錯視（パレイドリア pareidolia）: Baby Brain

2015年03月27日

錯視（パレイドリア pareidolia）

昨日の花の画像のなかに
人の顔が見えた方、
それは錯視という現象です。

2017年8月30日に
ノイズパレイドリアテストの画像を
追記しました。（後半）

レビー小体型認知症では
錯視や幻視が
初期症状となることも多いのです。

Brain 2012 pareidolia DLB iillusion 2458.full_ページ_07++++.jpg

Brain (2012) 135 2458-2469

錯視とは
本当は花なのに
人の顔に見えてしまうと言ったものです。

幻視とは
「仏壇の上に猫が乗っている。」（本当は何もいない）
「足元に　蟻が無数にいて困る。」（本当は一匹もいない）
といった本当はいないのに、見えることです。

昨日の花の画像は
東北大学で開発された
パレイドリアテストの一部です。

さらに今日の画像もその一部です。

レビー小体病（３４人）と
アルツハイマー病（３４人）と
正常人（２６人）に
このテストを行うと

レビー小体病のグループだけ多くの人が
「花の中に顔がみえた」
つまり
錯視や幻視が多く見えたのです。

ちなみに
どのグループも
平均年齢は８０歳前後です。
性別比などもほぼ同じです。
つまり違いは、疾患の有無です。

正常の方では
錯視は起こりません。

面白いことに
アルツハイマー病
のグループも
あまり錯視や幻視はおこりません。

実は
私もみえるんですけど
昨日の画像の花が
人の顔に

(-_-;)

本当に。。。

というか

今日の鳥の画像は
普通、
顔にみえるでしょう！

私だけ？

幻視や錯視の原因は
脳の中に異常な物質が
蓄積するからだと考えられています。

レビー小体病の方では
視覚野
（目からの情報を処理する脳の部位）
という場所にまで
異常な物質が蓄積し始めています。

視覚野は後頭葉、
つまり頭の後ろ側にあります。

また
レビー小体病の方では
血流の低下も
前頭葉から後頭葉にまで及んでいます。

一方の
アルツハイマー病では
前頭葉、頭頂葉、側頭葉。
つまり、
頭の前側、横側、てっぺん。
の血流量が低下します。
後頭葉は比較的保たれます。

パレイドリアテストで
錯視や幻視が見えた方
大丈夫です。

我々は自己治癒力を持っていますから。
再生する力を秘めています。

その力を効果的にアップするため、
日々の行動（食、運動など）に
意識（心）を向ければいいのです。

（と自分にも言い聞かせています。。。）

私のつたない文章でも
なにかお役に立っているようでしたら
うれしいです。

お知らせ

パレイドリアと「座敷わらし」の関係とは・・・

以下の画像はいかがでしょうか？
なにかヒトの顔らしきものがみえますか？

以下は
ノイズパレイドリアテストの
一部です。

実際の
ノイズパレイドリアテストでは
40枚の画像を見ます。

Neuropsychologia
2014; 56: 245―254.を参照。

どれかに
顔らしきものはみえますか？

実は
左端は
健常者、レビー小体病の方
ともになにもみえません。

一方、
真ん中の画像では
健常者、レビー小体病の方
ともに顔みたいなものがみえてきます。

右の画像では
健常者は特に何も感じません。
しかし
幻視のある方では
顔らしきものが見えてきます。

この画像に顔が見えたからと言って
即、レビー小体型認知症とは
いえません。

さらに
MIBG
心筋シンチグラフィーや
DAT PECT検査などを
併用することで
より
診断を正確に行うことができます。