2022年07月22日
農業から食の安全とは?
こんにちは、ベジママキッチン です!
今日は、野菜の栄養や美味しさの話と、農業からみた食の安全も踏まえながら書いていきたいと思います
ただの八百屋が、何でここまで農業に踏み込んで話をするのか疑問を感じる方もいると思います。
野菜を売りたいだけなら「美味しい野菜」に焦点を絞って話せばいいだけですが、情報化した社会の中であまりにも食に関する誤認や、野菜に関する知識の相違が起こっていて、野菜を売ってるだけでは本当の意味での日本農業の存続や、消費者である私たちの健康に繋がらないと思ったからです。
ベジママキッチン に関わってくださった方には、せめて広い視野で食の選択をしていけるようになって欲しい。
私は八百屋ですが、親族は農家だし、育った環境的にも酪農、畜産、農業に関わる人をいっぱい知っている、北海道食材の流通に関わる人間もおり、全国に友人知人もいて現地の情報も聞ける、農業の世界システムや農機に精通して最新の技術を勉強してる人間も身近にいる、そして主婦であり、母であるわけです。
ただの野菜販売であれば、ここまで発信はできなかったかもしれない。
八百屋の始めたきっかけとしては、美味しい野菜を全国に広めたいということの他に、農業への理解、農産物への誤認を正していかなければ、食の安全はどんどん違う方法に向かっていってしまうと思ったからです。
農家さんや八百屋さんでも農薬や化学肥料のことはふわっとスルーする方もいるし、あえて踏み込んでいく八百屋は特殊かもしれません。
でも、私も子供がいる身なので、子供に胸を張って「お母さんは真剣に野菜を売っている!」と伝えるためには、いかにプロフェッショナルに仕事と向き合えるかを考えた時、そこは避けて通れるものじゃなかった訳です。
じゃあ、きちんと調べましょうと思って情報を得て勉強すればするほど、現場の声と事実と消費者さん側の認識の相違が浮き彫りになったので、このままじゃダメでしょ、と思って発信してます。
事実が書いてる農業誌や研究論文、分析結果などは専門用語が多く、一般消費者が簡単に理解できる内容ではないので、そこを噛み砕いて伝える役割がまず必要なので噛み砕いてます(笑)
そして現場の農家さんの声を聞きながら、主婦として母として消費者としての感想も織り交ぜながら書いております。
さて、本題に入りましょう。
野菜の栄養と一括りに言っても、どの時点での栄養のこと?と思う訳です。
採れたて野菜なのか、スーパーの野菜なのか、有機野菜なのか、調理した後の野菜の話なのか?
これは着眼する角度で結果が違いますよね。
私が野菜の栄養について語るときは調理前の買ったばかりの野菜の栄養をベースに話します。
つまり含有量です。
一方、学校給食などの栄養を語る時には摂取量が基準となる訳です。
このように「栄養」と言ってもどこの時点の栄養を指すのかによって目標とする値が変わってくるのです。
なので、栄養学を学んだ自分としては野菜の栄養について話す時には「この野菜にはこの栄養が多いと言われているよ。」というベースで話しますが、実際にその栄養を摂取できるかどうかは個人の体の状態により違う訳です。
ダイエットも同じですよね。自分に合ったダイエットが見つかれば痩せられるし、合わないダイエットはいくらやっても結果が出ない。
野菜も同じで、自分に何が足りなくて何が足りてるかは科学的に検査する以外にはわからない訳です。
だからこそ「バランスの良い食事」が必要なのです。
基本となる五大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラル)をバランスよく摂りましょう、人によって微妙な差はあるけど基本的にバランスの良い食事を続けることで体は作られていきますよ、という指標を掲げている訳です。
(厳密に言えば運動をしたり、ストレスのない生活など目標はいろいろありますが)
ビタミンやミネラルだけ摂っていればいい訳ではなし、野菜だけ食べれば言い訳でもない、お米やお肉、魚など人間にとって必要な栄養素が複雑なバランスであるからです。
よく言われる、コンビニ弁当や添加物を使ったお菓子、カップ麺などは良くない代表にされがちですが、コンビニや添加物が悪いのではなく、「そればかり食べること」が問題なわけです。
そりゃ栄養バランス摂れてないもん、体壊すよねって。
こういった発信をしていると世の中の「悪」とされている情報に振り回されて疲れてしまったお母さんから問い合わせが1週間に1回くらいあります。
ある一人のお母さんとの話です。(掲載の許可は頂いてます)
その方はSNSではいわゆるインフルエンサーと呼ばれる立場の方で3万人近いフォロワーさんがいて「オーガニック食品の良さ」を広めている方でした。
どうやってこのブログに行き着いたかは分かりませんが、私のブログを読んでオーガニックの考え方が違って戸惑っているというご連絡でした。
大前提として私は農業の観点から見る話をいつもしてるので、どの農業が素晴らしいということでなく、どれも必要で大事なのはバランスと理解だ、ということをいつも念頭に置いてます。
オーガニックについて発信してる方なので、当然、有機野菜をおすすめしてらっしゃった訳ですが、有機野菜は無農薬だと思い込んでいて必要に迫られた場合には農薬を使用していいものだとは知らなかった、とのこと。
一応補足しておくと、有機農業を無農薬で頑張って栽培されている方もいます。ただ、規則上、一部農薬の使用は認められているので使ってるかどうかは農家さんに聞かないとわからないものです。
その方とお話ししたのは、環境に良い、お洒落、耳障りが良い、安全そう、イメージだけで語られる「オーガニック」と農業の「オーガニック」は違いますよという話をしました。
もっと言えば「オーガニック」=「有機」という考え方は合ってますが、有機農業は農業の頂点ではなく、慣行農業、特別農業と並ぶ一つの農法であるだけという説明もしました。
現実に実現できてる有機農業は確かに素晴らしく、生産者さんの努力の賜物です。
それと同時にオーガニック野菜(が)素晴らしいのでなく、オーガニック野菜(も)安全で美味しいが基準な訳です。
「農薬がたっぷり」という言葉をしきりに使っていらっしゃったので、農薬を使い育てた野菜はトーストにたっぷり塗るバターのようにジュワッと染み込んでいると思っていらっしゃいます?という私の問いに最終的には笑っていましたが、もしこれが一般に「農薬を使った野菜は危険」と思い込んでる方達も同じようなイメージで認識してるなら、これは大事件です。
無農薬野菜についても質問を受け、それぞれ長所と短所を説明し納得されていました。
オーガニック食品についてももう一度勉強するとおっしゃってました。
補足しますが、農薬を使用した野菜の残留農薬値は分析に使用する精密な機械で何とか測れるか測れないか、測定不能かのレベルです。
(しかも洗わないで皮付きのまま測定してます)
測定不能であれば無農薬野菜も有機野菜も農薬を使用し育てた野菜も全部同じ水準な訳です。
科学的証明されている以上、それ以上のデータがない限りそこまでが現時点での事実なわけです。
なぜ、このような話をするのかというと、食や健康に興味津々な私たち子育て世代は昭和の時代に比べて情報はまずインターネットで得るというのが染み付いてます。
便利になった一方で、今度はネット上に現れる虚偽やそれに近い情報を精査し判断しなければいけなくなりました。
これが個人でできる方は問題ないと思いますが、子供の食に悩んでいる多くのご両親が検索して最初に出てきた情報、もしくは発信されてる内容が多い情報を信じているように思います。
その情報は誰が何の目的で誰のために発信している情報なのか、視野を広くし判断しなければいけない時代に突入しているのです。
「食べることは生きること」だった戦後の時代から「食べることは選ぶこと」に変わった令和の時代。
科学の進歩を否定していては、モノの本質が見えなくなります。
色んな研究が進んだからこそ、私たちの知識もアップデートして受け入れていかなければいけないと思います。
日本の食は豊かになり、選択肢が増えたのに、自ら選択肢を狭める行動に意味はあるのか今一度見直す時にきていると思います。
今日もまた「野菜の美味しさ」まで話がいかなかった・・・すみません(笑)
次回は必ず。
_____________
北海道野菜Vegemama Kitchen
オンラインショップ
https://vegemamakitchen.stores.jp
つくる人とたべる人を繋ぐ。
大切な伝統を守りつつ
新しいことへもチャレンジする。
ベジママキッチンは挑戦し続けます。
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今日は、野菜の栄養や美味しさの話と、農業からみた食の安全も踏まえながら書いていきたいと思います
ただの八百屋が、何でここまで農業に踏み込んで話をするのか疑問を感じる方もいると思います。
野菜を売りたいだけなら「美味しい野菜」に焦点を絞って話せばいいだけですが、情報化した社会の中であまりにも食に関する誤認や、野菜に関する知識の相違が起こっていて、野菜を売ってるだけでは本当の意味での日本農業の存続や、消費者である私たちの健康に繋がらないと思ったからです。
ベジママキッチン に関わってくださった方には、せめて広い視野で食の選択をしていけるようになって欲しい。
私は八百屋ですが、親族は農家だし、育った環境的にも酪農、畜産、農業に関わる人をいっぱい知っている、北海道食材の流通に関わる人間もおり、全国に友人知人もいて現地の情報も聞ける、農業の世界システムや農機に精通して最新の技術を勉強してる人間も身近にいる、そして主婦であり、母であるわけです。
ただの野菜販売であれば、ここまで発信はできなかったかもしれない。
八百屋の始めたきっかけとしては、美味しい野菜を全国に広めたいということの他に、農業への理解、農産物への誤認を正していかなければ、食の安全はどんどん違う方法に向かっていってしまうと思ったからです。
農家さんや八百屋さんでも農薬や化学肥料のことはふわっとスルーする方もいるし、あえて踏み込んでいく八百屋は特殊かもしれません。
でも、私も子供がいる身なので、子供に胸を張って「お母さんは真剣に野菜を売っている!」と伝えるためには、いかにプロフェッショナルに仕事と向き合えるかを考えた時、そこは避けて通れるものじゃなかった訳です。
じゃあ、きちんと調べましょうと思って情報を得て勉強すればするほど、現場の声と事実と消費者さん側の認識の相違が浮き彫りになったので、このままじゃダメでしょ、と思って発信してます。
事実が書いてる農業誌や研究論文、分析結果などは専門用語が多く、一般消費者が簡単に理解できる内容ではないので、そこを噛み砕いて伝える役割がまず必要なので噛み砕いてます(笑)
そして現場の農家さんの声を聞きながら、主婦として母として消費者としての感想も織り交ぜながら書いております。
さて、本題に入りましょう。
野菜の栄養と一括りに言っても、どの時点での栄養のこと?と思う訳です。
採れたて野菜なのか、スーパーの野菜なのか、有機野菜なのか、調理した後の野菜の話なのか?
これは着眼する角度で結果が違いますよね。
私が野菜の栄養について語るときは調理前の買ったばかりの野菜の栄養をベースに話します。
つまり含有量です。
一方、学校給食などの栄養を語る時には摂取量が基準となる訳です。
このように「栄養」と言ってもどこの時点の栄養を指すのかによって目標とする値が変わってくるのです。
なので、栄養学を学んだ自分としては野菜の栄養について話す時には「この野菜にはこの栄養が多いと言われているよ。」というベースで話しますが、実際にその栄養を摂取できるかどうかは個人の体の状態により違う訳です。
ダイエットも同じですよね。自分に合ったダイエットが見つかれば痩せられるし、合わないダイエットはいくらやっても結果が出ない。
野菜も同じで、自分に何が足りなくて何が足りてるかは科学的に検査する以外にはわからない訳です。
だからこそ「バランスの良い食事」が必要なのです。
基本となる五大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラル)をバランスよく摂りましょう、人によって微妙な差はあるけど基本的にバランスの良い食事を続けることで体は作られていきますよ、という指標を掲げている訳です。
(厳密に言えば運動をしたり、ストレスのない生活など目標はいろいろありますが)
ビタミンやミネラルだけ摂っていればいい訳ではなし、野菜だけ食べれば言い訳でもない、お米やお肉、魚など人間にとって必要な栄養素が複雑なバランスであるからです。
よく言われる、コンビニ弁当や添加物を使ったお菓子、カップ麺などは良くない代表にされがちですが、コンビニや添加物が悪いのではなく、「そればかり食べること」が問題なわけです。
そりゃ栄養バランス摂れてないもん、体壊すよねって。
こういった発信をしていると世の中の「悪」とされている情報に振り回されて疲れてしまったお母さんから問い合わせが1週間に1回くらいあります。
ある一人のお母さんとの話です。(掲載の許可は頂いてます)
その方はSNSではいわゆるインフルエンサーと呼ばれる立場の方で3万人近いフォロワーさんがいて「オーガニック食品の良さ」を広めている方でした。
どうやってこのブログに行き着いたかは分かりませんが、私のブログを読んでオーガニックの考え方が違って戸惑っているというご連絡でした。
大前提として私は農業の観点から見る話をいつもしてるので、どの農業が素晴らしいということでなく、どれも必要で大事なのはバランスと理解だ、ということをいつも念頭に置いてます。
オーガニックについて発信してる方なので、当然、有機野菜をおすすめしてらっしゃった訳ですが、有機野菜は無農薬だと思い込んでいて必要に迫られた場合には農薬を使用していいものだとは知らなかった、とのこと。
一応補足しておくと、有機農業を無農薬で頑張って栽培されている方もいます。ただ、規則上、一部農薬の使用は認められているので使ってるかどうかは農家さんに聞かないとわからないものです。
その方とお話ししたのは、環境に良い、お洒落、耳障りが良い、安全そう、イメージだけで語られる「オーガニック」と農業の「オーガニック」は違いますよという話をしました。
もっと言えば「オーガニック」=「有機」という考え方は合ってますが、有機農業は農業の頂点ではなく、慣行農業、特別農業と並ぶ一つの農法であるだけという説明もしました。
現実に実現できてる有機農業は確かに素晴らしく、生産者さんの努力の賜物です。
それと同時にオーガニック野菜(が)素晴らしいのでなく、オーガニック野菜(も)安全で美味しいが基準な訳です。
「農薬がたっぷり」という言葉をしきりに使っていらっしゃったので、農薬を使い育てた野菜はトーストにたっぷり塗るバターのようにジュワッと染み込んでいると思っていらっしゃいます?という私の問いに最終的には笑っていましたが、もしこれが一般に「農薬を使った野菜は危険」と思い込んでる方達も同じようなイメージで認識してるなら、これは大事件です。
無農薬野菜についても質問を受け、それぞれ長所と短所を説明し納得されていました。
オーガニック食品についてももう一度勉強するとおっしゃってました。
補足しますが、農薬を使用した野菜の残留農薬値は分析に使用する精密な機械で何とか測れるか測れないか、測定不能かのレベルです。
(しかも洗わないで皮付きのまま測定してます)
測定不能であれば無農薬野菜も有機野菜も農薬を使用し育てた野菜も全部同じ水準な訳です。
科学的証明されている以上、それ以上のデータがない限りそこまでが現時点での事実なわけです。
なぜ、このような話をするのかというと、食や健康に興味津々な私たち子育て世代は昭和の時代に比べて情報はまずインターネットで得るというのが染み付いてます。
便利になった一方で、今度はネット上に現れる虚偽やそれに近い情報を精査し判断しなければいけなくなりました。
これが個人でできる方は問題ないと思いますが、子供の食に悩んでいる多くのご両親が検索して最初に出てきた情報、もしくは発信されてる内容が多い情報を信じているように思います。
その情報は誰が何の目的で誰のために発信している情報なのか、視野を広くし判断しなければいけない時代に突入しているのです。
「食べることは生きること」だった戦後の時代から「食べることは選ぶこと」に変わった令和の時代。
科学の進歩を否定していては、モノの本質が見えなくなります。
色んな研究が進んだからこそ、私たちの知識もアップデートして受け入れていかなければいけないと思います。
日本の食は豊かになり、選択肢が増えたのに、自ら選択肢を狭める行動に意味はあるのか今一度見直す時にきていると思います。
今日もまた「野菜の美味しさ」まで話がいかなかった・・・すみません(笑)
次回は必ず。
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北海道野菜Vegemama Kitchen
オンラインショップ
https://vegemamakitchen.stores.jp
つくる人とたべる人を繋ぐ。
大切な伝統を守りつつ
新しいことへもチャレンジする。
ベジママキッチンは挑戦し続けます。
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