のエース達を挙げてみましょう。
一堂にひしめく「戦闘のプロ」たち
明治時代の斎藤一
【実戦で最強】斎藤一(1844–1915流派不明撃剣師範武蔵国江戸)
斎藤一(さいとうはじめ)は、永倉新八に「無敵の剣」の名で「新選組最強の剣士の一人」と評された剣豪です。一説では、隊で最も多く人を斬ったとされ、更には在京中の任務においてカスリ傷一つ負わ無かったと言われています。又、寡黙な性格でもあった彼は、「スパイ」や「暗殺」と言った特殊な任務も熟(こな)す器用さを備えていました。(大正4年9月、東京本郷にて死去享年72)
【剣術で最強】永倉新八(1839–1915神道無念流撃剣師範武蔵国江戸)
二番隊組長の永倉新八(ながくらしんぱち)は、その卓越した剣の技量から、撃剣師範を務めました。隊の生き残りの一人、阿部十郎の述懐では「(剣術の稽古においては)永倉の方が沖田総司よりやや実力が上」とされています。「池田屋事件」でも、沖田総司ら他の隊士が続々と離脱する中、自らも手を負傷しながらも、近藤と共に最後まで修羅場を戦い抜いた超人です。彼は明治以降、新選組に関して色々な記述を残しています。(大正4年1月、北海道小樽にて死去享年77)
【槍術で最強】原田左之助(1840–1868宝蔵院流槍術・種田流槍術伊予国松山)
原田左之助(はらださのすけ)は、宝蔵院流又は種田流槍術を修めた槍(やり)の名手です。戦国時代の豪傑、本多忠勝や加藤清正も戦場では槍を多用しており、刀よりもより実戦的な武器として、「槍の使い手こそ最強」と云う見方もあります。
坂本龍馬暗殺事件では、現場の遺留物に彼のものとする鞘(さや)が見付かり、容疑者の一人に挙げられました。(慶応4年5月17日、戊辰戦争江戸上野の戦いにて戦死享年29)
【二刀流で最強】服部武雄(1832–1867流派不明播磨国赤穂)
服部武雄(はっとりたけお)は、その並外れた体格と豪腕を生かし、当時でも珍しかった「二刀流」を自在に操る達人です。後に彼は「新選組の内部抗争」により命を狙われますが、その時は自分一人で30人を相手に死闘を繰り広げたと言われています。
二十数カ所を斬られ絶命するまでに、10人以上の相手を負傷させ、死してなおその顔色はまるで生きて居るかの様だったとも語り伝えられています。(慶応3年11月18日、内部抗争により京都油小路にて謀殺享年36)
【柔術で最強】松原忠司(1835?–1865関口新心流柔術師範播磨国小野)
松原忠司(まつばらちゅうじ)は、関口流柔術の使い手で、四番隊組長、柔術師範です。入隊以前は、自らの道場を開いていた程の達人ですから、接近戦や組討ちでは彼に敵(かな)う相手は居なかったでしょう。剣術も得意とし、その風貌から「今弁慶」の異名を取りました。(慶応元年9月1日、京都にて病死死因は諸説あり享年31)
Q9. 新選組最強の剣士は、今挙げた中のひとりですか?
いいえ。彼等とは別に、「個人の戦闘能力に匹敵する強さ」を持った人物も多くいます。そうした剣術だけで無い、優れた特性を持つ人物も挙げてみましょう。
その3につづく
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