一緒に学ぼう世界史のポイント　108　《帝国主義諸国の世界分割》: 素敵な「自転車と家庭水族館」

2018年09月28日

一緒に学ぼう世界史のポイント　108　《帝国主義諸国の世界分割》

　世界史講義録より
　　
　一緒に学ぼう世界史のポイント　108　《帝国主義諸国の世界分割》

　帝国主義諸国の世界分割

　【楽しいアクアリウムの世界】

　

　19世紀後半、独占資本・金融資本が発達すると列強は資本輸出先として植民地を求め帝国主義政策を執りました。やがて、植民地獲得の為帝国主義国間の対立が激しく為ります。

　先進資本主義国が植民地を求めた理由　

　1870年代から先進国では重化学工業が発展して来ました。膨大な資本と設備を必要とする為生産は少数の大企業に集中し、企業合同（トラスト）企業連合（カルテル）企業結合（コンツェルン）と云う形で企業が巨大化して独占資本が形成されました。金融資本も成長し、独占資本に資金を供給する大銀行が諸産業に大きな影響力を持つ様に為ります。

　独占資本・金融資本は、国内では投資し切れ無い過剰な資本を海外に輸出しようとします。その為に政府を動かして投資先の国と条約を結んで行きますが、相手国が西欧と異なる外交・経済体制を敷き資本輸出が困難な場合には、軍事力によって条約を強制したりその国を滅ぼし直接支配しました。これが、従属国や植民地を求めた理由です。
　古代ローマ帝国の様に領土拡大を目指したことから、この様な政策を帝国主義政策と呼びます。各国は先を争って世界分割に乗り出し、又その為に軍備を増強しました。

　　　　

　シベリア鉄道

　

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　資本輸出としての鉄道建設と借款

　典型的な資本輸出は鉄道建設です。資本と技術が集約された鉄道建設は、製鉄・機械工業に需要を与え、沿線での工場建設や鉱山開発を促進し産業全体を牽引しました。
　1870年代から世界中で鉄道建設が盛んに為り、総延長距離はアジアでは1870年に8000キロだったものが、10年毎に倍増し1910年には102000キロに延びて居ます。この大部分は帝国主義列強によって建設されたものです。
　ロシアがフランスの資本を導入して建設したシベリア鉄道は有名です。相手国政府に資金を貸し付ける借款も資本輸出の一つの形態で、これは相手国の関税収入や鉄道敷設権を担保にして半植民地化する手段としても有効でした。

　

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　アフリカ分割を巡る帝国主義国の対立　

　　　　

　ファショダ事件の図解

　1880年代以降に為ると列国の植民地獲得競争は激化します。アフリカ大陸に関してヨーロッパ諸国は、お互いの衝突を回避する為に、1885年のベルリン会議で「先に占領した国が領有する」(先占権)と云うルールを一方的に作り分割して行きました。
　イギリスはエジプトからケープ植民地まで自国の植民地を繋げるアフリカ縦断政策を、フランスはアルジェリアからジブチを繋ぐアフリカ横断政策を執りました。その過程で両国軍が1898年スーダンのファショダで衝突し（ファショダ事件）　両国間の緊張は開戦寸前まで高まりました。フランスの譲歩で戦争は回避されましたが、植民地分割が帝国主義国間戦争に発展する可能性を示した事件でした。

　　　　　