2022年07月27日
農産物の表示について
こんにちは、ベジママキッチン です!
今日は「野菜の表示がよく分からない」と言ったメッセージを頂いてたのでその内容で書いてみようと思います
まず、野菜の表示については細々話すとても複雑で難しいので、消費者さんが判断する際にポイントとなる考え方だけまとめてみようと思います。
まず、農産物は3つの栽培法に分けられるという話は何度もしてますが、そのうち有機栽培と特別栽培は野菜を販売する際に「特定の表示」をつけることが可能です。
例えば、有機栽培であれば認証を受けた農場や法人は「JASマーク」をつけて販売します。
→逆に認証を受けてない場合に「オーガニック」や「有機野菜」「有機栽培」として紹介・販売することは罰則にあたり禁止されています。
特別栽培であれば以下の表示となります。
化学農薬を使わなかった場合︎「栽培期間中:化学農薬不使用」
化学肥料を使わなかった場合︎「栽培期間中:化学肥料不使用」
節減対象農薬を減らした場合︎「栽培期間中:節減対象農薬○割減」
節減対象農薬を使わなかった場合︎「栽培期間中:節減対象農薬不使用」
※節減対象農薬とは?・・・JASが認定してる農薬以外の農薬のこと。
など、若干表記が異なるパターンもありますが、このような形で表示することとなっています。
→「無農薬野菜」「無化学肥料栽培」「減農薬野菜」「低農薬栽培」「安心安全自然農法」「有機農業に限りなく近い」などと言った表記は原則禁止されていて消費者が優良誤認しないためのルールとなっています。
※優良誤認とは?・・・商品・サービスの品質を実際よりも優れているように偽ること。(消費者庁HPより)
何も表示がない野菜はいわゆる慣行栽培の野菜となりますが、現実的には農薬を減らしたり使わずに栽培されている生産者さんも特に表示をせず出荷している場合もあります。
→表示に関わるコストや調査の手間削減など。
とは、書いたものの実際よく分からなくないですか?
え、だって無農薬野菜とか記載されてネットにバンバン広告出てるよね?
究極の栽培法とか、JASマークなくても有機栽培って言ってる農家さんいるよね?
無農薬無化学肥料ってめちゃめちゃよく見るよね?
って、私も思いました(笑)
ここをちゃんと消費者さんが分かるように国も農家さんももっと発信していかないと、どの栽培法が一番いいとかそういう論点になってしまいますよね。
でもね、ガイドライン上はこう言った販売形態は実はダメなんです。。。
一応聞いたんですが、よくSNSのプロフィールページに無農薬とか自然農法とかそうゆうのを載せるのは問題ないそうです!
これは、買う前にメッセージのやりとりができるからきちんと説明できるという前提のため。
シンプルに考えるなら買う側としては、JASマークがついてたら有機栽培なんだな、農薬や肥料についての表示があれば特別栽培なんだな、何の表示もなければ慣行栽培なのかな、くらいの認識でいいと思います。
まあ、このくらいわかっていれば大丈夫という方はここまでで終わりにしていただいて。
もっともっと内容を知りたいよって方はここからも読んでください。
________________________
まず、農産物に関わるガイドラインは30年前くらいから、きちんと制定されています。
有機や特別栽培についても何度か改正はあったものの15年前のガイドラインが最終更新となっています。
つまり15年前くらいから、消費者が優良誤認しないように表示や説明をきちんとしていこう!!と、ガイドラインが確定してるにも関わらず、一部の消費者さんは未だに誤認してしまってたり、農家さんでさえ理解せず今日も無農薬野菜ですよーと販売してしまってる現状があります。
これってお互いにとって結構困ることじゃない?と個人的に思うので、八百屋として日々色んな角度から情報発信しています。
ガイドラインとは、農産物販売に関わる全ての人が販売する側の責任として消費者に誤解のないように守っていきましょうというもの。
法律ではないので守らなかったからと言って罰則はないですが、モラルやマナーの観点から言ってきちんとルールを遵守してる生産者がいる以上、みんなで守ることに意味があります。
生産者としては、栽培法に付加価値をつけて販売したい気持ちはすごく分かります。だって苦労して栽培してる野菜ですもん。うちの野菜はここがすごいよー!って声を大にしてお勧めしたいですよね。
消費者さんとしても馴染みのあるワードだし、安全そう!安心だわ!って思ってしまいますよね。
とても良く分かりますが、そういった行動をこの15年間変えなかった為に現在も消費者さんの優良誤認が続いており、私たちの食生活にも大きく関わってきているわけです。
___________________
ここまで読んでどの辺が優良誤認なの?と思う方もいるかもしれません。
具体例でいくと「無農薬野菜です!」と販売してたら皆さんはどう思って買いますか?
多くの方は農薬を使ってないから安心、その野菜自体に農薬はついてない。と考えるのではないでしょうか。
ただ、実際には前の月に同じ畑で違う野菜を作っていてその時は農薬を使用したかもしれない。(土壌残留があったかもしれない)
お隣さんの畑で散布した農薬がかかってるかもしれない。
オリジナルの調合液を農薬として使ってるかもしれない。
怖がらせたいわけではなく、農家さんも嘘をついてるのでなく、作り手と買い手の認識の相違が起きてしまいがち、これが優良誤認です。
(肥料にしろ資材にしろ、誰も確認が取れないので考え方は全部同じ)
誰も悪くないんだけど、調べる第三者がいないから確証はないよ、ということになるのでガイドライン上は安全を過大評価するような販売はしてはいけないというルールになるわけです。
(もっとも、生産者さんを信じて購入することも大切ですし、実際に無農薬で栽培してるのは事実だと思います)
なので、毎度か言ってますが、どの栽培法が1番いいという話でもなければ、栽培法と栄養はあまり関係がないという分析結果も以前より出てるので、どの野菜が栄養価に優れているということでもないのです。
前回のブログでお話ししたように安全は科学でしか測れないけど、あとは自分がどんな背景で育った野菜なら安心して食べられるのかという気持ちの部分になるので、それはそれぞれ違いますから誤認さえしなければ、どの野菜を選んだって問題はないです。
生産者さんは、それぞれの理念で間違いなく、消費者さんに安心を届けたいと思って野菜や果物、お米を作ってるので安心して食べていただきたい。
ただ、農業って本来は都道府県ごと、地域ごと、農家さんごとに多様性があって、色んなやり方があっていいものなんです。
それを誤解がないようにと、どんどんルールばかり制定されていってる事実もあるので農家さん側の気持ちが追いついてないということもあると思います。
ルールはわかっていても、付加価値をつけて販売していかなきゃいけない事情もあるかもしれない。
有機農業なら野菜単価が高いのに出荷量は多くないから全部売れてくれないと困るし、付加価値をつけていきたい気持ちもすごく分かります。
他のこだわり栽培でも生産者さんの思想と購入者さんの希望が合えばそれが付加価値になっていくのかもしれない。
ただ、これって買う側である私たちがきちんとそれぞれにメリット、デメリットがあってどれが優れているとかそういうことではないんだよ。という共通認識さえ持てば、ここまでルールを厳しくする必要はないし、競うように「安全です!無農薬です!有機栽培です!」ってのを全面に出さなくても、美味しかったら売れると思うんです。
そうすれば生産者さんももう少し伸び伸びしたルールで栽培することができるし、私たちにも選択肢が増えていく好循環になると思うのです。
表示のことを知りたい方が多いのは、それだけ栽培法が気になってのメッセージだったと思うのでここまで掘り下げて書いてみました。
一番いいのは、この人が作る野菜なら安心して食べられる、このお店で買う野菜なら安心といった自分が信頼できる生産者さんと出会えることが理想ですよね。
食と安全ってセットにされがちなので、いろいろ考えてしまう気持ちもすごく分かります。
ただ、不安な気持ちで食べるよりも「今日も野菜たっぷり食べた!美味しかった!」という気持ちで食べる方が体にも心の栄養にも良い気がします
お店で野菜を手に取る時やネットで買い物をする際の参考になればなと思います。
読んで頂き、ありがとうございました
※ガイドラインへの説明について
農林水産省 大臣官房 新事業・食品産業部
食品製造課 基準認証室からの回答を元に解説してます。
_______________________
北海道野菜Vegemama Kitchen
オンラインショップ
https://vegemamakitchen.stores.jp
つくる人とたべる人を繋ぐ。
大切な伝統を守りつつ
新しいことへもチャレンジする。
ベジママキッチンは挑戦し続けます。
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今日は「野菜の表示がよく分からない」と言ったメッセージを頂いてたのでその内容で書いてみようと思います
まず、野菜の表示については細々話すとても複雑で難しいので、消費者さんが判断する際にポイントとなる考え方だけまとめてみようと思います。
まず、農産物は3つの栽培法に分けられるという話は何度もしてますが、そのうち有機栽培と特別栽培は野菜を販売する際に「特定の表示」をつけることが可能です。
例えば、有機栽培であれば認証を受けた農場や法人は「JASマーク」をつけて販売します。
→逆に認証を受けてない場合に「オーガニック」や「有機野菜」「有機栽培」として紹介・販売することは罰則にあたり禁止されています。
特別栽培であれば以下の表示となります。
化学農薬を使わなかった場合︎「栽培期間中:化学農薬不使用」
化学肥料を使わなかった場合︎「栽培期間中:化学肥料不使用」
節減対象農薬を減らした場合︎「栽培期間中:節減対象農薬○割減」
節減対象農薬を使わなかった場合︎「栽培期間中:節減対象農薬不使用」
※節減対象農薬とは?・・・JASが認定してる農薬以外の農薬のこと。
など、若干表記が異なるパターンもありますが、このような形で表示することとなっています。
→「無農薬野菜」「無化学肥料栽培」「減農薬野菜」「低農薬栽培」「安心安全自然農法」「有機農業に限りなく近い」などと言った表記は原則禁止されていて消費者が優良誤認しないためのルールとなっています。
※優良誤認とは?・・・商品・サービスの品質を実際よりも優れているように偽ること。(消費者庁HPより)
何も表示がない野菜はいわゆる慣行栽培の野菜となりますが、現実的には農薬を減らしたり使わずに栽培されている生産者さんも特に表示をせず出荷している場合もあります。
→表示に関わるコストや調査の手間削減など。
とは、書いたものの実際よく分からなくないですか?
え、だって無農薬野菜とか記載されてネットにバンバン広告出てるよね?
究極の栽培法とか、JASマークなくても有機栽培って言ってる農家さんいるよね?
無農薬無化学肥料ってめちゃめちゃよく見るよね?
って、私も思いました(笑)
ここをちゃんと消費者さんが分かるように国も農家さんももっと発信していかないと、どの栽培法が一番いいとかそういう論点になってしまいますよね。
でもね、ガイドライン上はこう言った販売形態は実はダメなんです。。。
一応聞いたんですが、よくSNSのプロフィールページに無農薬とか自然農法とかそうゆうのを載せるのは問題ないそうです!
これは、買う前にメッセージのやりとりができるからきちんと説明できるという前提のため。
シンプルに考えるなら買う側としては、JASマークがついてたら有機栽培なんだな、農薬や肥料についての表示があれば特別栽培なんだな、何の表示もなければ慣行栽培なのかな、くらいの認識でいいと思います。
まあ、このくらいわかっていれば大丈夫という方はここまでで終わりにしていただいて。
もっともっと内容を知りたいよって方はここからも読んでください。
________________________
まず、農産物に関わるガイドラインは30年前くらいから、きちんと制定されています。
有機や特別栽培についても何度か改正はあったものの15年前のガイドラインが最終更新となっています。
つまり15年前くらいから、消費者が優良誤認しないように表示や説明をきちんとしていこう!!と、ガイドラインが確定してるにも関わらず、一部の消費者さんは未だに誤認してしまってたり、農家さんでさえ理解せず今日も無農薬野菜ですよーと販売してしまってる現状があります。
これってお互いにとって結構困ることじゃない?と個人的に思うので、八百屋として日々色んな角度から情報発信しています。
ガイドラインとは、農産物販売に関わる全ての人が販売する側の責任として消費者に誤解のないように守っていきましょうというもの。
法律ではないので守らなかったからと言って罰則はないですが、モラルやマナーの観点から言ってきちんとルールを遵守してる生産者がいる以上、みんなで守ることに意味があります。
生産者としては、栽培法に付加価値をつけて販売したい気持ちはすごく分かります。だって苦労して栽培してる野菜ですもん。うちの野菜はここがすごいよー!って声を大にしてお勧めしたいですよね。
消費者さんとしても馴染みのあるワードだし、安全そう!安心だわ!って思ってしまいますよね。
とても良く分かりますが、そういった行動をこの15年間変えなかった為に現在も消費者さんの優良誤認が続いており、私たちの食生活にも大きく関わってきているわけです。
___________________
ここまで読んでどの辺が優良誤認なの?と思う方もいるかもしれません。
具体例でいくと「無農薬野菜です!」と販売してたら皆さんはどう思って買いますか?
多くの方は農薬を使ってないから安心、その野菜自体に農薬はついてない。と考えるのではないでしょうか。
ただ、実際には前の月に同じ畑で違う野菜を作っていてその時は農薬を使用したかもしれない。(土壌残留があったかもしれない)
お隣さんの畑で散布した農薬がかかってるかもしれない。
オリジナルの調合液を農薬として使ってるかもしれない。
怖がらせたいわけではなく、農家さんも嘘をついてるのでなく、作り手と買い手の認識の相違が起きてしまいがち、これが優良誤認です。
(肥料にしろ資材にしろ、誰も確認が取れないので考え方は全部同じ)
誰も悪くないんだけど、調べる第三者がいないから確証はないよ、ということになるのでガイドライン上は安全を過大評価するような販売はしてはいけないというルールになるわけです。
(もっとも、生産者さんを信じて購入することも大切ですし、実際に無農薬で栽培してるのは事実だと思います)
なので、毎度か言ってますが、どの栽培法が1番いいという話でもなければ、栽培法と栄養はあまり関係がないという分析結果も以前より出てるので、どの野菜が栄養価に優れているということでもないのです。
前回のブログでお話ししたように安全は科学でしか測れないけど、あとは自分がどんな背景で育った野菜なら安心して食べられるのかという気持ちの部分になるので、それはそれぞれ違いますから誤認さえしなければ、どの野菜を選んだって問題はないです。
生産者さんは、それぞれの理念で間違いなく、消費者さんに安心を届けたいと思って野菜や果物、お米を作ってるので安心して食べていただきたい。
ただ、農業って本来は都道府県ごと、地域ごと、農家さんごとに多様性があって、色んなやり方があっていいものなんです。
それを誤解がないようにと、どんどんルールばかり制定されていってる事実もあるので農家さん側の気持ちが追いついてないということもあると思います。
ルールはわかっていても、付加価値をつけて販売していかなきゃいけない事情もあるかもしれない。
有機農業なら野菜単価が高いのに出荷量は多くないから全部売れてくれないと困るし、付加価値をつけていきたい気持ちもすごく分かります。
他のこだわり栽培でも生産者さんの思想と購入者さんの希望が合えばそれが付加価値になっていくのかもしれない。
ただ、これって買う側である私たちがきちんとそれぞれにメリット、デメリットがあってどれが優れているとかそういうことではないんだよ。という共通認識さえ持てば、ここまでルールを厳しくする必要はないし、競うように「安全です!無農薬です!有機栽培です!」ってのを全面に出さなくても、美味しかったら売れると思うんです。
そうすれば生産者さんももう少し伸び伸びしたルールで栽培することができるし、私たちにも選択肢が増えていく好循環になると思うのです。
表示のことを知りたい方が多いのは、それだけ栽培法が気になってのメッセージだったと思うのでここまで掘り下げて書いてみました。
一番いいのは、この人が作る野菜なら安心して食べられる、このお店で買う野菜なら安心といった自分が信頼できる生産者さんと出会えることが理想ですよね。
食と安全ってセットにされがちなので、いろいろ考えてしまう気持ちもすごく分かります。
ただ、不安な気持ちで食べるよりも「今日も野菜たっぷり食べた!美味しかった!」という気持ちで食べる方が体にも心の栄養にも良い気がします
お店で野菜を手に取る時やネットで買い物をする際の参考になればなと思います。
読んで頂き、ありがとうございました
※ガイドラインへの説明について
農林水産省 大臣官房 新事業・食品産業部
食品製造課 基準認証室からの回答を元に解説してます。
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北海道野菜Vegemama Kitchen
オンラインショップ
https://vegemamakitchen.stores.jp
つくる人とたべる人を繋ぐ。
大切な伝統を守りつつ
新しいことへもチャレンジする。
ベジママキッチンは挑戦し続けます。
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